2007/08/09 - 2007/09/10
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がまだす@熊本さん
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大理から麗江へ。
麗江に着いたその日は生憎な小雨模様、
少し肌寒かった。
予定では四方街の王さんが経営するGHに2,3日滞在した後、
チベット族自治州の香格里拉を目指すつもりでいた。
だけどこの計画が少し甘いと気づいたのは,
着いて間もない夕方。
王さんとビールを飲み交わしながら、この後の旅計画をさりげなく話してみた。
「この時期のデチェンはやめた方が懸命、洪水もがけ崩れも方々で発生していますから」
「いつまで続きそう?」
「当分の間、とでも言っときましょう」
「当分の間って?」
「平年梅雨の終わりは9月中旬だけどね、今年は異常気象。土砂降りの日が少なくはないから」
麗江へ着いて早々これだ。
香格里拉もチベット・カム東部も3千数百mの山岳地帯ばかり。
理塔に至っては5千m近くの山越えが何箇所かある。
これから行く旅先が、すっごく不安でござる!!
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
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-
想定外?瓢箪から駒?
麗江四方街のレストランで、支配人の真似をやることになった。
期間は1ヶ月。
王さんは友人の鄭さんと、近々飲茶店をオープンするという。
ところが肝心の支配人がまだ見つからないらしい。
そこで白羽の矢は、僕に向けられた。
「無理、とても無理な話。中国語もロクに話せないし・・・」
学生の頃アルバイトでレストランで仕事したことはあるが、もうかれこれ40年前のこと。
「大丈夫!日本式マナーなんかを教えてくれればいいから。それと伝票整理を少しだけ」
休みはご自由に、出勤時間も退店時間も拘束なし。
あとは3食と宿付きで報酬あり。
と、まあなんと待遇の良さ!だ。
契約交渉は5星ホテル。麗江官房大酒店の飲茶の間。
さしずめ日本なら・・・高級官僚並みな優遇だろうかな。
「おっしゃー、いっちょうやったろうか」
で、即決! -
ドラフト契約交渉成立!
調印式を終えて記念写真。
左から鄭さん、がまだすさん、そして王さん。 -
中国で初めて食した飲茶料理。
見た目よりも・・・意外とあっさりした味付け。
「うまい、うまい」と笑顔で社交辞令。
「日本のが美味いや」と内心では思いつつ。 -
デザートはぜんぜん甘くないゼンザイ?。
お茶は雲南銘柄のプーアール茶。 -
王さん、鄭さんの夢はでかい。
ケンタッキー並みな飲茶連鎖店で中国制覇!
ゆくