創造と破壊＠フランス大使館

2009/12/19 - 2009/12/19

創造と破壊＠フランス大使館　最初で最後の一般公開　”Ｎｏ　Ｍａｎ’ｓ　Ｌａｎｄ”

新しい大使館の建設は珍しい出来事である。旧い大使館をアートプロジェクトに使用するのはさらに稀有なことだろう。
はたして、２００９年秋、この二つの出来事が起こる。
在日フランス大使館は、ピエール＝ミシェール・デルブッシュとドミニク・シャヴァンヌという二人の建築家と企業連合が作り上げた新しい庁舎に移転した。
空になった旧庁舎は「ノーマンランド」に場所を譲る。ヴィジュアル・アート、デザイン、モード、建築など様々なジャンルから、日本人とフランス人のアーティストが参加する大規模なプロジェクトだ。
１９５０年代に建てられ、アーティストによって最後のメタモルフォーズを遂げる建物を、解体前に、見学する最初で最後の機会が一般の人々に訪れるわけだ。
（パンフレットの巻頭言　フィリップ・フォール在日フランス大使の挨拶から抜粋）

旧庁舎が解体される前に、各国から７０名近くのアーティストが一堂に会する「Ｎｏ　Ｍａｎ’ｓ　Ｌａｎｄ」は、「領域」の概念を探求する。
そのほとんどが現場で制作された作品は、旧庁舎の屋内外の空間を埋め尽くします。

一般公開は、２００９年１１月２６日〜２０１０年１月３１日まで（無料）
開館時間:木曜・日曜は１０時〜１８時、金曜・土曜は１０時〜２２時
（月曜〜水曜は休館なのでご注意を）
この日は、東京芸術大学系プロジェクトによる展覧会(１２月１１日〜２７日)が観れました。
を目にすることができます。

このイベントの情報は、コクリコさんから教えていただき、行ってきました。

作品の説明などは、パンフレット（１００円）を参照しています。

エリア 麻布(東京)

在日フランス大使館（旧庁舎）の裏側

ちょっと道を間違えて裏側に行ってしまいました。
品川から都バスに乗り、天現寺橋で降りて歩いたのですが、ちょっとミステイク。

フランス大使館旧庁舎の外壁の絵が目に飛び込んできます。

”No Man's Land"の入口のアーチ

ニコラ・ビュフ（仏）
黒板や紙、段ボールの彫刻に、チョークやマジックペンでデッサンを描く作品は、古典主義と近代、大衆文化と高尚な文化が、混じり合い一つになる世界に、観客を引き込む。
大使館の旧庁舎と新庁舎を結ぶ大きな門。

フランス大使館旧館のエントランス

つい先日までは、フランス国旗が掲げられていました。

車にまでも芸術的な線が描かれています。
アガット・ドゥ・バイヤンクール作
壁面のネコの絵はムシュー・シャ（仏）作。
館内のいろんなところに黄色のネコが描かれています。

今回、参加しているアーティストのサインでしょうか？

玄関前の広場に並べられたロッカー

これも芸術のようです。

巨大な紙飛行機（？）が突き刺さっていました

フランス大使館旧館　玄関脇の彫刻

これは前からあったものでしょうか？

フランス大使館旧館　玄関脇の彫刻

本館１０８　スピーディ・グラフィート（仏）　

日本庭園（中庭）を横切って旧広報部の部屋に向かうスーパーマリオ

本館　玄関を入った左側の壁に描かれた少女

旗　アサミ（日）

ブラジル、日本、パリで学んだ後、フランスに住んでいる。
今回の作品は、世界の国旗を融合して創った。
フランス国旗がはためいていたポールに掲げられた「All World Flaｇ」は全ての国籍の人々に開かれた土地として演出。

本館１０９　ＳＡＩＮＴ−ＧＯＢＡＩＮ

スポンサー展示

本館１０９　ＳＡＩＮＴ−ＧＯＢＡＩＮ

本館１０９　ＳＡＩＮＴ−ＧＯＢＡＩＮ

本館１１０　エアフランス

スポンサー展示のようです。
エールフランスの社員が、１年がかりで作成したクロスステッチで表現され、壮大な刺繍キルトの作品。

本館　玄関を入り右側のドア

ここにはCafeがあります。

本館１１１（cafe)　伊勢谷友介

俳優と並行して、伊勢谷友介は、デザイン、ヴィジュアル・アート、パフォーマンス、そしてエコロジーに跨る独特のプロジェクトを展開。
今回は、リサイクルされたものを使って「リバース・カフェ」を手掛けた。

