2008/11/15 - 2008/11/15
154位(同エリア232件中)
まゆままさん
四年に一度という登録有形文化財の樟蔭学園・樟徳館の一般公開が11月15日、16日にあるとブログで知り合いの方から教えていただき、これは行かねば!ってことで急遽訪れた。
樟徳館は昭和12年頃に樟蔭学園の創立者である森平蔵氏の私邸として建てられ平成12年に登録有形文化材に登録された建物。
海運業や材木商を営んでいた森氏が材木商としての誇りをかけて建てられた建物だそうで、外観はもちろん部屋の内装の細かい部分にも贅が尽くされ、日本各地の銘木がふんだんに使われたとても見どころの多い建物だった。
建物の全体的な説明を受けた後、たまたま近くにおられた係りの方に何人かで一緒に各部屋の見どころなどを解説して頂きながら建物を堪能することができた。
- 交通手段
- 自家用車
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玄関前の車寄せは格調高い入母屋造の屋根を持ち、屋根を支える柱には7寸もある四方柾の木曽桧が使われている。
公開日1日目の1時前にやってくると、かなりの見学者が詰め掛けていた。
正月などの特別な時期や重要な客人を招くときにだけ使用された大玄関。
玄関を入ってすぐの式台には巨大な松の一枚板が使用され、玄関を見ただけでもこの家の主が最高の木材にこだわって家を建てたことがわかる。 -
廊下を通ってまずは応接室へ。
廊下は松の縁甲板が使われていて、廊下の板にはほとんど継ぎ目がなく、7,8mもある長尺の松の板が使われている。
現場で原木から製材した板を使うことで可能になったと考えられている。 -
応接室は特に重要なお客さんが来訪された時に招き入れられた部屋で樟徳館の中でも一際豪華な部屋となっている。
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照明はやわらかな間接照明が使われ、あたたかい色合いの牡丹の花をモチーフにしたステンドグラスが入れられている。
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窓ガラスにも牡丹の花のエッチングが施されている。
三つ並んだ窓のこの窓は左がすりガラス、右が透明ガラスになってるが、真ん中は全てすりガラスになっていたりと細やかな変化がつけられてる。 -
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壁には西陣綴れ織りのクロスが貼られており、柱は木曽桧が使われ、色合いを合わせるため一本の原木から切り出し、全て節のないものが使われているという。
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そしてこの暖炉はなんと瀬戸焼の陶器でできた特注品なのだ。
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応接セットも森平蔵が材木を準備し、名古屋の業者に特別に作らせたもの。
中央のテーブルや脇机の天板にはケヤキが使われているが玉杢という独特の木目持った希少価値の高い木材だそう。 -
天井には巨大な楠の一枚板が使われている。
樟蔭学園の校名の由来である、樟(くす)にこだわってこの木を選んだものと思われる。 -
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応接室の窓を外から
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庭から眺めた応接室
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この家の主人が普段過ごしたというこの二間続きの居間は和洋がミックスされたほんとに不思議な空間だった。
欄間や書院造の床の間がありながら暖炉がつけられていて、デザインも和とも洋ともつかないものでとても面白い!
