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 散らかした荷物をおおまかに整理し、8時少し前に宿を出る。今日は東駅へ行ってフランクフルト行きのキップを買いに行く予定。買った後、宿に戻り荷物を持って再度東駅に向かう予定である。<br /><br /> ジョレス駅からルイ・ブランへ出て乗り換え。もう慣れたものである。ガール ド レスト(東駅)で降りて、東駅構内に入り一昨日のキップ売り場に向かう。キップ売り場は人の気配も無くドアも開かない。「どうしよう」と思っていると、背の高い老人がやってきて中を覗き込み首を振って、ドアの文字を指差し体の向きを変え、反対側を指差し歩き出した。私も慌ててついて行くと、ちょうど反対側の対照的な位置にもキップ売り場があった。 <br /> その老人に「メルシ」と言って列に並ぶ。順番が来てフランクフルト行きの詳細を書いたカードを差し出す。すると係員が「2等は一杯、1等ならある」という。しまったと思いつつ「1等はいくら?」と訊くと「175ユーロ」という。頭の中で計算すると3万円近い。この先長いしと諦める。<br /> <br /> 近くの椅子に座りリュックからノートを取り出す。一応代案を3つくらい控えてあるのだ。ひとつは鉄道でフルダ経由ドレスデンからプラハ。しかしこれはドレスデンでの時間が取れない。二つ目はユーロラインズを利用してプラハに直行。バスの発着場はガリエニでここから近い。三つ目は一気にミラノまで列車移動というもの。早く好きなイタリアに行っても良いし、南仏あたりで道草もいいなと思う。だがこれだとプラハもウイーンもパスしてしまう。<br /> 結局、一度はユーロラインズにも乗ってみたいという気が湧いてきて、それで日程を再度組みなおした。<br /><br /> 7日 パリからプラハへ。夜行バス。<br /> 8日 朝、プラハ着。プラハ泊。<br /> 9日 午後、鉄道でウイーンへ。ウイーン泊。<br />10日 ウイーン観光。ウイーン泊。<br />11日 早朝、鉄道でヴェネツィアへ。ヴェネツィア泊(またはパドヴァ泊)<br />12日 ラヴェンナへ往復。パドヴァ泊。<br />13日 ヴェローナへ立ち寄り、ミラノへ。ミラノ泊。<br />14日 ミラノ観光。ミラノ泊。<br />15日 フィレンツェへ移動。フィレンツェ泊(予約済み)。<br />16日 フィレンツェ泊か、ローマへ移動し泊。<br />17日 ローマ泊(予約済み)。<br />18日 ローマから空路パリ。パリより中部国際。帰国。<br /><br />と言う風に組みなおした。これよりこのメモに従い行動したが、大きな間違いを犯すとは。<br /><br /> 旅のノートには第二、第三の移動方法が記入してあり、ユーロラインズならパリ・ガリエニより16時発のプラハ行きがある。<br /> <br /> 早速、東駅より5番線のプラス・ディタリィ行きに乗る。レピュブリックで乗り換えて3番線のガリエニ行きに乗る。ここも電車はRERだがもう気にならない。終点ガリエニで降りて人の流れに着いて行くが、何気なく振り返ると反対側出口に大きくユーロラインズのマークがある。ホームを戻りエスカレーターに乗り階上へ。人はまばらである。マークをたどりいくと左手に発券窓口があり、十人ほどの人が並んでいた。<br /> 並んでいる間にメモ帳に「パリ→プラハ、本日16時出発、1枚」と書き込む。並んでいる人はアフリカ系、白人、アラブ系、中国人らしきカップルと多彩。<br /> 順番が来て丸丸したお姉さんにメモをだすとあっさりと発券。カード決済にする。73ユーロ。確か老人優待があるはずでパスポートもメモと一緒に出したが、普通の運賃だ。面倒だからそのまま受け取る。「バス・ステーション?」と訊くと「アップステアー」と上を指差した。<br /> 念のため上にあがる。一辺に自販機やら何かの窓口があり、向かいがバスの発着場。乗り場を確認できたので、宿に戻る事にする。<br /><br /> ホームに下りると電車が止まっていた。結構人が乗っている。混んでいるのををやり過ごし、やけに空いている車両に乗り込む。乗り込んでびっくり、すぐ横に人が倒れている。ちらっと見ると額から血を流している。一瞬ピストルで撃たれたのかと驚くが、顔は赤み掛かっているし、死んでいるようにも見えない。それだけの事をさっと巡らし、そこを離れて隣の車両に移り空いた席に座る。<br /> すると車内アナウンスがあり乗客が降り出した。私も習って降りると隣のホームにすぐ電車が入ってきた。若い女性警官が来ていて倒れた人に「ムッシュー」と呼びかけていたが反応はなかった。<br /> 電車が動き出しても胸がドキドキしている。