原チャでゴー第２２弾−中年怪我しやすく学成り難し　閑谷学校−

2007/11/18 - 2007/11/18

未だリハビってます、たぶん当分は整形外科のお世話になりそうです、いつも親切なスタッフの皆様ありがとう…パジェロおばさん…恨めしや〜。

と言いつつ、怪我してんだから休みの時くらいのんびり体を休めればよいものの、体の奥底からふつふつと湧きあがる旅への探求心には抗えず、呆れ顔の嫁さんの視線をひらりひらりと避けながら、ゴソゴソとデイパックに必要なものを放り込むと、そろりそろりと玄関をくぐると、愛車「歳三さん」の待つガレージへ。

そもそも、パジェロおばさんに激突されたのは閑谷学校の櫂の木を愛でに出かけた際のこと、ここはリベンジを果たすべく再度、閑谷学校への道を辿ることがある意味自分にけじめをつけることになるのでは（無茶苦茶なこじつけのような…。）と「歳三さん」に跨ると、あの忌まわしい道を再度西へ。

今度は五体満足な体で帰れますように、なむなむ…。

エリア 備前・日生(岡山)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: バイク

パジェロに弾き飛ばされ早や１週間、否、未だ１週間、なのに自宅療養を潔しとせず、フラフラと彷徨い出るのは何故？

それはね私の頭脳に学習能力と言うものが欠落しており、サムイでの崖からダイブで懲りているはずなのに、過去は過去、今は今と何ら過去の過ちから何かを学び取ろうと言う努力を私の小さな頭脳が拒絶反応を示しているからなの。

…つまりのところ、お馬鹿なの、トホホ。

学校の周囲を囲んでいる唐様の石積塀です。
内部には洗浄した割栗石が詰められ、雑草木が生えないように工夫されています。
敷地を１周し、渓流に沿い山腹をめぐって全長７５６メートルあります。
完成は元禄１４年（１７０１）で、３００年後の今日も端然とした姿をとどめています。

なるなる，ペンペン草の一本も生えないのは，古の匠の知恵によるものなのですね，城の石組みとは全く違った趣，つるつるして良い手触りです。

…スリスリ。

燃えるような紅葉の下での昼餉とはこの時期限定のプレミアム・デラックス・プレゼント（おいおい、何言ってんのか…。）、甚だ羨ましおす、あちきもお相伴に与りたいでありんす。

…何処の生まれだよ？

閑谷学校の名物の一つである櫂の木です。

漆科の高木で、学名はトネリバハゼノキといいます。大正４年（１９１５）、当時の農商務省林業試験場長だった白沢保美博士が、中国曲阜の孔子廟の櫂の実を持ち帰り、大正１４年にその苗を全国の孔子ゆかりの地に寄贈しました。
楷の木は儒学の祖・孔子にちなんで「学問の木」ともいわれ、また、葉が左右に揃って出るので、「楷書」の楷は、この木から付けられたともいわれます。
閑谷学校の一対の楷の木は、聖廟に向かって左側が深紅色に、右側は黄色がかった炎紅色に紅葉し、日本一との評価があがる銘木です。

ほほ〜、日本一の櫂の木ですか、おお、有り難や有り難や、なむなむ、拝んでるだけでちっとはお利口さんになれそうな雰囲気がちら・ほら。

…無い無いって。

蒼天をバックに燃え立つような紅に染まった櫂の木、ン？紅と言うかオレンジ？

このコントラストを見るだけで岡山から遙々ボロボロの体を引きずって来た甲斐があったというもの、ウウウ、本当だったら先週既に見てたものを、三途の川でのラフティングとはえらい違い。

国宝の講堂です。

備前藩主池田光政が庶民教育を目的に開いた学校で、藩営としては日本最古の庶民学校である。閑静な山紫水明のこの地に光政が家臣の津田永忠に命じて建設させたもので、現在の姿が整ったのは元禄１４年（１７０１）のことである。
備前焼の瓦が美しい国宝の講堂をはじめ、敷地内の建築物のほとんどが重要文化財である。創立以来、儒教精神に基づく教育がなされ、他藩からの入学者、学者、文人の来遊も相次いだ。明治になってからは、旧制中学、新制高校と変遷し、現在は県青少年教育センターがあり、三百有余年の間、優秀な人材を送り続けている。

