2009/11/15 - 2009/11/15
802位(同エリア2018件中)
べるつくさん
今野敏「半夏生」2004年刊。
最近「ハンチョウ」としてTBS系でドラマになっていたのでご存知の方も多いかもしれません。でも私はそちらは残念ながら全く見ていません。あれは神南署が舞台のようでしたが、この原作のシリーズはもともとお台場が舞台です。
この本の中でも触れられているとおり、確かに神南署が舞台になった時期もあるのですが、東京湾臨海署でドラマにしなかったのは単にお台場がフジテレビのおひざもとで、お台場で刑事ものというとどうしても踊る大捜査線とかぶるからでしょうね。でも神南署だとなんかNHKのドラマっぽい気もしますが。
このシリーズの特徴は所轄署の中間管理職としての安積係長の悩みっぷりと、それでいて芯が通っていることから部下だけでなく周囲から人望を集めていて評判を呼んでいるところ、ともいえます。
ところが、本作はいつもと毛色が違って、アラブ系男性が行き倒れたことが、NBCテロの疑いが出てきて話がどんどん大きくなり緊迫の展開となります。
ちなみにこのタイトル、「はんげしょう」と読みますが、本文中でも紹介されているとおり、夏至から数えて11日目のことだそうです。この作品で知った暦ですが、スーパーのチラシでタコだかなにかの特売にこの文字を見つけたときは唖然としました。
例によって舞台の地図
http://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&msa=0&msid=111273679200362025208.000478556237bfa865002&brcurrent=3,0x60188938d96e56c9:0x7d3ccbad8a2801ff,1&z=11
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「中西巡査部長は、巨大な遊興施設とショッピングモールの南側の道をゆっくりと通過した。頭上に世界一巨大だと謳われた観覧車が見える。」
冒頭、雨の中を白バイ隊員が管内のパトロール中に
人が倒れたと呼び止められます。
このように施設の固有名詞はいっさい出していませんが、実在のどの施設を指しているかは明解です。 -
「角を曲がったとき、前方で手を振っている男の姿が見えた。」
ここの交差点を左折して白バイを停めたのでしょう。 -
「ビルの中の通路を抜けると突然、円形の広場に出た。そこからゲームセンターへも、ショッピングモールにも、車の展示場にもいけるようになっている。」
よく子どもがバンジーっぽいブランコでぴょんぴょんやってる場所ですが、そこの写真がないので(車の中からは撮れなかった)とりあえずビーナスフォートの遠景で代用。
そうそう、ビーナスフォートをはじめとするパレットタウンですが、当初は2010年春には更地にする契約で、その跡地を今のパレットタウンの開発主体と同じ森ビルとトヨタが買い上げて複合施設を作ることになって、で最近になってその開業予定を延期する方向で話をしようとしてるそうです。てことはビーナスフォートもしばらくこのままかな。ヴィーナスフォート ショッピングモール
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「かつて、二階にある刑事課の窓からも海が見えた。今ではテレコムセンターのビルやゆりかもめの高架で視界が遮られている。」
安積班が勤務する東京湾臨海署の位置はたぶんシリーズを通してじっくり読めば特定できるのでしょうが、この本だけだとテレコムセンター駅の北東あたりかなーってところです。ということでそこの写真。テレコムセンター駅 駅
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「最近では、東京湾臨海署のすぐそばに温泉施設ができた。江戸情緒のちょっとしたテーマパークだ。寮にすむ署員たちは、非番の日にはたまにその温泉に遊びに行くらしい。」
大江戸温泉物語ですね。踊る2にも出てきてました。
ちなみにこれも10年暫定の施設なんですが、延びるのかな。みなとみらいにも同様に10年限定という施設は多くありますが、この秋に期限切れのはずだったジャックモールは結局契約延長となりました。 -
「放送局の前を通り、その向かいにある遊興施設をのぞいてみようとしたら、若いカップルに露骨に嫌な顔をされた。」
安積班シリーズはよく安積の視点と、関係のない第三者の視点で語られますが、ここではホームレスの男性の視点が随所に出てきます。
それぞれの視点で語られるお台場が都市論的な展開もあって興味深く読めます。
フジテレビの向かいとなるとアクアシティでしょうが、ゲームセンターがあるとなるとジョイポリスのことだろうからデックスかな。フジテレビ本社ビル 名所・史跡
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「一階と二階が駐車場になっている。広い駐車場だ。現場は一階だった。」
ホームレスの男性と若者グループとにいざこざが起き、ホームレスの男性は逃走します。冒頭で白バイ隊員が左折した角を反対側から見たところ。
駐車場で事件があったのは東京レジャーランドです。 -
「そこは公園だった。運河のように切り取られた海が見える。墨のように黒くとろりとして見える。その向こうには大都会の光が雨に霞んでいる。」