何かパリが急に怖くなってきたような気がする。<br /><br /> 宿に戻り荷物を整理する。そこへT君が帰ってきたので、ユーロラインズでプラハに行くと言うと、プラハの安宿を教えてくれた。彼もユーロラインズのファンである。<br />「乗る前にチェックインがありますよ」と教えてもくれた。初めての事には何か不安が付き纏うなぁ。キップを見せると「チェックインは15時と書いてありますよ」と教えてくれた。窓口の女の子が何かかいてたのがそれであった。<br /> <br /><br /> 2時近く皆とお別れして宿を出発。4日間寝泊りしたところだ、寂しいような気もする。水がないのでモノプリへよって長く並んで水一本買う。靴下を一足干したまま忘れたのを思い出し、また宿に取りに戻る。<br /><br /> 慣れ親しんだジョレス駅から2号線のナシオン行きに乗る。有名な墓地のあるペール ラシェーズで乗り換えてガリエニに着いたのは2時35分。ちょうど良い時間だ。<br /> どこでチェックインしたらいいのか判らない。今朝来た時キップを買った窓口の他に、離れたところにひとつ窓口が開いていたが、それは閉まっている。並んでる人が少ないので再び窓口に並ぶ。順番がきて窓口に行き「チェックイン?」と訊くと、指を上向け「アップステアー」と言った。上にあがり見当を付けておいた窓口にいくとこれも閉まっている。探してみてもそれらしいところは無い。仕方なくバス発着場のベンチに座る。目の前にはプラハ行きのバスが停車している。<br /><br /> ベンチの横に東洋人の女性が二人いた。一人は中年でもう一人は若い。若い方の娘は目が細く日本人には見えない。どこかへ出かけ戻ってきた若い子が「お母さん……」と話しかけたので日本人と判った。「失礼ですが日本の方ですか?」とたずねてから「ユーロラインズのチェックインはどこでしたらいいのでしょうか?」と訊いた。すると「えっ、チェックインするんですか?」と母親らしき人が言う。「ええ、知人にそういわれたのですが、それらしき所が無くて困ってます」と答える。「私たち、デュッセルドルフから来て、また帰るんですが、チェックインなんてしませんでしたよ」と言う。「そうなんですか」と納得。まあいろいろあるんだなといい方に解釈。<br /> この親娘、仕事のご主人を残しパリ観光してきたとの事。もう数年になると言うがあまり出掛けていないという。勿体無いな。<br /><br /> 「では、時間ですので」と言って親娘は奥の乗り場に去って行った。しかし、二人は息をはぁはぁ言わせて戻ってきて、「チェックインしろと言われました」と言って、娘さんが下に下りて行ったので、慌ててついていく。先に窓口に行った娘さんが「やはり上だそうです」と行って戻ってくる。仕方なくまた上にあがる。先ほど閉まっていた窓口(***モロッコの表示)に人が並んでいる。モロッコ人専用の何かかと思ったが、わらをも掴む思い出並ぶ。すぐ順番が来て祈るような気持ちでキップを差し出すと、係りの人は今朝の窓口の女の子。「プリーズ、チェックイン」というと何かチェックし、荷物タグとバスのカードをくれた。他の場所に探しに行こうとしていた娘さんを呼びとめ「ここ」と思わず大きな声で言ってしまった。二人は大慌てでチェックインを済ませ、頭を下げながらバスの方に走り去った。<br /><br /> ほっとししばらくて放心状態でベンチに座っていた。<br /><br /> 3時30分。バスの荷物入れが開いたので、タグを大リュックに付けて入れてもらう。<br /> 真ん中少し前方の左の席に座る。バスの中にはトイレが無いみたいなので、トイレに向かう。係員がカードをよこせと言うのでチェックイン時にもらったカードを渡す。用を済ませ戻るとカードを返してくれた。席について窓の外を見ているとちょうど真下が荷物入れ。白人の女の子は凄い体力をしているね。皆、担ぐと頭の上まで出るような大きなリュックを持っている。<br /><br /><br /> 4時ぴったり、エンジンが掛かった。車内に灯が点る。4時4分バスが動き出す。<br /> さらばパリ、ずっと曇りだったパリ。<br /><br /> 良く考えたら、今日はジョレス、東駅、ガリエニと地下鉄でうろうろしただけで、パリをまったく見ていないな。バスの出発を待っているとき、パトカーのサイレンが聞こえたが、映画の中の一幕を思い出し。あの音が本当にパリらしいなと思った。<br /><br /> バスはすぐ高速に入った。ナンシーと表示のあるほうに向かっていく。片側4,5車線もある。社会的基盤の充実振りが目立つな。<br /><br /> バスははじめ空いていたが、出発間際に何人かが乗り込んできて、大方席が埋まった。