カンタブリア地方旅行記(ブログ) 一覧に戻る
<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />7月27日(木)Llanes(San Vicente de la Barqueraにもどる) 41.1km<br /><br />今朝はアルベルゲで、暖かいコーヒーやパンを用意してくれている。<br />家庭的なムードのなか、また質問攻めに遭う。今日はここに泊まった巡礼者からだった。<br />その中の一人は、2004年にフランスの道を歩いて、そこで日本人に出会って、とても良い思い出があるという。<br />今回の道で何人かの人に、同じようなことを言われた。<br />おおむね、日本人は評判がいいようで、うれしく思うし、こうやって国際交流もしているのだなと思う。<br /><br />夕べから、ソフィアおばさんは、カルテラ(車道)を歩くように勧めてくれる。<br />今までの「道」とは大きく違うのは、なぜか地元の人たちが、カミーノ(巡礼路の田舎道)を勧めるのではなく、近道や、時には地下鉄に乗ることさえ勧めてくるのだ。<br />それだけ今回の道は、山道も多く危険であったり、長い道でもあるわけだ。<br />確かに今日も道は長い。一応アドバイスとして聞いておくことにするが、行ってみて考えよう。<br />ソフィアおばさんは、いつまでここに居るのか聞くと、今年いっぱいは居ると言う。<br />普段なら、そんなことは聞かないのだが、またここに戻ってみたい気がするアルベルゲだったのだ。<br /><br />暖かく見送ってくれる人がいると、昨日のように、出だしから「しぶしぶ」ではなく、さわやかな気分で出発することができる。<br />「今日の天気はどうかなぁ?」<br />ソフィアは外を見て、残念そうに<br />「いいとは言えないわね。でも、誰も天気のことはわからないわよ、ここでは。」<br />外に出ると、霧に煙っていて、下界は素敵に見えたのだが、行く末に不安があった。<br /><br />歩きはじめてすぐに、ジャン・ピエールおじさんが前方100メートルほどのところに見えてきた。<br />また今日もおじさんは、どこから出てきたのだろうか!?<br />しかしこのときは、おじさんをとうとう捉えることが出来ずに終わってしまった。<br /><br />最初の約15km地点のUnqueraの手前で雨が降り出した。<br />雨具の用意をするために、barに駆け込んだ。<br />ここで二回目の朝食を食べながら、ルルデスに電話をしようと思いたった。<br />彼女はこの日に旅を終えると聞いていたからだ。<br />実際のところ、今日までは歩けるのか、今日のうちに帰ってしまうのかは定かではなかった。<br />また、みんなが今どうしているか知りたかった。<br />ルルデスは、ロベルト、ドリー、マティルダと一緒のはずだ。そしてドリーとマティルダも、ルルデスと同じく、今日か明日で今年の「歩き」を終了するのだった。<br /><br />ルルデスは元気よく電話に出て、帰宅の途にあるということで、みんなとはすでに別れたと言う。<br />おそらくみんなは今夜、今私が休んでいるこのUnqueraあたりに宿泊するという予定だということもわかった。<br />「Madridに来たら、いつでもうちに泊まっていいわよ。」<br />明るくて利発でひょうきんでやさしいルルデスは、私の出会いの宝箱に入れさせてもらうことにした。<br />ルルデスに会えないままお別れとなってしまったのは残念だったが、もし出来たら、今日電車などでここUnqueraまで戻ってきて、ドリーとマティルダにお別れのあいさつをしよう。<br />そのあとまた、今日の到着点に戻って、明日から歩いてみればいいじゃないか。<br />自分のSantiagoへの到着も達成したいが、やはりここでは人の出会いも大切にしたい。<br />到達にばかり気をとられて、大切なものを失いたくなかった。<br /><br />そこへ別の人から電話が入った。<br />去年の『銀の道』で出会った、やはり宝箱に入っている(?!)Ivanからだった。<br />イタリア人の彼女のパオラと共に、イタリアの巡礼路(アッシジまでの300km)を、今日から歩き出したのだと言う。<br />そこでは二人しか巡礼者は居ないと言い、私たちは、別の道でありながらも、今年も「道」で、苦楽を共にすることになり、連絡を取り合おうと言い電話を切った。<br /><br />Unqueraに着くと、スーパーで歯ブラシを買った。今朝顔を洗う時に、みつけられなかったのだ。<br />田舎を歩く道だし、いつ歯ブラシが買えるかわからないので、気がついた時に買っておくのがいい。<br />他に少し食料を買う。生ハムとクリスプス。<br />少し歩いて気がついた。杖がない。<br />バスクの山を歩いている時に助けてもらった杖である。<br />スーパーに忘れて来たのだ。引き返そう。<br /><br />いよいよUnqueraを出ると、馴染みになっていたカンタブリアとはお別れだった。<br />今回初めて足を踏み入れたカンタブリアは、とても美しく、人々が親切で情に厚い地域だった。<br />さようなら〜、カンタブリア。ありがとう〜、カンタブリア。<br /><br />ここからはアストゥリアスである。<br />なぜだろう、境目からあきらかに感じが違う。