2008/11/21 - 2008/11/22
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tetsu60さん
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最近、地球温暖化の影響か、秋の訪れが遅く感じる。 特に関西の秋は遅い。 福岡では紅葉一段落、久し振りに関西、それも奈良の紅葉を見に行きたくなった。 最も今年は2月に二月堂のお水取りで東大寺と奈良公園、4月に「大阪造幣局の桜の通り抜け」を見にいった折奈良の西ノ京、と奈良には3回目の訪問となる。 一泊二日の行程で1日目はやはり西ノ京、2日目は談山神社と正暦寺に行くことにした。
11月21日(金)
福岡空港を発って関西空港へ、関空からは南海電鉄で新今宮、そこでJRに乗り換えて奈良まで、約1時間半、結構時間がかかる。 前日までの天気予報ではこの日は関西は雨、それもかなりひどい雨とのことだったが、「ラッキー!」関空に着いたら雨はあがっていた。
少し遅めの昼食の後レンタカーを借りて西ノ京の唐招提寺へ向かう。 以前にも記したが車で走っても唐招提寺までの道すじは家だらけ、昔田畑しかなかった面影はほとんど残っていない。 50年も経つとこうも変わるものか。 唐招提寺は4月に来たときには金堂が修理中でシートをかぶっていたが 今は修理も終わりシートは取り外され南大門をくぐると正面にその優美な姿を現していた。 が、金堂の周囲には柵が張りめぐらされ中には入れない。 来年11月に行われる落慶式が終わるまでは一般客は内部に入れないとのこと、ガッカリ。 柵内ではNHKが大勢であちらこちらからカメラを回して金堂を撮影していた。 多分金堂修復の特別番組が組まれるのだろう。 近藤の横を通り講堂までところどころに楓の木が鮮やかに色づいている。 講堂には金堂から一時的に引っ越してきた仏像たちがまだ安置されていた。 講堂を抜け坊門を抜けると宝蔵がある。 ここには国宝の仏像たちや鴟尾などが展示されているが、すでに4月に鑑賞しているところなのでパス。 さらに奥の鑑真和上の御影堂に行くが入営禁止、最も奥にある鑑真和上の御廟にお参りをする。 ここに瓊花があるそうだがこの季節ではどれが瓊花かわからない。 春に見た瓊花は御影堂の近くにあったはずと思い、通りかかったお坊さんに瓊花の場所を尋ねたところ御影堂の裏とのことで結局見ることはできなかった。 寺内を散策、唐招提寺は紅葉の名所ではないが戒壇と金堂、講堂の間には結構楓が植わっていて、赤い色が映えている。 寺内の売店を覗いてみたところ珍しい瓊花の線香を売っていた。 甘いにおいが少しきついが珍しいものなので購入する。 店の人の話では瓊花は蔓科とのこと、花がガクアジサイによく似ているので てっきりアジサイの仲間(ユキノシタ科)と思っていたが違っていたらしい。 南大門を出て薬師寺に向かう。
薬師寺の駐車場は南門の外にある。 薬師寺には中門から入るのが一般的(電車の場合だが)、南門から入るのはひょっとすると初めてでは…。 南門は金剛力士像が守護していたが、これが実に面白い。 阿形像、吽形像とも邪鬼を踏みつけているがこの邪鬼たちが実にユーモラスな顔をしている。 阿形像には頭を吽形像には首を踏みつけられている邪鬼たちの顔がかわいくてまったく憎めない。 南門を入ると正面に金堂、金堂には本尊の薬師如来像と両脇に日光、月光の両菩薩が安置されている。 春に来た折には薬師如来はお身拭いのさなかで、日光、月光菩薩は東京の薬師寺展に出張中だったが、今日は三菩薩ともそろってその美しいお姿を見せていた。 中でも日光菩薩は柔和なお顔とわずかにくねらせた腰と実に美しい立ち姿、しかしその中にも凛とした雰囲気をかもし出している。 日本の仏像の中で最も美しいといわれる所以。 金堂の北に大講堂。 大講堂には彌勒三尊像が安置されている。 大講堂の北 食堂跡を抜けて中門、中門から道路を渡って玄奘三蔵伽藍がある。 ここには少し楓があるのだが、平山郁夫の大唐西域図屏風はこの日非公開とのことでパスした。