私の席の通路側は開いている。反対側のアフリカ系男性の席も独り。やはり避けられているのかな。<br /> <br />  4時37分、小雨がフロントガラスにつきだした。<br /> 4時40分、田園地帯に入る。まさにまっ平らの緑の大地。林や木々にかこまれて人家が見える。<br /> 高速のゲートで停まる。ETCみたいなのは無いみたいで、カード決済のゲートがあった。ここからは片側2車線。<br /> 4時50分、カメラを出して撮り始める。バスの乗り心地がいいのか時折うとうととする。<br /> 5時44分、先程からついたり離れたりしつつ、線路と並行して走っているが、列車を一度も見ていない。本数が少ないのだろうか。線路は綺麗で架線の支柱も新しいから幹線だと思うが。<br /><br /> このバスはチェコのバス会社のものみたいで、運転手二人もチェコ人らしい。<br /> どういうルートで行くかさっぱり判らないが、位置関係からドイツを通っていくに違いないと思う。そのため行先表示には注意を払っている。<br /> 5時55分、表示ではリームスとある辺りで右手に大きな教会が見え、街並みが左に見えた。川もあって船が停泊していた。<br /> 6時06分、初めて大きな観光バス(ベンツ)を見た。ずっと大きなトラックやバスは余り見かけない。乗用車がほとんどである。<br /> バスに乗って2時間たつが、乗り物に乗って景色を見るのが大好きなので退屈しない。暗くなったら眠ろう。<br /><br /> 6時46分、ようやく一枚目のSDカードが満タン。4日で一枚では撮るのが少ないな。RAWばかりで撮るかな。しかもバッテリーも驚異的にもっている。やっと1/3減ったところだ。<br /> <br /> 7時12分、前々席のさかんにキャノンのデジカメで写真を撮っていた男性が席を立って後ろへ。出口ドアに降りて行きしばらくして戻ってきた。ああ、トイレがあるとのだと気付く。現金なもので急に水を飲み出す。<br /> <br /> 7時50分、何のアナウンスもなくオートグリルに入る。降りるときバスのカードはくれなかった。まず、トイレ。ここは無料だ。イタリアではたいていお金を払ったが。夕食にとサンドイッチを買う。できるだけ野菜の多いのを選ぶ。パンは黒い粒々のあるのばかり。4.1ユーロ。カウンターで物は試しと「エスプレッソ」を頼む。1.4ユーロ。クイっと一口で飲めてしまう。あっけない。バスの中で食べようと戻ると、ドアが閉まっていて入れない。外のベンチに座ってサンドイッチを齧る。噛んでも味が無いなと思ったが、噛んでいるうちにいい味が出て来た。食べ終えてから再び店内へ。朝、プラハに着いてもコルナが無いので何も買えないから、朝食を仕入れておこうと思ったのである。サンドは痛むからとクロワッサンとチョコパンを買う。3ユーロ。<br /><br /> 8時24分、バスは再び出発。<br /> 8時32分、ナンシー、ルクセンブルクの表示があった。<br /> 8時34分、左手にきれいな池が二つ見えた。空が半分晴れて青空が見えた。こんな綺麗な青空はこちらに来てはじめてだ。いくつもの飛行機雲が見えた。こちらの飛行機は日本で見るより早く見える。ぐんぐん白い線を描いて飛んでいく。<br /><br /> 右の物静かな男性、オートグリルで買ったサンドを食している。彼もバスに入れず待っていたのだ。<br /><br /> 9時20分、ドイツに入ったのか、看板や表示板に黄色が目立ってきた。空は薄暗くなってきて、深い森の中の一本道を走っている。<br /> 9時28分、「マンハイム→」とある道路に入る。アウトバーンみたいだ。しかし速度制限は100Km/h。<br /> 9時31分、コブレンツ、トリアーの表示の下を潜る。<br /> 9時35分、HAUPTBAHNHOFと表示のあるバス停に入る。ここはどこだ?。横にザールブリュッケンの名が入ったバスが止まっている。さらには最新型の低床トラムも走っている。どうも人の乗り降りがあるみたいで、前方から人が乗ってきて、予約済みのカードがあった席に座る。<br /> 9時45分、再び出発。空はうっすらと明かりを残している。薄暮とも夜ともつかぬ絶妙な暗がりをバスは走っていく。ノスタルジィを感じるなぁ。北に向かっているせいか明るみが増してきたようだ。道路の白線も良く見える。<br /> 11時23分、ステーション・アナハイムに乗り入れる。<br /> うとうとし始める。次に停まったところで乗り込んできた5,60歳くらいの白人の女性が隣に座った。挨拶をしたものかと迷っているうちに眠ってしまった。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />

