2009/05/22 - 2009/05/22
835位(同エリア1204件中)
極楽人さん
「TENDE」と書いて発音は「タンド」、イタリアとの国境ぎりぎりにあるフランスの山峡の村です。
ニース滞在中の一日、田舎の空気を求めて『タンド鉄道』に乗って日帰りの遠足を楽しみました。
『タンド鉄道』という名が正しいかどうかは分かりません。
要するに、ニース中央駅(NICE VILLE)からタンドを経てイタリアのクネオまで到る山岳地帯を走破する鉄道です。
今回は、ニース~タンドの往復、車窓は山あり谷ありの連続でした。新緑に包まれた素朴な山あいの村々、急峻な渓谷、雪をいただいたアルプスの景観は、コートダジュールの別な魅力を味あわせてくれました。
ニースからは、別に『プロバンス鉄道』というのも出ていて、これは中央駅から北に少し寄った別の駅に発着していますが、総合比較の結果、絶景好きの我々は『タンド鉄道』を選びました。
タンドへ行く方法は、「内陸の直通路線」と「海岸沿いにイタリアを経由してゆく路線」の2通りのルートがあり、列車のダイヤ表には二つの路線が混在して記されています。同じ切符で、どちらにでも乗れるようです。
(ドイツ鉄道の時刻表では経路の地図が表示されて便利です。欧州全域をカバーしているので、専ら愛用しています。)
上の地図はフランス国鉄提供のルートマップ、黄色地がフランス、無地がイタリアを表しています。
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タンド鉄道の起点はニース中央駅(NICE VILLE)、
毎時1本くらいの便がありますが、たとえば09:05発は内陸部の直行ルート、次の10:46発は海岸線を通ってヴァンティミリア(伊)で乗り換えるルート、その次12:36発が、また内陸ルート、となっています。
タンドまで、直行ルートで1時間45分、海岸ルートで2時間20分程度かかります。 -
我々は09:05発の内陸直行ルートを選びました。朝食をしっかりとってから出発です。
駅の窓口、カードでチケットを買うと2人分の往復切符が1枚の券になっていて45.20ユーロ。一人分の片道に直すと11.30ユーロになります。
フランス国鉄は60歳以上割引がありますが、適応されたかどうかは分かりません。「一人はシニア」と、一応書いて出したんですけど。往復割引との兼ね合いもあって、面倒なんでしょうね。 -
もっと古い型の電車を想像していましたが、新しいデザインのきれいな車両でした。
車体の横に、プロバンス−アルプス−コートダジュールと大書きされていて期待を持たせます。 -
この車両の乗客は、我々二人とこの人たちだけ。
しかも、観光客とは思えない雰囲気です。 -
洗面所も珍しくきれいです。
もっとも、始発なのでまだ誰も使っていませんが・・・
それでも、鍵がちゃんとしているのはめったにないことです。 -
沿線の駅は決まってオレンジ色、統一しているようです。
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お客が少なくても、きびきび動く車掌さん。フランス国鉄の鏡でしょう。
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ニースを出て15分もすると、周囲に小高い丘が目立ってきました。谷あいの小さな村がいくつか車窓を流れてゆきます。
しかしこの電車、窓が開かない上に窓ガラスは汚れ放題で、沿線の写真を撮りたい身には大いに困ります。 -
切符は、一日の内なら何回でも乗り降りできます。
ニースを発って約40分、田舎らしい雰囲気の村で途中下車することにしました。次のタンド行き電車はニース12:35発(SOSPELには内陸ルートのみ停車)なので、この駅に到着する13時までは散策できます。 -
ソスペル(SOSPEL)の駅は本格シーズンを控えて大改装中。この村は、いくつかのハイキン・グルートのベースキャンプになっているようです。
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駅から町は見えません。町は林の中の坂道を5分ほど下ったところ。一本道なので迷わずたどり着けます。
中央の城門の様子から、川の右が旧市街、左が新市街かと思いましたが、どちらも古く、判断がつきません。川は、へヴェラ川というそうです。 -
右岸にはホテルも数件並び、ここが保養地としても知られていることを示しています。街並みは、ちょっと日本の温泉街に似ています。のどかなところです。
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川の左岸、ここが目抜き通りです。
スーパーやレストラン、人気のパン屋さんや商店が立ち並び、オープンカフェでは地元のお年寄りが話し込んでいました。 -
左岸の古い住宅。メンテしてないだけなのでしょうか。
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右岸への入り口は石造りの城門。
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水が豊富なのか貴重なのか、街角には水飲み場が目につきます。
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これは商店街のはずれの水場。
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左岸の露地を入ったところに、忽然とオレンジ色の教会が現れます。切符を購入したときにずいぶん立派な地図兼沿線案内をもらいましたが、全部フランス語なのでよく分かりません。
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教会前の広場から。人っ子一人見えません。
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広場わきの雑貨屋さん。お客もいませんが、お店の人もいないようです。
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教会前広場から、再び川沿いの商店街の目抜き通りへ。お店をのぞいたり、お茶を飲んだり。
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めずらしい“車種”です。リムジン?