本館１１１（cafe)　伊勢谷友介

リサイクルされたものを使った「リバース・カフェ」の椅子

本館１１１（cafe)　伊勢谷友介

リサイクルされたものを使った「リバース・カフェ」の椅子

本館１１１Ｃａｆｅとの間には鉄格子がありました。
これで大使館のセキュリティガードをしていたのでしょうか？

本館１Ｆの廊下

ここにも描かれています。

本館１２３　セビーヌ・ピガール（仏）

穢れのない世界から現れた女性の聖像の写真を撮る。
ウーマンズ・ランドは、無声物語の形式で女性の肖像を中心に据えた、料理とエロティシズムのインスピレーションを受けた７つの「レシピ・映画」で構成されているインスタレーション。

吊るされた薄衣に投影されています。

本館１２３　セビーヌ・ピガール（仏）

本館１０８，１２４
リュスィーユ・レイボズ（仏）＆藤原仁美（日）

リュスィーユ・レイボズは、バンデージ・アーティストの藤原仁美に、中庭の桜の木を赤い紐で縛ることを依頼。
体罰が行われていた時代に遡る「縛り」は、今回、木を対象とする。

本館１２５　坂雅子＆アンドリュー・パラスキー（米）

坂雅子が作ったスポンジ・リングを床にばらまき、
アンドリュー・パラスキーの抽象的な写真とコントラストを成している。

本館２Ｆの廊下

本館２０４　三宅信太郎

フランスと日本の往復に見学者を誘い込むデッサンを制作する。
ツール・ドゥ・フランスでしょうか？
自転車が無数に描かれています。

本館２０４　三宅信太郎

コンセントも上手く使われています。

本館２０４　三宅信太郎

壁に取り付けてあるトリコロールはフランスパンでした。

本館２F廊下　ＢＢ

ＢＢだけで分かるのでしょうか？

本館２１７　保科晶子

物や家具、衣服を覆うために粘土を使い、それらの時を止める。
素材は変形し、変質し、ひび割れてくる。
今回は、大使館敷地内の土を粘土に混ぜ、物が削れていき徐々に消えていく様子を見せる。

本館３０１　リリアン・ブルジャ（仏）

紙をくしゃくしゃに丸めて、即席のバスケットボードに投げて入れて下さい。
以前は事務室だった場所を遊び場に変えています。

本館３０１　リリアン・ブルジャ（仏）

子供たちがバスケットに挑戦していました。
届くかな？

本館３０２　マチュー・マンシュ（仏）

この部屋は土足厳禁、「靴を脱いでお入りください」
とあるのですが、気付かずにそのまま入る人が多いため、係の方が入り口に控えていました。

本館３０９　ジュール・ジョリアン（仏）

２部構成の第１部は、国籍の不在を表現し、二つの国を結ぶエアロック（気密室）では双方の文化カラーが混ざり合う。
日の丸とフランスの三色旗のカードを壁に貼り付けてありました。

本館３０９　ジュール・ジョリアン（仏）

第２部は、新しい文化との遭遇で変容するアイデンティティーを、オーバーラップする複数の顔で表現する。輪郭がぼやけた半透明の頭部は、吹き寄せられた抜け殻のようでもあり、過ぎ去ったアイデンティティーの思い出のようでもある。

本館３１１　松井えり菜

子供時代と大人であることの中間地点、半分は妖精のような、もう半分は胸を締め付けられるような世界を表現。

本館３１２　モニク・フリードマン（仏）

「Rouille」と「Corail」という二つの絵を紹介することによって、色彩が静寂を強制し我々自身と向き合わせる、瞑想の空間を創りだす。

本館３１３　鬼頭健吾

輪、ゴム、鏡などの日常品を使ってインスタレーションを制作し、空間を一変させる。
創作により斬新的に覆われる空間は、充満感と軽快感の相反する感覚を見る者に与える。

本館３Ｆ廊下にあるロッカー

本館３１７　ジェフ・アエロソル（仏）

８０年代初めにストリート・アートのパイオニアとして活躍。

本館３１８　ヒロミックス（日）

２０歳で発表した写真集「Seventeen Girl Days」で荒木経惟に認められたヒロミックスは身近なものの撮影を続けている。

この部屋も「履物をお脱ぎください」。

本館３１９（大使の旧執務室）　オードリー・フォンドゥカヴ（仏）

本館３Ｆの廊下（奥から）

本館３Ｆ廊下の窓から

本館３２４（トイレ）　アガット・ドゥ・バイヤンクール（仏）

画家であるバイヤンクールは、キャンバスや紙もさることながら周りの環境にも画を描く。
彼女が描く線は自由で、限りがなく、私たちの世界観や物事の認識を一変させる。（確かに、一変させられるかも？）
玄関エントランスの車に描かれた線も、彼女の作品です。

