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◆◆11月9日◆◆ ペルミ<br /><br /> ここから時差が発生してモスクワ+2時間なので、13:17にペルミ着です。真っ先にシャワーを探したのですが<br /><br />「ちょうど今日だけお休みなのよ」<br /><br />とのこと。嘘か本当かは知りませんが、ともかくもう我慢の限界に近づいていたので、市内のバーニャ(サウナ)の場所を教えてもらって直行します。ともかくアジア人が少ないので目立ちました(笑)。<br /><br /> この街の本命だったロシア国立ペルミ・チャイコフスキー記念劇場では、今日は“白鳥の湖”をやるとのことで、思わずガッツポーズです。これが観光客の少ない地方都市の現実なのか、ホームページの情報がなかなか更新されないので、行ってみないとその日公演があるのかさえ分かりません。個人的にはパンフィーロフ・バレエ(もう亡くなったコンテンポラリー・ダンスの振付家が率いていたカンパニーで、現在も活動を続けています)に行ってみたかったのですが、街のかなり深いところに行かねばならず、既に暗くなってきていて危険ということで断念しました。<br /><br /> そして23:00発の夜行に乗るべくペルミ駅に戻ってきましたが、本当にやる気あるのかと言いたくなる駅です(笑)。時計は壊れていて“88:88”になっているし、そもそも電光の駅看板、“ПЕРМЬ−?”(PERM’−?)の“П”の電気切れているし…。乗ったら乗ったで、乗務員さんが新人らしく、待ってもなかなかシーツと毛布が配られないし、トイレの鍵は開かないし(停車中は施錠されていて入れません)、サモワールは沸いてなくて温かいお茶も飲めないし…という感じで泣きそうになりました。ですので、あまりこの街にはいい思い出がありません。全てあの乗務員さんのせいです。<br /><br />■ロシア国立ペルミ・チャイコフスキー記念劇場<br />“白鳥の湖”<br /><br /> ロシアの地方都市でもトップクラスのバレエ団だけあって、この日の公演はほぼ満席でした。席に着いた時の第一印象は<br /><br />「舞台が狭いなぁ」<br /><br />だったのですが、公演全体の印象もこれに尽きます。舞台が狭くて群舞がのりきらなくなるため、装置がかなり簡素になり、24人の群舞と8人のソリストがひしめき合ってすし詰め状態(動きが小さくなる分、アラは目立たないのですが)になり、王子様は自分の座る椅子を持ち運ばねばならない上、オディールにだまされて愛しのオデットに許しを請うべく走り去るシーンも、音楽が余るのでのろのろ歩いて退場するしかなく(笑)という感じでした。<br />                   <br /> オデットを踊ったヤロスラヴァ・アラプタノワは、登場した瞬間に<br /><br />「あ、白鳥だ」<br /><br />と思えるレベルです。見栄えのする派手なテクニックはありませんが、音楽をギリギリまでひっぱる踊り。ディテールも凝っていて好印象です。その他にも民族舞踊に盛り上がった場面もあり、全体的に楽しめる公演水準でした。

ロシアの地方劇場めぐり (2)

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2007/11 - 2007/11

334位(同エリア342件中)

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1

JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

◆◆11月9日◆◆ ペルミ

 ここから時差が発生してモスクワ+2時間なので、13:17にペルミ着です。真っ先にシャワーを探したのですが

「ちょうど今日だけお休みなのよ」

とのこと。嘘か本当かは知りませんが、ともかくもう我慢の限界に近づいていたので、市内のバーニャ(サウナ)の場所を教えてもらって直行します。ともかくアジア人が少ないので目立ちました(笑)。

 この街の本命だったロシア国立ペルミ・チャイコフスキー記念劇場では、今日は“白鳥の湖”をやるとのことで、思わずガッツポーズです。これが観光客の少ない地方都市の現実なのか、ホームページの情報がなかなか更新されないので、行ってみないとその日公演があるのかさえ分かりません。個人的にはパンフィーロフ・バレエ(もう亡くなったコンテンポラリー・ダンスの振付家が率いていたカンパニーで、現在も活動を続けています)に行ってみたかったのですが、街のかなり深いところに行かねばならず、既に暗くなってきていて危険ということで断念しました。

