テカポ湖

2008/01/11 - 2008/01/12

１０日間でニュージーランド南島をドライブしてきました。
初日は成田から機内泊。
２日目はオークランド→クライストチャーチへ飛行機。
クライストチャーチからテカポまでレンタカーで移動しました。。

エリア テカポ(ニュージーランド)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ニュージーランド航空

「英語しゃべってみたい！」「乗馬出来たらいいな」
じゃ、どの国に行く？

今回行き先がなかなか決まらなかった。
予算で考えると、グアムか？ハワイか？
しかし予算から行き先を考えると、どうも、あの、ワクワク感がない。どっちにしろお金かかるんだから、ワクワクするところに行こう、と決意して、ニュージーランドにしました。

ニュージーランドは私の良き夫（以降、良夫と呼びます）が約１０年間前にワーキングホリデーした国。

飛行機のチケット予約したのは、そんなこんなで出発の２週間前。

旅行初日は夕方の成田から。機内泊で翌日はオークランド。

夫「ニュージーランドでどこ行く？」

妻「ペンギン見たい！」

夫「じゃあペンギン見て、有名どころのミルフォード・サウンド行こう。」


ペンギンとミルフォード、その２つだけを決めました。
宿は予約せず、その日、その日に決めよう。
何もしばりなく、自由に旅行しよう。
おぉ、ワクワクするではないか。


妻「ところで、ホームステイしてたネルソンは行かなくていいの？」

夫「遠いし、時間ないからいいよ。」

妻「ホストファミリーさんに会いたくないの？」

夫「会っても話すことないし、めんどくさいからいい」

妻「良夫って友達いないでしょ」

夫「うん、いない」

入国カードの書き方で、この旅最初のケンカ。
心の中で「私の夫は良い夫。だから仲良く旅行できる」って念じていたのに、まだニュージーランドに入国する前にケンカ。

審査のゲート。
審査官「食べ物持ってる？」
わたし「はい」

審査官「何持ってる？」
わたし「チョコでしょ、あめ、クッキーと」
審査官「あー、はいはい、そんじゃ２番のところへ行って」

ニュージーランドは食べ物（果物）、植物の持ち込みが厳しいのだ。

夫は１番のゲートから出てきた。
なんで２番じゃなくって１番？
トレッキングシューズ持ち込むって言ったら１番だったよ。

ふーん、なんか食べ物の２番さんより、トレッキングシューズの１番さんのほうがかっこいいな。
ちょっと負けた気分。
ちなみに入国審査ではトレッキングシューズの裏の泥を気にするようです。

オークランドは大きな空港。国内線への乗り換えはシャトルで移動。
空港ではリゾートっぽい、海に似合いそうな、ばっこり肩を丸出しにしたサマードレスの女性ばかり。
素足にビーチサンダル。
そっかあ、こっちは夏なんだ。
日本からがっぽり着込んで着た冬装備の我々も実感せずにいられない。

クライストチャーチ空港からレンタカーに乗り込んで、いよいよ旅が始まるなあってワクワクする。

「今日は風が強いねえ。」
「あっ、思い出したよ。ニュージーランドって風が強いんだ」

飛行機の中であまり寝れなかった良夫は、
「今日は疲れたからこのままクライストチャーチに泊まろう」
と言っていた。
しかし、車で走り出したら、元気が出てきたのか。
「ペンギン見に行ってもいいよ」と言うので空港を出て１号線を南下。
時速１００キロ。
両側は時々牧場で、そこは羊だらけ。

道路はただひたすらまっすぐ。
信号もなく、交差点もなく、私はあっさり助手席で居眠りを始めた。

マクドナルドで昼食。
良夫が「やっぱりテカポ行こう」と言い出した。
ペンギンより先に、テカポやマウントクックを押さえておいたほうがいいだろう、という考え。

マクドナルドで教科書の「地球の歩き方」を広げてテカポの宿を探す。
「あ、これが１０年前に泊まった宿で、これが夕食とったレストラン。今夜の予約がとれたら、今からテカポ行こう」

「英語しゃべってみたい」と言っていた私が電話で予約入れることに。
なかばパニックになりながら、しぼりだすようなとぎれとぎれの単語を、電話の相手は辛抱強く待ってくれて、優しかった。この旅の印象として、ニュージーランドの人達は下手な英語に優しかったなあ。アメリカ都市部だったらこうはいかなかっただろうなあ。