本館の階段

本館００３　クリストフ・ヴァレリー（仏）

体と心の生命エネルギーが宿る「気」。
抽象的な素材を原料とする「気ジュース」を創る。
色とりどりの円盤の形をとる。

本館１０７　中島崇　−美しさと醜さ-

見る人に変貌、再生の感覚をよびさますようなインスタレーションを選んだ。
おびただしい紙片で構成され、それは思い出が重なるかのようであり、見る人にとって、作品は徐々に変貌し消滅へと進む。

本館１０７　中島崇　−美しさと醜さ-

中島さんによれば、刻々と変化、成長する木だそうです。

ここからは、別館に展示されている東京芸大の皆さんの作品のようです。

別館２０７　高木久美

別館２０９　AKI INOMATA

やどかりに「やど」をわたしてみる

別館の廊下

別館２０３　大山エンリコイサム

Cross Section/Waterfall

発泡スチロールの板が重ねてありました。

別館の螺旋階段

作品ではありませんが、結構、芸術的ではないでしょうか？

別館３１５　松田唯

Land Wear #2

別館　階段に取り付けられた防犯カメラ

動いていましたが本物か、作品なのか分かりませんでした。

別館　屋上にも作品がありました。

意味不明ですが、なんだか面白いです。

別館　屋上

これも作品？

別館１Ｆ　バイクもカラフルにペイントされていました

別館１０４

１４時からシンポジウム「ポストグラフィティの開拓線」が開かれる会場。

別館入り口に描かれた芸大展の絵が目を引きました。

フランス大使館のエンブレム

フランス大使館新館

天現寺

有名な寺院もビルになっています。

天現寺橋付近で見つけた井戸

この井戸水は飲めません。

井戸がある隣のビルの２Ｆで発見

Wattsというランプとシャンデリアのお店でした。

歯医者さんの看板

ギャラリーの前のシーサーでしょうか？
なんとなく愛嬌があります。

ファミリアのショウウィンドウで見つけたクマちゃん

広尾ガーデンのクマさん

広尾プラザの７人の小人

この後は、広尾から地下鉄で日比谷へ向かいました。

この旅行記へのコメント （8）

• コクリコさん 2009/12/29 21:14:19

  フランス大使館・創造と破壊

  morino296さん、こんばんは。
  
  私はやっと旧フランス大使館の旅行記の(1)ができました。
  morino296さんはその後関西にいらしたのに、私より早く完成して相変わらず速いですね!
  
  表紙のテレビアンテナで出初式しながら犬をひっぱっている人の写真は夕方だったので上手く撮れませんでした(^^;)
  他にもブレてしまった作品などmorino296さんがちゃんと写してくださりUPしてくださったので見させていただきました。
  本当にパンフレットがなければ旅行記UP大変ですよね。
  でも、旅行記を作成しているうちに面白くなってきました!
  
  広尾の広尾ガーデンの歯医者さんの看板やファミリアのクマちゃん、広尾ガーデンの大きなクマ、古井戸やシーサーの写真は私も撮ったので「同じものを写してる!」と愉快でした。
  私はコミュの方へ投稿したんですよ〜♪
  
  なかなか風邪が治りませんが、明日は我が家で忘年会なのでなんとか早く寝て治したいです。
  私もトラックバックよろしくお願いします。
  
  良い年を迎えられますように♪

  morino296さん からの返信 2009/12/29 21:29:10

  RE: フランス大使館・創造と破壊

  コクリコさん
  
  こんばんは！
  風邪が治らず、大変ですね。
  いろいろお疲れが出たのではないでしょうか。
  お大事にしてください。
  
  フランス大使館の作品、パンフレットがないとまったくコメントできませんでした。
  出掛ける前に、コクリコさんからパンフレットのことを教えていただいたおかげで、助かりました。
  
