アストゥリアス地方旅行記(ブログ) 一覧に戻る
<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />7月29日(土)La Isla 24.1km<br /><br /><br />今日の暑さには、ほとほと参ってしまう。<br />一昨日に、水浸しの足で30km以上休まずに歩き続けた結果、とうとう左足にマメができてしまった。<br />おまけに巡礼路の道案内である黄色い矢印がわかりにくいと、そこで出会う地元の人たちまでが不親切に見えてしまう。<br />八つ当たりだぁ。<br />バスク、カンタブリアと通り過ぎた北部の地域は、想像以上に美しく、また人々も優しかった。<br />しかしなぜか、このアストゥリアスに入ってからは、様子が今までと違うのだ。<br />個人的な感想だけれども、この地方には、スペインの影を感じるのである。<br />スペインは、よく、『光と影の国』と言われるが、私が身を持って感じたことは、強い光が差せば、それだけ影は濃く暗いということである。<br />真夏のセビリアからの「銀の道」では、体感的にそうだった。強い日射の影は、びっくりするほど涼しい。また、真冬のそれは、凍り付くように寒かった。人間も同じである。かれらは微塵の暗さもなさそうで、闇の部分が潜むのである。<br />影が悪いとは思わない。真夏の道では、『影』には救ってもらったのだし、また、影のない人間も平面的でつまらない。<br />果たしてアストゥリアスが影の部分を持っているのかはわからない。私は通り一遍の旅人だから。<br /><br />Ribadesellaの町に着くと、朝食のパンを買うことにした。<br />夕べから、ろくなものを食べていなかった。<br />パン屋さんで、カロリーの高そうな甘い菓子パンを二つ買った。一つは町の名物だといいうので購入。<br />ベンチに座って食べるが、時間が気になってしかたがない。マメが痛むお陰で、進みが遅いのだ。<br />そんなこともあって、食べ終わるとすぐに歩き出した。<br />この町は、そこそこ大きく、なかなかコンクリートの広い道から出られなかった。<br />とうとう、今度は右足にもマメが出来てきた。<br />マメの大敵は湿気だと思う。汗などで湿っていると、私の場合はマメが出来易いのだ。<br />今年は通気性を重視した靴を選んだが、その通気性が災いして、一昨日の豪雨では、川の中を裸足で歩いているような状態になってしまった。<br />おまけに、どこもかしこも濡れていたので、休憩すらできなかったのである。<br />暑さとマメとコンクリートの道、、、またしても気持ちがクサってくる。こんな時に、仲間が必要なのかもしれない。<br />しかし、私は仲間を置いて先に来てしまったのだ。<br />こんな時・・・・・・・・・、いや、この道を歩きはじめてからもずっと、いつも頭を離れなかったのは、去年の「銀の道」の思い出である。<br />出会いは少なかったけれど、強固なつながりを持つ仲間が少しづつ増えて、最終的には大きな達成感と共に、お互いの必要性を強く感じた『道』だった。<br />この道では、自分は誰にも必要とされない代わりに、私自身も誰をも必要としていないのか。<br />きっとそれぞれの『道』のメッセージは違うのだろう。<br /><br />そんなことを考えながら歩いて行くと・・・・・・<br />道は海に出た。<br />そこではまた例によって、海水浴に来たパーキングの車が右往左往して、観光客でごった返している地域だった。<br />リュックを背負って歩く私は、全く場違いであり、こんな時は逃げ出したくなる。<br />しかし、そんな場所はほんの一部のことであり、少し歩けば誰もいない野原の道に出る。常に海を右手に見ながら、豊かな緑に包まれて、四方八方がどこまでも開けていて、新しいエネルギーが満ちてくる。<br />これだ!<br />この景色だ!<br />緑に覆われた海へ落ちる崖が延々と続く。そのきわには、うっすら心細げな道があり、広々した空間を一人で歩く。<br />今度は足のマメのことなんか忘れてしまう。<br /><br />アルベルゲに着いた。<br />今日のアルベルゲでも、初めて会う人たちしかいない。<br />私の他には三人。それぞれ別々に来ている。<br />自転車のヘスースはビルバオから。アンヘルはヴィットリアから。<br />二人ともバスクの人たちだ。もう一人はでかけてしまい、ほとんど顔を見ていない。<br /><br />ヘスースは料理を作りはじめた。<br />トマトのパスタと赤ピーマンのオリーブオイル漬け。私にもご馳走してくれるらしい。<br />アンヘルは、一緒にシードル(リンゴ酒)を買いに行こうと誘ってくれた。<br />食事ができるまで、アンヘルと町に出てシードルの瓶詰めを買う。これはアンヘルのおごりらしい。<br />帰り道、もうすぐに迫った、この道の大きな分岐点の話になった。<br />アンヘルは、私が行くつもりの海沿いの「la Costa]ではなく、「Primitibo]のコースを選ぶと言う。<br />お互いに、もう会えなくて残念だねと話しながら、夕暮れの海岸を見ながらアルベルゲに着いた。<br />ちょうどヘスースのパスタが出来上がったところだった。<br />シンプルなトマトパスタだが、ニンニクやタマネギがちゃんと入っていて、味付けも良かったので、たくさんいただいた。<br />そろそろこんなメニューが食べたかったのだ。<br /><br />食後は、いつものストレッチやセルフマッサージをしていると、ヘスースも横で同じことを始めたので、肩が凝って困っている彼のために、肩こり解消のマッサージを教えてあげた。<br />ヘスースは40代初めくらいだろうか。体が固く、難儀していた。

