2008/02/13 - 2008/02/13
1822位(同エリア9448件中)
るりさん
約千3百年の伝統がある国東半島・六郷満山の宗教行事・修正鬼会が豊後高田市長岩屋の天念寺であり行ってきました。
国の重要無形民俗文化財に指定されています。
以前は国東半島・六郷満山には28ヶ寺に鬼がいたそうですが、今では修正鬼会は3ヵ寺のみとなり、天念寺は毎年、他の寺は隔年に行われようになっています。
修正会では厳しい儀式とともに、仏の化身である鈴鬼、赤鬼、黒鬼が登場します。
さらに「オハヤシカタ」と称する楽隊もあり、読経と共に演奏します。
修正鬼会は午後3時に昼の勤行から始まり、午後11時まで続きます。一般参拝者も参加できる楽しい行事です。
写真はコダイ(小松明)を交差させる災祓い鬼と荒鬼の法舞です。
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 自家用車
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修正鬼会が行われる講堂。
ござが敷き詰められ僧侶の暖用に火鉢が用意されています。 -
薬師如来座像の前には法舞に使う香水棒、鬼の面、刀、ナタなどが供えられています。
後ろの壁は岩がむき出しになっています。 -
天井は松の梁が使われ竹が渡されています。
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燃え上がる松明が鬼会の舞台となる講堂を照らします。神仏混合の配置で隣は神社です。
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午後7時 垢離取り(こうりとり)
天念寺前を流れる川中で赤鬼(厄払い役の僧)と黒鬼と介錯役の僧(テイレシ)が身を清めます。 -
川の中にある川中不動尊まで泳いで行きます。
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川中不動尊です。
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盃の儀
本堂で僧侶と介錯役が堂役の仲介で固めの盃をします。 -
午後8時 タイアゲ
大松明に点火されます。 -
長さ5メートルの大松明が3本立てられます。
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オハヤシカタ 子供が勤めています。
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車座に座り夜の勤行が始まります。
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2名の僧侶が手に香水棒を持ち、祭壇の廻りをまわります。
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巻物を読経します。
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構堂は身動き出来ないほど参拝客で一杯です。
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読経が終わると僧侶は盛装を解いて道服に着替えます。
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同時に堂内のものはすべて片付けられます。
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午後9時 米華(まいけ)
2名の僧侶が右手に香水棒・左手に米・藁・牛珠杖を載せた膳を持ち、足踏みします。
米・藁・牛珠杖は見物客に向けて撒かれ、縁起物なので奪い合いがはじまります。 -
開白(かいはく)
2名の僧侶が諸仏諸天に祈念の踊りを香水棒を持って踊ります。 -
香水(こうずい)
たいへん愉快な踊りで普段の僧侶からは想像もつきません。 -
並んで香水棒を上にあげたり。
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向かい合ったり。
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飛んだり。
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跳ねたり。
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大変激しい踊りなので交代しながら踊ります。
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娘さんが飛び入りで挑戦します。この方は大変上手でした。
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外国の方も飛び入りで挑戦しています。
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鈴鬼
男女の面を付け、鈴、団扇を持ち十種の法舞をします。 -
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午後10時
厄払いの赤鬼がおんぶされて登場します。 -
鬼の面を付けて鬼に変身します。
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松明を振り回し暴れます。
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飛んだり。
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跳ねたり。
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続いて同じように黒鬼(荒鬼)がおんぶされて登場します。
同じく鬼の面を付けて鬼に変身します。 -
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ホウレンショウヨー!ソラオンニワヨ!の掛け声の中、2匹の鬼は松明を振り回して法舞です。