なるなる，彼の古の時代に庶民のための教育の場を設けようと考えられた施政者光政様のご慧眼に感服，やもすれば在野に埋もれてしまう優秀な人材を世に送り出し、ひいては藩の繁栄につながると言うもの、あっぱれあっぱれ。

講堂の窓から外を眺むれば秋深し、櫂の木ぞ燃ゆる。

なかなか良い眺めです季節限定特選ビューだよ、と言いつつ足が腫れてて座ることもできず、１人佇む。

…立って見ても奇麗だけどさ。

この講堂の床磨かされました、小学校の頃、遠足なのに何故に床磨きをしなくてはならないのだ、と言う理不尽な思いに些か、否、無性に腹を立てドタドタと雑巾手に駆けまくりました。

…儒教の教えは小学生にはまだ程遠い。

講堂を出てつるりんとした石塀に沿って西に進むと、右手にこんもりとした芝生で覆われた丘があり、暫し石塀との間の細道をテクテク歩んで行きますと…。

…と斯様な素晴らしい紅葉が辺り一面包み込んだ素敵なスポットに到着。

古い門、苔むした石塀、そして赤々と燃え立つ紅葉これら全ての要素が合わさってとても心和む雰囲気が醸し出されます。

…傷ついて、なお１人旅先に佇む。馬鹿だ〜！！

一口に赤と言ってもその色は木々によって全て違い、自然が無限のパレットから彩る紅葉はどれを見ても飽きることがありませんよう、だからおいらはちんたら岡山から遙々出てきたのさね。

「歳三さん」は正に不逞浪士を蹴散らすよう街道を西へ西へと私を運んでくれました、これからは文字通り「歳三さん」と２人３脚（…歳三さんは何時から人に昇格したのか？）、よろしくね「歳三さん」。

一本の紅葉の中にも様々な色彩が溢れかえってます，未だ緑のもの，真っ盛りのもの，色褪せかけているもの，人の人生に何やら似通ったものがそこには見受けられます，じゃ俺は？ンンン〜？真っ盛りと言いたいところだけど，色褪せてるよな〜，いと哀し…。

…落ち葉となっても，志がある限り輝き続ける。（志何か持ってないじゃん…。）

血の色を思い浮かべてしまうような紅葉…ウッ、生々しいな〜、ズタボロの状態で治療ベットの上で覚醒したものな〜、良く生きてたな〜、感謝感謝、全てに感謝。（パジェロおばさん除く…。）

一幅の絵のようなワン・ショットです…ってあのベンチで紅葉を見上げながら良い人生だったな〜って、年老いた嫁さんと二人で手をつなぎながら呟けたら、良い人生なのでしょうね、って全然無理っぽい感じ、嫁さん泣かしてるもんな〜、勝手に三途の川へフラフラと彷徨って行くし、困った旦那ちゃん。

…たまには嫁さん孝行をしなくては、と、思いつつ、出来ずに無為に流れて行く日々、困った困った…。

石塀の向こうも着実に秋が深まってきてますよ〜、もともとこの閑谷学校、深山幽谷を地でいっている様な所にあり、里よりは一足二足先に秋が訪れています、風光明媚なことこの上なく山鳥の声が鳴り響くこの谷に学問の礎を築いたのはやっぱ殿あっぱれでござるにつき申す。

かまぼこ形の石塀の外は秋真っ盛り、山はこれから迎える冬を前に最後の輝きを見せるべく極彩色に飾り立て正に燃え上がってますよう。

…マッチ１本火事の元、自然を大切に。

聖廟の左に陣取る朱（って言うかオレンジか？）に染まった櫂、聖廟を真ん中に左右に陣取る櫂は右が黄色、左が朱と色が違っていてこの時期は期間限定でライトアップされそれはそれは素晴らしい…って見たことないじゃん。

