2009/11/05 - 2009/11/07
38位(同エリア55件中)
極楽人さん
アンダルシアの白い村々は、多くが人里離れた断崖にあります。
交通は不便、歩けば急勾配の階段や坂道の連続、宿などの旅行者情報も十分とは言えませんでした。
アルコス・デラ・フロンテーラ、ロンダ、カサレス…
何度か近くを通りながらもこれまで訪ねる機会がなかった村々を、
11月上旬から約10日間かけてカメラ片手に歩き周りました。
旅の条件は、たっぷりの時間、階段や坂道に対応する体力、そして自分のペースで歩ける一人旅、でしょうか。
仕事を引退して間がない今こそが、その機会だと思い立ったものです。
年金生活者には「資金」が泣きどころですが、学生時代のような貧乏旅行に徹して、パンを齧りながら安ホテルとユースホステルを渡り歩けば何とかなると思いました。
(実際にはそんな惨めでもなく、時どきご馳走もいただきました。)
観光シーズンが過ぎ去った初冬のこの時期、路線バスの数はさらに減少して不便さは増していますが、宿などは却ってとり易くなって好都合です。
旅はモロッコの青い村へ足を伸ばし、また帰路にはスイスの田舎町へも立ち寄って、全体では2週間あまりの行程となりました。
事前の下調べにもかかわらず、小さな失敗や不運もいくつかありましたが、おおむね計画したとおりに進行できました。
総じてお天気に恵まれ、思わぬ出逢いにも恵まれた、
愉快で幸せな一人旅になりました。
この旅行記では旅の冒頭の「出発からアルコス・デラ・フロンテーラまで」を記しています。
実はこの部分がもっとも“思うようにゆかなかったパート”です。アルコスには少しだけ後悔が残ることになりました。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
-
出発は11月5日(木)、
成田発11時5分発のスイス航空LX161便。
空港至近のホテルで前泊していたので、
ゆっくり朝食をとってシャトルバスでらくらく空港入りしました。
体調は万全、TAX FREE の煙草を買ったら準備も万端です。 -
まずは中継点のチューリッヒまで12時間余りの飛行。
何処でも眠れる体質のくせに、飛行機だけはうまくゆきません。前夜よく寝たからかもしれませんね。
持参した暗〜い小説を読み終え、映画も面白くなく、禁煙よりも退屈に苦しみました。
飛行機も、座席を通勤電車と同じレイアウトにすればすぐ眠れたでしょう。 -
チューリッヒ空港での乗り換えは1時間。
到着したEターミナルから欧州線のBターミナルへ構内メトロで移動して、マドリッド行きの搭乗口へ。
2時間の飛行後、すっかり暗くなったバラハス空港へ到着しました。ちょうど19時でした。
当初はマラガ発着便を希望しましたが便数が少なく、日程を早く確定したかったのでマドリッド往復で妥協しました。
でも、価格は東京⇔札幌よりずっと安かったかも。 -
バラハス空港の到着ロビーを出ると、目の前に200番の市バスが。
運転手に料金1ユーロを払って終点のアベニーダ・デ・アメリカ(バスターミナル)まで。そこからタクシーでアトーチャ駅までは、渋滞で12ユーロかかりました。
使用したユーロは前回の残りの小銭と、日本で300ユーロだけ買っておいたものです。
ホテルは、駅の真正面にあるMediodiaに決めました。 -
HOTEL MEDIODIA はアトーチャ駅から30m、すぐ隣がゲルニカのあるソフィア王妃芸術センターという好立地。
時代モノの堂々たる建物です。
到着時の疲労と行く朝の出発の便利さを考慮して、52ユーロを奮発しました。 -
でも、内装はいただけません。
安いリフォームのせいでしょう、ベニアを張り巡らしたような情けない風情です。
お湯はチョロチョロ。
トイレは水が流れず、これは朝4時にフロントに掛け合って直してもらいました。
もっとも、スペインでお湯がほしいなんて贅沢ですね。 -
宿は、直前まで写真の Hostal Parajas に決めていました。
値段は半分、でもここは駅から500m。
突然の心変わりです。
近くのスーパーへ水を買いにいったついでに建物を見に行きましたが、なかなか良さそうでした。 -
11月上旬のこの時期、朝7時半までは真っ暗、8時を過ぎてようやく陽が昇ります。
近くのスタンドで朝食を済ませた9時過ぎ、いよいよアンダルシアへ出発です。 -
スタートはアトーチャ駅。
道路ひとつ跨いだら到着です。
珍妙な植物園も健在でした。 -
早く現地に行きたい思いから、スペイン自慢の高速鉄道で一気にヘレス(JEREZ DE LA FRONTERA)まで。
10:05発のCadiz行きです。