<br />どこの道でもそうだが、自治や地域が変わると、「道」の管理も違えば、重要度も違ってくる。<br />アストゥリアスは、私にとってはあまり、親切な「道」ではなかった。<br />まず、矢印の数が減り、その方向がどちらを指すのかわかりにくい。<br />後日知ったのであるが、この地方の矢印は、他の地方とは逆向きだったのである。<br />矢印は主に二種類あって、「→」の他に、巡礼のシンボルであるホタテ貝を使っていることがよくある。<br />この、ホタテの向きが方向を指しているのである。貝が広がっている方向なのか、その逆なのか。<br />この時はまだそれを知らなかったので、私は混乱し、雨もさらに降り出して、途方もない状態にあった。<br /><br />Unqueraを出ると、私はあえて田舎道を選んだ。<br />次の村には、見たい建造物があったからだ。<br />道はまるで、パズルのように思われた。<br />あるいは、推理ゲームのようだった。<br />田舎道に雨が降り出すと、土の道は瞬く間に川となり、足場が悪くなる。<br />やっとのことで見つけたのは、Indianosの建築という、大きな館だった。<br />ニューオリンズの郊外にあるような、プランテーションで見た家と良く似ているのは、アメリカに移住し成功した人物の家だからだろう。<br />中は博物館になっていたが、興味がなかったので覗くだけにし、先を急いだ。<br />早く山から下りないと、雨で足止めを食いそうだった。<br /><br />ここからは、ソフィアおばさんの言う通り、カルテラ(車道)を歩くことにしよう。<br />ちょうどカルテラに出た頃から、雨の勢いは増してきた。<br />コンクリートの道でさえ、川のようになり、坂道は足下に水が流れてくるし、バケツをひっくり返したよう雨は、雷を伴い、荒れ狂っていた。<br />車の行き来もあり、スピードを上げて通り過ぎる車は、容赦なく水しぶきを上げ、その度にずぶ濡れになるのである。<br />雨そのものも、力強い。空は真っ黒で、この頭上に再び太陽が現れるなんてことは想像できない。<br />ほんの少し、雨が和らぐ波はあるけれど、何度も何度も繰り返し、激しい雨が降ってくる。<br />こんなにひどい雨は初めてである。<br />これは悪魔の仕業なんだろうか。あまりにひどい仕打ちじゃないか。<br />カッパを着ていても、隙間を狙って雨がしみ込んでくるのである。<br />どんなに大変な時でも、カメラのシャッターを押し続けていた私も、さすがにこの雨では手も足も出なかった。<br />カメラを出したら瞬時に壊れてしまいそうだったからである。<br />それでもこの雨を記録しておきたいと思い、シャッターを素早く切ってみたが、あとで写真を見ても、それは伝わらない。<br /><br />ジャン・ピエールおじさんは、Unqueraあたりでストップしたかもしれない。<br />今日の目的地はLlanesで、今朝出てきたサン・ヴィセンテからの間を歩いている巡礼者は、おそらく自分くらいであろう。<br />barがあったとしても、こんなにずぶ濡れでは中に入れない。実際は、いくら歩いてもbarはなかった。<br />そのかわり、ところどころにこの道に平行して走る列車の線路が見え隠れする。<br />思い切って次の駅で列車に乗ってしまおうか・・・。<br />そんな誘惑と戦いながら、ひたすら前に進むことだけを考えた。<br />こんな時、ふとなつかしく思い出すのは、去年の「銀の道」である。<br />暑くて暑くて足にマメがいっぱいできて苦労した道。<br />乾燥地帯だから、雨もほとんどなく、たとえ一時的に雨が降っても、次の瞬間にたちどころに乾いてしまう。<br />あの暑さがなつかしい。<br /><br />悪い天気も永遠に続くわけではない。<br />やがて雨は小降りになり、そして・・・・・・・、とうとう止んだ。<br />雨が降っていると、どこも水浸しなので、座ることも出来ないでいたが、屋根がある小さなバス停を見つけ、そこに座って先ほど買った生ハムを食べる。<br />普通なら、歩きながらでもチョコレートや果物を食べることが出来るが、この雨では、まったく身動きが取れなかった。<br />幸いリュックの中までは水は入っていない様子である。<br />そして靄も晴れて景色が見えてくると、噂のピコス・デ・ヨーロッパの山々が姿を現してきた。<br />ギザギザした灰色の山。<br />近づいては遠ざかり、また別の山が・・・。<br /><br />私の足は、止まることなく30km以上を歩き続け、雨が入り、水槽の中に素足を入れている状態のまま、歩いていたので、皮膚が長風呂に入った時のようになってしまった。<br />今日はできればドリーたちと再会したい。<br />目的地のジャネスに着いたら、列車でみんなが居る地点まで戻ってこよう。<br /><br />ようやく今日の目的地であるジャネスの町に入って行った。<br />ここも海水浴の客で賑わう観光地のようで、巡礼路の町というイメージはない。<br />私は町に入ると、何よりもまず、インフォメーションを探し飛び込んだ。<br />そしてロベルトへ電話をかけた。<br />「今、どこにいるの?」<br />「サン・ヴィセンテだよ。今日は雨がひどくて、ここまでしか歩けなかったんだ。」<br />昨夜私が泊まった、ソフィアとマリーローの親子がいる町である。