2009/11/17 - 2009/11/26
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黒いさくらさん
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ポルトガルと云えば種子島銃とヴァスコダガマ・・これ教科書
ポルトガルと云えばカステラ・・・これ常識
ポルトガルと云えば信長と金平糖・・これ雑学
これだけの知識でポルトガルへ出かけました。
ポルトガルの人は誰を尊敬しているのだろう?という単純な疑問。
お札を見ればよい。どこの国も国民が尊敬する人が札を飾っている。
ポルトガルは?もうお札がない。
2002年ユーロになり、ポルトガルのお札が消えた。
コインにポルトガルの紋章が残るのみ。
ポルトガル最後の紙幣を飾った人たちを調べたら
喜望峰を発見した人、
インドへ出かけたヴァスコダガマ、
貿易風に流されブラジルを発見した人、
そして大航海時代の先駆けのエンリケ航海王。
この写真、エンリケ航海王の没後500年を記念して1960年に建てられた「発見のモニュメント」。
ここに彼らすべて写っています。
早い話が、植民地主義的な海外進出で大活躍した人たちを
今もポルトガルの人たちは尊敬しているということみたい。
沢山の金銀財宝をポルトガルにもたらし、人々にいい生活をもたらしたから、ということだろう。
エンリケ航海王はポルトガルの地位を他国に負けないものとし、
さらに彼に続く船乗り冒険者達を育成したということで一目置かれている。
写真の先頭の人だ。横からは横顔しか見えない。
エンリケ航海王が拠点を構えたラゴスとザグレスへ行きました。
-
ラゴスの町の広場で海に向かって座すエンリケ航海王の銅像
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銅像の視線の先に観光用のカラベル船がある。
大航海時代この船の機動力が探検に適しているとして冒険家たちが好んで使ったという。 -
広場の後方には世界最初の奴隷市場の建物が残る。
今の時代、大きな声で説明するのは気がひけるのか説明パネルが貧弱。
アフリカからここに連れてこられ、ここからブラジルの砂糖農場や工場へ送られたという。砂糖はポルトガルへ莫大な利益をもたらした。
信長の口に入った金平糖にもこうした背景があるのだ。 -
エンリケ航海王が邨を作り情報を集め船乗りを育成したという砦
サグレスの町を通り抜けると砦の入り口に至る。
この中に航海王は邨を作り船乗りたちを呼び寄せ情報を収集したという。
きっと江戸の吉原のような街もあったことだろう。 -
船乗りに風向の測定法を教えるための直径50メートルの仕掛けが1919年に発掘された。
航海士、水先案内人、数学者、旅行家、纂史家、天文学者、巡礼者などが教育にあたったらしいという。 -
ユーラシア大陸最南西端の岬、サン・ヴィセンテ岬は確かに交通の要所だ。
北から来た船はこの岬を回って方位を90度変えて陸地を左に見て進めばジブラルタルへ至る。 地中海にはいるのもアフリカに行くのも必ずこの岬を回る。
波はときとしてこの50メートルの断崖の上まで上がるという。 -
エンリケ航海王以降、大航海時代ポルトガルは香辛料、砂糖などで得た莫大な富はどこに使われた?
今の時代なら社会インフラだろうけれど、当時は精神(?)インフラといえる修道院の建設に使われたようだ。
この写真、リスボンのジェロニモス修道院。
豪華な装飾がびっしり。天球儀、錨、ロープの結び目、鎖、異国の動植物など大航海時代を連想させるモチーフ。
ポルトガルも他国と陸続き。スペインはもちろんフランスなどからの干渉、さらに植民地で競合する国々との摩擦。 国を治めるうえで難題が多かったようだ。
砂糖がカリブにとられた後もブラジルで金鉱が発見されるなどで少しは富を得ることも続いたけれど、
じり貧の道を歩んだそうだ。
不幸な時には不運が重なる。
特に隣国スペインにはいろいろ無理難題を押し付けられ、
そのうえ数百年に一度の大地震にみまわれ
壊滅的打撃を被る。
繁栄を取り戻すことができぬまま社会的混乱が生じ、
そのまま20世紀を迎えた。 -
サンフランシスコの金門橋とそっくり。
金門橋と同じ会社が建設したという。
霧がかかり絶景。
戦前戦後50年間も独裁政治を続けたサラザールが1966年完成させ、サラザール橋と名付けた。独裁政治を終わらせた選挙の日が4月25日だったので今では4月25日橋と呼ばれている。サラザールの私生活は謎が多く、孤独を好み、素性の知れない少女二人と暮らしていたという。その彼は「ハリーポッター」に登場する魔法使いサラザール・スリランのモデルなのだそうだ。 -
ポルトガルの高速道路は立派だ。
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EUからポルトガルは二つの分野で後開発地域に指定され、強い支援を受けているという。
その一つが交通インフラ。独裁政権が倒れ植民地を放棄したため資源取引からの収入は無くなり、エネルギー価格も以前は特別安く購入していたのが国際価格となり国の経済は収縮の一途となり新規投資できない状態。経済発展に不可欠の道路網がEU主導で整備されているのだそうだ。 -
遅れているもうひとつが教育の分野。
1974年まで続いた、サラザール独裁政権は、国民に字を教えると政府に反対ばかりする、という理由で教育に熱心でなかったらしい。1999年時点で3人に1人が字を読めず、欧州の低いレベルだったという。今はこれが10人に1人(識字率90%)に減少したという。世界で最も豊かだった国が今現在識字率が低いとは驚き。
独裁政権はファドを、大航海時代に帰らぬ船乗りを待つ女たちの歌、と位置付けたが、これは国民を大航海時代への郷愁で鼓舞懐柔しようとでっちあげられた文化政策だったという。
NHKドラマ、坂の上の雲で秋山兄弟が、何も無い小さい島国が国家として成り立つには「学問ノススメ」だ、と叫ぶ。
この著者の肖像が日本の紙幣を飾っている。
それぞれの国にはそれぞれの歴史があり、それらが現在に繋がり、将来に続いていく。
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