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芭蕉は1689年に奥の細道の旅に出た。5月4日に仙台に着き手紙を配ったり見物などして4泊。5月8日に塩釜についている。その日に見たのは本町通りの御釜神社。ここは製塩の故事を伝えており無形民俗文化財に指定されている「藻塩焼き神事」は7月に行われる。小さい神社ですが塩釜神社の末社。5月9日に塩釜神社参詣してから船で松島に向かった。<br />私は本塩釜駅前のホテルに荷物をあずけて10時ころ出発。銘酒・浦霞の酒蔵がある本町(もとまち)通りをへて、表参道の急な石段202段をのぼり、塩釜神社と志波彦神社(いずれも昔の国幣中社)に参拝して、帰りは女坂の東参道を下りました。高齢者は表参道(男坂)の急な石段を下るのは危険ですし、七曲坂は悪路と言われているし、芭蕉が泊まった女坂の入り口もみたいので、この標準的なルートを約2時間半かけて歩いた記録です。<br />なお、このルートを行くならば登りはじめる前に飲み物を買っておくことを薦めます。<br /><br />塩釜海道に面した大鳥居をくぐってすぐに登る表参道は、高い杉林の中なので空気はさわやかだけれど、202段の急な石段で、休み場もなくのどが渇くし、両側の手すりは親指ほどの太さの鉄棒なので掴んでいても心もとない。しかし、この筋肉労働が社寺参詣の通過儀礼になるのでしょう。<br /><br />塩釜神社の拝殿の奥には向かって右に左宮、左に右宮があって、それぞれヤマト王朝系の天津神のタケミカヅチノミコトとフツヌシノミコトを祀っています。この二つの本殿は南向きに鎮座しています(写真)。<br />拝殿の手前、右側にある別宮にはヤマト王朝が陸奥国を平定したときに道案内をした土着の神(国津神)シオツチオジカノカミが西向きに祀られています。つまり前から住んでいた人・国津神は、やや差別されています。<br />1704年に竣工したこれらの建物14棟と鳥居は国指定の重要文化財です。<br />芭蕉も見たと思われる樹齢500年という亜熱帯植物のタラヨウの大木が拝殿の両側にあり、石造の日時計や、芭蕉が「神前に古き宝灯あり。五百年来の俤、今目の前にうかびてそぞろ珍らし」と書いた藤原忠衡が寄進した鉄製の大きな宝灯もここにあります。<br />別宮の横の石段を降りて、ザリガニが多い池のヘリを通ってすぐの志波彦神社は、旧岩切村にあった延喜式名神大社で、国津神のシハヒコノカミを祭っていた旧国幣中社ですが、1938年にこの地に遷座したもので、国費による近代神社建築の粋を凝らした造営であり、はるかに松島をのぞむ景勝の地です。<br /><br />帰り道の女坂(東参道)を少し下ると博物館があり、その前に伊達藩が貨幣を鋳造した鋳銭釜があります。そこからは粘板岩の石段を数段降りては石畳を歩き、また石段と繰り返しながら登りと同じ202段を下ります。<br />志波彦神社からの道には狛犬と灯籠の種類が多い(写真)ので、見るだけでも楽しくなります。<br /><br />下りきったところに自然石を屋根にした五重塔(約90年前)があり、その屋根には珍らしく狛犬が遊んでいます(写真)。ここは明治初期までは法蓮寺があったところで、芭蕉と曾良は法蓮寺門前の治平衛の宿に泊まり銭湯にはいって浄瑠璃を聞いています。<br />私は帰り道に、本町通りの「おさんこ茶屋」で五色団子(写真)を食べて帰りました。<br /><br />なお、多賀城に移築されていた法蓮寺の玄関が、ボランティアと会社の努力で解体廃棄を免れて、浦霞の醸造元「佐浦」の玄関として移築されているのはすばらしいことです。<br />芭蕉が仰ぎ見たであろう彫刻が目の前にあるわけですから。<br /><br />もうひとつ、塩釜の寿司です。前夜は「寿司哲」が休みで「鮨しらはた」で夕食にしました。港町なのでもちろん美味。酒は浦霞の荒磯のなんとかで、これは絶品でした。<br /><br />土産には「藻塩」(グランドホテルで買える)。あとは仙台駅の地下二階で定番の「白謙の笹かまぼこ」と「白松が最中」でした。