<br />「わかったわ。じゃ、今からサン・ヴィセンテに行く交通機関が見つかったら、戻ってみんなに会いたいから、ソフィアおばさんに、もう一晩泊まっていいか聞いておいてね。またすぐ連絡するわ!」<br />「えっ?それはすごいサプライズだよ!!!」<br />本当にお互いサプライズであり、素敵な再会になるに違いない。<br /><br />アルベルゲでは、一応二泊以上は特別な理由がなければ出来ない。<br />ソフィアおばさんとはすっかり仲良くなったものの、その判断は彼女によるものなので、聞いておいてもらうことにした。<br />インフォメーションに入り<br />「ここからサン・ヴィセンテに行きたいのですが、列車かバスはまだありますか?」<br />すると、あと15分後に列車があると言う。ここから駅まで6〜7分、急げば間に合うと言う。<br />すぐにロベルトに電話すると、<br />「ソフィアはもう一晩泊まっていいと言っているよ。」<br />「じゃあ、15分後の列車に乗っていくから!」<br />「それはすごいよ!じゃあ、駅まで迎えに行くから!!」<br /><br />そうこうしているうちに、列車の出発時間までに5分ほどしかなくなった。<br />走るように、駅に向かった。<br />駅にはちょうど列車が待っていて、飛び込むと同時に出発だった。<br />今日はこれが最終列車なのだ。<br />というか、一日に二本しか走っていなかったのだ。<br />不思議だ。今日一日歩いてきて、どこにも出口のないような、道だったのに、いきなり列車に飛び乗ったら、また世界が変わっていくのだ。<br />そういえば、線路は何度も見たけれど、一度も列車を見ることがなかった。<br />翌日は、列車かバスでこのジャネスまで戻ってきて、歩き始めるつもりだ。<br /><br />列車の中で、カッパを広げ、靴を脱ぐと、足の皮が大変なことになっていた。<br />少しでも乾かそうとするが、そう簡単には乾かなかった。<br />車窓の景色が良い。<br />今日私が歩いてきた道も見える。<br />山々も、反対側の海も美しい。<br />そうだ!雨の中、海が見えていたっけ。<br />ゆっくり休めると思っていたのに、40分の道のりは、あっというまであった。<br /><br />時刻表を目で追いながら、サン・ヴィセンテの駅に着いたはいいけれど、降りたのは私と一つの家族だけ。<br />そして昨日来た場所のはずなのに、何一つ見覚えのあるものはない。<br />そこへロベルトから電話が・・・・・・・・・・。<br />「サン・ヴィセンテの駅は、町からずいぶん離れているんだって!」<br />「やっぱりそうなの!?今着いたんだけど。なんとかするから、バスのターミナルで待っていてね。」<br />なんとかするとは言ったものの、もう一歩も歩きたくなかったのに・・・・・。<br /><br />一緒に降りた家族を追って聞いてみた。<br />「サン・ヴィセンテへはどうやって行くんですか?」<br />「あっちの方向へ3kmくらい歩くよ。」<br />ひぇ〜っ、また歩くのかぁ。<br />仕方なく歩き出すと、さっきの家族が呼んでいる。<br />「良かったら乗せて行ってあげるよ。」<br />ご夫婦のご主人は、足が不自由なようである。後ろには5歳くらいのかわいい男の子が乗っていた。<br />もちろんお言葉に甘えることにする。<br />子供の名前はダニエルと言い、すごくかわいい。<br />そこへ心配したロベルトがまた電話をくれた。<br />「今、親切な人に車に乗せてもらったから、もうすぐ行くからね!」<br />「そりゃラッキーだったね!」<br /><br />車はバスターミナルのすぐそばまで乗せて行ってくれた。<br />急いでバスターミナルに走りよると、ロベルト、ドリー、マティルダがいた!<br />私たちは輪になって抱き合って喜んだ。<br />ふと見ると、おじさんがそばでニコニコしている。<br />あれ?巡礼路で二度ほどみかけたおじさんだ。<br />ドリーはおじさんを紹介してくれた。ビンゲンといい、ビルバオから来たという。<br />おじさんもこの仲間に加わっていたのだ。<br /><br />私は明日の朝の、ジャネス行きのチケットを買うことにした。<br />お昼前に着くのが始発であるが、まあいいだろう。<br />ドリーとマティルダも、マドリッド行きのチケットを買っている。<br />ロベルトは、私のリュックを持ってくれた。あー助かった!あの坂道をまた上がるのは、難儀なのだ。<br />アルベルゲへ向かう道すがら、私たちは踊るように跳ねて歩いた。<br />マティルダが言った。<br />「マティウスも来ているわよ。」<br />おお、マティウスも来ているのか。<br />マティウスは、私の最初の巡礼仲間であり、お世話になっていたし、ビルバオ以来の再会である。<br /><br />自分だけが雨に当たってつらい思いをしていたような気になっていたが、後ろ30~40km歩いていた彼らもそれは同じで、<br />今日はみんなが痛いめにあっていたのだ。<br />アルベルゲに着くと、ソフィアおばさんとマリーローが飛びついてくる。<br />今日は満員で、30人くらいの人が泊まっていた。<br />入り口の大テーブルに居ると、次々と顔見知りがやってくる。<br />その中には、ゆっくり話をしたかったラファがいた。