2009/11 - 2009/11
222位(同エリア238件中)
西部旅情さん
火焔山に抱かれるベゼクリク千仏洞
トルファンから東へ59㎞、アスターナ古墳の北、火焔山の山中にベゼクリク(柏孜克里克)千仏洞がある。天山山脈を源にするムルトウク河の西岸の断崖に南北約400mにわたって83の石窟が開鑿されたものだ。麴氏高昌王国と天山ウイグル王国の仏教徒によって6~14世紀の間に開かれたもので、ベゼクリクとは「美しく飾った場所」という意味のウイグル語である。
ただし、現在保存されている石窟のうち壁画が残っているといえるのは約30窟。しかもその壁画の大半は、14世紀のはじめに偶像崇拝を禁止するイスラム教に改宗したウイグル族によって破壊されたり、近代の各国の探検隊によって持ち去られたりしたことで、無残に破壊されている。塑像は跡形もなく、壁画の仏像の眼はそれにみられると祟りがあるということで抉り取られている。それでもなお残された壁画のうち、特に第37窟の「弥勒菩薩立像」、第39窟の「各国王子拳哀図」などは見事で、往時の千仏洞の絢爛さを窺い知ることができる。
破壊された石窟の無残さをみるのは悲しいが、それでもなおこの地に魅力があるのは、周囲の火焔山とムルトウク河が造り出す風景の美しさにある。
千仏洞の断崖の下には目を瞠る豊な緑が広がり、対岸には真っ赤に輝く火焔山が立ちはだかる。東西100㎞、南北10㎞、最高峰831.7mの襞を持った赤い岩山の連なりは、唐の岑参が「経火山」で歌って「赤焔虜雲を焼き 炎気塞空を蒸す」の詩片のままだし、『西遊記』の「唐三蔵、路を火焔山に阻まれ、孫行者、一たび芭蕉扇を調う」「牛魔王、大いに戦いて華筵に赴き、孫行者、二たび芭蕉扇を調う」「猪八戒、助力して魔王を敗り、孫行者、三たび芭蕉扇を調う」の物語を彷彿とさせる。火焔山一帯はその過酷さで人を拒むが、この千仏洞からの風景は赤い山と河と緑と石窟とが調和して美しく、さながら火焔山の懷に遊ぶ気持ちにさせてくれるのである。
参考:中国観光専門サイト―西部旅情 http://www.westpassion.com
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