ホームレスの男性が逃げ込んだ公園は潮風公園のようです。この夏ガンダムでにぎわった公園ですね。結局見逃した〜潮風公園 公園・植物園
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「巨大なテレビ局とレストランなどが数多く入居しているビルの間の道を歩きはじめた。」
発病したホームレスの男性がゆりかもめの高架下の道を東に向かいます。この写真は東からなので逆方向ですが。 -
「人工の島から島にかかる箸のすぐ手前にいた。のぞみばし。
俺はやはり、のぞみには手が届かなかった。」
これも東から撮ったのぞみばしの写真なので視点的には方向が逆ですが。向こうから来たところで、マルタイBことホームレス男性がNBCテロ対応専門部隊に確保されます。
いつになく緊迫した展開の作品で、部下も隔離された状態ですが、読み終えてみると確かに安積班シリーズという作品でした。 -
パレットタウンの円形広場
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同上
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青海駅前
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東京レジャーランド
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同駐車場
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台場駅から東へ
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スーパー
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同上
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のぞみ橋
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同上
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台場駅
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ホテル横の道
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潮風公園
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同上
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フジテレビ
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この旅行記へのコメント (10)
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- jilllucaさん 2009/11/19 10:37:59
- ちゃくちゃくと・・・
- べるつくさん
おはようございます。
小説シリーズちゃくちゃくとラインナップを増やしていますね〜。
僕は”武士道シリーズ”に力入れすぎた反動か、今はこのシリーズ小休止状態です(笑)
次は夏川草介さんの”神様のカルテ”で、なんて考えてるんですけど長野は遠いし、舞台が分かりにくいし・・・。
最近は、ここしばらくご無沙汰してた内田さんの浅見光彦シリーズを読んでます。夏さんのお薦めで”砂冥宮”読んだのと、南紀白浜空港ロビーのTVで”竹人形殺人事件”を見たのがきっかけで・・・”長野殺人事件”あと”札幌殺人事件”再読中です。
出張用に有川さんの”塩の街”も買ったのですが、出張が延期になったので温存させています。
この旅行記の旅行日15日なんですね、その日は一人旅コミュのオフ会で羽田から横浜界隈いたんですよ、ニアミスってほどではないですが、お近くにおられたんですね〜。
ジルルカ
- べるつくさん からの返信 2009/11/20 08:50:21
- RE: ちゃくちゃくと・・・
- ジルルカさん、こんにちは。
お台場は実は別の作品の舞台歩きで行ったのですが、車からだと思ったように撮れなくて、そっちはまだネタ貯め中なのです。
ジルルカさんの武士道シリーズ、渾身の旅行記って感じでしたからねぇ。消耗されましたか。
内田康夫も西村京太郎も読んだことないですが、トラベルミステリーってこのシリーズの題材にはぴったりかもしれませんね。でもあそこまで作品が多いと何から読んでいいのか・・・
塩の街は単行本ですか。電撃文庫ですか? まだ角川文庫には入ってないですよね。
あれは近未来というかあまりにSFで自分的にはちょっと、でした。有川作品としては、という意味ですけども。
そうそう、「植物図鑑」読みました。あれは場所は全然特定できないですね。でも野草の写真を集めれば記事にはできるのかも・・・
あー、一人旅コミュのオフってこの日だったんですね。
お台場は羽田の後に行ったんですよ。昼くらいには第一ターミナルにいました。だからほんとにニアミスしてたかも。
- jilllucaさん からの返信 2009/11/22 17:45:12
- ”塩の街”
- べるつくさん
こんばんわ〜。
”塩の街”読み始めました。
