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1996年11月23日。<br />いつも旅立つ日は、朝早いものだ。<br /><br />が、僕が乗るキューバ航空の「CU465便」のフライトは、午前11時45分。<br /><br />これでは朝の時間を持て余すよね。<br />この時代はまだ「9.11」もなく、空港のチェックも簡単なものだった。<br /><br />だから、2時間も前に空港へ行けば十分だ。<br />しかし僕は4時間前の午前8時には、ホテルをチェックアウトした。<br /><br />それは、「空港へ行くのは早ければ早いほどいい」という旅行定理があるからだ。<br />大都市の国際空港というものは、一つの大きな町のようなもの。<br /><br />時間の潰しようはいくらでもあるしね。<br />小さな町の空港だと、掘っ立て小屋みたいなところもあるけど(ある、ある)。<br /><br />街を走っているタクシーに、手で合図をしてスッと乗り込む。<br />1996年は、街を走っているのは、フォルクスワーゲンのビートル(カブトムシ)ばかり。<br /><br />このタクシーは、助手席が取り外されていて、乗り込みやすい。<br />メーターで空港まで15.30ペソ、20ペソ札(280円)を出す。<br /><br />「Keep the change(おつりはいらないよ)」と格好よく払う。<br />運転手も「Muchas Gracias!」と、愛想がいい。<br /><br />空港に入ってキューバ航空(CUBANA)のフライトが存在することをまず確認する。<br />飛行機は、突然フライトキャンセルになったりするものだからね。<br /><br />時間があるので空港の店を見て歩く。<br />本屋で「National Geographic」(26.50ペソ)を購入する。<br /><br />また、念のために、コダックの36枚撮りフィルム(ASA100)を入手した(62ペソ)。<br />というのは、キューバに対する経済制裁がどんなものかわからない。<br /><br />フィルムが入手できるかどうか不安だったからだ。<br />時間をつぶして、キューバ航空にチェックインする。<br /><br />メキシコではこの時期(1996年)、米国と一緒で出国審査はなかった。<br />チェックインカウンターで入国カードを取るのも米国と一緒。<br /><br />さて、飛行機内の座席だが、昼間のフライトでメキシコからキューバまでカリブ海を飛ぶ。<br />とすれば、窓側の席がいいだろう。<br /><br />窓際に座っていれば、カリブ海が見渡せる。<br />離陸着陸の時には、メキシコシティやハバナを空中から観察できるのだから。<br /><br />チェックインカウンターでは、係員が愛想よく日本語で、「マドガワ?ツウロガワ?」としゃべった。<br />ラテンアメリカは、人が朗らかでいいね♪<br /><br />出発ロビーのモニターで、僕が乗る予定のキューバ航空「CU465便」の出発を確認する。<br />すると、なんと、午前11時45分の出発予定が30分早まって「11時15分」に変更になっている!<br /><br />飛行機の出発が遅れるのはよくある話。<br />でもね、飛行機が予定時間よりも早く出発するなんて、世の中には、いろんなことがあるものだね(笑)。<br /><br />だから、とにかく、空港や長距離バスターミナルには、早く行くのが基本なんだよ。<br />モニターによると、「出発が午前11時15分、ボーディングが10時半、24番ゲート」になっている。<br /><br />僕の席は、15Fで窓際だ。<br />免税店でワインを1本買った(6ドル)。<br /><br />何しろキューバの情報は全く集めてないからね。<br />でもとにかく、キューバでワインは作れないだろうから、持ち込むのが正しいだろう。<br /><br />ボーディングを待っていると、いつの間にか僕の乗るCU465便の出発は11時50分発に、また変化していた。<br />僕は正直、ガッカリしたね。<br /><br />11時15分に出発してくれれば、「飛行機が出発予定時間よりも早く飛んだ」と話のネタになったのに。<br />飛行機に乗り込むと、満席だった。<br /><br />一列6席で、僕はDEFの窓側F席。<br />D席には白いジャケットの黒人男性、E席には若いラテン系の女性が赤ん坊を抱いて座った。<br /><br />フライト時間は2時間半程度だが、時差が一時間あるので、到着は現地時間の午後3時15分の予定。<br />食事はないかと思ったが、軽い昼食が出た。<br /><br />飲み物を配る時に、スッチーがD席の黒人にぶつかって、ジャケットにジュースをこぼした。<br />ところが、スッチーの太ったおばさんは笑うだけで、あやまらない。<br /><br />ただ、紙ナプキンを持ってきただけだった。<br />これもラテン系でいいねー(笑)。<br /><br />自分がジュースをかけられたら、イヤだけれど…。<br />機内は、全体的にのんびりした雰囲気だ。<br /><br />僕の隣のラテン系の若い女性は赤ん坊を抱いている。<br />そのせいで、食事のトレイをテーブルに載せたが、食事が出来ない。<br /><br />僕は「食べないのかな?」と考えていた。<br />僕はとっとと食事を済ませる。<br /><br />彼女は、当然の雰囲気で、抱いていた赤ちゃんを僕に抱かせた。<br />食事をするのに、赤ちゃんが邪魔だからね。<br /><br />だから、僕は自然と赤ん坊を抱き抱えた。<br />僕は赤ん坊に「パパだよー♪」と、話しかけたりした。<br /><br />中南米では、男性が女性を助けるのが自然のことと考えられている。<br />実際、男性はきれいな女性に親切にするのがラテンアメリカの文化だからね。<br /><br />僕は、コロンビアでも、同じような経験をしたことがある。<br />だから、赤ん坊を押し付けられても特に変には思わない。<br /><br />それでラテン美女と話が始まる(これは英語)。<br />彼女は19歳のメキシコ人で、5歳の時にドイツ人の養子になって、9年間ドイツに住んだ。<br /><br />そのあとメキシコへ戻って生活したのか、19歳で子供を作った。<br />赤ん坊の年齢は、まだ1か月と4日だそうだ。<br /><br />なぜキューバへ行くのか聞いたら、ハバナ乗り継ぎでブリュッセルへ行くとか。<br />これはちょっと自分の視野の狭さを反省したね。<br /><br />キューバは米国との国交がなく、経済制裁されている。<br />しかし、ヨーロッパの国々とは交流があるわけだよ。<br /><br />中米から欧州へ飛ぶには、キューバ航空を使うと結構便利なのかもしれないね。<br />そんなに高くはないだろうし。<br /><br />養子先のドイツ人のことも話をしていたが、あまり好きではないようだった。<br />「めっちゃ金持ちなんや…」と(英語で)言ってたからね。<br /><br />僕は、赤ん坊を飛行機がハバナへ着くまで、ずっと抱いていた。<br />彼女はこれからブリュッセルまで、ずーっと赤ん坊を抱いていなければならないのだろうしね。<br /><br />たった2時間半のフライトなので、深くは話せなかったが、新しい経験をしたのはよかった。<br />旅では、人との出会いが興味深い。<br /><br />でも、中途半端な旅行自慢の日本人旅行者とばかり会って、日本語で退屈な話してもつまらないね。<br />僕たちは、互いの旅の無事を祈って別れる。<br /><br />彼女はトランジットで、ブリュッセルへ。<br />僕はハバナでキューバに入国する。<br /><br />しかし、ハバナの入国審査で出会ったのは、これまた中途半端な日本人旅行者連中だったんだよ(涙)。<br /><br />http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/cuba/baby.htm

