カリフォルニアミッション紀行（９） -San Antonio Mission (#3) -

2008/12/26 - 2008/12/26

2008年クリスマスのミッション巡り二箇所目は、San Antonio de Padua Mission (#3)です。

このミッションは、現在の幹線道路（US101)から離れているばかりでなく、米陸軍基地に囲まれているためセキュリティが厳しくなかなか訪問できないでいました。訪問には次の書類が必要です。
　A.運転免許書
　B.自動車の登録書（RegistrationDocument。毎年ナンバープレトに張るシールを送って来る書類）
　C.自動車保険証

ミッションの案内板によると、このミッションは1771年7月16日にフニペロ・セラ神父がこの地の樫の木にベルを吊るしミッションの開設を宣言したことに始まります。

当時この地には'Telhaya族インディアンが住んでいました。
1805年には信者は1300名まで増加しましたが、教会の世俗化後は急激に減少し、1834年には150名になっています。

ミッションの建物の建設は、1810年に開始されています。

1845年にメキシコ政府が教会の建物を競売にかけたときも、付近に街が発展していなかったこともあり、誰も入札しませんでした。

30年後には、カトリック教会の支配下に戻っています。

1903年に最初のミッションの再建が始まり鐘楼部分が完成しますが、1906年の地震で破壊されてしまいます。1928年に再度再建が始まり、約50年かかって再建が完了しました。

なお、その後流行するミッション風の建物の第一号が1894年にSFOの南のBurlingame駅として建てられたとき、このミッションの遺構から瓦を集めて屋根を葺いたそうです

行き方：
＜US101北から＞
US101をJolon Rd(G14)で下りて、ホロンロード(Jolon Rd)を南に１９マイル程走ったところがJolonで、右手に基地のゲートが現れます。ゲートから約5.5マイルでミッションに到着。

＜US101南から＞
US101をBredleyの次の出口（EXIT.252)でJolonRd(G18)に出て、JolonRdを北西に２１マイル走るとJolonに到着します。


GoogleMap：California Missions
http://maps.google.com/maps/ms?ie=UTF&msa=0&msid=104465330410753628392.000440cbf52748fede0a7
Homepage:http://www.missionsanantonio.net/index.html
Wikipedia：http://en.wikipedia.org/wiki/Mission_San_Antonio_de_Padua
Missionガイド：http://missiontour.org/sanantonio/index.htm

エリア アメリカ

Jolonの道端にある陸軍基地の看板
この前を右に入るとすぐゲートです

こちらがゲート
ここでセキュリティチェックを受けます

必要な書類
　A.運転免許証
　B.Redistration
　C.Insurance

こちらはJolonRdからは見えません

基地の中のMission Rdを5マイルほど進むとMissonの入口に差し掛かります。

この案内板があります。
ここは６叉路で、太い道は右に続いていますが、そちらではありません。
Missionへの入口は、今まで来た道を直進する感じで細い道に繋がっています。