スペイン巡礼「北の道16」7月29日(土)La Isla 24.1km

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2006/07/29 - 2006/07/29

28位(同エリア37件中)

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night-train298

night-train298さん
















7月29日(土)La Isla 24.1km


今日の暑さには、ほとほと参ってしまう。
一昨日に、水浸しの足で30km以上休まずに歩き続けた結果、とうとう左足にマメができてしまった。
おまけに巡礼路の道案内である黄色い矢印がわかりにくいと、そこで出会う地元の人たちまでが不親切に見えてしまう。
八つ当たりだぁ。
バスク、カンタブリアと通り過ぎた北部の地域は、想像以上に美しく、また人々も優しかった。
しかしなぜか、このアストゥリアスに入ってからは、様子が今までと違うのだ。
個人的な感想だけれども、この地方には、スペインの影を感じるのである。
スペインは、よく、『光と影の国』と言われるが、私が身を持って感じたことは、強い光が差せば、それだけ影は濃く暗いということである。
真夏のセビリアからの「銀の道」では、体感的にそうだった。強い日射の影は、びっくりするほど涼しい。また、真冬のそれは、凍り付くように寒かった。人間も同じである。かれらは微塵の暗さもなさそうで、闇の部分が潜むのである。
影が悪いとは思わない。真夏の道では、『影』には救ってもらったのだし、また、影のない人間も平面的でつまらない。
果たしてアストゥリアスが影の部分を持っているのかはわからない。私は通り一遍の旅人だから。

Ribadesellaの町に着くと、朝食のパンを買うことにした。
夕べから、ろくなものを食べていなかった。
パン屋さんで、カロリーの高そうな甘い菓子パンを二つ買った。一つは町の名物だといいうので購入。
ベンチに座って食べるが、時間が気になってしかたがない。マメが痛むお陰で、進みが遅いのだ。
そんなこともあって、食べ終わるとすぐに歩き出した。
この町は、そこそこ大きく、なかなかコンクリートの広い道から出られなかった。
とうとう、今度は右足にもマメが出来てきた。
マメの大敵は湿気だと思う。汗などで湿っていると、私の場合はマメが出来易いのだ。
今年は通気性を重視した靴を選んだが、その通気性が災いして、一昨日の豪雨では、川の中を裸足で歩いているような状態になってしまった。
おまけに、どこもかしこも濡れていたので、休憩すらできなかったのである。
暑さとマメとコンクリートの道、、、またしても気持ちがクサってくる。こんな時に、仲間が必要なのかもしれない。
しかし、私は仲間を置いて先に来てしまったのだ。
こんな時・・・・・・・・・、いや、この道を歩きはじめてからもずっと、いつも頭を離れなかったのは、去年の「銀の道」の思い出である。
出会いは少なかったけれど、強固なつながりを持つ仲間が少しづつ増えて、最終的には大きな達成感と共に、お互いの必要性を強く感じた『道』だった。
この道では、自分は誰にも必要とされない代わりに、私自身も誰をも必要としていないのか。
きっとそれぞれの『道』のメッセージは違うのだろう。

そんなことを考えながら歩いて行くと・・・・・・
道は海に出た。
そこではまた例によって、海水浴に来たパーキングの車が右往左往して、観光客でごった返している地域だった。
リュックを背負って歩く私は、全く場違いであり、こんな時は逃げ出したくなる。
しかし、そんな場所はほんの一部のことであり、少し歩けば誰もいない野原の道に出る。常に海を右手に見ながら、豊かな緑に包まれて、四方八方がどこまでも開けていて、新しいエネルギーが満ちてくる。
これだ!
この景色だ!
緑に覆われた海へ落ちる崖が延々と続く。そのきわには、うっすら心細げな道があり、広々した空間を一人で歩く。
今度は足のマメのことなんか忘れてしまう。

アルベルゲに着いた。
今日のアルベルゲでも、初めて会う人たちしかいない。
私の他には三人。それぞれ別々に来ている。
自転車のヘスースはビルバオから。アンヘルはヴィットリアから。
二人ともバスクの人たちだ。もう一人はでかけてしまい、ほとんど顔を見ていない。

ヘスースは料理を作りはじめた。
トマトのパスタと赤ピーマンのオリーブオイル漬け。私にもご馳走してくれるらしい。
アンヘルは、一緒にシードル(リンゴ酒)を買いに行こうと誘ってくれた。
食事ができるまで、アンヘルと町に出てシードルの瓶詰めを買う。これはアンヘルのおごりらしい。
帰り道、もうすぐに迫った、この道の大きな分岐点の話になった。
アンヘルは、私が行くつもりの海沿いの「la Costa]ではなく、「Primitibo]のコースを選ぶと言う。
お互いに、もう会えなくて残念だねと話しながら、夕暮れの海岸を見ながらアルベルゲに着いた。
ちょうどヘスースのパスタが出来上がったところだった。
シンプルなトマトパスタだが、ニンニクやタマネギがちゃんと入っていて、味付けも良かったので、たくさんいただいた。
そろそろこんなメニューが食べたかったのだ。

食後は、いつものストレッチやセルフマッサージをしていると、ヘスースも横で同じことを始めたので、肩が凝って困っている彼のために、肩こり解消のマッサージを教えてあげた。
ヘスースは40代初めくらいだろうか。体が固く、難儀していた。

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