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バガ川の河口にあるレストランで、バイクから降りた世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)は、ちょっと迷った。<br /><br />というのは、二十年前と風景が全く変わっているからだ。<br />正直言うと、風景が変わっているというのとは別に、思い返しても、アンジュナビーチへ山越えした時の記憶が、すっぽりと抜けている。<br /><br />覚えているのは、アンジュナビーチを高いところから見て、「ヌーディストがいる!」と喜んだことだけだ。<br />バイクを降りて、レストランに入り、アンジュナへの道を聞く。<br /><br />するとただ、「世界旅行者よ、レストラン前の道を進みなさい」と、不思議なことに、なぜか僕の肩書きを知っている。<br />道なりに進むと、確かにちゃんと護岸工事のされたところに歩きやすい道がある。<br /><br />それと、とんとことことんと、軽やかに進む。<br />すると突然、道が途切れて、小さなビーチが出現した。<br /><br />歩いてきた道は、このビーチで行き止まりだ。<br />僕の二十年前のぼんやりした記憶でも、海沿いに歩いていったとは思えない。<br /><br />「道を間違ったか」と思う。<br />しかしもちろん、とにかくビーチへ降りていく。<br /><br />そこにいたインド人に「アンジュナへ行く道はどこにある?」と聞く。<br />すると、そのインド人は答えた。<br /><br />「世界旅行者よ、この秘密のビーチをよく発見したものだ」とね。<br />彼は続けた。<br /><br />「しかし、世界旅行者でも、アンジュナへの道は教えられない。この道は選ばれたものだけが通れるのだ」<br />「僕は二十年前にも山を歩いて越えて、アンジュナへ行ったんだよ」と答える。<br /><br />「それは信じられないな。私はこの秘密のビーチと秘密の道の管理人だが、無事に通り抜けたものはいない」<br />彼はさらに思い出すように言った。<br /><br />「そういえば1人だけ、二十年前に山越えをしていった日本人がいたという伝説が残っているが…」とね。<br />二十年前にバガ川を渡って、山を越えてアンジュナへ行った旅人とは、僕のことだよ。<br /><br />「それが僕だよ。ただ行き方を忘れてしまっているんだ」と答える。<br />「秘密のビーチの守り人」は、目を大きく開いて僕を見つめた。<br /><br />「なんと、そうだったのか。二十年前に山を越えた超人、その名前は『みどりのくつした』だった。つまり、『世界旅行者』は『みどりのくつした』だったんだな!」<br /><br />「しかし、世界旅行者がみどりのくつしただとは、まだ信じられない。何か証明するものはあるか」<br />しつこいやつだ。<br /><br />僕はジーンズのすそを上げて、みどりのくつしたという証拠を見せる。<br />すると、守り人は「ハハーッ」と「五体投地」を始めた。<br /><br />「そんなことはしなくていいよ。ただアンジュナビーチへの道を知りたいだけだから」<br />「あなたが世界旅行者みどりのくつしたさんならば、道を教えなければなりません」<br /><br />守り人は続けた。<br />「ただ教えたとしても、アンジュナビーチへの道には結界が張られています。私にはその結界を解くことができないのです」<br /><br />こうなれば、しかたない。<br />僕は「神を呼び出すための秘密の踊り」をビーチで踊った。<br /><br />すると、ビーチの向こうから誰かがやってきた。<br />よく見ると頭がゾウだ。<br /><br />インドで頭がゾウといえば、それは「ガネーシャ神」だ。<br />ガネーシャは僕を見て、「みど先生、ようこそ。インドは二十年も世界旅行者さんを待ち続けていました」と言う。<br /><br />僕は「そこまで言わなくてもいいよ。僕はただ二十年前のように、山を越えてアンジュナへ行きたいだけだから」と返事する。<br /><br />「先生のために、結界は解かれました。ただ、途中に問題があるかもしれません」<br />僕はその声を無視して、秘密のビーチからアンジュナへの小道を登っていった。<br /><br /><br />せっかくだったので、山道からビーチを振り返って、写真を取る。<br />このあと、当然のこととして、ビーチは消滅した。<br /><br />この山道は、大変だった(涙)。<br />僕が来たことによって、ゴアの雨季はスパッと終わったが、それ以前の雨が残っている。<br /><br />足元は泥でぬかるんでいる。<br />道は急な坂を登ったり降りたりして続く。<br /><br />あまりに危険な道なので、僕は汗びっしょりになる。<br />ただ、インドの神は僕を守っているはずなのに、おかしいなーと思う。<br /><br />すると、十字架の墓を見つけた。<br />なるほど、キリスト教と、ヒンズー教が山道でケンカしているわけだ。<br /><br />その境を通る時に僕は、神の力を借りられず、不安定になったんだね。<br />もちろん僕はなにしろ、エルサレムでも神に祈ってきた。<br /><br />世界中で見境なく、寺院、モスク、神殿、教会、神社で祈ってきた。<br />だから、この山道も、何とか越えることができた。<br /><br />そうしてアンジュナビーチへ到着した。<br />やはり、アンジュナビーチは山越えしないとダメだよね(笑)。<br /><br />【旅行哲学】神に導かれて世界旅行者は山越えをする。<br /><br />http://www.midokutsu.com/2005/pass.htm