電話を切ったら汗びっしょりだった。

今夜テカポの宿がとれたので、
南下をやめて進路を西へ。

眠気覚ましに、この写真撮ったところで良夫と運転を交替。
私は海外での運転初めてだ！
初めて「国際免許証」が役に立つ。

信号もなく、交差点もなく、片側一車線。
時々追越用の短い車線が現れる。
やがてその追越用車線もでてこなくなった。

平原の奥をぐるりと山脈が囲う。
良夫は助手席で「きれいだねー、見て！きれいだねー」を繰り返していたが、やがて、ぐっすり眠った。

そんなに言うほどきれいかなあ、盛り上がりにかけるなあ、
風景そんなに変わらないし。
だけど山を遠くに見て走るのは気持ちがいい。

やがて遠く、頂上に雪化粧した山脈が現れ始める。
道路の両脇の牧場の仕切りみたいな、細くて背の高い木がきれいで好きだな。
今頃ペンギンを覗き見してキュンキュンしてただろうに、ここはのどかでおだやかだな、と思っていたのに。
雪を乗せた山脈や、現れてはサイドミラーに消えていく道沿いの高い木にキュンとなり始める。

坂をぐんと下がって、ぐんと登って、木が現れてくるその向こうに山脈が現れて、どんどん目に映るものがどれもこれも好きだなと思っていたら、涙ぐんでいた。嬉しかった。
風景に泣きそうになるって初めてだ。何か私、辛いことでもあったのか？

カメラのフレイムの中に閉じ込めて、ここからここがきれいだと説明が出来ない、切り取れる風景ではなくて、どこを撮ったらいいのか、撮るならぐるりと全部撮らないと説明出来ない風景。ポストカードになるような派手な風景ではなく。
運転中だし、車を停めて、ここを撮らなきゃ、という風景でもない。

写せない風景もあるんだな。
来て良かったな。
運転出来て良かったな。

また一つ坂を越えたら、突然、青い湖がでーんと現れた。
これは良夫を起こしてもいい風景だ。
車を停めて写真を撮ってもいい風景だ。

良夫を起こして「宿の場所、地図で探してよ」
「え？わかんないよ、あ！そこだ！それホテル」
あっさりホテルが見つかった。

「ザ・ガドリー・リゾート・ホテル」
地球の歩き方に載ってます。

玄関みたいのはなく、外からベッドルームに直接入る感覚がなんとも新鮮だった。

広さにも満足だ〜。

テレビもあるし、バスタブもあるし、感激だ〜。
しかし、バスタブのお湯の出が弱くて、お湯をためての入浴はあきらめた。
部屋の天井が斜めなのもコテージみたいでいい。

プールで泳いでいる人はいなかった。
風が冷たいからけっこう寒い。

宿でゆっくりしてから、テカポ湖へ。
この湖の風景に欠かせない「善き羊飼いの教会」

今写真を拡大して気づきました。
日本語で「”善き羊飼いの教会”の貯金箱」と書いてあるではないか。すみません、募金してきませんでした。

教会と湖の写真を上手に撮りたかったのだけど・・・いっそガイドブック片手に同じ構図で撮れば良かったか。

「けなげな牧羊犬」

私もこの旅行中は、「善き夫飼いのけなげな牧羊妻」になろうとこの像を見て誓ったのだが、決意は長続きしなかった。

日本食レストラン「湖畔」

ここも地球の歩き方に載っています。

レストランの中から見るテカポ湖。きれい。
こんなに明るくて夜９時近い。

このレストランと湖の間の土地に、何か建設予定あり、だそうです。
ウェイトレスの元気な日本人女性が教えてくれました。
ワーキングホリディ中だそうです。
夫も１０年前ワーキングホリディしてたんですよ。と、会話がはずんだ。
希望でいっぱいな感じの彼女と話して、彼女のワーキングホリディがものすごく成功しますようにと心の中でエールを送った。

生牡蠣。新鮮でおいしくってペロリ。

良夫の「サーモン丼」もたいそうおいしかった。
良夫が「ニュージーランドで食事がおいしいのはめずらしい。心して食べよ」と不気味な予言。この予言は次の日、早速的中する。

レストランを出たら暗くなっていた。宿ですぐにぐっすり眠った。

この旅行記へのコメント （8）

• tm-sukeさん 2008/09/14 22:09:40

  心象風景

  あきみさん、こんにちは
  
  今年は夏まで冬眠してしまって・・旅行記見逃してました。^^;
  そうか、冬は南半球という手があるんですね！地球には、南半球と
  いうところがあって、北半球とは逆の気候であることは知識として
  知ってはいたのですが・・いつか実践してみよう。
  
  ココロの動きが見えるコメントが、本当に面白いです！
  
  >審査官「あー、はいはい、そんじゃ２番のところへ行って」
  って、読み飛ばしてしまうとどうってことないのですが、しみじみ
  読み返すと、アレ？ニホンゴでのカイワじゃないはずだよね、って
  気がつき、これはあきみさんの心象風景では？などと思いはじめ、
  もう一度最初から読み返してみると、もうやみつき。^^;
  