 そして23:00発の夜行に乗るべくペルミ駅に戻ってきましたが、本当にやる気あるのかと言いたくなる駅です(笑)。時計は壊れていて“88:88”になっているし、そもそも電光の駅看板、“ПЕРМЬ−?”(PERM’−?)の“П”の電気切れているし…。乗ったら乗ったで、乗務員さんが新人らしく、待ってもなかなかシーツと毛布が配られないし、トイレの鍵は開かないし(停車中は施錠されていて入れません)、サモワールは沸いてなくて温かいお茶も飲めないし…という感じで泣きそうになりました。ですので、あまりこの街にはいい思い出がありません。全てあの乗務員さんのせいです。

■ロシア国立ペルミ・チャイコフスキー記念劇場
“白鳥の湖”

 ロシアの地方都市でもトップクラスのバレエ団だけあって、この日の公演はほぼ満席でした。席に着いた時の第一印象は

「舞台が狭いなぁ」

だったのですが、公演全体の印象もこれに尽きます。舞台が狭くて群舞がのりきらなくなるため、装置がかなり簡素になり、24人の群舞と8人のソリストがひしめき合ってすし詰め状態(動きが小さくなる分、アラは目立たないのですが)になり、王子様は自分の座る椅子を持ち運ばねばならない上、オディールにだまされて愛しのオデットに許しを請うべく走り去るシーンも、音楽が余るのでのろのろ歩いて退場するしかなく(笑)という感じでした。
 
 オデットを踊ったヤロスラヴァ・アラプタノワは、登場した瞬間に

「あ、白鳥だ」

と思えるレベルです。見栄えのする派手なテクニックはありませんが、音楽をギリギリまでひっぱる踊り。ディテールも凝っていて好印象です。その他にも民族舞踊に盛り上がった場面もあり、全体的に楽しめる公演水準でした。

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  • ◆◆11月10日◆◆ エカテリンブルグ<br /><br /> 駅に到着したのは06:50くらいです。まずは宿を探しますが、安い部屋がどこにもありません!駅の休憩所(外国人登録は出来ませんが、宿泊も可)も閉鎖されたということで、4つほどホテルを回りましたが、一番安いのが駅の向かいにある1900ルーブリ(8500円位)の部屋です。仕方がないので、そこに泊まるために駅へ戻ろうとマルシュルートカ(乗り合いタクシー)に乗ります。が、エカテリンブルクは意外と都会でした(笑)。<br /><br /> 鉄道の駅は正確には「ジェレズニェダロージュヌィ・バクザール」といいますが、大都市でなければ「ヴァクザール」だけでも通じます。ものぐさな私はいつも「ヴァクザールで止めて」としか言わないのですが、実はエカテリンブルクには「アフト=ヴァクザール」(バスターミナル)もあったので、そこで降ろされてしまいました。通りすがりの人に質問すると、鉄道の駅はすぐ近くとのことなので、探検がてら歩くことにします。<br /><br /> するとなんと3階に休憩所があるとの看板が!行ってみると4人部屋で一泊300ルーブル(1300円くらい)とのこと。迷わず飛びつきます。雰囲気はまさにユース・ホステルという感じ。もちろん見知らぬ人と一緒なので、荷物の管理には注意しなければいけませんが、清潔で暖房もきいていますし、飲料水のサービスもあって快適です。ロシアではこういうどんでん返しが結構ゴロゴロしているので、気力と体力が許す限り動き回ると、後から時の運がついてきます。<br /><br /> めでたく宿を確保できたので、急いで「ロシア国立エカテリンブルク・ルナチャールスキー記念オペラ劇場」へ。実はこの劇場が旅行の主目的の一つです。<br /><br /> 少しロシアの文化行政についてお話させていただきますと、国立の劇場でも、補助金が国家から支給されるところと、地方自治体からのところがあります。国家からの補助金は、モスクワやサンクトペテルブルグに集中していて、地方都市のオペラ劇場ではここエカテリンブルグと、ノヴォシビルスクだけです。ところがこのバレエ団の日本での知名度はゼロに近いので、実際行って観てみたかったのです。<br /><br />■ロシア国立エカテリンブルク・ルナチャールスキー記念<br />オペラ劇場 “ロミオとジュリエット”<br /><br /> グレーを基調にした外観で、優美・繊細という言葉がピッタリ。貴族の邸宅のようで、ソリストの見栄えもペルミより格上の印象ですが、演出が良くなかったです(笑)。振付そのものは悪くないのですが、全般に抽象的過ぎて分かりにくかったり、装置・衣装が貧相で群舞の人数も少なめだったりと、娯楽性に欠ける印象です。<br />少し変わっているのは、ベンヴォーリオを女性が演じるところと、ロミオがティボルトを殺してしまった瞬間、なぜかジュリエットが突然登場するところでしょうか。<br /><br /> それでもナタリヤ・クズネツォワとミハイル・エフゲーノフは、テクニック的に不安定な所はあるものの、若々しくて容姿も魅力的。それにここのバレエ団は「オジサン世代」のダンサーが充実しているので、別の演目で観たかったなぁ、というのが率直な感想です。<br /><br />(つづく)