奥の細道ホッピング:塩釜神社と門前町 

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2009/06/23 - 2009/06/26

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ANZdrifter

ANZdrifterさん

芭蕉は1689年に奥の細道の旅に出た。5月4日に仙台に着き手紙を配ったり見物などして4泊。5月8日に塩釜についている。その日に見たのは本町通りの御釜神社。ここは製塩の故事を伝えており無形民俗文化財に指定されている「藻塩焼き神事」は7月に行われる。小さい神社ですが塩釜神社の末社。5月9日に塩釜神社参詣してから船で松島に向かった。
私は本塩釜駅前のホテルに荷物をあずけて10時ころ出発。銘酒・浦霞の酒蔵がある本町(もとまち)通りをへて、表参道の急な石段202段をのぼり、塩釜神社と志波彦神社(いずれも昔の国幣中社)に参拝して、帰りは女坂の東参道を下りました。高齢者は表参道(男坂)の急な石段を下るのは危険ですし、七曲坂は悪路と言われているし、芭蕉が泊まった女坂の入り口もみたいので、この標準的なルートを約2時間半かけて歩いた記録です。
なお、このルートを行くならば登りはじめる前に飲み物を買っておくことを薦めます。

塩釜海道に面した大鳥居をくぐってすぐに登る表参道は、高い杉林の中なので空気はさわやかだけれど、202段の急な石段で、休み場もなくのどが渇くし、両側の手すりは親指ほどの太さの鉄棒なので掴んでいても心もとない。しかし、この筋肉労働が社寺参詣の通過儀礼になるのでしょう。

塩釜神社の拝殿の奥には向かって右に左宮、左に右宮があって、それぞれヤマト王朝系の天津神のタケミカヅチノミコトとフツヌシノミコトを祀っています。この二つの本殿は南向きに鎮座しています(写真)。
拝殿の手前、右側にある別宮にはヤマト王朝が陸奥国を平定したときに道案内をした土着の神(国津神)シオツチオジカノカミが西向きに祀られています。つまり前から住んでいた人・国津神は、やや差別されています。
1704年に竣工したこれらの建物14棟と鳥居は国指定の重要文化財です。
芭蕉も見たと思われる樹齢500年という亜熱帯植物のタラヨウの大木が拝殿の両側にあり、石造の日時計や、芭蕉が「神前に古き宝灯あり。五百年来の俤、今目の前にうかびてそぞろ珍らし」と書いた藤原忠衡が寄進した鉄製の大きな宝灯もここにあります。
別宮の横の石段を降りて、ザリガニが多い池のヘリを通ってすぐの志波彦神社は、旧岩切村にあった延喜式名神大社で、国津神のシハヒコノカミを祭っていた旧国幣中社ですが、1938年にこの地に遷座したもので、国費による近代神社建築の粋を凝らした造営であり、はるかに松島をのぞむ景勝の地です。

帰り道の女坂(東参道)を少し下ると博物館があり、その前に伊達藩が貨幣を鋳造した鋳銭釜があります。そこからは粘板岩の石段を数段降りては石畳を歩き、また石段と繰り返しながら登りと同じ202段を下ります。
志波彦神社からの道には狛犬と灯籠の種類が多い(写真)ので、見るだけでも楽しくなります。

下りきったところに自然石を屋根にした五重塔(約90年前)があり、その屋根には珍らしく狛犬が遊んでいます(写真)。ここは明治初期までは法蓮寺があったところで、芭蕉と曾良は法蓮寺門前の治平衛の宿に泊まり銭湯にはいって浄瑠璃を聞いています。
私は帰り道に、本町通りの「おさんこ茶屋」で五色団子(写真)を食べて帰りました。

なお、多賀城に移築されていた法蓮寺の玄関が、ボランティアと会社の努力で解体廃棄を免れて、浦霞の醸造元「佐浦」の玄関として移築されているのはすばらしいことです。
芭蕉が仰ぎ見たであろう彫刻が目の前にあるわけですから。