<br />ラファは一昨年「銀の道」を歩いたこともあり、数少ない本物の巡礼者のように思えた。<br />やっと座って話をするが、ドリーたちが待っているので、部屋に行くと、一つだけベッドが残っていて、その周辺にはラファの仲間たちがいた。<br />また、フランスの親子もいたし、ドイツのアレックスもいた。<br />みんなここに大集合だったのだ!<br />おっ、今度はマティウスをみつけた!<br />大仰に驚いて近寄る私に、冷静沈着なマティウスは、再会の喜びをほとんど表現することもなく<br />「今日の雨でブーツが濡れちゃって・・・・・・・」<br />「???(みんな濡れているよ)」<br /><br />「今夜はこのアルベルゲで食べる?それとも外でイワシとビール?」<br />もちろん後者の意見に決まって、ロベルト、マティルダ、ドリー、アレックス、そしてビンゲンと私の6人で町へ降りて行く。<br />マティルダとドリーにとっては、最後の夜である。<br />ビールで何度も乾杯し、イワシを平らげる。<br />こっそりマティルダに、<br />「ここにいるビルバオから来たおじさんの名前は何ていうんだっけ?」<br />新しく加わった仲間の一人の名前を覚えられなかったため、聞こえたら失礼なので小声で聞いてみた。<br />マティルダも耳元で<br />「それが私もよくわかんないのよぉ。確かビンガンとか、ギンギンとか、そんな名前よ。」<br />首を傾げながら、くすくす笑っている。<br />「えっ?何日一緒にいるの?」<br />指で数えながら<br />「うん、4日ね。」<br />そして言い訳をするように<br />「でも、スペインでも聞いたことがない名前なのよ。」<br />私たちは大笑いをしながら、ひそひそしていた。すると今度は<br />「ラファには会った?」<br />マティルダは記憶力がいい。私が前に感じがいい人だと言ったことを覚えているのだ。<br />「あっ!今日アルベルゲに居たよ!!」<br />「本当?誰なの?教えてェ〜」<br />「じゃ、後で会ったらね!」<br />そしてマティルダはこう言った。<br />「ねぇ、知ってる?マティウスったら、ブーツが濡れちゃったから、もう歩けないから明日マヨルカに帰るんだってよ!」<br />「えええ〜〜〜〜〜〜っ?ありえないよぉ。彼はSantiagoに着く日を決めて、着実に歩いていたんだよ。」<br />「でも、ブーツが濡れたから・・・!」<br />また笑ってしまう。<br />マティウスったら、マニュアル通りにしか動けない人だとは思っていたけど、そんな理由でリタイアするとは思っていなかった。<br />どおりでさっき会った時ににも、『ブーツが・・・』と言っていたっけ。<br /><br />私はロベルトにお願いして、<br />『私がスペインを好きになった訳』という長いストーリーを通訳してもらった。<br />このストーリーは、12年前にスペイン南西部の田舎町で起きた、楽しいハプニング旅行の思い出である。<br />ドリーとマティルダは、今は長くマドリッドに住んでいるが、元々はその地方のバダホスの出身なのだ。<br />ロベルトは、事細かにスペイン語で通訳してくれた。<br />いつのまにか、ロベルトは、信頼できるお兄さんのような存在になっていた。<br /><br /><br />コーヒーを飲みにカフェに入り、また急いであの丘に登っていった。<br />丘の上まで行くと、例によって向こう側の海と山が美しく見え、<br />「ケ・ボニート!」(なんてきれいなんでしょう!)を連発しながらご機嫌で歩いていたら、アルベルゲのすぐ目の前で、足が滑って尻餅をついてしまった。<br />まだ濡れていた道は滑りやすく、どろどろなのだった。<br />誰かがすぐにソフィアおばさんに言ったらしく、その噂はアルベルゲじゅうに聞こえてしまい、たくさんの人から、<br />「転んだんだって?だいじょうぶ?」と声をかけられてしまった。<br /><br />ソフィアおばさんは、<br />「ねぇ、この歯ブラシはあなたの?」<br />あっ!私がなくしたものだ!!<br />早速今日買った歯ブラシを持ってきて、ソフィアおばさんにプレゼントした。<br />いや、本当は、私みたいに歯ブラシをなくした巡礼者にあげてねという思いで、歯ブラシを渡したつもりなのだが、ソフィアおばさんは、<br />「まあ、私に?うれしいわ、ありがとう!」<br /><br /><br />今度はマティルダがベッドに来て、小声で<br />「ラファはどこにいるの?」<br />私は部屋を見回しながら<br />「あの人だよ。」<br />するとマティルダは<br />「このTシャツを、あなたにあげるわ。ラファと歩く時に着るのよ。勝負Tシャツよ。」<br />「あっ、ありがと〜!(でもそんなんじゃないんだけど!)」<br />「これは香水。ラファといいムードになった時にこっそり回りにふりまくのよ。」<br />「はっ、はい、ありがと!(だから〜、そんなんじゃないっつうのにぃ!)」<br />マティルダって本当に変なおばちゃん!<br /><br />ここ数日、ほとんど巡礼者に会わないでいたのに、たった一日分後ろに戻ってみると、みんなここにいたのである。<br />そして戻ってきて本当に良かった。<br />ドリーやマティルダが帰る前に会えたし、ロベルトや他のたくさんの巡礼者に会うことができた。