    ◆◆11月10日◆◆ エカテリンブルグ

     駅に到着したのは06:50くらいです。まずは宿を探しますが、安い部屋がどこにもありません!駅の休憩所(外国人登録は出来ませんが、宿泊も可)も閉鎖されたということで、4つほどホテルを回りましたが、一番安いのが駅の向かいにある1900ルーブリ(8500円位)の部屋です。仕方がないので、そこに泊まるために駅へ戻ろうとマルシュルートカ(乗り合いタクシー)に乗ります。が、エカテリンブルクは意外と都会でした(笑)。

     鉄道の駅は正確には「ジェレズニェダロージュヌィ・バクザール」といいますが、大都市でなければ「ヴァクザール」だけでも通じます。ものぐさな私はいつも「ヴァクザールで止めて」としか言わないのですが、実はエカテリンブルクには「アフト=ヴァクザール」(バスターミナル)もあったので、そこで降ろされてしまいました。通りすがりの人に質問すると、鉄道の駅はすぐ近くとのことなので、探検がてら歩くことにします。

     するとなんと3階に休憩所があるとの看板が!行ってみると4人部屋で一泊300ルーブル(1300円くらい)とのこと。迷わず飛びつきます。雰囲気はまさにユース・ホステルという感じ。もちろん見知らぬ人と一緒なので、荷物の管理には注意しなければいけませんが、清潔で暖房もきいていますし、飲料水のサービスもあって快適です。ロシアではこういうどんでん返しが結構ゴロゴロしているので、気力と体力が許す限り動き回ると、後から時の運がついてきます。

     めでたく宿を確保できたので、急いで「ロシア国立エカテリンブルク・ルナチャールスキー記念オペラ劇場」へ。実はこの劇場が旅行の主目的の一つです。

     少しロシアの文化行政についてお話させていただきますと、国立の劇場でも、補助金が国家から支給されるところと、地方自治体からのところがあります。国家からの補助金は、モスクワやサンクトペテルブルグに集中していて、地方都市のオペラ劇場ではここエカテリンブルグと、ノヴォシビルスクだけです。ところがこのバレエ団の日本での知名度はゼロに近いので、実際行って観てみたかったのです。

    ■ロシア国立エカテリンブルク・ルナチャールスキー記念
    オペラ劇場 “ロミオとジュリエット”

     グレーを基調にした外観で、優美・繊細という言葉がピッタリ。貴族の邸宅のようで、ソリストの見栄えもペルミより格上の印象ですが、演出が良くなかったです(笑)。振付そのものは悪くないのですが、全般に抽象的過ぎて分かりにくかったり、装置・衣装が貧相で群舞の人数も少なめだったりと、娯楽性に欠ける印象です。
    少し変わっているのは、ベンヴォーリオを女性が演じるところと、ロミオがティボルトを殺してしまった瞬間、なぜかジュリエットが突然登場するところでしょうか。

     それでもナタリヤ・クズネツォワとミハイル・エフゲーノフは、テクニック的に不安定な所はあるものの、若々しくて容姿も魅力的。それにここのバレエ団は「オジサン世代」のダンサーが充実しているので、別の演目で観たかったなぁ、というのが率直な感想です。

    (つづく)

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