1997/03/27 - 1997/03/27
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北風さん
オーロラは観た。
左足の小指と右耳の凍傷もだいぶ回復した。
キング・サーモンも一生分食った。
南下を開始しなければ!
北米陸路横断の為に選んだ交通手段は、やはりバス!
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-
ロッジのオーナー「トム」のおんぼろワゴンで送ってもらったドライブインにそれはうずくまっていた。
旅行中、目を疑う光景と言うのは度々出会う機会があったのは事実だが・・
現在、俺の目の前に、フェアバンクス〜カナダ(ホワイトホース)を繋ぐ、アラスカ・ダイレクト・バス。ラインの「バン」がある。
何故、1000kmにも及ぶ道のりにバスではなく、バンが登場するのだろう?
ここはベトナムだろうか?
しかも昨夜、野生のトナカイをひき逃げしたとの事で、右のライトはつぶれ、ボンネットはへこみ、窓ガラスにはひびまで入っているバンだ。
これで15時間の行程を走りきれるのか?
詐欺だ!俺は移動費にUS$120もつぎ込んだんだぞ!
今、ドッキリのプラカードを掲げた人間が現れても、俺は笑って許せるだろう。
しかし、現れたのは、一年OPEN天国行き片道チケットを持ってそうなじいちゃんと、3年後の昇天ジャンプを目指して滑走していそうなじいちゃんの2人組みだった。
昇天ジャンパーのじいちゃんと2人で車に乗り込む。
1年OPENのじいちゃんは、よたよたと回り込み、ハンドルが生えている席に当然のごとく座り込んだ。
人は信じられない光景に出会うと、知らないうちに笑っているものらしい。
アラスカ・バスは、ドライバーに年齢制限を与えていないのか? -
俺の微笑みを見て、「よろしくな!ぼーず。」と、一年OPENじいちゃんが手を差し出してきた。
よく見ると、片方の眼鏡が割れている。レンズの破片は、ダッシュボードに今でも散らばっていた。
車の傷、割れた眼鏡、ホームズじゃなくても昨夜、じいちゃんが何をしたのか想像できる。
「凍結したアスファルト」、「15時間運転」、「半壊した車」、「全壊しそうなトナカイ殺しのじいちゃんドライバー」、
どう考えてもこの車は、アラスカ・ダイレクト・バスじゃなくて、天国ダイレクトバスだ。
俺にはまだ早すぎるのでは?
迷いながら、じいちゃんが差し出した手を握り返す。
・・・震えていた。(じいちゃん、アル中なのか?)
後悔の念が、陽炎のごとく立ち昇る。
アラスカの空気は、人の肺を凍らせる。
アラスカのじいちゃんは、俺の心臓を凍らせる。 -
「アメリカ」が、途中で立ち寄ったドライブインに停車していた。
大型バス3台分の長さは、あるんじゃないだろうか?
アメリカのスケールのでかさは、車にもあてはまるらしい。
こんなトレーラーは、日本じゃ絶対お目にかかれない。
しかし、どうやって曲がるんだろう? -
アラスカ・ハイウェイ、南へ、カナダへと続くこの道を、我らのアラスカ・ダイレクト・バンは、不思議な事に快調に飛ばしている。
数々のなだらかな丘を越える。
しかし、広大な針葉樹林の森は果てしなく続いている。
のどかだ。
聞こえるのは少しうるさいエンジン音とドライバーのじいちゃんの咳き込む音だけ。
ん?咳き込む?
「こんなとこで車が壊れたら・・」と考えてはいたが、よもやドライバーのじいちゃんが壊れる事もシュミレーションしなければいけないとは!
ここでヒッチする事は、グリズリーに和食をご馳走する事になる気がする。
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