バガビーチからアンジュナビーチへの山越え@ゴア/インド

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2005/10 - 2005/10

73位(同エリア81件中)

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みどりのくつした

みどりのくつしたさん

バガ川の河口にあるレストランで、バイクから降りた世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)は、ちょっと迷った。

というのは、二十年前と風景が全く変わっているからだ。
正直言うと、風景が変わっているというのとは別に、思い返しても、アンジュナビーチへ山越えした時の記憶が、すっぽりと抜けている。

覚えているのは、アンジュナビーチを高いところから見て、「ヌーディストがいる!」と喜んだことだけだ。
バイクを降りて、レストランに入り、アンジュナへの道を聞く。

するとただ、「世界旅行者よ、レストラン前の道を進みなさい」と、不思議なことに、なぜか僕の肩書きを知っている。
道なりに進むと、確かにちゃんと護岸工事のされたところに歩きやすい道がある。

それと、とんとことことんと、軽やかに進む。
すると突然、道が途切れて、小さなビーチが出現した。

歩いてきた道は、このビーチで行き止まりだ。
僕の二十年前のぼんやりした記憶でも、海沿いに歩いていったとは思えない。

「道を間違ったか」と思う。
しかしもちろん、とにかくビーチへ降りていく。

そこにいたインド人に「アンジュナへ行く道はどこにある?」と聞く。
すると、そのインド人は答えた。

「世界旅行者よ、この秘密のビーチをよく発見したものだ」とね。
彼は続けた。

「しかし、世界旅行者でも、アンジュナへの道は教えられない。この道は選ばれたものだけが通れるのだ」
「僕は二十年前にも山を歩いて越えて、アンジュナへ行ったんだよ」と答える。

「それは信じられないな。私はこの秘密のビーチと秘密の道の管理人だが、無事に通り抜けたものはいない」
彼はさらに思い出すように言った。

「そういえば1人だけ、二十年前に山越えをしていった日本人がいたという伝説が残っているが…」とね。
二十年前にバガ川を渡って、山を越えてアンジュナへ行った旅人とは、僕のことだよ。

「それが僕だよ。ただ行き方を忘れてしまっているんだ」と答える。
「秘密のビーチの守り人」は、目を大きく開いて僕を見つめた。

「なんと、そうだったのか。二十年前に山を越えた超人、その名前は『みどりのくつした』だった。つまり、『世界旅行者』は『みどりのくつした』だったんだな!」

「しかし、世界旅行者がみどりのくつしただとは、まだ信じられない。何か証明するものはあるか」
しつこいやつだ。

僕はジーンズのすそを上げて、みどりのくつしたという証拠を見せる。
すると、守り人は「ハハーッ」と「五体投地」を始めた。

「そんなことはしなくていいよ。ただアンジュナビーチへの道を知りたいだけだから」
「あなたが世界旅行者みどりのくつしたさんならば、道を教えなければなりません」

守り人は続けた。
「ただ教えたとしても、アンジュナビーチへの道には結界が張られています。私にはその結界を解くことができないのです」

こうなれば、しかたない。
僕は「神を呼び出すための秘密の踊り」をビーチで踊った。

すると、ビーチの向こうから誰かがやってきた。
よく見ると頭がゾウだ。

インドで頭がゾウといえば、それは「ガネーシャ神」だ。
ガネーシャは僕を見て、「みど先生、ようこそ。インドは二十年も世界旅行者さんを待ち続けていました」と言う。

僕は「そこまで言わなくてもいいよ。僕はただ二十年前のように、山を越えてアンジュナへ行きたいだけだから」と返事する。

「先生のために、結界は解かれました。ただ、途中に問題があるかもしれません」
僕はその声を無視して、秘密のビーチからアンジュナへの小道を登っていった。


せっかくだったので、山道からビーチを振り返って、写真を取る。
このあと、当然のこととして、ビーチは消滅した。

この山道は、大変だった(涙)。
僕が来たことによって、ゴアの雨季はスパッと終わったが、それ以前の雨が残っている。

足元は泥でぬかるんでいる。
道は急な坂を登ったり降りたりして続く。

あまりに危険な道なので、僕は汗びっしょりになる。
ただ、インドの神は僕を守っているはずなのに、おかしいなーと思う。

すると、十字架の墓を見つけた。
なるほど、キリスト教と、ヒンズー教が山道でケンカしているわけだ。

その境を通る時に僕は、神の力を借りられず、不安定になったんだね。
もちろん僕はなにしろ、エルサレムでも神に祈ってきた。

世界中で見境なく、寺院、モスク、神殿、教会、神社で祈ってきた。
だから、この山道も、何とか越えることができた。

そうしてアンジュナビーチへ到着した。
やはり、アンジュナビーチは山越えしないとダメだよね(笑)。

【旅行哲学】神に導かれて世界旅行者は山越えをする。

http://www.midokutsu.com/2005/pass.htm

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  • バガ川からアンジュナへの途中にある秘密のビーチ。

    バガ川からアンジュナへの途中にある秘密のビーチ。

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