ユーロラインズでチェコへ*遊路(ユーロ)半突きの旅(四日目)

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2008/06/07 - 2008/06/07

1810位(同エリア4551件中)

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9

たぽじい

たぽじいさん

 散らかした荷物をおおまかに整理し、8時少し前に宿を出る。今日は東駅へ行ってフランクフルト行きのキップを買いに行く予定。買った後、宿に戻り荷物を持って再度東駅に向かう予定である。

 ジョレス駅からルイ・ブランへ出て乗り換え。もう慣れたものである。ガール ド レスト(東駅)で降りて、東駅構内に入り一昨日のキップ売り場に向かう。キップ売り場は人の気配も無くドアも開かない。「どうしよう」と思っていると、背の高い老人がやってきて中を覗き込み首を振って、ドアの文字を指差し体の向きを変え、反対側を指差し歩き出した。私も慌ててついて行くと、ちょうど反対側の対照的な位置にもキップ売り場があった。 
 その老人に「メルシ」と言って列に並ぶ。順番が来てフランクフルト行きの詳細を書いたカードを差し出す。すると係員が「2等は一杯、1等ならある」という。しまったと思いつつ「1等はいくら?」と訊くと「175ユーロ」という。頭の中で計算すると3万円近い。この先長いしと諦める。
 
 近くの椅子に座りリュックからノートを取り出す。一応代案を3つくらい控えてあるのだ。ひとつは鉄道でフルダ経由ドレスデンからプラハ。しかしこれはドレスデンでの時間が取れない。二つ目はユーロラインズを利用してプラハに直行。バスの発着場はガリエニでここから近い。三つ目は一気にミラノまで列車移動というもの。早く好きなイタリアに行っても良いし、南仏あたりで道草もいいなと思う。だがこれだとプラハもウイーンもパスしてしまう。
 結局、一度はユーロラインズにも乗ってみたいという気が湧いてきて、それで日程を再度組みなおした。

 7日 パリからプラハへ。夜行バス。
 8日 朝、プラハ着。プラハ泊。
 9日 午後、鉄道でウイーンへ。ウイーン泊。
10日 ウイーン観光。ウイーン泊。
11日 早朝、鉄道でヴェネツィアへ。ヴェネツィア泊(またはパドヴァ泊)
12日 ラヴェンナへ往復。パドヴァ泊。
13日 ヴェローナへ立ち寄り、ミラノへ。ミラノ泊。
14日 ミラノ観光。ミラノ泊。
15日 フィレンツェへ移動。フィレンツェ泊(予約済み)。
16日 フィレンツェ泊か、ローマへ移動し泊。
17日 ローマ泊(予約済み)。
18日 ローマから空路パリ。パリより中部国際。帰国。