この列車、国鉄(RENFE)の時刻表には[AVE]ではなく[ALVIA]と表記されていましたが、これはSevillaから先の「通常軌道にも対応する車輌」とのことらしいです。 -
地階(1階)でチケット購入(65.2ユーロ)、すぐ上の階で飛行機と同じ形式の荷物チェックを受けてから出発ロビーに入ります。
この便は、前後の便より10ユーロ以上安く価格設定されていて、これは不便なシエスタ(昼寝)時間に目的地に着くためと聞いたことがあります。
本当のところはよく分かりませんが、ありがたいことです。
普通なら、発車15分前には出るはずの乗車案内がなかなか出ません。
乗客は皆、モニターの前で待ち続けます。案内があったのは、定刻の僅か5分前でした。 -
案の定、10分遅れで発車。
この10分は、最後まで取り戻せませんでした。
街を抜けると懐かしい赤土の平原。
しばし見とれます。
これだけ土地が空いていれば、いかようにも線路が伸ばせそうです。 -
コルドバ駅で3分停車。
何人かの乗客は早速煙草を吸いにホームへ降ります。
もちろん、前のほうでは運転手さんも。
そういえば、2年前はアトーチャ駅の出発ロビーにある喫茶店には喫煙室がありました。
今回はいくら探しても・・・
事態は変化しています! -
お昼過ぎにセビージャ(セビリア)到着。
ここから先は、高速鉄道の線路から通常軌道運行に変わるようです。
一服したら出発、あと1時間とちょっとで目的地です。 -
午後2時前、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ到着。
ヘレス(シェリー)酒の名産地でフラメンコの本場、とガイドブック。
駅構内はアラブ風の美しいタイルで装飾されています。 -
こちらは駅の正面玄関。
欧州の旅行者には人気の観光地らしく、駅前も明るい雰囲気です。
鉄道駅のすぐ左隣がバスターミナルになっています。 -
アルコスまでは路線バス。
想定していた2時発には間に合わず、次のバスを確認しようとしましたが運行会社の窓が閉まっています。他の会社の窓口では話にもなりません。
このあたりに来ると、片言の英語も通じません。相手は構わずスペイン語でまくし立てます。
ちょっと困りましたが、守衛さんの部屋を訪ねたら“主"のようなおじさんが「次は3時だよ」!!!
バスは来ましたが、フロントグラス行き先に「ARCOS」の記載はなく、運転手にしつこく確認して乗り込みました。バスはアルコスより先に行くようです。 -
バス代2.33ユーロ。
田舎道を走り、小さな村をいくつか越えて30分程経ったころ、汚れた右の車窓にアルコスが見えてきました。 -
うねうねとくねる道をバスターミナルへ。
ターミナルのすぐ上に、アンダルシアらしい赤い花が咲き乱れていました。 -
これがバスターミナルの玄関口。
旧市街へは、この道を先まで真っすぐ行って、まず、突き当りを左へ100mほど進みます。 -
同じ駅前通りです。
左に曲がる「突き当り」が、すぐそこに見えています。 -
駅前通りを左折して100mほどゆるい坂を登ります。
振り返った景色がこれです。
坂を上り詰めたところを、左右に少し広い道が走っています。
右に行くと旧市街、左は新市街から隣村へと続いています。 -
広い通りを右へ、さらに坂を登ってゆくと開けた公園にたどり着きます。
ここが旧市街への入口です。
(写真は旧市街側から公園を撮っています。) -
この道はそのまま旧市街のメインストリートとして、勾配を保ったまま町の端まで続いています。
その先は断崖です。
尾根筋の一本道なので、交差する横丁は例外を除いてみな下り坂になっています。
荷物を持ったままだったので、写真右のLaFondaに宿を取りました。
バス駅から15分程度、町の突端までは10分くらいです。
トイレ・シャワー付き、朝食なしで34ユーロ。 -
宿はゼロから探すと面倒なので、一応、日本で下調べして見当をつけてあります。閑散期なので、部屋は必ずあると確信しています。
建物は古い宿場をそのまま生かした味のある造りで、なかなかいい雰囲気です。
オーナーは40歳前後でしょうか。日焼けした顔にひげを蓄え、長い髪を後ろで束ねた痩せ型は、ちょっと昔の柳ジョージ風です。"町興しのNPO"といった感じでテキパキと対応してくれます。 -
部屋の窓からは辿ってきたメインストリートが。
左下から上がってきました。
この道沿いに、ほとんどの商店やホテルが並んでいます。
この時点で4時になっていたので、荷物を置いて町に出ました。
外が明るいのは、夕方5時くらいまでです。 -
ホテルの前にあるのは、15世紀中ごろに建てられた聖ミカエル教会。
白い街並みにあって、歴史的建造物は当時のままの土褐色で残されていて目を引きます。 -
