雨の中の平和の灯。

2010/02/26 - 2010/02/26

残念ながらの雨の中の西行き。

三島・静岡・名古屋・新大阪・・・。
新幹線が西へ向かえば向かうほどに
雨足が強くなってきました。

島へ行くかそれとも。

決めあぐねながらの道中でしたが
実は心はすでに決まっていたようです。



コレガ人間ナノデス

コレガ人間ナノデス
原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ
肉体ガ恐ロシク膨脹シ
男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘル
オオ　ソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ
爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ
「助ケテ下サイ」
ト　カ細イ　静カナ言葉
コレガ　コレガ人間ナノデス
人間ノ顔ナノデス


　　　　　　　　　　　原　民喜　原爆小景より抜粋

エリア 広島市(広島)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: JALグループ 新幹線

曇っているのか晴れているのかどうかもわからない
早朝５時過ぎの熊谷駅。
この春のダイヤ改正で姿を消すという急行能登に乗り込み。

上野駅と東京駅で走りまくり。
（乗り換え時間が上野ー東京間で２５分なものでして

６時３０分発ののぞみ車内において。

ようやくプレモルに辿り着いて一息の図。
天気予報はあいにくの雨。

そんな時は朝っぱらから一杯引っ掛けて寝てしまおう計画。周りの出張サラリーマンの目がちょい気になりますが。おかげでかなり熟睡したまま福山を目指します貝坊主。

福山駅で荷物をどうにか処理してから
高速バスローズライナーで向かうは広島バスセンター。
バスの運転手さんは女性の方で『田中』という名札をつけていらっしゃいました。
私事ですが田中さんという同僚がおるのです。
しかもわたくし。同じく同僚みっちゃんに負けず劣らずの『田中ファン』でありまして。（照
その田中さんがご主人と瀬戸内を旅したいと言っておるのですがその際は是非！！プランニングの相談に乗りたいと勝手に思っています。（誓
あ。以上私信でした。（笑


バスセンターから歩いて５分。

雨の中のあなたに会いました。

冬枯れて雨の中のその姿は
いつも見ていた真夏の雰囲気はありませんでした。

元安川も雨のせいか茶色くにごっていました。

雨の日は匂いも音も。
何もかもが安息日。
今日くらいは安息日。

やぁ貝坊主も安息日ですわ。

ここのところの忙しくストレス満載の日々も忘れてしまうくらいでした。

原爆の子の像も雨に濡れていました。

けっこうな雨量です。

この頃ジーンズの裾も湿りを帯び始めてきています。
雨に濡れることが嫌いでいつもならば
イライラしてしまいますが今日は今日だけは。
自分と広島だけの時間。

傘で受けきれずに肩で受ける雨粒にも
心穏やかに過ごせる今日です。

雨の中の平和の灯はなんだかとても小さく思えましたが。

陽炎揺らす夏の灯のそれよりも
ここに留まる悲しみというものを感じさせてくれました。

資料館に入り雨を避けます。

時折弱くなる雨は優しいなぁと感じながらも
屋根のあるありがたさを思います。


入館料５０円。音声ガイド３００円。
このリーズナブルさがここを知ってくださいという
ヒロシマのメッセージにさえ思えます。

東館から順路にしたがって西館へ続く通路。

その先はこんな写真から始まります。

私の好きな広島がヒロシマを経て広島になっていく。
そんな一部始終が見学できます。

こんな雨の日の平日は外国の観光の方と私くらいな入館者。しっかり勉強するにはいい環境でした。

被爆アオギリの木を仰ぎながら
雨の中を再度歩き始めます。

今日は訪ねておきたかった。



碑銘
　
　　　　　　　　　　　　　原　民喜

遠き日の石に刻み
砂に影おち
崩れ墜つ　天地のまなか
一輪の花の幻