ミッションへの道に入ると正面にミッションの建物が見えてきます。

建物にたどり着くまで、このような案内版が各所に立てられており、ミッションの遺構を知ることができます。

ミッションの建物が大きく見えてきました
背後には雪を抱いたSanta Lucia山脈の山々がそびえています。

教会とそれに連なる居住棟

大きな鐘楼をもった教会の正面

教会の内部：祭壇です

信者席もあり、実際にミサに使われています。

教会の信者席部分

回廊部分

教会には黒猫が似合う

この手前から中庭に入れます。

こちらが中庭への入口

中庭には噴水と糸杉

伝道師達は糸杉をみて故郷のスペインを偲んだのでしょうか。

教会の前には大きなミッション・オリーブの木

伝道師達がヨーロッパから持ち込んだオリーブの子孫と言われていたそうですが、DNA鑑定では’クロ’
鑑定しないほうがロマンが有ってよかったかも。

回廊部分は博物館になっており、当時の着物や生活風景画再現されています。

このような煌びやかな衣装は、インディアンには眩しく映ったことでしょうね

調理場です

当時の楽譜が描かれています。

指の関節を利用した音階表現

地下室もありワイン醸造施設が残っていました。

伝道師が持ち込んだワイン作りは今でもこの地域の重要な産業です。

その地下にはワインの貯蔵庫

伝道師達の居室

大きなフイゴが立てかけられており、鍛冶場だったのでしょうか

回廊の外には、当時の船の舳先の像が飾られていました

ミッションの前には広い草原が広がっています。

草原には色々な遺構が残されています。

手前はオリーブを潰す石臼
その向こうは、インディアンたちの住居跡

こちらは、井戸と貯水池

用水路跡

かまど跡でしょうか

木の実を潰した石臼？

当時のミッションの地図
教会の右横の建物は今はありません。

後日、SFOからSANに向かう飛行機からみたミッションの周りの景色です。
下方1/3に見える草原の左端にミッションの赤い屋根が見えています。

この旅行記へのコメント （4）

• ナイアさん 2009/01/06 09:50:40

  ミッション、勉強になります。

  子供が小さい頃、ミッションの模型を作る宿題があり、親がよく分からす苦労しましたが、そのころ、この旅行記があれば助かったのに（笑）。
  。
  あっという間に新しい年。
  今年もよろしくお願いいたします。
  
  Tedさんかyosshiさん、ジョンミュアのおうちの旅行記を作ってくださいね！
  私のはあまり写りよくないのです。

  Tedさん からの返信 2009/01/07 00:45:09

  RE: ミッション、勉強になります。

  トモエルさん、こんにちは
  
  訪問ありがとうございます。今年もよろしくお願いします(^^)
  
  > 子供が小さい頃、ミッションの模型を作る宿題があり、親がよく分からす苦労しましたが、そのころ、この旅行記があれば助かったのに（笑）。
  
  ミッションの学習は確か小学校４年の課題ですよね。
  今回の訪問でも、それくらいのお子様を連れた家族にたくさん出会いました。
  どこのミッションにも、それを前提にした説明書が準備されていたりで、ミッション側もそこは心得ているようでした。
  
  > Tedさんかyosshiさん、ジョンミュアのおうちの旅行記を作ってくださいね！
  頑張ってつくります\(^^)／
  もう少し待ってくださいネ
  
  Ted

• Muffinさん 2009/01/03 15:54:10

  珍しい２つのミッション

  Tedさん、明けましておめでとうございます。
  
  クリスマスにふさわしいミッション巡りの旅をされていたんですね。
  どちらもなかなか行きづらいところで、Tedさんのおかげでまた（バーチャル）ミッション巡りが出来ました♪
  
  どちらもひっそりと残っているようですが、San Antonioの方は人が出入りしている気配がペイントなどからも伺えますね。でも米軍基地内というのが残念…（あっ、でもその方が保存状態はよくなるのでしょうか）
  回廊がキリコの絵みたい！前作のサリナスバレーのぶどう畑も砂漠の風紋のようで不思議な感じですね。
  人の気配がなくても教会って誰かがひそひそ話をしているような気がします。
  
  今年もいい旅をされますように。
  よろしくお願いします。
  
  Muffin

  Tedさん からの返信 2009/01/04 15:02:00

  RE: 珍しい２つのミッション

  Muffinさん、こんばんは
  
  早速訪問頂きありがとうございます。
  
  > クリスマスにふさわしいミッション巡りの旅をされていたんですね。
  子供達を誘ったのですが、エメラルド・ボウルの方が大切で見事振られてしまい(笑)一人旅となりました。
  
  > San Antonioの方は人が出入りしている気配がペイントなどからも伺えますね。
  ミッションもサンアントニオの方が大規模で、保存（復元？）状態も良い気がしました。訪問者も多かったです。
  日曜日にはミサも行っているようです。
  ひょとすると兵士が参列しているのかもしれません。
  丘の上には他の宗派のものと思われる教会らしきものもありました。
  
  > でも米軍基地内というのが残念…（あっ、でもその方が保存状態はよくなるのでしょうか）
  サン・アントニオミッションは、確かに行く手続き大変で、結構緊張しました(笑)　「レジストレーション書類」と言うのでピンクスリップ持っていったら「それは違う。そんなの車に乗せていたら盗まれたら大変だ」と怒られたり(笑)　おまけにピンクスリップではだめだと言われて、もう少しのところでゲートで追い返される所でした(^^:
  
  > 回廊がキリコの絵みたい！
  気が付かなかったけれど、確かにそんな感じですね。
  
  今年もよろしくお願いします
  
  Ｔｅｄ