もうひとつ、塩釜の寿司です。前夜は「寿司哲」が休みで「鮨しらはた」で夕食にしました。港町なのでもちろん美味。酒は浦霞の荒磯のなんとかで、これは絶品でした。

土産には「藻塩」(グランドホテルで買える)。あとは仙台駅の地下二階で定番の「白謙の笹かまぼこ」と「白松が最中」でした。

  • 表参道の急な石段

    表参道の急な石段

  • 塩釜神社。手前の賽銭箱が左宮。奥の賽銭箱が右宮。<br />この神社は南向きで、天津神が祀られている。

    塩釜神社。手前の賽銭箱が左宮。奥の賽銭箱が右宮。
    この神社は南向きで、天津神が祀られている。

  • 二つ並んだ本殿の屋根が見える。

    二つ並んだ本殿の屋根が見える。

  • 芭蕉が「神前に古き宝灯あり。五百年来の・・・・・」と書いた宝灯で、藤原忠衡が寄進したもの。

    芭蕉が「神前に古き宝灯あり。五百年来の・・・・・」と書いた宝灯で、藤原忠衡が寄進したもの。

  • 西向きの別宮。国津神が祀られている。

    西向きの別宮。国津神が祀られている。

  • 別宮の本殿は西向きです。

    別宮の本殿は西向きです。

  • 志波彦神社。ここは昭和になって移された場所なので国津神でも東南向きになっている。

    志波彦神社。ここは昭和になって移された場所なので国津神でも東南向きになっている。

  • 志波彦神社では拝殿の両側にモクセイが茂っていて、本殿は外側からしか見えません。

    志波彦神社では拝殿の両側にモクセイが茂っていて、本殿は外側からしか見えません。

  • 楽しそうな狛犬。たくさんの変わった狛犬があった。

    楽しそうな狛犬。たくさんの変わった狛犬があった。

  • これも古そうな狛犬でした。

    これも古そうな狛犬でした。

  • なんとなく仏教の感じがする灯籠があった。<br />灯籠も種類が多かった。

    なんとなく仏教の感じがする灯籠があった。
    灯籠も種類が多かった。

  • 狛犬が二匹乗っている五重塔

    狛犬が二匹乗っている五重塔

  • 芭蕉が仰ぎ見た(であろう)法蓮寺の玄関は浦霞の醸造元佐浦の玄関に移築された。

    芭蕉が仰ぎ見た(であろう)法蓮寺の玄関は浦霞の醸造元佐浦の玄関に移築された。

  • 芭蕉が宿泊した宿の近くにあった旧法蓮寺の玄関は、廃棄をまぬかれて「浦霞」の醸造元「佐浦」の玄関になっている。市民ボランティアの努力と会社の決断に感謝。

    芭蕉が宿泊した宿の近くにあった旧法蓮寺の玄関は、廃棄をまぬかれて「浦霞」の醸造元「佐浦」の玄関になっている。市民ボランティアの努力と会社の決断に感謝。

  • おさんこ茶屋の五色団子。580円でした。

    おさんこ茶屋の五色団子。580円でした。

  • こんな狛犬も・・・・

    こんな狛犬も・・・・

  • こんな狛犬も・・・・・

    こんな狛犬も・・・・・

  • こんなのもいました。<br /><br />撮りのこしたのは 志波彦神社にあった見事な<br />昭和初期の狛犬でした。

    こんなのもいました。

    撮りのこしたのは 志波彦神社にあった見事な
    昭和初期の狛犬でした。

  • 塩釜神社の入り口には 立派な灯籠がありました。

    塩釜神社の入り口には 立派な灯籠がありました。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • auntofasiaさん 2009/07/08 22:45:01
    ANZdrifter様 こんばんは
    ご無沙汰いたしておりました
    いつもNZ旅行記楽しんで拝見させていただいてます

    なーんとコマちゃん情報
    すっごく感激です

    入り口の青銅の灯篭にもいるんですよ
    おかっぱでカールしたコマちゃんは見かけませんでしたか?(笑)
    気にかけてくださってうえ、写真まで撮ってくださって
    本当にありがとうございました

    最後のお団子に日本茶
    いいですね〜♪

    またお邪魔します
    どこかでコマちゃん見つけたらお知らせ下さい!

    ANZdrifter

    ANZdrifterさん からの返信 2009/07/10 12:14:30
    狛犬の写真を追加しました
    喜んでいただいたので づにのって 手元の狛犬を
    全員 整列させてしまいました。


    > 入り口の青銅の灯篭にもいるんですよ
    > おかっぱでカールしたコマちゃんは見かけませんでしたか?(笑)
    どこかでコマちゃん見つけたらお知らせ下さい!

    もっと 系統的に 考えながら撮ってくればよかったのに と
    いくつか 心残りもあります。

    なにはともあれ ご笑覧ください。

    ANZdrifter

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