スペイン巡礼「北の道14」7月27日(木)Llanes(San Vicente de la Barqueraにもどる) 41.1km

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2006/07/27 - 2006/07/27

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night-train298

night-train298さん














7月27日(木)Llanes(San Vicente de la Barqueraにもどる) 41.1km

今朝はアルベルゲで、暖かいコーヒーやパンを用意してくれている。
家庭的なムードのなか、また質問攻めに遭う。今日はここに泊まった巡礼者からだった。
その中の一人は、2004年にフランスの道を歩いて、そこで日本人に出会って、とても良い思い出があるという。
今回の道で何人かの人に、同じようなことを言われた。
おおむね、日本人は評判がいいようで、うれしく思うし、こうやって国際交流もしているのだなと思う。

夕べから、ソフィアおばさんは、カルテラ(車道)を歩くように勧めてくれる。
今までの「道」とは大きく違うのは、なぜか地元の人たちが、カミーノ(巡礼路の田舎道)を勧めるのではなく、近道や、時には地下鉄に乗ることさえ勧めてくるのだ。
それだけ今回の道は、山道も多く危険であったり、長い道でもあるわけだ。
確かに今日も道は長い。一応アドバイスとして聞いておくことにするが、行ってみて考えよう。
ソフィアおばさんは、いつまでここに居るのか聞くと、今年いっぱいは居ると言う。
普段なら、そんなことは聞かないのだが、またここに戻ってみたい気がするアルベルゲだったのだ。

暖かく見送ってくれる人がいると、昨日のように、出だしから「しぶしぶ」ではなく、さわやかな気分で出発することができる。
「今日の天気はどうかなぁ?」
ソフィアは外を見て、残念そうに
「いいとは言えないわね。でも、誰も天気のことはわからないわよ、ここでは。」
外に出ると、霧に煙っていて、下界は素敵に見えたのだが、行く末に不安があった。

歩きはじめてすぐに、ジャン・ピエールおじさんが前方100メートルほどのところに見えてきた。
また今日もおじさんは、どこから出てきたのだろうか!?
しかしこのときは、おじさんをとうとう捉えることが出来ずに終わってしまった。

最初の約15km地点のUnqueraの手前で雨が降り出した。
雨具の用意をするために、barに駆け込んだ。
ここで二回目の朝食を食べながら、ルルデスに電話をしようと思いたった。
彼女はこの日に旅を終えると聞いていたからだ。
実際のところ、今日までは歩けるのか、今日のうちに帰ってしまうのかは定かではなかった。
また、みんなが今どうしているか知りたかった。
ルルデスは、ロベルト、ドリー、マティルダと一緒のはずだ。そしてドリーとマティルダも、ルルデスと同じく、今日か明日で今年の「歩き」を終了するのだった。

ルルデスは元気よく電話に出て、帰宅の途にあるということで、みんなとはすでに別れたと言う。
おそらくみんなは今夜、今私が休んでいるこのUnqueraあたりに宿泊するという予定だということもわかった。
「Madridに来たら、いつでもうちに泊まっていいわよ。」
明るくて利発でひょうきんでやさしいルルデスは、私の出会いの宝箱に入れさせてもらうことにした。
ルルデスに会えないままお別れとなってしまったのは残念だったが、もし出来たら、今日電車などでここUnqueraまで戻ってきて、ドリーとマティルダにお別れのあいさつをしよう。
そのあとまた、今日の到着点に戻って、明日から歩いてみればいいじゃないか。
自分のSantiagoへの到着も達成したいが、やはりここでは人の出会いも大切にしたい。
到達にばかり気をとられて、大切なものを失いたくなかった。

そこへ別の人から電話が入った。
去年の『銀の道』で出会った、やはり宝箱に入っている(?!)Ivanからだった。
イタリア人の彼女のパオラと共に、イタリアの巡礼路(アッシジまでの300km)を、今日から歩き出したのだと言う。
そこでは二人しか巡礼者は居ないと言い、私たちは、別の道でありながらも、今年も「道」で、苦楽を共にすることになり、連絡を取り合おうと言い電話を切った。

Unqueraに着くと、スーパーで歯ブラシを買った。今朝顔を洗う時に、みつけられなかったのだ。
田舎を歩く道だし、いつ歯ブラシが買えるかわからないので、気がついた時に買っておくのがいい。
他に少し食料を買う。生ハムとクリスプス。
少し歩いて気がついた。杖がない。
バスクの山を歩いている時に助けてもらった杖である。
スーパーに忘れて来たのだ。引き返そう。

いよいよUnqueraを出ると、馴染みになっていたカンタブリアとはお別れだった。
今回初めて足を踏み入れたカンタブリアは、とても美しく、人々が親切で情に厚い地域だった。
さようなら〜、カンタブリア。ありがとう〜、カンタブリア。

ここからはアストゥリアスである。
なぜだろう、境目からあきらかに感じが違う。
どこの道でもそうだが、自治や地域が変わると、「道」の管理も違えば、重要度も違ってくる。
アストゥリアスは、私にとってはあまり、親切な「道」ではなかった。
まず、矢印の数が減り、その方向がどちらを指すのかわかりにくい。
後日知ったのであるが、この地方の矢印は、他の地方とは逆向きだったのである。
矢印は主に二種類あって、「→」の他に、巡礼のシンボルであるホタテ貝を使っていることがよくある。
この、ホタテの向きが方向を指しているのである。貝が広がっている方向なのか、その逆なのか。
この時はまだそれを知らなかったので、私は混乱し、雨もさらに降り出して、途方もない状態にあった。