…孔子様、嘘言ってご免。

この旅行記へのコメント （14）

• CLIPさん 2007/12/02 00:08:04

  お大事に〜

  pianoさん こんにちわ
  日々の訪問ありがとうございます。
  遅れましたが祝２００回訪問となり、一番の多く訪れているトラベラーと
  なりました。<m(__)m>
  
  お怪我をされたとのことでお見舞い申し上げます。
  でも、変わらずのアクティブさには頭が下がります。
  私だったら、家で大人しくしているかもしれませんね。(笑)
  
  季節が秋から冬に変わろうとしているこの時期が一番の見ごろですね。
  私も先週は山梨・八ヶ岳へ行った時に紅葉の見ごろ感じていました。
  国内も季節を感じるといろんなところで出かけたくなりますね
  季節を感じている今日この頃です。
  
  ＣＬＩＰ

  pianoさん からの返信 2007/12/12 17:38:48

  家で大人しく

  しているのが、常識ある大人の行動であって、私の場合はそもそも常識という概念が無く、また事故から学び取ると言う学習能力も皆無のようで、困ったものです、困った困ったと…。
  
  京の町は艶やかに彩られ、傷ついた私を暖かく迎えてくれました、でも、当て所もなくフラフラヨロヨロと彷徨ううちに足は痛いは、体は痛いはで甚だ困ってしまいました。
  
  では、良い旅を。

• じんままさん 2007/11/28 22:03:57

  紅葉綺麗ですね

  pianoさん、こんばんは。ご無沙汰してます。
  
  なんと、怪我をされたそうで、たいへんな目に遭いましたね。
  お見舞い申し上げます。
  
  なのに、、、綺麗な紅葉の写真を撮られて驚きです。
  残念ですが、遠くて行けないので旅行記に１票入れさせてもらいました。
  では、お大事に。

  pianoさん からの返信 2007/12/12 17:22:32

  有り難うございます

  怪我はしても、何処からともなく聞こえてくる紅葉の頼りの誘惑には勝てず、フラフラヨロヨロと当て所もなく彷徨いました京の町…。
  
  燃えるような紅葉を目の当たりにして、少しは紅葉ヒーリングでもあればと思ったのですが、痛いものはやはり痛い、帰りのバスの中では靴を脱いで足をさすってました。
  
  では、良い旅を。

• katsu nagoyaさん 2007/11/28 11:46:01

  お見舞い申し上げます

  111回の訪問有難う御座いますw(^o^)w
  怪我をされた割には元気な文面で安心しました。
  
  閑谷学校には45年前に、春休みの家族旅行で自転車で行きました。
  田舎に買える度に行こうかと思いながら果たせません。
  速く元気になって下さい。
  又訪問します。
  
  

  pianoさん からの返信 2007/12/12 17:04:35

  生来の

  放浪癖故に斯様な事態に陥っても、痛む体に顔を歪めつつもフラフラと彷徨い出てしまいます、さすがの我が嫁もこれには呆れて口が塞がらないと言った感ですが、そもそも止めたぐらいで止めないことは彼女が一番知っていることなので、お手上げって感じで放置されています。
  
  しかし、さすがに京の町を歩きまわると、只でさえ腫れていた足が一段と痛みを増し、時々立ち止まっては足をさすりながらの行軍、はっきり言って馬鹿です。
  
  では、良い旅を。

• さとみきさん 2007/11/27 18:18:47

  お大事に〜

  pianoさん
  いつもいつもご訪問ありがとうございます<(_ _)>
  
  リハビリ中というのに…
  でも気持ち分かります。
  こんな時だからこそ…
  
  素敵な紅葉ですね〜
  中でもこの写真が気に入りました。
  赤い葉とまだ紅葉になっていない薄緑の葉
  入り混ざって光に照らされている
  好きだな〜
  
  ここのところどこにもお出かけしていないので
  皆さんの旅行記を見せていただき、旅行した気分にならせてもらっていま〜す(^_-)
  
  ではまた〜(^^)/~~~
  
  　　　　　　　　さとみき(*^_^*)
  