関空に行くバスの中で読み始めて、空港までに最初の話読んだんですが・・・いまいちですね、ちょとついていけないというか・・・。
この先読み進めるか、ここで捨て置くか・・・迷いどころです(笑)。
「植物図鑑」は面白かったですよね!!確かに旅行記には向いてないけど、べるつくさんおっしゃる通りどこか行ったついでに、野草見つけて旅行記作れそうな気もします。
ジルルカ
- べるつくさん からの返信 2009/11/24 12:25:43
- RE: ”塩の街”
- あー、あの作品はそうですよね。
そう、あまりにSF、と書いたのはそのへんのところです。
それに自衛隊三部作でこれが陸自ってことになってますが、結局空自やん、ってつっこみたくなりましたし。まんなかに見開きで入っている戦闘機のイラストもなんか素人っぽかったし。(あ、このへんはジルルカさんのほうがプロの目で見てらっしゃるかも)
花や草花の写真で満載の旅行記もよく拝見しますから、植物図鑑はその方向でもアリですよね。本自体にもカラー写真で章題以外のものまで入っていましたし。
問題は自分が草花の見分けがさっぱりつかないことです・・・
- jilllucaさん からの返信 2009/11/29 10:52:49
- 結局・・・
- べるつくさん
おはようございます。
韓国に約1週間いて、日本語が恋しかったのですが、結局”塩の街”には食指が全く動かず・・・荷物になるのでそのまま韓国のホテルに置いてきちゃいました。
もったいない気もするんですけど、無理に読むのもしんどいですしね〜。
昨日帰国して、早速畠中恵さんの”ちんぷんかん”を購入、現在、日本語欲を満たし中です(笑)
ジルルカ
- べるつくさん からの返信 2009/11/29 21:46:03
- RE: 結局・・・
- あらら、海外じゃ滞在してる町のブックオフへ、ってなわけにも行かないですしね。サイン本だとそうもいかないでしょうけど。
しゃばけのシリーズ、読んでみたいと思いつつもなかなかタイミングが合わずにいます。
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- たらよろさん 2009/11/18 09:34:56
- 今野敏「半夏生」
- こんにちわ!
今野敏「半夏生」は残念ながら読んでいませんでした。
そっかぁ〜〜お台場が舞台なんですね。
東京の中でも、結構フラフラしている辺りなので、べるつくさんの紹介で
十分に場所や道路を把握することができました。
結構、小説内で具体的に示されているのですね。
ビーナスフォートもしばらくこのままになりそうな予感なんですね〜
アクアシティ前や、カフェなどの雰囲気やそこからの景色はすごく好きな場所なので
残していってほしいなって思ってます。
今度、今野敏「半夏生」
図書館で借りて読んでみようと思ってます。
私も京都編作ってみようかな〜
西村京太郎と山村美沙ばっかりだったりして。。。。(笑)
たらよろ
- べるつくさん からの返信 2009/11/18 23:41:52
- RE: 今野敏「半夏生」
- たらよろさん、こんにちは〜
京都は紅葉全開みたいですね。こっちはそろそろかな。
そうなんです、ヴィーナスフォート、中にアウトレットもできるとかで、来春に閉店てことにはならなさそうです。土地の売買契約自体は予定通り済ませるとかいう話ですが。
京都が舞台といえば誰はともあれ森見登美彦でしょう!! もう、仙台といえば伊坂幸太郎ってのと同じくらい鉄板です。最新の文庫の「新釈走れメロス」には京都市内逃走マップなんてのが巻頭についてるくらいです。
能登の臨界実験場が舞台なのかと思った本も結局京都市内に乱入してましたし。
あ、ジルルカさんがすでに一本作られてますけどね。
ぜひぜひたらよろさん版も作ってみてくださーい。
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- ホーミンさん 2009/11/17 14:10:30
- おもしろ〜い!
- べるつくさま
こんにちは!
私はお恥ずかしながら「半夏生」を読んだことがありません。
コメントのカッコ書きは、小説の文章なのですね?
パラレルでその場所を追ってくださっているのですね?
このやり方って、面白いです!
知らないお話でさえ面白いのに、知ってたらもっと面白いでしょうね〜。
代用写真もあって、べるつくさんのご努力に泣けます〜(ToT)
星の王子様といい(やっと既読)、べるつくさんの旅行記を読むと、続いて本を読むというパターンが定着するかも・・?
- べるつくさん からの返信 2009/11/17 22:26:45
- RE: おもしろ〜い!
- ホーミンさん、こんにちは。
ベストセラーというわけではないので、人気シリーズではありますが、どちらかといえばマイナーな作品ではないかと思います。
だから恥ずかしながら、ってなことは全然ないですよ。
そう、カッコの中は全部引用です。ストレートに施設名が書いてあるのも臨場感がありますが、このように具体的に書いていないならいないで特定するのが楽しかったり。
ホーミンさんだと山岳小説とか読まれたらとっても楽しいかもしれないですね〜。私はそういうジャンルはさっぱりなのですが。
ちなみに私より先にジルルカさんが京都や兵庫を舞台に「小説を歩く」シリーズを作ってらっしゃいますよ〜
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