2008/05 - 2008/05
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JIC旅行センターさん
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◆5日目 ヤルタ
今日からはいよいよ観光だ。まずはヤルタ市内から20分ほどの距離にある「アループカ宮殿」を見学する。
ここは19世紀この一帯を統治していたヴォロンツォフ伯爵の宮殿で、現在はその調度品などを展示する博物館となっている。ヴォロンツォフ宮殿にいくまでは、散歩がてら敷地内の公園を歩いていく。ゆっくりと歩いて30分以上はたっぷりかかる広さの公園だったが、快晴に恵まれ、緑に囲まれれば何も不満はない。
途中、学校の社会科見学?といったような子供たちの団体がいたり、この地方独自のハーブティーを売っているお店があったり、突然目の前に孔雀使い(孔雀と記念写真が有料でとれますよ、という商売人)が現れたりと、飽きさせないまま気づけば宮殿に到着していた。
内部の展示品については“百聞は一見に如かず”ということで割愛。ちょうど裏門から入り、博物館の中を通り、表の庭へ出ると、そこは見渡す限りの黒海。表の庭にはカラフルな花や植物がきれいに整備され、その黒海の美しさをさらに引き立てている。もちろん記念撮影をして、しばし余韻を楽しんだ。
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次はヤルタ市内の中心地、メインストリートのレーニン海岸通りへ。なぜか、未だにレーニン像が堂々と立っているレーニン広場を抜けると、活気のある並木道が続く。
人々はTシャツ姿や水着でゆっくりとくつろぎ、子どもたちはローラースケートやラジコンでわいわい、すぐ側のビーチでは日向ぼっこをする人達、そして耳には大道芸人の声や民族音楽が聞こえてくる。楽しさを全部詰め込んだようなその光景に、仕事で来たことを再び悔やんだ。 -
さて、せっかくだからちょっとお買い物をしましょうか、ということでお土産散策開始。そういえば「ウクライナのお土産」と言われてピンと来るものがない。お土産屋さんや空港の免税店などをみても、マトリョーシュカ、チョコレート、琥珀など「ロシアのお土産」と99%かぶってしまう。
しかし!クリミアには名産品がある。それはワインだ。ロシアにはオリジナルワインはほとんどなく輸入ものばかりだが、クリミアには世界に誇るクリミアワインがある。その中でもトップメーカーのワイナリーが「マサンドラ」。国際コンクールで4回「スーパーグランプリ」&「グランプリ」、また190の金・銀賞を受賞している名実ともにトップクラスのワイナリーである。
マサンドラのワインは、「有害な化学的物質を一切使用せず、天然素材のみの使用を基本原理とする古典的製法でつくられた、生態学的に極自然なワイン」だそうだ。某ガイドブックでは、「マサンドラ」の白マスカットワインが名物と書かれているが、ヨーロッパで数々の賞を受賞したワインは主に甘いデザートワインで、値段はピンきりだが、1ボトル日本円で1,000円〜9,000円くらい、と高くはない。
この地中海性気候のクリミア、黒海と自然に囲まれた大地で育った葡萄たちはさぞかし「素直」な子だろうと思い、いくつか日本に連れ帰ることにした。 -
◆6日目&7日目 ヤルタ〜バフチサライ
「ヤルタを含むクリミア半島は、リゾート地としてももちろん有名ですが、歴史的な面でも重要な面を数々もっています。その中で最たるものの一つが・・・」と、ガイドの説明を聞きながら「そう、これを見ずには帰れない」と内心呟いた。リヴァーディア宮殿である。
言うまでもなくあの歴史的首脳会談、「ヤルタ会談」の舞台となった宮殿だ。ルーズベルト(米)、チャーチル(英)、スターリン(ソ)が第2次世界大戦の戦後処理について話し合った当時の円卓・椅子がそのままに残る歴史的に重厚な空間。宮殿内には、その宮殿専用の現地ガイドが登場し、当時の様子を再現して話してくれる。
「この左の入り口からチャーチル一行が、こちらのドアからルーズベルト一行が登場し・・・」と説明を聞きながら、壁に展示してあるほんの60数年前の写真を目にすると、歴史の現場がより鮮明に浮かび、自分の立っている位置とそれが重なる。
「この左の部屋は、ヤルタ協定後にルーズベルトがスターリンとの密約を交わした場所で、日ソ中立条約の一方的破棄、そしてソ連が対日参戦を決めた場所です」と次々に再認識させられるその事実・迫力、まさにその歴史の1ページに立っている感覚は、なんとも言葉では表現できない重みを感じる。ぜひとも皆さん自身の五感で感じてもらいたい名所のひとつだった。 -
まだまだヤルタには見逃せない名所がたくさんある。チェーホフが晩年を過ごした「チェーホフの家博物館」や、かつてのオスマントルコの影響を受けたクリミア・ハーン国の宮殿跡がある「バフチサライ」、絶壁に建つかつての豪邸レストラン「ツバメの巣」や、はたまた標高1200mの山を恐怖の角度で登るアイペトリ山のロープウェイなど、魅力は尽きない。
ロシアに隠れてまだまだ注目度の低いウクライナ。今のうちにぜひとも一度訪れてみてはいかがだろう。(終)
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