Unqueraを出ると、私はあえて田舎道を選んだ。
次の村には、見たい建造物があったからだ。
道はまるで、パズルのように思われた。
あるいは、推理ゲームのようだった。
田舎道に雨が降り出すと、土の道は瞬く間に川となり、足場が悪くなる。
やっとのことで見つけたのは、Indianosの建築という、大きな館だった。
ニューオリンズの郊外にあるような、プランテーションで見た家と良く似ているのは、アメリカに移住し成功した人物の家だからだろう。
中は博物館になっていたが、興味がなかったので覗くだけにし、先を急いだ。
早く山から下りないと、雨で足止めを食いそうだった。

ここからは、ソフィアおばさんの言う通り、カルテラ(車道)を歩くことにしよう。
ちょうどカルテラに出た頃から、雨の勢いは増してきた。
コンクリートの道でさえ、川のようになり、坂道は足下に水が流れてくるし、バケツをひっくり返したよう雨は、雷を伴い、荒れ狂っていた。
車の行き来もあり、スピードを上げて通り過ぎる車は、容赦なく水しぶきを上げ、その度にずぶ濡れになるのである。
雨そのものも、力強い。空は真っ黒で、この頭上に再び太陽が現れるなんてことは想像できない。
ほんの少し、雨が和らぐ波はあるけれど、何度も何度も繰り返し、激しい雨が降ってくる。
こんなにひどい雨は初めてである。
これは悪魔の仕業なんだろうか。あまりにひどい仕打ちじゃないか。
カッパを着ていても、隙間を狙って雨がしみ込んでくるのである。
どんなに大変な時でも、カメラのシャッターを押し続けていた私も、さすがにこの雨では手も足も出なかった。
カメラを出したら瞬時に壊れてしまいそうだったからである。
それでもこの雨を記録しておきたいと思い、シャッターを素早く切ってみたが、あとで写真を見ても、それは伝わらない。

ジャン・ピエールおじさんは、Unqueraあたりでストップしたかもしれない。
今日の目的地はLlanesで、今朝出てきたサン・ヴィセンテからの間を歩いている巡礼者は、おそらく自分くらいであろう。
barがあったとしても、こんなにずぶ濡れでは中に入れない。実際は、いくら歩いてもbarはなかった。
そのかわり、ところどころにこの道に平行して走る列車の線路が見え隠れする。
思い切って次の駅で列車に乗ってしまおうか・・・。
そんな誘惑と戦いながら、ひたすら前に進むことだけを考えた。
こんな時、ふとなつかしく思い出すのは、去年の「銀の道」である。
暑くて暑くて足にマメがいっぱいできて苦労した道。
乾燥地帯だから、雨もほとんどなく、たとえ一時的に雨が降っても、次の瞬間にたちどころに乾いてしまう。
あの暑さがなつかしい。

悪い天気も永遠に続くわけではない。
やがて雨は小降りになり、そして・・・・・・・、とうとう止んだ。
雨が降っていると、どこも水浸しなので、座ることも出来ないでいたが、屋根がある小さなバス停を見つけ、そこに座って先ほど買った生ハムを食べる。
普通なら、歩きながらでもチョコレートや果物を食べることが出来るが、この雨では、まったく身動きが取れなかった。
幸いリュックの中までは水は入っていない様子である。
そして靄も晴れて景色が見えてくると、噂のピコス・デ・ヨーロッパの山々が姿を現してきた。
ギザギザした灰色の山。
近づいては遠ざかり、また別の山が・・・。

私の足は、止まることなく30km以上を歩き続け、雨が入り、水槽の中に素足を入れている状態のまま、歩いていたので、皮膚が長風呂に入った時のようになってしまった。
今日はできればドリーたちと再会したい。
目的地のジャネスに着いたら、列車でみんなが居る地点まで戻ってこよう。

ようやく今日の目的地であるジャネスの町に入って行った。
ここも海水浴の客で賑わう観光地のようで、巡礼路の町というイメージはない。
私は町に入ると、何よりもまず、インフォメーションを探し飛び込んだ。
そしてロベルトへ電話をかけた。
「今、どこにいるの?」
「サン・ヴィセンテだよ。今日は雨がひどくて、ここまでしか歩けなかったんだ。」
昨夜私が泊まった、ソフィアとマリーローの親子がいる町である。
「わかったわ。じゃ、今からサン・ヴィセンテに行く交通機関が見つかったら、戻ってみんなに会いたいから、ソフィアおばさんに、もう一晩泊まっていいか聞いておいてね。またすぐ連絡するわ!」
「えっ?それはすごいサプライズだよ!!!」
本当にお互いサプライズであり、素敵な再会になるに違いない。

アルベルゲでは、一応二泊以上は特別な理由がなければ出来ない。
ソフィアおばさんとはすっかり仲良くなったものの、その判断は彼女によるものなので、聞いておいてもらうことにした。
インフォメーションに入り
「ここからサン・ヴィセンテに行きたいのですが、列車かバスはまだありますか?」
すると、あと15分後に列車があると言う。ここから駅まで6〜7分、急げば間に合うと言う。
すぐにロベルトに電話すると、
「ソフィアはもう一晩泊まっていいと言っているよ。」
「じゃあ、15分後の列車に乗っていくから!」
「それはすごいよ!じゃあ、駅まで迎えに行くから!!」

