2009/11 - 2009/11
9位(同エリア15件中)
やまさん
「モンス市スピエンヌの新石器時代の火打石採掘地」というベルギーの世界遺産に行ってきた。
スピエンヌ村の名もない道路沿いにこの採掘場はあり、カーナビでもスピエンヌ村の中心までしか登録できなかった為、村の中心にたどり着いた後はインターネットでダウンロードした地図を頼りに何とか辿り着いた。
このスピエンヌ近辺にはベルギーでも有名な炭鉱があり、その石炭を運ぶ為の鉄道を敷く為の工事中にこの採掘場は発見された。
この採掘場は、4月から11月の第1日曜日に一般公開されている(15人以上の団体参加であればいつでもOK、但し要予約)。一年に約千人の見学客が来るそうだ。
私が訪れた日は11月の第一日曜日で2009年最後のチャンスであった。但し、あいにくの天候で、私の他には誰もいなかった為、技師が付きっきりで案内をしてくれた。
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入口。
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この近辺には多数のMine shaft(採掘する為の縦穴)が有り、そのほとんどはまだ土に埋まったままである。但し、長い年月で堆積物が圧縮される事によりできた窪みにより、そこがMine shaftであるという事が容易にわかる。
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ここで発掘された石器や骨器。
特に重要な石器は中央の石斧で、当時森で覆われたヨーロッパにおいて、木を切り倒す事のできる石斧の存在が彼らに家を造らせ、畑を作らせたのである。文明の始まりである。
ここで採れた石で作った石器はここから80kmの地点でも見つかっており、ここが新石器時代有数な採掘場であった事を示す。勿論、遠くに住んでいた人達がここに石を掘りに来たわけではない。彼らは農作物や塩等と交換に石器用の石を手に入れたのである。Trading(取引)の始まりである。 -
中央にあるのは採掘場へ続く穴。
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採掘場へ続く穴。
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採掘場内部。
電気など無かった当時、彼らは太陽の光のみを頼りに採掘を行った。故に穴の底の横穴はそれほど広く無く、一つの縦穴で石が取れなくなったら、次の縦穴を掘った。
この地は石灰石に覆われており、その石灰石の空洞部にケイ素が溜まり、長い年月をかけて石器用の石となった。この石は割ると鋭い歯を持った石器ができる。
石を取りつくした穴は、採掘の過程で生じた石灰岩や、食べ物のカス等のごみ、はたまた遺体等で埋められた。これらも考古学上、非常に良い資料となっている。
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