さらに進むと坂道は急勾配になって、振り返るときれいな街並みが広がっています。
-
旧市街の中心に、聖マリア教会。
-
教会の裏手は旧市街の中心、カビルド広場。
広場に面して、塔の反対側に展望台、左手にINFOが入っている古城が、右手にはパラドールが立っています。
展望台はこの町でほとんど唯一の絶景ポイントです。崖にそそり立つ教会とグアダレーテ川、その向こうにアンダルシアの平原が一望できる筈です。
これを見に来た、といっても過言じゃありません。
しかし今はリフォーム中で、鍵がかかっています。
『何ということでしょう!!』
このときは深刻に考えませんでしたが、他の何処を探しても、同じような条件の場所はとうとう見当たりませんでした。 -
古城を生かしたオフィスビル。
このなかにINFOが入り、シエスタの時間を除いて夜7時半まで開いています。
翌日のロンダ行きバスの時刻を調べてもらったら、日本で自分が調べたのと同じ画面を見ていました。
その通りに走るかどうか、が問題なのです。 -
広場からは細くなった道をさらに崖の方向へ。
この辺は迷路のように入り組んでいます。 -
不意にあわられる、中世の城門でしょうか。
道幅は狭く、あちこちの曲がり角でよく車が立ち往生しています。
鎌倉以上です。 -
旧市街の端っこ。
急な坂道が崖の下へ続いていました。
おばあさんはあきらめたようにゆっくりと、子供は元気よく駆け上がってきます。 -
突き当たりに、展望台のような小さな公園がありました。
民家の私有地のようでもあります。 -
ここからは、アンダルシアの緑の大地が…
-
そして赤い大地が望めます。
-
崖の下にも町は続き、古い教会が。
-
左手には湖も見えました。
しかし、どの景色もどこか焦点が拡散していて、まとまりのよい構図の写真になりません。 -
暗くなってきたので一度ホテルに戻る途中の道端に、可愛らしいポストが。
これと同型の赤いポストは、わが町極楽寺駅の前にあります。 -
いつか露地に灯が点りました。
-
これは不気味な・・・
『KKK』か『テンプル騎士団』か???
よく分かりませんが、ここもかつてはレコンキスタの激しい戦いの舞台だったのでしょう。
今は穏やかな観光地ですが。 -
パラドールの角まで戻ってきました。
-
すっかり暗くなって、もう普通の写真は撮れません。
『ライトアップ』というには地味な光の中で、閑散期の観光地が静かに佇んでいます。 -
ホテルのレストランで食事をするつもりでしたが、
夜8時の開店と聞いて別を探しました。
お昼を抜いていたので、とても空腹が持ちません。
近くのBARでビールと固パンのサンドイッチで5ユーロ。安く上がりました。
そのあと、お湯の出が悪いシャワーを浴びて早めに寝ました。それにしても、天井の高い部屋です。 -
翌朝、明るくなる8時を待ってもう一度展望台へ。
やはり立ち入り禁止です。
隣接するパラドールのテラスを狙いましたが、「10時までは泊り客の時間」ということで、15ユーロの朝食を注文してもテラスには出られないといいます。
ロンダ行きのバスは、麓のバスターミナルから10時15分出発。絶景ショットはあきらめるほかないようです。 -
見当をつけて露地を歩き回り、いい角度の景観を探しました。でも、何処ももの足りません。
本当は、一度崖を降りて外から町を眺めればよかったのでしょうが、今回は時間が足りません。 -
それにしてもこの町は、自分の売り方(見せ方)をよく理解していないようです。
絶景ポイントが一箇所だけ、というのはニースの近郊のエズ村(EZE)に似ていますが、あそこは簡単に閉鎖なんてできません。
やっぱり、この時期に来たのが間違いだったんでしょうか。 -
旧市街の入口の公園まで戻って、やはりここが良さそうかなと、撮り収めの数ショットで諦めをつけました。
ロンダ行きのバスは午後3時にもう一本ありますが、そこまで延長したら今度はロンダが中途半端になります。 -
"絶景好き"には少し物足りない訪問でしたが、
アルコスは観光地としてもよく整理されたきれいな町でした。坂道にならんだ白い家並み、日本で言うと『伊香保温泉』かな、なんて。
晴れたり曇ったりだったお天気はこの日を境にすっきりと晴れ渡り、以後数日間はアンダルシアの真っ青な空が広がることになりました。
このあと、次の訪問地ロンダに向かいます。(完)
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アルコス・デ・ラ・フロンテーラ(スペイン) の旅行記
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