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燃え盛るたいまつを手に荒々しく堂内を暴れ周りながら、松明で鴨居、床を激しく叩き火の粉を飛び散らします。
そのつど参拝客は逃げ廻ります。 -
午後10時30分 鬼の目餅撒き。
「鬼の目」と呼ばれる大きな餅が参拝者に向かって投げられます。
それを拾った人は縁起が良いとされ、こぞって奪い合いになります。
祭りは最高潮になり火の粉が飛び散り、煙が立ち込めます。 -
タイレシを連れて暴れまわる鬼と餅を拾う人々。
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容赦なく松明を振り回すので壁の張り紙にまで火の子が飛び散ります。
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般若心境の読経の中、鬼達は松明で参拝者の背中や肩を叩き無病息災を祈願します。
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午後11時
鬼達はおんぶされて退場します。 -
最後に餅まきがあり天念寺の修正鬼会はおわりました。
飛んだり跳ねたりして踊る姿はお坊さんというイメージからはかけ離れて微笑ましく親しみやすいお祭りでした。
私も服におこげが何箇所かできました。
ことしは無病息災のご利益があることでしょう。
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この旅行記へのコメント (8)
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- sagamiさん 2009/11/23 23:04:36
- はじめまして
- こんばんは、はじめまして
天念寺の修正鬼会(しゅじょうおにえ)。
僕は豊後高田出身なのですが、実際に見たことはありません。
いつか見てみたいな、と思っていたのですが、るりさんの旅行記を見て、更に見てみたくなりました。
sagami
- るりさん からの返信 2009/11/24 08:54:06
- はじめまして
- sagamiさん おはようございます。
ご訪問ありがとうございました。
豊後高田出身ですか、私は何度も行っているのですよ。
伝統行事が多く残っていますよね。(ホーランエンヤにも行きました)
地元の皆さんがすごく頑張って、アイデア一杯の素敵な町ですね。
今はバンコクに赴任中だそうで・・・
バンコクでの入院記、興味深く拝見しました。
(保険に入っておく必要をかんじました)
天念寺の修正鬼会 迫力がありましたよ。
それに僧侶の法舞がユニークで本当に楽しい行事です。
外は寒いのですが中は熱気がむんむん・・・
ぜひ、お薦めします、行かれてくださいね。 るり
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- チムさん 2008/02/22 09:27:15
- めずらしい
- いつもいつも、珍しい行事を見せて頂き、大変参考になります。
写真は直ぐ側で取っている様で興奮度が良く伝わってきます。
この行事はお坊さんが修行の疲れを癒すリクリェーションみたいなものですかね。おっと怒られるかも。
奇祭と云っていい行事ですよね、全国色んなお祭り行事があるものですね。
大変参考になりました。
- るりさん からの返信 2008/02/22 10:12:37
- 楽しい行事でしたよ
- チムさま おはようございます。
私も初めて行き、僧侶のひょうきんな踊りに驚きました。
高下駄を履いて踊るのは疲れるらしく、30分くらいの間に交代して踊っていましたよ。
ここ、国東半島にはまだ奇祭といわれる行事が残っています。
がんばって見に行きたいと思っています。 るり
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- naniwa ladyさん 2008/02/22 08:11:48
- はじめまして 8(*^o^*)8サザエ
- 修正鬼会、見せていただきました。
これを見て、奈良のお水取りを思いだしました。
お水取りの正式名称は修二会というのですが、同じように、お坊さんがみんなの罪を一身にうけて懺悔するということで、このような行があります。でも内陣で催されるのですが、そこは女人禁制だし、入れる人も限られていて、見ることはできません。このような行が他の地方でもあるんだなぁと思いました。
すごいものを見せていただきました。有難うございました。
- るりさん からの返信 2008/02/22 09:39:19
- ” はじめまして”
- naniwa ladyさま おはようございます。
毎年奈良のお水取りのことはテレビで見ていますが、大変な人出ですね。
今時女人禁制とは?
天念寺は天台宗のお寺で今では檀家はひとりも無く、地元の方達が守り続けているそうです。
私も初めて行き、普段見ることのないユーモアある愉快な僧侶の姿に驚きました。
いつもは静かな山間にある天念寺ですがたいへんな賑わいでした。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。 るり
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- イーハンさん 2008/02/21 20:48:13
- 僧侶の踊り?鬼の踊り?と楽しませていただきました
- 僧侶の飛んだり跳ねたり、普段私たちの知っています僧侶は決してそのような行動はあり得ないと思ってますので、意外ですね、又、松明の飛び火が危険ですね、奈良のお水取りもそうですが、ここはあまりにも近すぎです(笑)着る物を考えて行かなければ心配です、国東ならではの神事を楽しく拝見させていただきました。 イーハン
- るりさん からの返信 2008/02/21 21:59:24
- 僧侶の踊り?鬼の踊り?と楽しませていただきました
- イーハンさま 今晩は。
私も普段みることのない僧侶の姿に驚きました。
この天念寺は天台宗のお寺で門徒さんは一人も無く、地区の方々が伝統を受け継いでいるそうです。
焦げ臭い匂いがしたのですが、まさか私とは気が付かず、帰って来てびっくりです。
写真を撮るために早めに行き、場所を確保していましたが逃げ回る為に無駄でした。 るり
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