2008/07/28 - 2008/07/28
8位(同エリア14件中)
ニンシアさん
オータンは、紀元前15年頃に築かれたローマ時代の遺跡と 珠玉のロマネスク彫刻に出会える町です。
目当てのロマネスク彫刻を見るために サン・ラザール大聖堂とロラン美術館を訪ねました。
[行程]
2008年7月27日 独 ニュルブルク ≪仏 ボーヌ泊≫
28日 フォントネー・オータン ≪ボーヌ泊≫
29日 ヴェズレー・フォンテーヌブロー ≪ジヴェルニー泊≫
30日 ジヴェルニー・オンフルール・モンサンミッシェル ≪モンサンミッシェル泊≫
31日 カンカル・サンマロ・モンサンミッシェル ≪モンサンミッシェル泊≫
8月1日 ノルマンディー ≪ノルマンディー泊≫
2日 ノルマンディ
PR
-
サン・ラザール大聖堂です。
マルセイユで布教活動をして1079年に最期を迎えた聖ラザロ(マグダラのマリアの弟)の遺骨を安置するために 1120年から建て始められた教会で、聖遺骨を拝みに 中世にはたくさんの巡礼者が訪れたそうです。
ロマネスク期クリュニー派の聖堂ですが、鐘楼の火災等で15世紀に外観の殆どを改修したのでゴシック風
ゴシック建築の特徴の 空にそびえたつ尖塔も持っています。
-
大聖堂の大時計
-
ファザード 正面中央扉口です。
クリュニー派のサン・ラザール大聖堂は
シトー派のフォントネー修道院と全く違い
タンパンや柱頭などのロマネスク彫刻で
飾られています。 -
タンパンの主題は「最後の審判」
12世紀の彫刻家Gislebertの作品です。
中央に大きなキリスト その回りは上下3段構成
キリストの右手側(向かって左側)は天国
キリストの左手側(向かって右側)は地獄
以前見たコンクのタンパンと 基本的に同じ配列ですが、印象が全く違います。 -
※写真をクリックし元画像を見て下さい(^^ゞ
中段と下段の間の 帯の右隅にGislebert と彫刻家の名前が彫られているのが確認できます。
※死者の復活で 天国へ行く善人たちの列です
右端の人(天使の横)は手を叩いて天国行きを喜んでいます
右から4人目の人のカバンにサンティアゴ巡礼のホタテ貝マーク、5人目のカバンにはエルサレム巡礼の十字架マークがついています。
『聖地巡礼をすると、罪が許され天国に行ける』と クリュニー会は組織的に巡礼を奨励していたそうなので、タンパンからも人びとに巡礼の大切さを伝えたかったのでしょう・・・ちょっとした宣伝かな〜?
左のほうの人達は バンザーイと手をあげて嬉しさに踊りだし、うしろの天使も一緒になって天国行きを喜んでくれてる〜良かったね〜! -
タンパン下段左端では 羽をつけた天使が悪人を地獄へ押し込んでいます
狭い隙間に押し込まれて 頭を曲げ膝を折り
苦悶する地獄側の人達 -
トグロを巻く蛇に絡まれている人たち
真ん中では、巨大な手に掴まれおびえる人
右上にはラッパを吹く天使 〜天使のラッパを合図に死者達が棺から甦り『最後の審判』を受けるのです。 -
大天使ミカエル(中段左)と悪魔(中段中央)が
死者の魂の計量をしているところ
魂の重さで 天国行きか地獄行きか決まります。
下段左の人は手を合わせています
「信心深くなりますから天国に行かせて」と頼んでいるのかな?
〜最後の審判だから いまさら無理よねぇ〜
なんてケチな意見を言ってると
私も地獄行き??
マズい!
「天国に行かせてあげて〜」 -
アーモンド形にかたどられた後光の前のキリスト
頭の後ろにも後光の輪があり、
着衣のドレープを丁寧に彫った跡が見えます
彫られた当時はどんなお顔だったのでしょう
今は なんだかジャイアント馬場のような・・
チェホンマンのような雰囲気・・
コンクで見たタンパンのキリストは坐像で 天国側の手を上に 地獄側の手を下にしていましたが
このキリストは立って 両手を大きく広げています。
「天国へいらっしゃーい」と ドレープいっぱいの着衣で皆を包んでくれそうです。 -
聖堂内です
-
-
ステンドグラスや柱頭をくるりと見回った後
階段を上って柱頭展示室へ -
お目当ての『眠るマギへのお告げ』と『エジプトへの逃避』は 隣に展示されていました
オリジナルの柱頭彫刻が低い位置に展示されていて 下から見上げなくていいので首が疲れないし、石の質感まで感じ取れて大満足の展示室です
彫刻を真正面から右から左から、低い位置から見たらどんなかな?とかがんでみたり・・・ じっくり見学できます -
『眠るマギへのお告げ』
マタイ福音書第2章の天使のお告げの場面
イエスが生まれた時、東方の博士(マギ)達は
大きな星を見つけ、エルサレムのヘロデ王に
「どこで新しい王が誕生したのか」尋ねました。
彼らは星に導かれて行ったベツレヘムで
幼子イエスと マリアに会う事ができ、
贈り物を捧げて新しい王の誕生を喜びます。
ヘロデ王は博士たちに幼子を見つけたら
教えるように頼んでいましたが
『エルサレムに帰るな。ヘロデはこの子を殺そうとしている』との夢のお告げを聞き イエスの居場所を教えることをしませんでした。 -
『眠るマギへのお告げ』のアップ
すやすや眠る東方三博士の一人の指を
天使がそっと触り もう一方の手で星を指差し
博士にお告げをしています
マギ(博士)(Magi)の語源は天文学者、
博士たちを導いた星は木星だそうです
物語が解りやすくて お告げを受けたビックリ目の博士が可愛らしく楽しい彫刻 -
『エジプトへの逃避』
これもマタイ福音書第2章の話を彫刻にしたもの
天使が夢に現れてヨセフにいいました。
