2010/04/09 - 2010/04/09
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にゃんこ姫さん
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日本の伝統的建築物の中でも、
屈指の美しさを誇る「歌舞伎座」が、
いよいよ取り壊されることになりました。
どこかの都知事の
「お風呂屋みたいで、面白くない。」
のひとことで、近代的ビルに建て
替えられるとか・・・。
ああ、なんという見識のなさ!
建物の老朽化は否めないので、建て替えは
当然としても、同じ造りでの再建築なら、
後世まで、この伝統美が受け継がれるのに・・・。
まさか、こんなにあっさり取り壊しが
決まってしまうなんて!
まあ、建て替えるにしても、移築するにしても、
膨大な費用がかかるのでしょうから、それに
比べればビルにするほうが、はるかに
安上がりではあるのでしょうが。
取り壊される前に、ぜひとも
写真に収めておきたいと思い立ちました。
せっかく出向くからには、できれば、
「さよなら公演」も、少しだけでも見られたら、と
淡い期待を胸にして、いざ、出陣!?
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄
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-
「東京メトロ」(地下鉄)『東銀座』駅で
下りて、地上に出ると、もうそこは
「歌舞伎座」の正面入り口前です。
朝食抜きで家を出てきたのに、やはり
出遅れて、すでに10時を回っています。 -
「さよなら公演」である「御名残四月
大歌舞伎」のプログラム。
とっても魅力的な演目ばかりです。
チケットはすべて売り切れで、今見られるのは、
「一幕見」という当日券のみ。
それも、10時半から売り出すのに、
3時間前から並んでいるという噂を
聞いたので、とても無理だと諦めては
いたのですが・・・。
「最後尾」という立て札を掲げた
係りの人がすぐ前にいて、見たところ、
それほどの行列にも見えない。
でも、
「最初の演目は、無理でしょう。」
とか。
150人ぶんのチケットに対して、
私は160何人目か、のようです。
非常にビミョ〜な数字。 -
では、第一部の最後の演目『連獅子』なら、
並んでいれば見られるかも・・・。
とのことで、日ごろは、行列が大嫌いな私も、
20分ほどなら、と並ぶことにしました。 -
「一幕見席」専用のチケット売り場。
と同時に、専用入り口でもあります。
この席は4階の、いわゆる昔風でいう
「天井桟敷(てんじょうさじき)」で、
ロビーや1〜3階席へは足を踏み入れる
こともできず、レストランや土産売り場
も使用できません。
信じられないほどの低料金ですから、
一般の観客との格差があるのは、
やむを得ないことですね。 -
「一幕見席」の説明板。
この席は、通向けの席と言われ、
何度も通いつめる歌舞伎好きな人たちに
好まれています。
また、好きな一幕だけを見られるので、
全部の幕を見る時間がないとか、
歌舞伎というものを
一度見てみたいという向きにも
好都合なシステムといえるでしょう。
ですからこの日も、外国人の姿も
多く見かけられました。 -
「歌舞伎座」に隣接する
「歌舞伎茶屋」。
お弁当を売っています。
店員さん(写真左側)、
「本日は、劇場内のレストランは、
すべて満席となっております。
第一部の終了時間は、午後2時25分です。
お弁当をご利用の方は、今のうちに
お買い求めください。」
と、熱心に呼びかけていました。
朝ごはん抜きだから、買いたいけれど、
行列に並んでいては、無理です〜! -
当日券発売がはじまって、
ようやく売り場まであと5,6人
というところで、無情にも、
「はい、これで売り切れです。」!
最後が子供連れの5人グループで、
そこで打ち切りとなったわけです。
ええぇ〜っ!!