と言う風に組みなおした。これよりこのメモに従い行動したが、大きな間違いを犯すとは。

 旅のノートには第二、第三の移動方法が記入してあり、ユーロラインズならパリ・ガリエニより16時発のプラハ行きがある。
 
 早速、東駅より5番線のプラス・ディタリィ行きに乗る。レピュブリックで乗り換えて3番線のガリエニ行きに乗る。ここも電車はRERだがもう気にならない。終点ガリエニで降りて人の流れに着いて行くが、何気なく振り返ると反対側出口に大きくユーロラインズのマークがある。ホームを戻りエスカレーターに乗り階上へ。人はまばらである。マークをたどりいくと左手に発券窓口があり、十人ほどの人が並んでいた。
 並んでいる間にメモ帳に「パリ→プラハ、本日16時出発、1枚」と書き込む。並んでいる人はアフリカ系、白人、アラブ系、中国人らしきカップルと多彩。
 順番が来て丸丸したお姉さんにメモをだすとあっさりと発券。カード決済にする。73ユーロ。確か老人優待があるはずでパスポートもメモと一緒に出したが、普通の運賃だ。面倒だからそのまま受け取る。「バス・ステーション?」と訊くと「アップステアー」と上を指差した。
 念のため上にあがる。一辺に自販機やら何かの窓口があり、向かいがバスの発着場。乗り場を確認できたので、宿に戻る事にする。

 ホームに下りると電車が止まっていた。結構人が乗っている。混んでいるのををやり過ごし、やけに空いている車両に乗り込む。乗り込んでびっくり、すぐ横に人が倒れている。ちらっと見ると額から血を流している。一瞬ピストルで撃たれたのかと驚くが、顔は赤み掛かっているし、死んでいるようにも見えない。それだけの事をさっと巡らし、そこを離れて隣の車両に移り空いた席に座る。
 すると車内アナウンスがあり乗客が降り出した。私も習って降りると隣のホームにすぐ電車が入ってきた。若い女性警官が来ていて倒れた人に「ムッシュー」と呼びかけていたが反応はなかった。
 電車が動き出しても胸がドキドキしている。何かパリが急に怖くなってきたような気がする。

 宿に戻り荷物を整理する。そこへT君が帰ってきたので、ユーロラインズでプラハに行くと言うと、プラハの安宿を教えてくれた。彼もユーロラインズのファンである。
「乗る前にチェックインがありますよ」と教えてもくれた。初めての事には何か不安が付き纏うなぁ。キップを見せると「チェックインは15時と書いてありますよ」と教えてくれた。窓口の女の子が何かかいてたのがそれであった。
 

 2時近く皆とお別れして宿を出発。4日間寝泊りしたところだ、寂しいような気もする。水がないのでモノプリへよって長く並んで水一本買う。靴下を一足干したまま忘れたのを思い出し、また宿に取りに戻る。

 慣れ親しんだジョレス駅から2号線のナシオン行きに乗る。有名な墓地のあるペール ラシェーズで乗り換えてガリエニに着いたのは2時35分。ちょうど良い時間だ。
 どこでチェックインしたらいいのか判らない。今朝来た時キップを買った窓口の他に、離れたところにひとつ窓口が開いていたが、それは閉まっている。並んでる人が少ないので再び窓口に並ぶ。順番がきて窓口に行き「チェックイン?」と訊くと、指を上向け「アップステアー」と言った。上にあがり見当を付けておいた窓口にいくとこれも閉まっている。探してみてもそれらしいところは無い。仕方なくバス発着場のベンチに座る。目の前にはプラハ行きのバスが停車している。

 ベンチの横に東洋人の女性が二人いた。一人は中年でもう一人は若い。若い方の娘は目が細く日本人には見えない。どこかへ出かけ戻ってきた若い子が「お母さん……」と話しかけたので日本人と判った。「失礼ですが日本の方ですか?」とたずねてから「ユーロラインズのチェックインはどこでしたらいいのでしょうか?」と訊いた。すると「えっ、チェックインするんですか?」と母親らしき人が言う。「ええ、知人にそういわれたのですが、それらしき所が無くて困ってます」と答える。「私たち、デュッセルドルフから来て、また帰るんですが、チェックインなんてしませんでしたよ」と言う。「そうなんですか」と納得。まあいろいろあるんだなといい方に解釈。
 この親娘、仕事のご主人を残しパリ観光してきたとの事。もう数年になると言うがあまり出掛けていないという。勿体無いな。

