2008/01/14 - 2008/01/14
293位(同エリア362件中)
もろずみさん
郷愁を誘う古民家は日本の原風景。近頃旅に出ないでいるので溜まった郷愁を発散させないと・・・。
寒い中出掛けた先は日本民家園です。ふと、雪が降らないかなと思ったりして。
というのも、茅葺きの古民家に雪が降り積もったら郷愁度は倍増するじゃないですか。
日本民家園は日本中から古民家を集めて野外展示している博物館です。生田緑地そのものも異次元空間ですが、民家園は中でも突出した空間を作りだしています。
世界遺産の白川郷の合掌造りを筆頭に、25もの建物がまるで村を形成しているようです。
そんな村を訪ねて、囲炉裏端で体を温めたり、蕎麦を食べたりして来ました。
公式サイトはこちら http://www.city.kawasaki.jp/88/88minka/home/minka.htm
- 交通手段
- 私鉄
PR
-
日本民家園は川崎市の野外展示博物館です。
府中郷土の森や江戸東京たてもの園も立派ですが、スケールはそれ以上。
エントランスの建物もそれらしいです。 -
園内マップにある建物を数えると25軒。
一軒一軒がたっぷり敷地をとっているのでかなり広いです。
では、民家村を訪ねて行くとしましょう。 -
その前にエントランスホールの室内展示でお勉強。
駅から歩いてきて体が冷え切ってますので・・・(^^;
川崎の農家、秩父の山村、房総の漁村、京の町家などのジオラマが並んでます。
古民家と一言で言っても種類があるのですね。 -
意を決して寒い野外へと飛び出します。
目の前に広がる光景は峠の宿場の風景。
何だか映画のセットとしてそのまま使えるような・・・。 -
いきなりの大邸宅は原さんのお宅です。
この近くの小杉陣屋町にあった贅を凝らした二階建。
江戸時代の匠の技を使って22年の歳月をかけて建てられたそうです。明治44年(1911年)築。 -
古民家につきものの板の間に囲炉裏を切ってあります。
床板も綺麗に磨き上げられていて大したもの。 -
奈良高畑の柳生街道沿いにあった油屋の井岡さん宅。
営業しているのかと思うような暖簾もあります。
江戸中期頃の建物だそうです。 -
このエリアは宿場町の再現なのでそれらしく。
格子越しに街道の人馬の行き交うのを眺めるという設定。
これは江戸時代にタイムスリップした気分ですね。 -
気分が江戸時代に遡ったので、建物を羅列するのはやめて時代劇に使えそうな写真でいってみましょう。
民家の裏手から街道筋を覗いてみるとこんな風。
手積みの石垣が効いていますね。 -
少し上から宿場全体を眺めてみます。
もう少し旅籠など建ち並んでいると良いのですが、武家屋敷の長屋門など混じってしまいました。 -
峠道もあります。越えれば信越の村エリアに行きます。
先ほどの武家屋敷の長屋門は、尾張名古屋の佐治家の供侍の住居だそうで、だとすればこの峠は木曾街道か? -
六地蔵の半分。道祖神や馬頭観音、庚申塔など野仏も点在してます。
いちいち解説板もあってなかなか芸が細かいですね。 -
水音に誘われて登っていくと水車小屋。
信州にあった小屋をそのまま持って来たものです。
水車そのものも大きくて立派です。 -
峠を下ると見えてきたのが合掌造りの民家。
越中五箇山の江向さんのお宅です。
本物の合掌造りの家を川崎で見られること自体が不思議な気分。 -
江向さんのお宅にお邪魔します。
囲炉裏端に集まって暖をとります。
ここでは順番に囲炉裏に火を入れているそうです。
屋根の虫を燻り出すためだとか。これもボランティアのお仕事。 -
山下さん、山田さん、江向さんの家は隣組。
世界遺産の五箇山の集落がここに再現されてます。
広角のカメラを持って来なかったのが残念。 -
山田さんのお宅は豪雪地帯だけに雪囲いがありました。
一分の隙間もなく家を囲んでいます。
関東ではそんなに降らないし積もらないですが、そこは博物館だけに忠実。 -
山下さんの家は1階が蕎麦屋、2階が展示室となっています。
ここまでで体も冷えてきましたので、もちろんひと休み。
こんな日はビールでなくお酒ですねぇ。車で来なくてよかった! -
合掌造りの民家は全部で4軒。
やはりここがメインの展示のようで、この寒い日にも見学者が結構いるのに気づきました。
昨夜雪が降ったらもっと大勢来ていたことでしょう。 -
続いては関東の村へ。
2つの棟を分けた独特の造りの家は作田さんのお宅。
作田さんは九十九里の地引き網漁の網元です。 -
笠間の太田さんの家の軒下で発見。
なんと慶応4年5月発布の太政官令が書いてあります。
幕末維新の物騒な時代の遺物です。そのまま飾ってあること自体が凄い。 -
どの家にも囲炉裏とカマドと機織台はありました。
昔は衣類は原材料から自給していたのですね。
つい150年前のことですけど。 -
ここにある民家はどれも裕福な家のものだそうです。
江戸時代は庶民は食べるのが精一杯で、家は簡素な掘っ建て小屋でした。
そういう家はみんな潰れてしまって、現代に残っているのは豪邸ばかりだそうです。
言われてみれば納得です。 -
明日15日は小正月です。近頃は伝統行事をみることが少なくなりました。
繭玉を柳の枝に飾っていますが、今の住宅ではこんなスペースはありませんからね。 -
関東の村から神奈川の村へ。
石橋がいくつも架かっていて未舗装の土の道が続きます。
手前の小屋は多摩川の渡しの船頭小屋です。 -
入口から隣家の茅葺き屋根が見えるという自然な造り。
斜面に建つ家ですが、ここは秦野の岩澤さんのお宅です。
さすがに神奈川の村が一番民家の数が多いです。
どれも300年級の古さです。 -
また峠があって村全体を臨めます。壮観!