むしろ全然後ろのほうだったら、まだ
諦めがついたのに・・・。
誰かのセリフじゃないけど、
「めっちゃ、悔しい!」 -
吉右衛門さまの『熊谷陣屋(くまがいじんや)』
見たかったな〜。(涙)
もともと、「運がよければ」と、
ほとんどダメもとで来たのだから、
意外な結果ではないわけですが。
第一部第一幕目のチケットが
売り切れたところで、前の2,3人が
列を離れたので、私は前から4番目
となりました。
第一部の最後は、『連獅子』。
これは、時間にして一時間弱の演目だし、
華やかな舞踊なので、見て楽しめるし、
有名な踊りだから、見る価値がありそう。
それに、ここまで待ったのですから、
これで帰ったのでは、女がすたる??
(なんのこっちゃ!?)
といっても、次のチケット販売は、
午後1時10分ごろとか。
あと、さらに2時間以上待ち!?
はあぁ・・・。 -
幸いにして、列の最先端に近い
私たちの所には、赤い毛氈の
敷かれたベンチがあるので、
座って待つことはできます。
時間はたっぷりだし、空腹でも
あるし、ということで、列の前後の方に
ことわって、先ほど呼び込みを
していた「歌舞伎茶屋」に、
お弁当を仕入れに行きました。 -
「売り切れてないかしら?」
と案ずることもなく、お弁当GET♪
歌舞伎見物といえば、「幕の内弁当」
が相場ですが・・・。 -
私は、こちらのほうが・・・。
「穴子寿司」です。
けっこう質量たっぷりで、
空腹も手伝って、おいしく完食。 -
劇場前には、「さよなら公演」終演
までのカウントダウンが表示されています。
「あと22日」ですか。
寂しいなあ〜。 -
「夜の部」の案内。
これも、いい演目ですね〜。 -
さて、ようやく時間になって、
チケットを手に入れました。
1,200円なり、です。
安い♪
しかも、あらかじめ
「立ち見です。」
と言われていたけど、少し席が
あったようで、私を含めたほんの
数人は、座ることができました。
あ〜、待っててよかった! -
4階の廊下。
一幕見の人たちだけの場所
です。
トイレと、数脚のソファと、飲み物の
自動販売機があります。
ここで、お弁当を食べている人も
います。
解説のイヤフォンの貸し出しも
ありますが(有料)、今回は利用しませんでした。
囃し方の唄や演奏もじっくり聴きたかったし、
この演目なら、解説なしでも大丈夫と
踏んだのですが、おかげで、演し物に
没頭できて、私にとっては大正解でした。 -
指定席ではないので、空いている
席につきます。
私の席は最後尾ですが、中央に近い
ほうでした。
あとは、その後ろでの立ち見ですから、
文句など言える筋合いではありません。 -
「天井桟敷」は初めての体験なので、
キョロキョロしています。
文字通り、天井が間近に迫っていて、
画面左手の3階席は、やはり通の人たちに
人気があるといわれています。
料金は、たしか2,500円くらい? -
正面が、舞台の幕です。
近くに見えますが、はるか下の
ほうです。
この「一幕見席」は歌舞伎座にしか
ないそうで、こんど新しく立て直される
時には、なくなっているのでは、と
懸念されます。
舞台は明るいので、踊りの所作などは
見えますが、細かい部分や役者さんの
表情、隈取りなどを見るには、やはり
オペラグラスは必需品です。 -
『連獅子』は、
「獅子は、我が仔を千尋の谷に
突き落として、這い上がってきた
仔だけを育てる」という
故事に基づいて創られたお話
だそうです。
この日の出演は:
狂言師後に親獅子の精=勘三郎
狂言師後に仔獅子の精=勘太郎
同 =七之助
僧蓮念 =橋之助
僧偏念 =扇雀
という豪華な顔ぶれです。 -
『連獅子』といえば、私は浅学にして、
あの長い獅子の鬣(たてがみ)の被り物を
振り回す(「毛振り」というそうです)
場面しか頭になかったのですが、それは
最後の10分ほどで披露されるもので、
そこに至るまでのストーリーも舞踊も、
伴奏の長唄も和楽器の演奏もすべて、
ともかく時を忘れるほど、見応えのある
舞台でした。
また、「大向こうから声がかかる。」
という場面も間近で見て、すごく
感心というか、感動というか・・・。
2〜3人の常連らしい観客(たぶん
中年くらいの男性)が、絶妙のタイミングで、
「中村屋っ!」とか、
「成駒屋(なりこまや)!」と、
掛け声をかけるのです。
うわ〜、臨場感! (笑)
本当に、一場の美しい夢を見たように
素晴らしいひと時でした。
長時間待っても、見た甲斐がありました。
※上演中は、撮影も録音も、もちろん
禁止です。
この2枚の写真は、山田洋次監督の
製作した映画からお借りしました。
出演者も装束も今回と同じで、
舞台の感じも、そっくりです。
(ただし、舞台は「新橋演舞場」
だそうです。) -
4階席から出口への階段。
かなり段の幅が狭くて急です。
エレベーターなどありませんから、
「一幕見席」へは、この階段を
上ります。
(でも、思ったより大変では
なかったような・・・?)
