2007/11 - 2007/11
9位(同エリア21件中)
風神さん
いまだ実態が十分わかっていないシバ王国が衰退した後、内陸に興ったハドラマウト王国の首都として3世紀から16世紀にかけて栄えたのがシバームです。
シバームはアラビア半島最大のワジ(涸れ川)長さ160Km幅2Km深さ300mのハドラマウトの谷に位置し、1535年ワジ特有の大洪水によってほぼ壊滅します。
現在のシバームはその同じ場所に再構築され、シバームの地面がまわりより高い理由のひとつもそこにあります。ことによれば何回も古い街の上に再構築が繰り返されてきた可能性もあります。
東西300m南北400m、周囲を高さ5から6mの城壁が囲み、やや古い資料では約500棟の建物に7000人の住民が住んでいることになっていますが、家族数の減少、1家族当たり人数の減少が続いており、現在はもっと少ない思われます。
無住で壊れている建物もかなり見かけました。
現在の建物は古くても築100年位のものがほとんどです。
(次回:シバーム城壁外から)
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シバームただひとつの門です。
上り坂になっているのが分かります。このスロープの上り口はそもそも周りの地面より高いのです。
つまりシバーム内の地面は周りの地面よりかなり高いのです。 -
門を入るとこの広場があり、正面に見えるメインモスクや、右側に旧王宮があります。
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旧王宮です。
さすがに漆喰を節約していません。
外壁はシバームで最も装飾的です。 -
ミナレットの影が映っています。
漆喰が塗られているのは外壁の一部だけです。 -
モスクは何箇所もあります。
ミナレットのデザインはそれぞれかなり違います。 -
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路地は子どもたちの遊び場所・・・
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そして一人になって物思う場所。
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この立派な建物も・・・
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漆喰の大きな剥がれと、その左斜め上に部分的な塗り直しが見えます。
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シバーム本来のトイレの仕組みが分かります。
各階のトイレから直接1階の緑の扉の部分に汚物が落下し集まります。
現在は左側の縦のパイプが使われています。 -
かつては、随分高いところからも落下していたようです。
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突然サナア旧市街の画像を出したのは、シバームとサナア、両者の建物に見られる装飾性の決定的な差、その背後にある美感覚(ことによれば経済力も)の差が一目瞭然になるからです。
また建築材料も日干し煉瓦と石でぜんぜん違うことが分かります。 -
山羊は中庭、通路、外周の空き地などあちこちに放し飼いになっています。
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珍しくゴミのない、ひっそりとした路地。
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シバームでは建築のデザインは、シンプルで統一性のある外観と、木部の装飾性によって特徴付けられます。
木部の凝った意匠はドア、窓(枠)の透かし彫り、内装、家具類に見られます。 -
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ちょっと見にくいのですが、窓に特徴ある木彫が見えます。
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この建物は一階が家畜小屋になっているようです。
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拡大すると、家畜小屋の様子も分かりますね。
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ここにも山羊。
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左の建物は外壁が大きく崩れ、一つ一つの日干し煉瓦の形もむき出しです。
明らかに人は住んでいません。 -
シバームの一番はじまで来て、北西の角方向を見ています。左側に見えるのが城壁の上端で、外側のヤシの天辺と比べると、シバーム内の地面が周りと比べてかなり高いことが分かります。
それは外敵からの防御と洪水被害の防止とに役立っています。
小さく見える金網は家畜小屋で、この陰に簡易出入り口があります。城壁に狭い幅の切れ目を入れ狭い階段を外側に付けて、人一人通れる出入り口にしています。何箇所もあります。 -
拡大画面でご覧いただくと、建物外壁が日干しレンガの平積みでできていることが良く分かります。
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シバームの建物、外側の白い部分はヌラーが塗られたものです。生石灰に水をかけて作る消石灰は水でねっても粘性に乏しく作業性に難があります。
ヌラーは消石灰に石膏・アラバスター(雪花石膏=微粒子白色の良質石膏)を混ぜたもので高価です。従って建物全体を塗りさらに維持するためにはかなりの財力が必要です。
画像は生石灰に水をかけて、ヌラーの主材料消石灰を作っているところです。発熱してもうもうと湯気を上げています。
建築現場で行われる作業です。 -
シバームの建物本体は石ではなく日干し煉瓦で造られています。
これは日干し煉瓦を作っているところです。
砂ではなく、ワジ内の林の土に刻んだ藁を混ぜ、手でこねています。重労働です。 -
職人さんもイスラム教徒で撮影は拒否、詳しい工程、作業の様子は撮影できませんでしたが、簡単に説明すると
1職人さんの一人が、手で水と土と藁をどろどろにこねたものを小玉スイカくらいの量、両手で掴み取って、等間隔にピチャっと地面に軽く落とす
2別の一人が、地面にできた小さい泥の山を、日干しレンガの出来上がり寸法に作った木枠で囲み、手で枠内に泥をならし、次に枠と土の境に一本指で切れ目を入れて枠を取り除く
これだけです。この間約10秒位でしょうか、早業です。
向こう側、色が薄くなっているのが4日から5日天日干しして出来上がったもの。一部集めて積んであります。
手前色が濃いのが成型したばかりのものです。10秒の早業でもこのように縦横綺麗に整列、単純作業のようで熟練の技です。
実際の建築では、お皿を重ねるように平積みにしますが、形が長方形なので、縦横を組み合わせることで厚い壁になっていくのだと思います。
このような方法で日干し煉瓦を作るためには、気候が重要です。
1高い気温と強い日差し
2乾燥した大気
3雨が降らないこと
つまり低緯度の砂漠気候です。シバームの巨大な日干し煉瓦摩天楼は、イエメンの砂漠気候、そしてワジと大洪水あっての際立ってヴァナキュラーな建築であることがよくわかります。
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この旅行記へのコメント (4)
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- momotaさん 2007/12/07 09:48:14
- すごい!すごい!!
- はじめまして。momotaです。
泥で造られた摩天楼シバーム!!!
うわ〜かっこいいですね〜。
いかれた方がいるなんて驚きです。
TVで見てこうゆうところは取材だから行けるんだと思ってましたけど実際に行く行動力すごいですね。見てみたいけど絶対無理!!
崩れそう〜な危険とかないんですか?
また、おじゃまします☆
- 風神さん からの返信 2007/12/08 18:35:57
- 普通に行けますよ〜
- momotaさん今晩は。
ブログ訪問ありがとうございます。
シバームはイエメンの定番観光ポイント、特に苦労なく行けますよ。中には土産物屋もあるくらいです。
イエメンは地震がなくシバームの辺りは雨も極端に少ないので、日干し煉瓦であんな高くて大きな建築が可能なんですが、でもそれだけでなく、太い大黒柱を立てたりそれなりの工夫がしてあるんです。歩いていて危険は全然感じません。でも荒廃は進みつつありますね。
また訪問してください。
- momotaさん からの返信 2007/12/08 19:45:58
- RE: すごい!すごい!!
- コメントつきで拝見してますます興味津々!
トイレとかちょっと衝撃走りました〜
え〜、お土産屋さんもあるんですか?!
あまり裕福なところではないとのこと。
実際こういったところでは何で生計を立ててるんでしょう?
やっぱり観光なんですかね?
なかなか自分では行けそうもないところもこうして身近な目線でみられ楽しかったです。
素晴らしい旅行記ありがとうございました☆
- 風神さん からの返信 2007/12/12 21:58:07
- 良かったら、おいでください。
- シバーム第2編アップしました。
良かったらご訪問ください。
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