きっと子育てにも環境のいい村なんでしょう。 -
時間がゆっくり流れています。レストランも12時まで開店しません。注文品が来るまでに次の列車が来てしまいそうで、この日の昼食は行列のできているパン屋さんでサンドイッチを買って、公園で食べました。
公園にも、渋い水場がありました。 -
時間どおりに列車が来ました。
どこか一箇所で途中下車するなら、もう少し刺激的な所でも良かったような気もしますが、まあ、次のタンドに期待しましょう。 -
走るごとに山は丸みをなくしてより険しく、谷はより深くなってゆきます。ときどき木立の間にかわいい村が見えますが、ホンの一瞬で森陰に消えて、なかなかカメラに収まってくれません。
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数分走って、ブレイユ・シュル・ロワイヤの駅へ。
ここでイタリア経由の海岸ルートと一緒になります。 -
列車が交代し、乗客は全員乗り換えます。
今度の列車はなかなかイカツイ顔をしています。この先、勾配が更に急になるので、「力自慢」の登場のようです。 -
景観からやさしさが消え、むき出しの岩肌が目立ってきました。点在する村々は山肌にしがみついています。
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渓谷を削る白い急流。
乗車している我々には残念ながら見えませんが、この列車自体、相当スリリングな橋や谷間を通過している筈で、それは駅でもらった「地図兼沿線案内」の写真で確認できます。 -
更にトンネルをいくつか抜けると・・・
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行く手に、雪のアルプスが顔を出しました。
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列車はゆっくり速度を落とし、タンドの村に接近します。
海辺の村とはまったく様子の異なる、なかなか個性的な姿をしています。 -
タンド到着は14:27。帰路の電車を確認してから駅を出ます。
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駅のすぐ横の教会は、素朴ですが荘厳な造りです。かつて塩の交易に際して、運搬ギルドの本拠地だった頃のタンドの繁栄を感じさせているようでした。
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駅前通りには数軒のレストランやお土産屋さん。リュック姿の人が目立ってアルペン気分を盛り上げます。
この一本道を先へ進むと、自然に旧市街へと入ってゆきます。 -
旧市街への道。
気候は多少ひんやりしますが、半袖でも寒いほどではありません。陽射しが強く、立ち止まっていると肌がじりじり焼けてきます。 -
車道は左にくねって、特徴のある村の外郭が見えています。
とりあえず村の全体を見るために、山の頂上の古い城跡を目指します。 -
旧道は最初はなだらかに、途中から急勾配の階段になって山頂へと導きます。
結構、きつい登りです。 -
奮闘15分。よく整理された墓地の上に出て、ここが頂上です。
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タンドの旧市街を一望。
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村の中央にはゴシック様式のノートルダム寺院、15世紀の建造物とされています。
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反対側はイタリアン・アルプス。その下に鉄道の石橋。
乗ってきた列車はあの橋を渡ってきました。
運転本数が少ないので、見ている間には一本の列車も通過しなかったのが残念です。 -
山を下りて旧道に戻り、旧市街を目指します。岩をくりぬいて、細い道がくねくねと続きます。
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遠目には木造のように見えた家も、やはり石造りでした。このあたりは古代から人が住んでいたようで、先史時代の武器や壁画などがいくつも発見されているようです。それ専門の大きな博物館もあるそうです。
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山頂からも見えた、ノートルダム寺院。
ここが旧市街の中心でしょう。 -
これは何でしょう、共同の水場か洗濯場でしょうか。
すぐ隣にはほぼ同じ大きさのお風呂のような施設もありました。 -
旧道を突き抜けると、さっき別れた自動車道路に出ます。
知らない間にずいぶん下っていたようで、旧市街が段々畑の上に望めます。 -
駅の方に戻る道すがら、鉄道橋の向こうのアルプス。
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駅前でお茶を飲み、お土産屋をのぞいて、17:00過ぎに駅に帰りました。帰路の列車は17:20分発です。
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駅舎の上に聳える岩山。何気なく見ていたらてっぺんに小さな家と吊橋が見えます。修行者の住家でしょうか。
それにしてもまあ、買い物など大変でしょう。
煙草が切れただけでパニックを起こしそうです。 -
反対側のホームに、イタリアの列車が停まっていました。トリノ行き、とあります。クネオから先にも接続しているようです。
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山の天気は変わりやすく、駅で待っている時、ほんの一瞬だけ大粒の雨が落ちてきました。いいタイミングで帰りの列車が来て、濡れることはありませんでした。
帰路は往路と同じく、内陸の直行ルートをとりりました。海岸ルートは、後日たっぷり味わう予定になっています。 -
19:17、ニース中央駅に帰着。雨は痕跡もありません。
「いいところだったねェ」とひとこと言い残し、妻はそのまま、20時まで営業のデパートに直行しました。
5月後半のこの時期、陽はまだ高く、夜9時半を過ぎないと暗くなりません。ニースの夜はこれからです。
?はこれで終了です。
?では、ニースとカンヌの街を取り上げる予定です。
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