2009/12/31 - 2009/12/31
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シュンスケさん
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今日は2009年の大みそか。いよいよ登山に出発。ところでこのキナバル山に登るには山小屋の手配をする必要があるのだけれど、これがなかなか面倒だったので、日にちも限られていることだし思い切って日本の旅行会社NCTに全部お願いした。2泊3日で4万円弱。自分で手配すれば半額以下で行ける。
ただ、「大みそかなので大変混みあいます!」「今ならまだ予約間に合います!」の言葉に踊らされて9月に予約しちゃったけど、実際のところ12月31日で山小屋が混んでいるかと思いきや満室ではなく、当日予約なしで登りにきて泊っていた人もいたくらい。
ツアー会社に頼むか迷っている方、時間と日程に余裕があるなら自分で手配、時間と日程が厳しいのならツアー会社がいいと思います。って、こんなこと誰でもわかるか。
■この日の費用
キナバル山1泊2日ツアー:NCT自然と文化の旅/1,100RM
ポーリン温泉宿泊:NCT自然と文化の旅/330RM
代理店手数料:30RM
※旅行代理店:NCT自然と文化の旅
http://www.nctravel.co.jp/Kinabalu/
■持ち物(最低これだけあれば問題ない)
ザック:キナバル公園に預けられるのでサブバックでもいい
雨具:年間通じて必須、ゴアテックスがいい
ヘッドライト:夜中にアタックするので手持ちはダメ
手袋:3,000m超えると風が強いので必須
靴:岩場が多いのでスニーカーはやめたほうが無難
防寒具:頂上で待つのは寒い。インナーダウンがベスト。
・ラバンラタに泊まるなら寝袋はなくていい
・水は山小屋でも買えるけれどなくなることがあるので2リットルほどあるといい
■登山行程:6km/高低差1,400m、荷物たくさんなのでゆっくり
≪初日≫
10:00 キナバル公園ティンポン・ゲート発(1,866m)
15:30 ラバンラタ・ゲストハウス着(3,280m)
≪二日目≫
2:40 ラバンラタ・ゲストハウス発(3,280m)
5:30 Low's Peak登頂(4,096m)
6:30 下山開始
8:10 ラバンラタ・ゲストハウス着
10:00 ラバンラタ・ゲストハウス発
13:00 キナバル公園ティンポン・ゲート着
16:30 ポーリン温泉着
【全日程】
□12/28 ZH9579 南寧 20:20 → 広州 21:20
□12/29 AK6401 マカオ 20:40 → コタキナバル 23:30
□12/30 コタキナバルでダイビング
■12/31 キナバル山登山、ラバンラタ山小屋泊
□1/1 山頂で初日の出を拝んで下山、ポーリン温泉泊
□1/2 ポーリン温泉 → コタキナバル
□1/3 AK6412 コタキナバル 9:25 → シンセン 12:20
MF8359 シンセン 18:40 → 南寧 19:40
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- レンタカー
-
2009年最後の日、朝6時半ぴったりに頼んでいた旅行会社の車が迎えに来た。南国って時間にルーズなイメージがあったけどマレーシアは時間ぴったり。こういうところはもう先進国だなあ。
朝のコタキナバルの街はひっそりとしていて、朝焼けがきれいだった。 -
ツアー会社の車は、僕と広州で合流したSJ、そしてもう二人をコタキナバルの町で拾ってキナバル公園を目指す。
朝早かったので途中から爆睡、気が付いたらキナバル公園に着いていた。だいたい一時間半くらい。 -
4人のうち1人はキナバル公園で一泊するということで、今日一緒登るのは三人。が、ここでトラブル発生!
このキナバル公園本部で公園への入園登録をしてお金を払いガイドをつけるのだけれど、どうやらガイドがいないらしい。大みそかで登山客が多いせいか、それともガイドがみんな家で年越しをしたいのか。
それなら金返せ!と中国人ぽい抗議をしていると、しばらくしてドライバーが普通のおっちゃんを連れてきた。ジーンズに普通のペタペタの靴、彼がガイドか。 -
ガイドの名前はモハイニン。準備がそろった我々は再び車に乗り、登山口まで3kmほど移動する。
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ここキナバル山では登山者数人のグループに必ず一人ガイドがつくことになっている。そして、彼がどこかから連れてこられたガイド、モハイニン。聞いたところ35歳独身。そんな独身男4人のむさくるしいグループで一路ラバンラタゲストハウスを目指す。
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登山口到着。さあ、いよいよ登山開始!