『キューバ航空機内で、隣に座った19歳のラテン美女の赤ちゃんを抱いて、「パパだよー♪」と話しかける』

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1996/11 - 1996/11

773位(同エリア812件中)

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みどりのくつした

みどりのくつしたさん

1996年11月23日。
いつも旅立つ日は、朝早いものだ。

が、僕が乗るキューバ航空の「CU465便」のフライトは、午前11時45分。

これでは朝の時間を持て余すよね。
この時代はまだ「9.11」もなく、空港のチェックも簡単なものだった。

だから、2時間も前に空港へ行けば十分だ。
しかし僕は4時間前の午前8時には、ホテルをチェックアウトした。

それは、「空港へ行くのは早ければ早いほどいい」という旅行定理があるからだ。
大都市の国際空港というものは、一つの大きな町のようなもの。

時間の潰しようはいくらでもあるしね。
小さな町の空港だと、掘っ立て小屋みたいなところもあるけど(ある、ある)。

街を走っているタクシーに、手で合図をしてスッと乗り込む。
1996年は、街を走っているのは、フォルクスワーゲンのビートル(カブトムシ)ばかり。

このタクシーは、助手席が取り外されていて、乗り込みやすい。
メーターで空港まで15.30ペソ、20ペソ札(280円)を出す。

「Keep the change(おつりはいらないよ)」と格好よく払う。
運転手も「Muchas Gracias!」と、愛想がいい。

空港に入ってキューバ航空(CUBANA)のフライトが存在することをまず確認する。
飛行機は、突然フライトキャンセルになったりするものだからね。

時間があるので空港の店を見て歩く。
本屋で「National Geographic」(26.50ペソ)を購入する。

また、念のために、コダックの36枚撮りフィルム(ASA100)を入手した(62ペソ)。
というのは、キューバに対する経済制裁がどんなものかわからない。

フィルムが入手できるかどうか不安だったからだ。
時間をつぶして、キューバ航空にチェックインする。

メキシコではこの時期(1996年)、米国と一緒で出国審査はなかった。
チェックインカウンターで入国カードを取るのも米国と一緒。

さて、飛行機内の座席だが、昼間のフライトでメキシコからキューバまでカリブ海を飛ぶ。
とすれば、窓側の席がいいだろう。

窓際に座っていれば、カリブ海が見渡せる。
離陸着陸の時には、メキシコシティやハバナを空中から観察できるのだから。

チェックインカウンターでは、係員が愛想よく日本語で、「マドガワ?ツウロガワ?」としゃべった。
ラテンアメリカは、人が朗らかでいいね♪

出発ロビーのモニターで、僕が乗る予定のキューバ航空「CU465便」の出発を確認する。
すると、なんと、午前11時45分の出発予定が30分早まって「11時15分」に変更になっている!