そうこうしているうちに、列車の出発時間までに5分ほどしかなくなった。
走るように、駅に向かった。
駅にはちょうど列車が待っていて、飛び込むと同時に出発だった。
今日はこれが最終列車なのだ。
というか、一日に二本しか走っていなかったのだ。
不思議だ。今日一日歩いてきて、どこにも出口のないような、道だったのに、いきなり列車に飛び乗ったら、また世界が変わっていくのだ。
そういえば、線路は何度も見たけれど、一度も列車を見ることがなかった。
翌日は、列車かバスでこのジャネスまで戻ってきて、歩き始めるつもりだ。

列車の中で、カッパを広げ、靴を脱ぐと、足の皮が大変なことになっていた。
少しでも乾かそうとするが、そう簡単には乾かなかった。
車窓の景色が良い。
今日私が歩いてきた道も見える。
山々も、反対側の海も美しい。
そうだ!雨の中、海が見えていたっけ。
ゆっくり休めると思っていたのに、40分の道のりは、あっというまであった。

時刻表を目で追いながら、サン・ヴィセンテの駅に着いたはいいけれど、降りたのは私と一つの家族だけ。
そして昨日来た場所のはずなのに、何一つ見覚えのあるものはない。
そこへロベルトから電話が・・・・・・・・・・。
「サン・ヴィセンテの駅は、町からずいぶん離れているんだって!」
「やっぱりそうなの!?今着いたんだけど。なんとかするから、バスのターミナルで待っていてね。」
なんとかするとは言ったものの、もう一歩も歩きたくなかったのに・・・・・。

一緒に降りた家族を追って聞いてみた。
「サン・ヴィセンテへはどうやって行くんですか?」
「あっちの方向へ3kmくらい歩くよ。」
ひぇ〜っ、また歩くのかぁ。
仕方なく歩き出すと、さっきの家族が呼んでいる。
「良かったら乗せて行ってあげるよ。」
ご夫婦のご主人は、足が不自由なようである。後ろには5歳くらいのかわいい男の子が乗っていた。
もちろんお言葉に甘えることにする。
子供の名前はダニエルと言い、すごくかわいい。
そこへ心配したロベルトがまた電話をくれた。
「今、親切な人に車に乗せてもらったから、もうすぐ行くからね!」
「そりゃラッキーだったね!」

車はバスターミナルのすぐそばまで乗せて行ってくれた。
急いでバスターミナルに走りよると、ロベルト、ドリー、マティルダがいた!
私たちは輪になって抱き合って喜んだ。
ふと見ると、おじさんがそばでニコニコしている。
あれ?巡礼路で二度ほどみかけたおじさんだ。
ドリーはおじさんを紹介してくれた。ビンゲンといい、ビルバオから来たという。
おじさんもこの仲間に加わっていたのだ。

私は明日の朝の、ジャネス行きのチケットを買うことにした。
お昼前に着くのが始発であるが、まあいいだろう。
ドリーとマティルダも、マドリッド行きのチケットを買っている。
ロベルトは、私のリュックを持ってくれた。あー助かった!あの坂道をまた上がるのは、難儀なのだ。
アルベルゲへ向かう道すがら、私たちは踊るように跳ねて歩いた。
マティルダが言った。
「マティウスも来ているわよ。」
おお、マティウスも来ているのか。
マティウスは、私の最初の巡礼仲間であり、お世話になっていたし、ビルバオ以来の再会である。

自分だけが雨に当たってつらい思いをしていたような気になっていたが、後ろ30~40km歩いていた彼らもそれは同じで、
今日はみんなが痛いめにあっていたのだ。
アルベルゲに着くと、ソフィアおばさんとマリーローが飛びついてくる。
今日は満員で、30人くらいの人が泊まっていた。
入り口の大テーブルに居ると、次々と顔見知りがやってくる。
その中には、ゆっくり話をしたかったラファがいた。
ラファは一昨年「銀の道」を歩いたこともあり、数少ない本物の巡礼者のように思えた。
やっと座って話をするが、ドリーたちが待っているので、部屋に行くと、一つだけベッドが残っていて、その周辺にはラファの仲間たちがいた。
また、フランスの親子もいたし、ドイツのアレックスもいた。
みんなここに大集合だったのだ!
おっ、今度はマティウスをみつけた!
大仰に驚いて近寄る私に、冷静沈着なマティウスは、再会の喜びをほとんど表現することもなく
「今日の雨でブーツが濡れちゃって・・・・・・・」
「???(みんな濡れているよ)」

「今夜はこのアルベルゲで食べる?それとも外でイワシとビール?」
もちろん後者の意見に決まって、ロベルト、マティルダ、ドリー、アレックス、そしてビンゲンと私の6人で町へ降りて行く。
マティルダとドリーにとっては、最後の夜である。
ビールで何度も乾杯し、イワシを平らげる。
こっそりマティルダに、
「ここにいるビルバオから来たおじさんの名前は何ていうんだっけ?」
新しく加わった仲間の一人の名前を覚えられなかったため、聞こえたら失礼なので小声で聞いてみた。
マティルダも耳元で
「それが私もよくわかんないのよぉ。確かビンガンとか、ギンギンとか、そんな名前よ。」
首を傾げながら、くすくす笑っている。
「えっ?何日一緒にいるの?」
指で数えながら
「うん、4日ね。」
そして言い訳をするように
「でも、スペインでも聞いたことがない名前なのよ。」
私たちは大笑いをしながら、ひそひそしていた。すると今度は
「ラファには会った?」
マティルダは記憶力がいい。私が前に感じがいい人だと言ったことを覚えているのだ。
「あっ!今日アルベルゲに居たよ!!」
「本当?誰なの?教えてェ〜」
「じゃ、後で会ったらね!」
そしてマティルダはこう言った。
「ねぇ、知ってる?マティウスったら、ブーツが濡れちゃったから、もう歩けないから明日マヨルカに帰るんだってよ!」
「えええ〜〜〜〜〜〜っ?ありえないよぉ。彼はSantiagoに着く日を決めて、着実に歩いていたんだよ。」
「でも、ブーツが濡れたから・・・!」
また笑ってしまう。
マティウスったら、マニュアル通りにしか動けない人だとは思っていたけど、そんな理由でリタイアするとは思っていなかった。
どおりでさっき会った時ににも、『ブーツが・・・』と言っていたっけ。

