1999/08 - 1999/08
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みどりのくつしたさん
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1999年8月31日、トルコ国境に近いマークーという町の(多分)一番のホテル「マークーイン」に泊まる。
これが1泊千円ちょっと(正確には71,580リアル)。
部屋のシャワーのお湯は出なかったが、部屋の形としては、一応まともなホテルになっている。
ベッドはちゃんとしたもので、寝具も清潔で、ぐっすりと寝られた。
翌朝、6時半には起床する。
今日は、イランからトルコへの国境を越えるわけだ。
ところで、陸路国境というものは24時間開いているところもあるが、そうでないところも多い。
だって、国境で出入国を管理しているのは、公務員さまなのだから。
公務員さまは、絶対に就業時間を守るもの。
また、昼休みもきっちり取るし、終業時間には(おそらくそれ以前に)仕事をやめる。
つまり、国境を越えるためには、イランとトルコの公務員さまの御都合に合わせなければならない。
しかしこれが単純ではない。
というのは、イランとトルコとの間には、1時間半の時差があるからなんだよ。
イランの公務員は、もちろんイラン時間で働くだろう。
イランの公務員の勤務時間と、トルコの公務員の勤務時間にズレがないかな。
普通はそんな、陸路国境を通るのに、両国の仕事時間が違うなんて、考えられないよね。
その普通では考えられないことが起きるのが、海外個人旅行というものなんだよ(笑)。
とにかく、イラン側の国境が開くのが午前7時だと聞いていた。
イラン時間が午前7時なら、トルコ時間はまだ午前5時半になる。
トルコの公務員が午前5時半から働くとはとても考えられない。
だから僕は、1時間半ずらして、イラン時間の午前8時半に国境へ着くように考えた。
これならば、トルコ時間の午前7時になるしね。
僕は午前8時にマークーインを出る。
フロントでは、宿泊料金を確定するのに、ああだこうだと10分近くもかかったよ(涙)。
僕が7万5千リアル出すと、おつりが3500リアル。
支払ったのが71500リアルで、80リアル(1円20銭)もまけてくれたことになる。
マークーインから大通りに出ると、すぐに国境へ行く乗り合いタクシーを捕まえる。
タクシーは満席で、運転手の隣に2人が座るので窮屈(バックパックはトランクルームへ)。
でも、マークーから国境のザバルガンへはすぐだ。
イラン人は国境の手前で降りる。
タクシーの運転手は、僕をわざわざ国境のゲートまで連れて行ってくれた。
彼はその特別扱いに対してチップが欲しそうだった。
でも僕が払ったのは、協定料金の千リアル(15円)だ。
彼はかなりガッカリしていたみたいだね。
僕は彼の失望を無視して、国境のゲートをくぐって中へ入る。
すぐに「マネーチェーンジ?」とトルコリラへの両替の声がかかる。
それを無視して進むと、「タクシー!」と声がかかって、ミニバスへ誘われる。
実は、この国境のゲートから、実際の出国審査オフィスまでは、山を登る長い道があるんだ。
声をかけた男が、山の上を指差す。
その山の上が国境という雰囲気かな。
国境の山頂に向けて、大型トラックの長い列が見える。
しかし山頂まで、歩いて行けないことはない雰囲気だ。
この時期の日本のガイドブックには「イランの出国スタンプを国境手前のオフィスでもらえ」と書いてあった。
だから、まず出国スタンプをもらうために、ゲートを越えた右側の建物群へと進んだ。
しかし歩いてきたイラン人に聞くと、トラックの列を示された。
道にある標識にも、はっきりとイミグレーション(イランの出入国審査)は山の上と書いてある。
ガイドブックよりも、現実にその場で入手した情報が正しい。
また、万が一山の上まで行って、そこにオフィスがないとしたら、また戻ってくればいいさ。
僕は、山の上へ向かって歩き出した。
30分も歩けば到着できるだろうと見当を付ける。
途中でちょっとオシッコをしたくなる。
イラントルコ国境の、雄大な景色を見ながら放水する。
何しろ目の前には、ノアの箱舟が漂着したアララット山がそびえているしね。
ここまで僕を導いた神の導きに感謝する。
再度、山へ向かって歩き出すと、後ろからクラクションが鳴らされる。
国境から山の上まで行くミニバスが、僕を見つけて止まってくれたわけだ。
このように本格的な旅では、神に祈ることが大事だとわかるだろう。
しかもバスには、僕のためにシートが一つきちんと用意されていたした。
もちろんいくら神の導きだと入っても、バスは有料だ(千リアル)。
バスに乗ればすぐに国境へ到着。
山の上のなんたら事務所があるところでバスを降りたが、他はみんなイランの人ばかり。
その人たちが、書類をもらいにぞろぞろと一つの建物へ入っていく。
僕も入って行ったが、そこはペルシャ語の掲示があって、みんながペルシャ語の書類をもらっている。
外国人には、完全に場違いな感じがする。
日本人である僕は、おそらくイラン人用の書類は必要ないだろうと思う。
でも自分が出国のために、どこへ進めばいいかわからない。
こういうときこそ旅行者同士が助け合う機会なんだよ。
欧米人旅行者がいれば、彼らは走り回って、どこへ行くか、調べてくれる。