 「では、時間ですので」と言って親娘は奥の乗り場に去って行った。しかし、二人は息をはぁはぁ言わせて戻ってきて、「チェックインしろと言われました」と言って、娘さんが下に下りて行ったので、慌ててついていく。先に窓口に行った娘さんが「やはり上だそうです」と行って戻ってくる。仕方なくまた上にあがる。先ほど閉まっていた窓口(***モロッコの表示)に人が並んでいる。モロッコ人専用の何かかと思ったが、わらをも掴む思い出並ぶ。すぐ順番が来て祈るような気持ちでキップを差し出すと、係りの人は今朝の窓口の女の子。「プリーズ、チェックイン」というと何かチェックし、荷物タグとバスのカードをくれた。他の場所に探しに行こうとしていた娘さんを呼びとめ「ここ」と思わず大きな声で言ってしまった。二人は大慌てでチェックインを済ませ、頭を下げながらバスの方に走り去った。

 ほっとししばらくて放心状態でベンチに座っていた。

 3時30分。バスの荷物入れが開いたので、タグを大リュックに付けて入れてもらう。
 真ん中少し前方の左の席に座る。バスの中にはトイレが無いみたいなので、トイレに向かう。係員がカードをよこせと言うのでチェックイン時にもらったカードを渡す。用を済ませ戻るとカードを返してくれた。席について窓の外を見ているとちょうど真下が荷物入れ。白人の女の子は凄い体力をしているね。皆、担ぐと頭の上まで出るような大きなリュックを持っている。


 4時ぴったり、エンジンが掛かった。車内に灯が点る。4時4分バスが動き出す。
 さらばパリ、ずっと曇りだったパリ。

 良く考えたら、今日はジョレス、東駅、ガリエニと地下鉄でうろうろしただけで、パリをまったく見ていないな。バスの出発を待っているとき、パトカーのサイレンが聞こえたが、映画の中の一幕を思い出し。あの音が本当にパリらしいなと思った。

 バスはすぐ高速に入った。ナンシーと表示のあるほうに向かっていく。片側4,5車線もある。社会的基盤の充実振りが目立つな。

 バスははじめ空いていたが、出発間際に何人かが乗り込んできて、大方席が埋まった。私の席の通路側は開いている。反対側のアフリカ系男性の席も独り。やはり避けられているのかな。
 
4時37分、小雨がフロントガラスにつきだした。
 4時40分、田園地帯に入る。まさにまっ平らの緑の大地。林や木々にかこまれて人家が見える。
 高速のゲートで停まる。ETCみたいなのは無いみたいで、カード決済のゲートがあった。ここからは片側2車線。
 4時50分、カメラを出して撮り始める。バスの乗り心地がいいのか時折うとうととする。
 5時44分、先程からついたり離れたりしつつ、線路と並行して走っているが、列車を一度も見ていない。本数が少ないのだろうか。線路は綺麗で架線の支柱も新しいから幹線だと思うが。

 このバスはチェコのバス会社のものみたいで、運転手二人もチェコ人らしい。
 どういうルートで行くかさっぱり判らないが、位置関係からドイツを通っていくに違いないと思う。そのため行先表示には注意を払っている。
 5時55分、表示ではリームスとある辺りで右手に大きな教会が見え、街並みが左に見えた。川もあって船が停泊していた。
 6時06分、初めて大きな観光バス(ベンツ)を見た。ずっと大きなトラックやバスは余り見かけない。乗用車がほとんどである。
 バスに乗って2時間たつが、乗り物に乗って景色を見るのが大好きなので退屈しない。暗くなったら眠ろう。

 6時46分、ようやく一枚目のSDカードが満タン。4日で一枚では撮るのが少ないな。RAWばかりで撮るかな。しかもバッテリーも驚異的にもっている。やっと1/3減ったところだ。
 
 7時12分、前々席のさかんにキャノンのデジカメで写真を撮っていた男性が席を立って後ろへ。出口ドアに降りて行きしばらくして戻ってきた。ああ、トイレがあるとのだと気付く。現金なもので急に水を飲み出す。
 
 7時50分、何のアナウンスもなくオートグリルに入る。降りるときバスのカードはくれなかった。まず、トイレ。ここは無料だ。イタリアではたいていお金を払ったが。夕食にとサンドイッチを買う。できるだけ野菜の多いのを選ぶ。パンは黒い粒々のあるのばかり。4.1ユーロ。カウンターで物は試しと「エスプレッソ」を頼む。1.4ユーロ。クイっと一口で飲めてしまう。あっけない。バスの中で食べようと戻ると、ドアが閉まっていて入れない。外のベンチに座ってサンドイッチを齧る。噛んでも味が無いなと思ったが、噛んでいるうちにいい味が出て来た。食べ終えてから再び店内へ。朝、プラハに着いてもコルナが無いので何も買えないから、朝食を仕入れておこうと思ったのである。サンドは痛むからとクロワッサンとチョコパンを買う。3ユーロ。