真冬なので緑がなくて寒村のイメージですが、新緑や紅葉の頃は良い眺めでしょうね。
季節を間違えたかも・・・。 -
敷地への入口に魔除けのように置かれた野仏群。
土地土地の信仰が今も生きているようです。
って、移設建造物ですよね? -
地元登戸の清宮さんのお宅です。
三方を囲む土壁が美しいけど中は暗かったです。
この辺りには昔からこんな家が建ち並んでいたのでしょう。 -
最後は東北の村。小さな村で2軒しかありません。
紫波の工藤さんのお宅は南部曲り屋。
厩と母屋が棟続きで、馬が大切にされていた昔の様式です。
馬はこれです。 -
もう一軒は出羽鶴岡の菅原さんのお宅。
花が少ない時期ですがサザンカが彩りを添えています。
家屋の特徴である高窓が見えますね。 -
民家園のはずれまでやって来ました。
民家ではありませんが、志摩半島の船越の舞台という大掛かりな芝居小屋がありました。
残念ながら戸をたてて舞台は見られませんが、奈落の回り舞台は見ることができました。
瓦には若衆組の印。 -
一番奥に伝統工芸館があり、藍染めの実演中。
いろいろな体験学習もできるようになっています。
室内に入ると藍の香りがぷーんと。 -
一回りして気づけば3時間近く。早回りのつもりでしたが広いし見所が多いので一日居ても飽きませんね。
見てきた民家のうち、国の重文は7軒。
良く集めたし保存状態も良いのに感心しました。
ここを定点観測している人もいるようで、季節を変えて再訪してみたいと思います。 -
こんなにたくさんの茅葺きの家を見たのは久しぶり。
前はいつだったかなぁ・・・。
4年前に行った会津の大内宿以来でしょうか。
これで雪が積もっていればなぁと、あの時も思いましたね。
行ったのは真夏でしたけど。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- NODAさん 2008/01/20 11:04:53
- ここはお気に入り
- こんにちは。
ここに行っていつも思うのは、質素だけど贅沢な造りの家が多いということです。柱の太さにしても天井の高さにしても、部屋の間取りにしても、現代の住宅事情からは考えられません。まぁ、一般庶民はもともっと小さな家に住んでいたのでしょうが。
それから冬は寒く、暗いだろうということ。
板の間の家なんて、筵を敷いたとしても板と板との隙間から入ってくる冷気は防げないだろうし、あれだけ広い部屋だとなかなか暖まらないだろうし。夏は涼しくていいけれど、冬は辛かったでしょうねぇ。
囲炉裏の火の暖かさと赤い色は心からほっとするものだったでしょう。
- もろずみさん からの返信 2008/01/20 21:50:11
- RE: ここはお気に入り
- NODAさん、どうも。
川崎はNODAさんのテリトリーでしたね。
古民家園は各地にありますがスケールではここが一番ですね。
寒さに震えながら見てきましたが、どれも立派な家屋です。
囲炉裏のある暮らしというのは私も経験はありません。
懐かしいというよりもの珍しいという感じ。なかなか良いものでした。
確かに現代の気密性の高い住居に比べると発想の違いを感じます。
家の中で火を焚くことが当たり前の時代は最も合理的な構造だったのでしょうね。
合掌造りなどは室内全体に暖かい空気が循環するようです。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
35