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富士登山競走のようにここキナバル山でも登山競争をやっていて、2008年の記録がゲートの横に掲げられていた。
1位はスペイン人のアマドール、2位と3位は日本人。やるな同胞。それにしても2時間44分ってすごい…しかも21kmってことは往復じゃないか。アマドール化け物だ。 -
ゲートを出発してすぐ左手に滝が見えてきた。流れは小さいのだけど、そばによるとしぶきがかかって気持ちがいい。
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この日登るのは1,800mから3,280mまでのおよそ1,500m。距離にしておよそ6km、ちょうど富士山五合目から山頂までを一気に登ることになる。
スタート地点からしばらくは熱帯雨林のジャングルの中を進んでいく。さすがに国立公園らしく道はきっちり整備されていて歩きやすいのだけど、なぜか階段になっている一段一段が50cmくらいあって、僕の短い足を精一杯持ち上げてようやく届く高さ。これ、きっとイギリス人がつくったんだろうな。 -
登山道には0.8〜1kmおきくらいに避難小屋があって、休むにはちょうどいい。
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キナバル山登山図。
初日に1,866mのティンポンゲートからスタートして3,280mのラバンラタ・ゲストハウスまで道のり6km、高低差1,400mの登り。
二日目の夜中にラバンラタを出発し、4,095mのローズ・ピークまで道のり2.6km、高低差800mの登り。
そしてその後、一気に8.6km、高低差2,200mを駆け下りる。 -
コタキナバルを出る時は快晴だったのに、しばらく進んでいくとすっぽりと霧の中に包まれた。標高は2,000mを超えたけど、まだ植生はかわらず高木が茂る森が続く。
どこかで見たことあるかと思ったら中米グアテマラの熱帯雲霧林そっくりだ。じとーっとした空気の中から鳥のさえずりがどこからともなく聞こえてくるところなんてほんとにそっくり。 -
ひょこっと顔をあげると鮮やかな花びらに目を奪われた。
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道はこちらですよ〜
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登山道にはこうして0.5kmごとに標識が立てられている。わかりやすくていいのだけれど、標識を見るたびにえっ?まだこんだけしか進んでいないの?とげんなりさせられたのもたしか。
ようやく2.5km。思ったよりも段差がきつくてペースがあがらん。 -
ひいひい言いながら3時間ほど歩いていくと、2,700mくらいからようやく高木が少なくなってきた。だんだんと変化していくのではなくて、いきなりジャングルが途切れて喬木しかなくなる感じ。
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地元の人は山小屋に荷物を運ぶため重い荷物を背負いながらスタスタ登っていく。
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ようやく3,000m!!
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3,000mあたりまでくると、喬木は一段と低くなりなんか変な形になってくる。キナバル山も富士山と同じく独立峰なのできっと風が強いんだろう。なんかこの木だけ見ているとアフリカのサバンナに来ているみたいだ。
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「シュン、こっちに来てみなよ」そんなモハイニンの言葉に誘われて喬木をかきわけて見ると、真っ赤なへんなものがあった。食虫植物のウツボカズラ。キナバル山ではいたるところで毒々しい赤色や緑色のウツボカズラが見られた。
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木がしわしわだ。そろそろ森林限界だろう。
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登り始めてから6時間後、かなり足がぴりぴりしてきたころにラバンラタゲストハウスに到着。それなりに来る前に準備をしてきたのだけれど、階段の一歩一歩が大きいのがふくらはぎとももに響いた。モハイニンもうれしいらしく、やたらハイテンションでポーズをとる。
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寝室は8人のドミトリー。暖房がきいている上シーツもパリッとしていて清潔。日本の山小屋と比べると天国だ。
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ラバンラタは想像していたよりもとってもきれいなゲストハウスだった。水が豊富でホットシャワーもある上、掃除も隅々まで行き届いている。
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毎日ふもとから食材を運んでいるので食事もビュッフェ形式で充実。そしておいしい!
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登っている最中はずっと霧の中だったのに、ラバンラタに着いてごはんを食べていたら急に太陽が顔をのぞかした。3,000mで見る青空はやっぱりどこまでも深い青だ。
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たっぷり食べて満足しながらテラスで夕日を眺めていたらアイリッシュのスーザンが「Happy New Year 2010 from Borneo」って書いた紙を持ってきた。
んー、これナイスアイディア!これ持って山頂で新年の初日の出眺めながら写真撮りたい!ってことで日本語版もつくってみた。で、スーザンとその彼氏とで英語、アイリッシュ、日本語版で一足早い記念撮影。こういうのがやっぱり楽しいよね。 -
こんなことをしている間にすっかり日が暮れた。明日の朝は2時起床で、4,096mの頂上まで800mを登る。
そんな元旦に備えて大晦日の夜は8時に就寝。8時に寝る大晦日って幼稚園以来かも。
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