  牡蠣もサーモンも美味しそう、ニュージーランドでは魚介類を食べる
  のが吉なのかな？
  
  tm-suke

  あきみさん からの返信 2008/09/23 13:37:06

  RE: 心象風景

  tm-sukeさん、ごぶさたしてます。
  いつも心のこもったコメントをありがとうございます。
  お返事遅れてごめんなさい。
  
  そうですよね。南半球への旅行は季節が逆になるので、楽しいけれど、
  服の準備がうまく想像出来なくて時間がかかります。
  
  この旅行の時は、日本は冬で、しまいこんだ夏物の服を引っ張り出して、
  「こんな薄着じゃ寒いだろう、いやいや向こうは夏なんだから。
  ああ、でも『暑い』ってどんな感じだっけ？」
  いつもに増して支度に時間がかかりました。
  
  > 読み返すと、アレ？ニホンゴでのカイワじゃないはずだよね、って
  > 気がつき、これはあきみさんの心象風景では？などと思いはじめ、
  > もう一度最初から読み返してみると、もうやみつき。^^;
  
  ありがとうございます。
  「英語で聞いて、英語で考え、英語で答える」のがまだまだ出来なくて
  「聞いた英語を頭で日本語（心象風景）にしてから、日本語で考えたものを英訳して答える」から、今、現地で言われたことを思い出すと全部日本語なんですよ。
  しかも心象風景で脚色されまくってます。あはは。
  tm-sukeさんにはツボをついていただき、嬉しいです。
  書いたかいがあったなあ。（ああ、続きを書かなくては。）
  
  > 牡蠣もサーモンも美味しそう、ニュージーランドでは魚介類を食べる
  > のが吉なのかな？
  
  ええ、もう、サーモンはいつもおいしかったです！喜びです。ふふふ。
  
  レーニエ旅行記も楽しんでちょっとずつ読んでいます。
  いつもながらに写真もすばらしい。
  また掲示板にお邪魔しますね。
  
  あきみ

• はんなりさん 2008/02/15 21:37:33

  同じホテルでしたが・・・

  あきみさん　初めまして！
  
  昨年の五月にニュージランド南島に行き
  同じホテルに宿泊しましたので懐かしく拝見です。
  
  ＞玄関みたいのはなく、外からベッドルームに直接入る感覚がなんとも新鮮だった。
  
  えっ、そうだったんですか〜
  お風呂の蛇口が別々の湯・水で入浴には苦労しましたが
  きっと
  いろんなﾀｲﾌﾟの部屋があったのでしょうね。
  
  残念ながら食べ損ないましたが
  生牡蠣やサーモン丼、美味しそうですね。
  
  心地よいコメントで楽しませて頂きました。
  
  はんなり

  あきみさん からの返信 2008/02/17 23:10:50

  RE: 同じホテルでしたが・・・

  はんなりさん、コメントありがとうございます。
  
  おぉ、同じホテル！
  やはりお湯出すの苦労しましたか？
  お湯がちょろちょろとしかでなくって、バスタブにお湯をためるのをあきらめました。
  たしか９０ドルの部屋でした。
  
  あとではんなりさんの旅行記見に行きます！たのしみ！！

• Muffinさん 2008/02/15 04:00:17

  ニュージーランドのぶらり旅いいなあ〜

  あきみさん、お久しぶりです。
  
  ニュージーランドで気ままに二人でドライブ、羨ましい！
  ロード・オブ・ザ・リングスを観てからずっとニュージーランドに憧れていました。
  しかも予定にとらわれず好きなところで立ち止まるような旅をしてみたいなあ。
  続きが楽しみです。
  
  Muffin

  あきみさん からの返信 2008/02/17 23:14:46

  RE: ニュージーランドのぶらり旅いいなあ〜

  Muffinさん、こちらこそごぶさたしてます。
  お元気ですか？
  「予定を決めない旅」は楽しくもあり、そしてケンカも多かったです・・・。
  あはは。この旅行記の後半にはケンカも登場します！お楽しみに（？）

• ナイアさん 2008/01/27 07:23:39

  やはり

  あきみさんの文章が好きです。
  私も「写真に納まりきらない風景」というのをしばしば感じます。
  ご主人の名が良夫さんに昇格したことを良夫さんはご存知でしょうか？私も夫を今度改名させようかな。
  ペンギンを見られたという旅行記を今から楽しみにしています。（じらされてる感じの私です！？）

  あきみさん からの返信 2008/01/27 12:33:05

  感動したのに写真に撮れなかった風景

  おお、トモエルさんの「写真に納まりきらない風景」はアメリカの大自然でしょうか？
  ぜひ教えてください。わくわくします。
  
  私はきれいな風景なのにカメラを構えることをあきらめたのは初めてです。
  撮りきれないだろうなあって思ったんです。
  旅行してよかったなあ。
  
  夫に「今回の旅行記、ネガティブ・ネガ夫じゃなくって、ポジティブ・ポジ夫に
  するよ」と言ったら「ふーん」と興味のなさそうな返事でした。
  しかしデジカメで撮った写真を画像処理ソフトで「もっと見えやすく」良夫が
  処理してくれました。やったあ！
  
  ペンギン見れたかどうかのお話は・・・ふふふ・・・ご期待にそえるかどうか・・・。うひひ。