「さあ起きて!子供と母親を連れてエジプトに逃げなさい。エルサレムの王ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」
そこで、夜のうちにヨセフは幼子イエスとマリアを連れてベツレヘムを去り エジプトに向かいます。 -
『エジプトへの逃避』を斜め前から・・
ロバの上にはマリア、マリアの膝に幼子イエス、ヨハネはロバをひいて歩いています。
彫刻を斜め下方向から見ると、ヨハネとロバと目が合います
イエスとは彫刻を正面下からみると目が合います
マリアは遠いエジプトを思っているのでしょうか? 斜め上を見ているので目を合わせられない(もともと柱頭は高いところにあるので尚更ですね) -
『マギの礼拝』
マタイ伝第2章
『眠るマギへのお告げ』に続く話
星に導かれ 幼子イエスとマリアのもとを訪れた
マギたちが、イエスの誕生を喜び贈り物を捧げているところです。 -
『神とカイン』
旧約聖書創世記第4章
神がカインに『お前の弟アベルはどこにいるのだ?』と尋問している場面です
カインとアベルは アダムとイヴの息子で、カインは農耕定住民、アベルは羊飼いでした。
ある時二人は神に献物しますが、自分が捧げた供物が神から退けられ 弟アベルの供物は神に喜ばれたことを知り、嫉妬したカインは弟を殺害します(人類最初の殺人事件です)
アベルのことを神に問い詰められ カインは知らないふりをしますが、すべてを知る神は 今後彼がこの土地で農耕できないようにします。
そのとき謝るカインに神は慈悲を与え
「カインを殺す者は七倍の復讐を受ける」とカインが誰からも殺されることのないように『しるし』を付けます。 -
『カインの死』
誰にも殺されることのないよう しるしを付けられた(上を見てね↑)カインが 射られて死んでしまう場面です。
かなりの高齢で目が見えないにもかかわらず
息子のTubalcainに助けてもらいながら 狩りを
つづけていたLamechが、動物と間違え誤って
カインに矢を放ってしまうのです。
弓を引いたLamechは目が見えなかったので
カインのしるしを見る事ができなかったのですね
このテーマは聖書にはないテーマのようです。
「疑問」のテーマの上 説明を読んでもよく分からないので ↓下に載せました
-
上の『カインの死』の説明です・・・
「典拠の不確かな福音書から引用され、新約聖書のユダの話とごっちゃになったテーマで、ビザンチンの作品を通してロマン芸術家に知られた・・・」
ぶっちゃけ この彫刻のテーマは 聖書に基づいた話ではないってことですよね?
なお、説明を読んだのが今!なので
翌日行ったヴェズレーのサント・マリー・マドレーヌ大聖堂の方の『カインの死』の柱頭は見そびれました -
『教会の寄進』
-
二人の天使と悪魔
-
『三頭を持つ怪鳥』
-
『怪鳥との戦い』
-
サン・ラザール大聖堂を出ると広場があります
-
広場にある泉と素敵なカフェ
-
右側の建物がロラン美術館です
左の土産物兼文房具屋でフランス風の文具やカードを売っていて 店内を楽しんだ後、おしゃれなポストカードをいろいろ買いました -
フランスではチケットをふたりで買うと異なった図柄をくれるのでうれしいv(^―^)人(^0^)v
-
古代ローマ時代の遺跡から発掘されたカブトは
展示ケースに入っています。
昔は剣をも矢をも通さなかったのだろうに、長い月日がたった今は 触ったらきっとボロボロ崩れてしまうのでしょう・・・ -
オータンを訪れたお目当てのひとつ
『イヴの誘惑』 たて72×よこ132cm
エデンの楽園の話をモチーフにしたレリーフです。イヴは、イチヂク(たぶん)の木が腰を隠しているだけの姿で横になり 左手で禁断の果実を握っています。
もとはサン・ラザール大聖堂の北扉口に アダムと一対で彫られていたもので、取り外され捨てられていたのだそうです。
正面(西側)扉でないとはいえ 大聖堂の扉に魅惑的な表情をした 等身大に近い裸体の女性の像を彫るなんて驚き!! -
イヴのアップです
口元に手をそえ何かささやいているような
イヴを見ながら 扉をくぐる時はドキドキしただろうな〜
『視覚からくる必要以上の想像を掻き立てるものはすべて排する』というシトー派教会とは天と地ほどの違いです。 -
『マグダラのマリアの昇天』
-
聖母子像
-
ミュージアムショップでエンボス加工のカードを買いました。
レリーフを緻密に再現した
とても素敵な『イヴの誘惑』のカードです -
『眠るマギへのお告げ』のカードです
1枚5ユーロと高かったけれど・・・もっと買ってきたらよかった -
2枚のレリーフカードは我が家の宝物になりました。
レシートにも『イヴの誘惑』が印刷されています -
オータンの街並 その1
-
オータンの街並 その2
-
ローマ遺跡 サンタンドレ門
オータンは 紀元前15年頃にアウグストゥスによって築かれた ローマのライバルと言われた町なのだそうです -
ローマ遺跡 円形劇場跡です
オータンからホテルへの帰り道はブドウ畑だらけ
ワイナリーに寄ってブルゴーニュワインを買いました
『ブルゴーニュで2泊』の後半部分「7月28日 夕方・・・」を見てね ↓
http://4travel.jp/traveler/4trajn/album/10356735/
☆:.・*.ー・*.:(^ー^*)ノ~~☆
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ニンシアさんの関連旅行記
オータン(フランス) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
41