大理石でできた暖炉と作りつけの戸棚。
戸棚の透かし彫りは桑の木でできた欄間のデザインと統一されている。 -
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深い緑の大理石の暖炉にマッチした内側に貼られたグリーン系のタイルのグラデーションが美しい〜
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戸棚と同じデザインの桑の木でできた欄間
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暖炉のある部屋と続きになってる書院造の床の間がある部屋。
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床材は当時では珍しいチーク材が使用され、四隅は象嵌細工がほどこされている。
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床の間には幅広の栃の木の一枚板が使われ、この木材も現在では入手不可能だそう。
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床の間右側にある床脇の天井には色鮮やかな鳳凰の刺繍が施されている。
ここは上を覗き込まないと見えない場所だが、見えないところにも細やかな装飾がなされている。 -
ぽかぽか日の当たる広縁のこのコーナーも素敵だった。
窓ガラスに入れられた模様や形がおしゃれ。 -
広縁と床の間との境目にあった明り取り窓
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広縁の天井
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夫人用居間
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洋風のモダンな雰囲気の食堂
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中央のアールデコ調の照明は建築当初からのもの。
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つばめと梅の柄がとてもかわいい、エッチング加工されたガラス。
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色の異なる数種類の木材を使った寄木貼りの床。
建築から70年以上経過した現在でも隙間や割れなどの狂いがなく、高い技術を持った職人の仕事だということが分かる。 -
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食堂の隣の料理の配膳を準備する部屋。
この小窓から料理を出し、食堂内にいる配膳係が家族への配膳を行っていたのだそう。 -
流し
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冷蔵庫はガス式なのだそう。
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流しの横には湯沸かし器。
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当時、5,6人の女中さんが住み込みで働いていたそうでこの部屋は女中さんが待機していたという女中部屋。
この部屋からは大玄関や内玄関がよく見え、家人の帰宅や来客があった場合すぐ分かる場所にある。 -
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各部屋から通じる呼び鈴。
屋敷内の各所にある呼び鈴のボタンを押すとベルが鳴り、どの部屋でよんでいるかが丸い小窓に表示される仕組みになっていて、当時最先端の設備であったと考えられている。 -
特別な客人を招いた応接室に対して身近な客人を招いた和室(客間)
この部屋で特徴的なのは1/4円形の障子窓。 -
薄い杉板を編みこんだ網代天井
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執事室
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執事室の作りつけの戸棚
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杉尽くしで造られたという仏間の欄間。
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仏間の天井は貴重な杉の中杢材を用いている。
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仏間のこの丸みを帯びた柱は大工泣かせと言われるほどの手がかかる細工なのだそう。
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一階の階段から非公開となってる二階を見上げる。
階段や欄間の装飾がとても細やかで・・思わず階段を駆け上がって行きたい衝動に駆られた。 -
一旦外へ出てお庭の方へ
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庭から見た母屋
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応接室がある棟
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子どもと旦那をファミレスでランチしながら待たせていたので約1時間半ほどで見学を切り上げ、家族と合流。そして樟蔭女子大学内にある二つの登録文化財となっている建物を見に向かった。
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記念館は昭和2年、樟蔭高等学校が創立10周年を迎えるにあたり、卒業生・在校生保護者・教職員及び一般の寄付を募って前庭に建築され、当初は樟蔭記念館と呼ばれていた。
木造二階建寄棟造りで屋根は鋼板葺(当初は銅板葺)、外側大壁を石造風とする建物。
記念館では田辺聖子文学館の特別展として「田辺聖子と源氏物語」が開催されていた。 -