 8時24分、バスは再び出発。
 8時32分、ナンシー、ルクセンブルクの表示があった。
 8時34分、左手にきれいな池が二つ見えた。空が半分晴れて青空が見えた。こんな綺麗な青空はこちらに来てはじめてだ。いくつもの飛行機雲が見えた。こちらの飛行機は日本で見るより早く見える。ぐんぐん白い線を描いて飛んでいく。

 右の物静かな男性、オートグリルで買ったサンドを食している。彼もバスに入れず待っていたのだ。

 9時20分、ドイツに入ったのか、看板や表示板に黄色が目立ってきた。空は薄暗くなってきて、深い森の中の一本道を走っている。
 9時28分、「マンハイム→」とある道路に入る。アウトバーンみたいだ。しかし速度制限は100Km/h。
 9時31分、コブレンツ、トリアーの表示の下を潜る。
 9時35分、HAUPTBAHNHOFと表示のあるバス停に入る。ここはどこだ?。横にザールブリュッケンの名が入ったバスが止まっている。さらには最新型の低床トラムも走っている。どうも人の乗り降りがあるみたいで、前方から人が乗ってきて、予約済みのカードがあった席に座る。
 9時45分、再び出発。空はうっすらと明かりを残している。薄暮とも夜ともつかぬ絶妙な暗がりをバスは走っていく。ノスタルジィを感じるなぁ。北に向かっているせいか明るみが増してきたようだ。道路の白線も良く見える。
 11時23分、ステーション・アナハイムに乗り入れる。
 うとうとし始める。次に停まったところで乗り込んできた5,60歳くらいの白人の女性が隣に座った。挨拶をしたものかと迷っているうちに眠ってしまった。


































同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス
航空会社
エールフランス
  •  パリから離れると平地がずっと。

     パリから離れると平地がずっと。

  •  どこの街かこんな教会が見えた。

     どこの街かこんな教会が見えた。

  •  高速道路わきには色んなオブジェがあった。色も順次レインボウカラーのように変わっていく。

     高速道路わきには色んなオブジェがあった。色も順次レインボウカラーのように変わっていく。

  •  走り出して4時間後にオートグリルに入る。ここで夕食のサンドと、明朝のパンを買う。コルナがないから前もって用意。

     走り出して4時間後にオートグリルに入る。ここで夕食のサンドと、明朝のパンを買う。コルナがないから前もって用意。

  •  カウンターで初めてエスプレッソを飲んでみた。あっけなかった。

     カウンターで初めてエスプレッソを飲んでみた。あっけなかった。

  •  これがユーロラインズのバス。チェコの会社のものだ。運転手二人もチェコ人。

     これがユーロラインズのバス。チェコの会社のものだ。運転手二人もチェコ人。

  •  ウインドウの真ん中に何かぶら下げていたトラック。ちなみに左の男性は我が席の右の物静かな人。

     ウインドウの真ん中に何かぶら下げていたトラック。ちなみに左の男性は我が席の右の物静かな人。

  •  ドイツに入って最初の停車。数人の人が乗り込んできた。パリからプラハまでそのまま直行かと思っていたが、これから先も乗り降りがあった。<br /> 隣のトラムの表示は「ハウプトバーンホーフ」とあったが、どこのハウプトバーンホフかわからない。

     ドイツに入って最初の停車。数人の人が乗り込んできた。パリからプラハまでそのまま直行かと思っていたが、これから先も乗り降りがあった。
     隣のトラムの表示は「ハウプトバーンホーフ」とあったが、どこのハウプトバーンホフかわからない。

  •  午後10時近く。なかなか暗くならない。<br /><br /> <br /> ステーション・アナハイムというところで横に5,60代白人女性が座った。挨拶をしたものか迷っているうちに眠ってしまった。

     午後10時近く。なかなか暗くならない。

     
     ステーション・アナハイムというところで横に5,60代白人女性が座った。挨拶をしたものか迷っているうちに眠ってしまった。

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