この後平城京跡まで行ったがもう日が暮れて真っ暗、何も見えない。 ホテル日航奈良にチェックイン。
10月22日(土)
今日は朝から晴れ、少し寒い。 車を南へ南へ走らせまずは談山神社へ。
談山神社は奈良県の南、もう吉野山に近いところにある。 神社近くになると車が連なっている、が、比較的早かったせいかすんなりと駐車場に入れた。 談山神社のいわれは、飛鳥時代中大兄皇子と中臣鎌足がこの神社の裏山で蘇我一族の誅戮を図る談らい(かたらい=談合)が行われたことからこの名がついたといわれている。 いわば「大化の改新」の発祥の地。 ただし、この大化の改新、最近の研究では大陸の新しい制度や技術を取り入れ改革を図る革新的な曽我氏に対する旧来の利権の保持を図る保守的な勢力のクーデターであったとの見方も出てきている。 さて神社には長い階段を登る。 お年寄りにはちょっとこたえるみたい。 しかし、この周辺一帯は紅葉の真っ最中。 もうかなりの数の観光客が来ている。 本殿の手前に十三重の塔がある。 鎌足の長男定慧和尚が建てたと言われている。 この神社は面白い建てかたがされていて、本殿と拝殿の間に山門がある。 つまり山門が本殿や山門に正対していない。 山門の横から拝殿に、つまり建物の横から上がる。 片側に本殿、もう片側はいわば崖のようになっていて、ここからの紅葉がすばらしい。 東南を向いて建っているため逆光になる。 その日の光を通して赤く染まった楓の葉に葉脈が透けて見え実に美しい光景。 景色に見とれて写真を撮っていると、初老の紳士から「どこかでお目にかかりませんでしたか?」と声をかけられた。 昨年6月北欧に行ったときのツアーのメンバー、大阪在住の方。 夕食時二人でよく飲んだ。 ここで会うとは本当に奇遇。 談山神社で少し時間をとりすぎた。 神社を離れるときにも続々と観光客がやってくる、バスツアーの団体らしい。
次に長岳寺に向かう。 長岳寺は奈良と吉野のほぼ中間、天理市の南にあり、 近くには景行天皇陵や崇神天皇陵がある。 長岳寺は真言密教、つまり弘法大師のお寺で9世紀に建てられた。 山門を入ると左に本堂、右に池、楓は池の周囲に赤く色づいていた。 この寺も紅葉の名所となっているがもみじの木はさほど多くはない。 池の周囲を回る、池に映った本堂の姿や紅葉がなかなかのもの。 この寺には狩野山楽が描いた地獄絵九帖が納められていて、この日それが公開されており、和尚さんが解説をしていた。 お寺を出て道すじで農家のおばあさんが柿を売っていた、最後に取れた柿とのことで少し買った。
長岳寺から正暦寺へ。 正暦寺は天理市の北東の山の中にある。 正暦寺は10世紀末頃に建てられ、真言密教寺、法相宗の学問所、浄土宗の道場などの変遷を経てきた。 ここも紅葉の名所、観光客が押しかけている。 まず客殿に上がる。 狩野永納の描いた襖絵と欄間絵が残されている。 さらにこの日本尊の薬師如来像が公開されていた。 この如来像、ちょっと変わっていて腰をかけて両足は蓮華の上においている。 この寺の客殿のすばらしさはその庭にある。 庭はせいぜい3〜4mくらいの奥行きだ長さは横に15〜6mくらいで塀は2mに満たないくらい低い。 すばらしいのは塀の外、低い塀の外の景色、真っ赤に染まった楓の木々を借景にすばらしい眺め。 塀の低さはこのため。 客殿を出て本殿まで坂道を少し登りさらに階段を上る。 鐘楼があり、さらに先に本堂。 ここから見下ろす紅葉も見事。 時間も残り少なくなってきたので山を降りる。
奈良まで戻る道すがら見える山々は薄茶色や薄赤、黄色に紅葉している。 これが京都の山との違い。 奈良の紅葉刈りも捨てたものではない。 何より京都に比べて観光客が少ないのがよい。
奈良に戻り、レンタカーを返して奈良駅から関空へ。 関空から福岡空港へ。
完 了
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JALグループ
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