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南面にある玄関
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玄関を入ると吹き抜けの階段スペースがあり、一間幅の木製高欄付き階段により正面と裏側の両方向から踊り場を介して2階に上るようになっている。
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大正7年の学園創立時に建てられた木造建築物の中で唯一残っている建物。
当初は「洗濯教室」と「試食室」という異なる場所に建てられた2棟の建物で、昭和44年に現在の場所に移築され「樟古館」と名づけられた。
半切妻屋根とハーフティンバースタイルの外観をもつ瀟洒(しょうしゃ)な建物となっている。 -
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すばらしかった樟徳館の余韻に浸りながらも、この日は関西文化の日でいくつかの博物館・美術館などの施設が無料になる日、ということで長居公園にある自然史博物館へ子供たちを連れて行くことに。
同じく植物園も無料だったので子供たちが博物館にいる間少し散策。 -
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夕日を浴びて黄金色に輝く紅葉がすごくきれいだった〜。
紅葉をスケッチする人。 -
色づくイロハモミジ
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この旅行記へのコメント (6)
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- たらよろさん 2008/11/26 23:11:48
- 一般公開っていいですよね〜〜
- こんばんは〜〜
貴重な公開の建築物をみせていただいて感謝です。
応接室の豪華でいて、しっくりとした感じの作りに脱帽です。
すわり心地の良さそうなソファーもGOODですね。
牡丹の花のステンドグラスというのも
和と洋のコラボレーションって感があって素敵です。
エッチングが施されたガラス窓というのも贅沢ですね〜〜♪
暖炉が瀬戸焼でできているというのにも驚き・・・
暖炉の周辺の彫物にも驚き・・・
床の寄木も素晴らしく、さすが4年に1度の大公開イベントですね。
長居公園のまだ赤くなりきっていないけれど、
黄色くそしてオレンジ色に輝く木々もとっても綺麗です。
たらよろ
- まゆままさん からの返信 2008/11/27 20:57:25
- RE: 一般公開っていいですよね〜〜
- たらよろさん、こんばんは〜
四年に一度、ってことで今回行けてよかったです。
私は、食堂のつばめと梅の模様のガラスのエッチングがとてもかわいくて気に入りました〜
瀬戸焼の暖炉も、近づいてさわってみて、わ〜ほんとにやきもので出来てる〜とやきものならではの色や風合いが出ていてほんとに素敵でした。
よい木材と最高の技術で造られたものなので、
公開などで一気に人が押し寄せてもびくともしないと係りの方が言われてました。
よいものを使って造られた建物はほんとに年数を経ても
丈夫で長持ちするんだな〜と。
そしてこれだけの公開に詰め掛けた人たちの目も
楽しませることができて、造られた方もお金をかけた甲斐があったことだろうと思います。
長居公園、日が暮れる〜と慌てて行ったのですが、
夕暮れ時の景色もなかなかいいなあ、と気付きました。
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- ぬいぬいさん 2008/11/24 07:39:48
- すごい手間隙かけてつくった建物って感じですね
- まゆままさん おはようございます
大坂にはまだ私の知らないいろんな建物があるんですね。
贅をつくしたというか、やたら金かけてつくったなあと感心するような建物ですね。
一度見てみたいものですが4年に一度ではなかなか見れませんね。
年末は門司まで行く途中、西宮の関西学院と神戸女学院のヴォーリズ見てこようと思ってます。
でも、年末開いているのかちょっと心配。
調べていかないといけないですね。
- まゆままさん からの返信 2008/11/24 22:40:22
- RE: すごい手間隙かけてつくった建物って感じですね
- ぬいぬいさん、こんばんは!
書き込みと投票ありがとうざいました〜
樟徳館、ほんとにお金がかけられた建物でしたが、
あらゆるところにさりげなく最高の木材が使われていたり、すごく目立つわけではない細かい部分に手のこんだ仕事がされていたりと、
上品にまとめられたすばらしい建物だなあと感じました。
4年に一度ですが、機会がありましたらぜひご覧下さい〜
年末は門司の近代建築ですか!
いいですね〜〜
ヴォーリズの関学と神戸女学院も楽しみですよね〜
ちなみに女学院と敷地が続いてる聖和大学もヴォーリズのようです。
又旅行記も楽しみにしています。
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- あんみつ姫さん 2008/11/21 21:53:02
- すばらしい!の一言。
- まゆままさん、こんにちは!
すばらしいの一言にすぎます。
このような、贅を尽くしているところがあるのですね〜。
旅行記の樟徳館をひとつ、ひとつをゆっくり見させていただきます。
まゆままさん、ここは、一見の価値がすご〜くありますね。
- まゆままさん からの返信 2008/11/21 22:46:49
- RE: すばらしい!の一言。
- あんみつ姫さん、こんばんは!
樟徳館は、ほんとに見どころの多い建物でした。
どの部屋にも一級品の木材が使われていて、
私のような素人では見ただけでは分かりませんでしたが、幸い係りの方に説明していただきどれだけ価値のあるものなのかがよく分かりました。
ステンドグラスやガラスの装飾も素敵でしたし家具もひとつひとつ
こだわり抜かれたものですごい〜〜っとうなりっぱなしでした。
和洋折衷のお部屋のセンスも自分好みで興味深かったです。
係りの方が今のお金持ちにもこんな風なお金の使い方をして欲しい!
と言ってられたのが印象的でした・・
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