飛行機の出発が遅れるのはよくある話。
でもね、飛行機が予定時間よりも早く出発するなんて、世の中には、いろんなことがあるものだね(笑)。

だから、とにかく、空港や長距離バスターミナルには、早く行くのが基本なんだよ。
モニターによると、「出発が午前11時15分、ボーディングが10時半、24番ゲート」になっている。

僕の席は、15Fで窓際だ。
免税店でワインを1本買った(6ドル)。

何しろキューバの情報は全く集めてないからね。
でもとにかく、キューバでワインは作れないだろうから、持ち込むのが正しいだろう。

ボーディングを待っていると、いつの間にか僕の乗るCU465便の出発は11時50分発に、また変化していた。
僕は正直、ガッカリしたね。

11時15分に出発してくれれば、「飛行機が出発予定時間よりも早く飛んだ」と話のネタになったのに。
飛行機に乗り込むと、満席だった。

一列6席で、僕はDEFの窓側F席。
D席には白いジャケットの黒人男性、E席には若いラテン系の女性が赤ん坊を抱いて座った。

フライト時間は2時間半程度だが、時差が一時間あるので、到着は現地時間の午後3時15分の予定。
食事はないかと思ったが、軽い昼食が出た。

飲み物を配る時に、スッチーがD席の黒人にぶつかって、ジャケットにジュースをこぼした。
ところが、スッチーの太ったおばさんは笑うだけで、あやまらない。

ただ、紙ナプキンを持ってきただけだった。
これもラテン系でいいねー(笑)。

自分がジュースをかけられたら、イヤだけれど…。
機内は、全体的にのんびりした雰囲気だ。

僕の隣のラテン系の若い女性は赤ん坊を抱いている。
そのせいで、食事のトレイをテーブルに載せたが、食事が出来ない。

僕は「食べないのかな?」と考えていた。
僕はとっとと食事を済ませる。

彼女は、当然の雰囲気で、抱いていた赤ちゃんを僕に抱かせた。
食事をするのに、赤ちゃんが邪魔だからね。

だから、僕は自然と赤ん坊を抱き抱えた。
僕は赤ん坊に「パパだよー♪」と、話しかけたりした。

中南米では、男性が女性を助けるのが自然のことと考えられている。
実際、男性はきれいな女性に親切にするのがラテンアメリカの文化だからね。

僕は、コロンビアでも、同じような経験をしたことがある。
だから、赤ん坊を押し付けられても特に変には思わない。

それでラテン美女と話が始まる(これは英語)。
彼女は19歳のメキシコ人で、5歳の時にドイツ人の養子になって、9年間ドイツに住んだ。

そのあとメキシコへ戻って生活したのか、19歳で子供を作った。
赤ん坊の年齢は、まだ1か月と4日だそうだ。

なぜキューバへ行くのか聞いたら、ハバナ乗り継ぎでブリュッセルへ行くとか。
これはちょっと自分の視野の狭さを反省したね。

キューバは米国との国交がなく、経済制裁されている。
しかし、ヨーロッパの国々とは交流があるわけだよ。

中米から欧州へ飛ぶには、キューバ航空を使うと結構便利なのかもしれないね。
そんなに高くはないだろうし。

養子先のドイツ人のことも話をしていたが、あまり好きではないようだった。
「めっちゃ金持ちなんや…」と(英語で)言ってたからね。

僕は、赤ん坊を飛行機がハバナへ着くまで、ずっと抱いていた。
彼女はこれからブリュッセルまで、ずーっと赤ん坊を抱いていなければならないのだろうしね。

たった2時間半のフライトなので、深くは話せなかったが、新しい経験をしたのはよかった。
旅では、人との出会いが興味深い。

でも、中途半端な旅行自慢の日本人旅行者とばかり会って、日本語で退屈な話してもつまらないね。
僕たちは、互いの旅の無事を祈って別れる。

彼女はトランジットで、ブリュッセルへ。
僕はハバナでキューバに入国する。

しかし、ハバナの入国審査で出会ったのは、これまた中途半端な日本人旅行者連中だったんだよ(涙)。

http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/cuba/baby.htm

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