※なお、山田洋次監督の「シネマ歌舞伎・連獅子」に
ついては:
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13823/
で見られます。 -
着いた時は、直接「歌舞伎座」の
前に出てしまったので、建物の
全景は、通りの反対側から撮ります。 -
見れば見るほど、堂々とした
建物です。
朝方より、さらに人波が
増えています。
皆さん、最後のの舞台を見るために
並んだり、記念写真を撮ったりして、
名残りを惜しんでいます。 -
ーおまけー
「歌舞伎座」の、通りをはさんで
向かい側に、岩手県のアンテナ・ショップ
「いわて銀河プラザ」があります。
岩手の観光案内や、名産品(お米、
地酒、野菜や果物、海産物、工芸品、
etc.)が陳列されていて、
買うこともできます。
店内で食べられる「小岩井農場」のソフト・
クリーム(300円)は、まろやかで濃厚な味で、
お奨めです。 -
ーおまけ・2ー
「歌舞伎座」の最寄り駅「東京メトロ」
の『東銀座』駅の壁には、こんな
歌舞伎の揚幕のデザインが。
素晴らしい舞台を堪能した余韻を
心に刻んで、消え行く伝統建築を
惜しみながら、帰途につきました。
−完ー
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この旅行記へのコメント (2)
-
- mogu miyauchi さん 2010/04/16 14:06:51
- 同体験!
- にゃんこ姫さん こんにちは!
4/6に 同じ体験しました。
どうしても見たくて幕見に並び、いったんは自分の前で終わり・・と
言われたのですが、その後ギリギリ3名いれてもらい、
『熊谷陣屋(くまがいじんや)』から見れました。
いよいよ もう数日で終わりですね
でも 新しいスタートも期待しましょう。
mogu miyauchi
- にゃんこ姫さん からの返信 2010/04/16 22:04:13
- RE: 同体験!
- mogu miyauchi さま、今晩は。
ご訪問&コメント、ありがとうございました。
> 4/6に 同じ体験しました。
> どうしても見たくて幕見に並び、いったんは自分の前で終わり・・と
> 言われたのですが、その後ギリギリ3名いれてもらい、
> 『熊谷陣屋(くまがいじんや)』から見れました。
それは、おめでとうございます♪
一幕見ですと、『連獅子』まで
見られるのでしょうか?
初めて、この粋なシステムを利用したので、
勝手がよくわからず、まごついていました。
こんなにいい鑑賞法があるなら、もっと
利用しておけばよかった、などと
悔やんでみたり・・・。
引退する列車のラスト・ランや、閉店セールみたい。(笑)
『熊谷陣屋』、見応えがあったでしょうね。
すごい悲劇ですから、元気をもらうという
印象ではないようですが。
> いよいよ もう数日で終わりですね
> でも 新しいスタートも期待しましょう。
再開は2年後でしたね。
どんな新しい趣向ができるか、
期待したいところですね。
終演前に、もう一度見に行こうかしら? (笑)
いつか、劇場のどこかで、すれ違うことも
あるかもしれませんね。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
にゃんこ姫
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