祈る旅。原爆ドームのそばに。

2009/09/11 - 2009/09/11

夏になると毎年。思うのは戦争のこと。

今年も激しく戦争のことばかり考えていた夏が過ぎようとしています。

原民喜氏の『夏の花』を気持ちの片隅に
ドームのそばに行きました。
原氏の碑があるとは知っておりましたが
なぜだか近づけなかった。そんな一日。

エリア 広島市(広島)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線

出来る限りの時間、原爆ドームを見つめていたい。

そんな気持ちの表れか
北関東から早く旅立ちたくて。

早朝５：００の熊谷駅ホームにて。
急行能登を見送った・・・。

私は高崎線で東京へ。

鉄子ではないのです。
実は新子なのです。

７００系とＮ７００系。

並んでいるとこうも違うんですねぇ。

私は７：３０ののぞみ９号待ち中。

新幹線の車掌さんも女性がたくさん活躍しています。
もちろん運転士さんにも。

生まれ変わったら。

私は新幹線の顔の部分の鉄になりたい。

富士山も見れたし浜名湖も見れた。

安心したせいか
朝っぱらのビールがきいたのか
熟睡。

目を覚ますともう岡山駅手前。
覚えてる限りの記憶にはない減速だぞのぞみ号。

駅でもないのに止まってしまいました。（涙

岡山ー新倉敷間の架線にビニールが付着して
取り除き作業で５６分遅れ。

ちなみにカーブの線路上に止まっていたので
傾きでちょっと疲れる。とほほ。
しかし『新子』的には完璧でないそんな新幹線が
とても愛しくなってくる一瞬なのでした。

今年は涼しい夏です。

熊蝉より寒蝉の声がでかい。

ツクツクツクオーシ。ツクオーシ。

大合唱の木の向こう側に見え隠れしているのは。
あなたですね。

足早に回り込む。

きっと。ぜったい。
きれいでおしゃれな建物だったに違いないと
そうわかってしまうような眺め。

青空がますます冴え渡り
暑い。

『すっげー』

修学旅行生がたくさんおりまして
マスクの下の唇が口々に。
その列の最後尾で一緒に立ち止まって振り返る貝坊主。

海外からの旅行者も
ここでは軒並みパーセンテージが高い様子です。

原爆ドームを前に
皆さん立ち尽くしている、そう言った感じでしょうか。

元安川の対岸では
修学旅行生が
被爆体験のお話を聞かせてもらっている様子です。

そんな様子が平和公園内では頻繁に見られました。

秋です。

暑さと眠さと疲労で。
木陰で休ませてもらいました。

原爆ドームに会うのはこれが３度目ですが
毎度思います。

小さいなぁって。

想像もつかない大きな力がほぼ真上からかかって。
それでも潰れず今日もここにいるということ。

これは尊いことなのか。それとも儚さなのか。

資料館を見学してとぼとぼ川のほとりを歩きます。

ボランティアの人のお話が耳から離れません。

旅は思い出と言いますが
ここでのことはあえて。

思い出と呼ぶよりも気持ちと呼んだ方のが
しっくりくる気がします。

Ｔ字になった相生橋の上から。

気持ちが貝坊主の背中を押す。

大通りに出るとそこはもう平和になった橋の上。

うぃぃぃいいん。がたごとがたんごとん。

路面電車の走り出す音が聞こえます。

戦争を知らない私はこれでまた何分の一か
戦争を知ったと言うことができるのでしょうか。

引き返して時間の許す限りここで見つめていました。

小学生だった頃
中学生だった頃
高校生だった頃
そして大学に入った頃。

目の前の原爆ドームは写真でしかなかった。
夏のニュースでテレビで新聞で。
それでしかなかった。

また来るよ。