  私は、フランス大使館から広尾へ歩きましたが、コクリコさんと同じ写真を撮っていたとは、面白いですね。
  
  明日は、忘年会ですか、体調がすぐれないのに大変ですね。
  
  私は、今日で仕事納め。
  明日は友人二人と日帰りで、日光東照宮へ行ってきます。
  天気予報では、最高気温が０℃だとか、寒そう！
  
  ではでは、来年も宜しくお願いします。
  良い新年をお迎えください！
  
  morino296
  

• とんちゃん健康一番さん 2009/12/29 08:36:09

  興味津々！

  morino296さんへ♪
  
  お邪魔します！
  来年の1月まで見ることが出来るんですね。
  
  morino296さんの旅行記でかなり興味が沸いてきました。
  機会をつくって足を運んでみようと思います。
  
  

  morino296さん からの返信 2009/12/29 21:04:10

  RE: 興味津々！

  とんちゃん
  
  こんばんは！
  年末のお忙しい中、ご覧いただき有難うございます。
  フランス大使館旧庁舎は、取り壊す直前まで、公開されていますので、
  是非お出掛けください。
  
  泣いても笑っても、あと２日でお正月ですね。
  また、来年も宜しくお願いします。
  お元気で楽しいお正月をお迎えください！
  
  morino296

• naniwa ladyさん 2009/12/28 16:50:02

  来年もよろしく　8(*^o^*)8naniwa

  morino296さん、書き込み有難うございます。
  今年は４月から旅行をせずに過ごしましたので、なんか欲求不満な年になってしまいました。来年７月スイスへ行く予定で楽しみにしていたのですが、友達が７月に横浜へ引っ越すことになりスイスへは行けなくなって、ちょっとショックです。でも４月は別の友達とですが、横浜へ遊びに行きたいと思っています。以前教えていただいた山の手の方へは行くことになるかどうか。。。来年も主人の目を気にしながら、楽しく遊びまわりたいと思います。
  フランス大使館、なかなか粋なことをしますね。芸術はなんかよくわかりませんが、心の解放のような気がします。
  来年もよろしくお願いします。どうぞよいお年を。。。

  morino296さん からの返信 2009/12/29 20:42:49

  RE: 来年もよろしく　8(*^o^*)8naniwa

  naniwa ladyさん
  
  こんばんは。
  今年は、町内会のことでお忙しかったのでしたね。
  お疲れ様でした。
  
  来年のスイス旅行が駄目になって残念ですね。
  お友達が横浜へ引っ越しされるとは、
  横浜に来られることが増えそうですね。
  是非、お楽しみください。
  
  今年一年、なにかとお世話になり有難うございました。
  また、来年も宜しくお願いします。
  
  お互いに、楽しい旅ができると良いですね。
  では、良いお正月をお迎えください。
  
  morino296
  

• romanさん 2009/12/26 20:49:53

  「Ｎｏ　Ｍａｎ’ｓ　Ｌａｎｄ」

  momorino296さん　こんばんは！
  
  フランス大使館、やりますね！
  解体前に、見学出来る機会を、
  それもアートで表現してからだなんて
  素晴らしいです！！
  
  過去に一度、フランス大使館のパーティーに
  お邪魔した事があるのですが
  あんなに広かったんですね！
  
  どの作品も生き生きしていて、
  画像からでも語りかけて来ましたよ〜！
  
  時間が取れたら是非行きたいイベントですね！
  
  今年は、momorino296さんに色々な事を教えて頂き
  心より御礼申し上げます。
  また来年も宜しく御願いします。
  
  それでは、良いお年をお迎え下さいませ〜！
  そして、Bon Voyage!
  
  ろまん

  morino296さん からの返信 2009/12/26 21:30:34

  RE: 「Ｎｏ　Ｍａｎ’ｓ　Ｌａｎｄ」

  romanさん
  
  こんばんは！
  いつも有難うございます。
  
  フランス大使館、行かれたことがありましたか。
  
  > フランス大使館、やりますね！
  > 解体前に、見学出来る機会を、
  > それもアートで表現してからだなんて
  > 素晴らしいです！！
  
  本当ですね、流石って感じですね。
  
  > どの作品も生き生きしていて、
  > 画像からでも語りかけて来ましたよ〜！
  
  芸術作品は、凡人にはなかなか難しいものもありますが、
  大使館の建物を目一杯に使って楽しんでいるようです。
  
  > 時間が取れたら是非行きたいイベントですね！
  
  １月末までやっているようですから、是非、お出掛けください。
  
  > 今年は、momorino296さんに色々な事を教えて頂き
  > 心より御礼申し上げます。
  > また来年も宜しく御願いします。
  
  こちらこそ、いろいろお世話になり、沢山楽しませていただき
  有難うございました。
  
  体調を崩さないように、良い新年をお迎えください！
  
  morino296