または、欧米人旅行者に対しては、イラン人も向こうから進んで教えてくれるんじゃないかな。
ところがこのとき、国境を越えようとする旅行者は、僕しかいなかった。
困り顔をしてボケーっと立っていると、イラン人が建物の入り口を指差すので、そこへ入る。
誰もいないので、日本語で「すみませーん、誰かいますかー!」と大声を出す。
するといやに愛想のいい、イラン人の役人が出てきた。
そして、僕の日本のパスポートを見て「ナカタ!」と大声を出して、荷物を開けるように言う。
さらに、「酒は持ってないのか?」と聞く。
僕は、おかしいなと思った。
というのは、イラン入国の時はかなり厳しく荷物を改められた。
普通は出国の時に荷物なんか調べないものだからね。
それに、イラン国内からトルコへ行くのに、酒を持っているはずがないわけだ。
僕は念のために、「僕はこれからトルコへ行くんですけど」と英語で言う。
返事が「ここは違う!」で、建物の反対側を指差された。
僕はトルコへ抜けたかったのに、逆方向の、トルコからイランへの入国の税関に来てしまっていたわけだよ。
建物の外へ出て、英語が話せる人を捜すと、両替商だった。
「百万トルコリラが2万3千リアル」と声をかけてくる。
しかし、いまはイランリアルをトルコリラへ両替しているときではない。
イランの出国審査オフィスを探しているんだから。
建物の反対側へ回ると、そこが税関で荷物をチェックしている。
日本のパスポートを見せると、ノーチェックで通過する。
見ていると、この審査が終わったからって何も印をつけていない。
やはり出国時の税関審査っていい加減なものだね。
何しろ僕が、パキスタンからイランへ入ったときは厳しかった。
タイムズ誌のごく普通の水着写真を破り取られたんだから。
出国審査の建物には長い列があった。
その列のほとんどは、チャドルを着たイラン人の中年女性だ。
その列に割り込む人、押し合う人がいた。
そうこうしているうちに、ドアが開いて、小さな部屋に入る。
イラン人の女性たちは、出国審査の時に、パスポートをまとめて提出していた。
つまり、20冊ほどをまとめて窓口に提出する。
僕はここで思ったが、イラン女性のパスポートには、もともと写真が貼ってないんじゃないかな。
本人確認もせずに国境を通過させるなんて、おかしいものね。
出国審査が終わっても、動きがない。
やっとドアが開いて、人が動き出したのがイラン時間の午前10時。
人の動きがあって、その中で、チェコ人の女性1人とチェコ人の男性が2人と声をかけあう。
また、自称ポルトガル人男性とも出会う。
このポルトガル人にポルトガル語で「こんにちわ(ボンジア)」と挨拶しても言葉を理解しない。
怪しい人間みたいなので、ちょっと距離を置く。
とにかく変な人間と一緒だと思われて、国境でトラブったら大変だからね。
イランの出国審査の窓口を出ると、隣の部屋がトルコの入国審査になっていた。
入ってすぐの窓口で、パスポートにスタンプをもらう。
その隣の窓口では、トルコのビザを発行しているらしい。
もちろん日本人はトルコ入国にビザは不要だ。
ただ、わけがわからないときはとにかく並ぶのがいい。
並んで、窓口にパスポートを提出すると、またスタンプを押してくれた。
とにかくトルコ入国手続きは、これで終わったようだ。
それを見ると、イラン出国は「BAZARGAN」、トルコ入国は「GURBULAK」となっていた。
陸路でイラン・トルコ国境を越えるというのはポイントが高いよ(笑)。
パスポートにスタンプをもらっていたのに、まだ動きがなく、部屋で待つ。
結局、イラン時間の午前10時半に動きがあって、トルコへ入国できた。
つまり、トルコ時間の午前9時にトルコ入国できたってことね。
トルコの国境が午前9時に開く(トルコの公務員の始業時間が午前9時)という意味なのだろう。
トルコの入国審査オフィスを出ると、すぐに両替商が声をかけてきた。
そのレートは、「1ドル=42万リラ」、「百万リラ=2万5千リアル」だとのこと。
イラン側では「百万リラ=2万3千リアル」だった。
ということは、イランリアルをトルコリラに両替するには、イラン側が有利だったということね。
これは、為替の大原則「通貨はその使用されている国で一番評価が高い」に合致している。
手元に残っていた15万リアルを6百万リラ(約15ドル)に両替した。
ここで、「日本人ですかー」と、日本語で声をかけてきた怪しい(自称)イラン人がいた。
彼は「私は新宿にいたんですよ」といいながら、僕の荷物から何かを抜こうとしたよ。
国境を越えたところに、土産物屋みたいなものがある。
そこでレートを聞くと、「ここでは1ドルが40万リラ、銀行なら39万リラだ」とのこと。
店屋でとにかく、国境越えして一番欲しいものをゲットする。
それはもちろん、ビールだよ。
TUBORG(500ml)の缶ビールが1ドル(40万リラ)だった。
さて僕はこれから、今日中にVAN(ワン)へと向かいます。
【写真】イラン、トルコ国境から見えるアララット山。
【旅行哲学】陸路国境を越えるのは、常に冒険だ。
http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/across_asia/bazargan.htm
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