私はロベルトにお願いして、
『私がスペインを好きになった訳』という長いストーリーを通訳してもらった。
このストーリーは、12年前にスペイン南西部の田舎町で起きた、楽しいハプニング旅行の思い出である。
ドリーとマティルダは、今は長くマドリッドに住んでいるが、元々はその地方のバダホスの出身なのだ。
ロベルトは、事細かにスペイン語で通訳してくれた。
いつのまにか、ロベルトは、信頼できるお兄さんのような存在になっていた。


コーヒーを飲みにカフェに入り、また急いであの丘に登っていった。
丘の上まで行くと、例によって向こう側の海と山が美しく見え、
「ケ・ボニート!」(なんてきれいなんでしょう!)を連発しながらご機嫌で歩いていたら、アルベルゲのすぐ目の前で、足が滑って尻餅をついてしまった。
まだ濡れていた道は滑りやすく、どろどろなのだった。
誰かがすぐにソフィアおばさんに言ったらしく、その噂はアルベルゲじゅうに聞こえてしまい、たくさんの人から、
「転んだんだって?だいじょうぶ?」と声をかけられてしまった。

ソフィアおばさんは、
「ねぇ、この歯ブラシはあなたの?」
あっ!私がなくしたものだ!!
早速今日買った歯ブラシを持ってきて、ソフィアおばさんにプレゼントした。
いや、本当は、私みたいに歯ブラシをなくした巡礼者にあげてねという思いで、歯ブラシを渡したつもりなのだが、ソフィアおばさんは、
「まあ、私に?うれしいわ、ありがとう!」


今度はマティルダがベッドに来て、小声で
「ラファはどこにいるの?」
私は部屋を見回しながら
「あの人だよ。」
するとマティルダは
「このTシャツを、あなたにあげるわ。ラファと歩く時に着るのよ。勝負Tシャツよ。」
「あっ、ありがと〜!(でもそんなんじゃないんだけど!)」
「これは香水。ラファといいムードになった時にこっそり回りにふりまくのよ。」
「はっ、はい、ありがと!(だから〜、そんなんじゃないっつうのにぃ!)」
マティルダって本当に変なおばちゃん!

ここ数日、ほとんど巡礼者に会わないでいたのに、たった一日分後ろに戻ってみると、みんなここにいたのである。
そして戻ってきて本当に良かった。
ドリーやマティルダが帰る前に会えたし、ロベルトや他のたくさんの巡礼者に会うことができた。

  • 朝食もアルベルゲでいただきます

    朝食もアルベルゲでいただきます

  • アルベルゲから見た風景。<br />時間ごとに美しい色合いを見せてくれました。

    アルベルゲから見た風景。
    時間ごとに美しい色合いを見せてくれました。

  • ヘレナおばさんが見送ってくれました

    ヘレナおばさんが見送ってくれました

  • 雨が降ってきました

    雨が降ってきました

  • 親切なインフォメーションのお姉さん

    親切なインフォメーションのお姉さん

  • この道を数時間大雨の中、歩き続けました

    この道を数時間大雨の中、歩き続けました

  • やっと雨が小降りに。

    やっと雨が小降りに。

  • 青空も広がって

    青空も広がって

  • 丸い塔に、インフォメーションがある

    丸い塔に、インフォメーションがある

  • せっかくジャネスの街に到着したが、急いでみんなが居る昨日泊まったサン・ヴィセンテまで日に数本しかない列車で戻る。

    せっかくジャネスの街に到着したが、急いでみんなが居る昨日泊まったサン・ヴィセンテまで日に数本しかない列車で戻る。

  • ジャネスの駅から街までは遠かった!<br />親切な人が車に乗せてくれました

    ジャネスの駅から街までは遠かった!
    親切な人が車に乗せてくれました

  • またまた戻ってきました!<br />昨日と同じ風景です

    またまた戻ってきました!
    昨日と同じ風景です

  • ロベルトが荷物を持ってくれました

    ロベルトが荷物を持ってくれました

  • 帰ってきましたー!

    帰ってきましたー!

  • 。

  • ラファたちもいました。<br />写真には写っていませんが、マティウスもいました

    ラファたちもいました。
    写真には写っていませんが、マティウスもいました

  • みんなで食事に行きます!

    みんなで食事に行きます!

  • 新しい仲間ができていました。<br />バスクの大学教授、ビンゲンです。

    新しい仲間ができていました。
    バスクの大学教授、ビンゲンです。

  • やはりここではイワシです!

    やはりここではイワシです!

  • ビールをたくさん飲みました!

    ビールをたくさん飲みました!

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