  

  pianoさん からの返信 2007/12/12 15:49:31

  リハは

  趣味の領域に限りなく近づいています、スタッフの方は親切で、毎日会う爺さま婆さま達の頑張る姿を見ていると、負けてはおれんと、自然と力が入ります。
  
  まだまだ完治には程遠いのですが、生来の放浪癖、学習能力の欠如かフラフラと原チャに跨り近所巡りの旅に、紅葉を愛でに京へと彷徨ってます。
  
  目標はこの冬中に完治してサイパンでダイビング、事故前から計画していた「マリアナ・ブルー・プロジェクト」（何て大げさな名前だ…。）を遂行すべく、水面下で作戦を練りつつあります。
  
  では、良い旅を。

• チムさん 2007/11/27 17:04:06

  綺麗

  山門から覗く紅葉になんともいえない美しさが、この一枚に一票です。
  紅葉の色が良いですね。カメラが良いのかはたまた腕がいいのか、
  おっと失礼勿論怪我した腕ですよね。（怪我は腕でしたっけ）
  それにしても謹慎の身、山の神さん怒ったら怖いですよ、くわばら・くわばら、ご注意を。

  pianoさん からの返信 2007/12/12 15:39:31

  お褒めの言葉

  有り難う御座います、ンン〜？カメラの性能じゃないですか？写せども写せども我が写真上手くならず、じっと手を見る…piano辞世の句…って死んじゃないよ〜。
  
  我が嫁さんはとうの昔に愛想を尽かしています、天上天下唯我独尊を地で行く私のことを気にしていたらとっくの昔に精神的に参っているでしょう、最早止める者居らずって感じ？
  　　
  では、良い旅を。

• 義臣さん 2007/11/27 17:00:45

  旧閑谷学校

  苦笑、、全く、、私と同じような性格らしいですね　嬉しい事で
  私は腰痛で、、でも家にはジットしていられずに杖など付いて
  うろうろ。。
  
  さて、、、何時かは行きたいと思っていた旧閑谷学校それも紅葉で美しい姿
  楽しめました。有難う
  　　　　　　　　　　　　　　　　義臣

  pianoさん からの返信 2007/12/12 15:28:14

  生来の

  放浪癖で，家でジッとしていることが甚だ苦痛，事故から２週間も経たないうちにまたも原チャでの近所巡りの旅路，さすがの我が嫁もこれには呆れていましたが，止めて聞くような旦那じゃないことは彼女が一番知っているので，ため息吐きながらも黙って送り出してくれました。
  
  日々是精進とリハを頑張った御陰か，以前はあれだけ体中が呻き声をていたものが，薄皮をはくように徐々に快方へと向かっています。
  
  では，良い旅を。

• シベックさん 2007/11/27 13:22:02

  真っ赤なかいの木

  pianoさん、こんにちは。
  
  いつもご訪問していただいて、ありがとうございます。
  リハビリ中だとか・・。パジェロと・・災難でしたね。お大事に・・。
  
  まだ、作成途中のようですが、秋の閑谷学校を拝見しました。
  ここは櫂の木の紅葉が有名だそうですね。楓の木の紅葉も奇麗です。
  国宝の渋い建物と相まって、素晴らしい紅葉の数々堪能させていただきました。
  1票では少ないですが、投票させてもらいました。
  
  ところで、私のページへのご来訪が、今日200回になりました。
  うれしい限りです。本当にありがとうございました。m(_ _)m
  これからもどうぞよろしくお願いします。
  
  　　　シベック

  pianoさん からの返信 2007/12/12 15:18:07

  お見舞い頂き

  有り難うございます…って返事が滅茶苦茶遅くなり、恐縮至極で御座います、反省反省…。
  
  只今、リハ命で頑張ってます、継続は力なりを旗印に病院通い、爺さま婆さまに混じって汗かいてます、しかし爺さま婆さまは元気です、負けぬよう頑張らなければ…。
  
  閑谷学校の櫂の木は年によって色付きの善し悪しが有るのですが、今年はなかなか良い色付き具合で眼福眼福と喜んで帰りました。
  
  では、良い旅を。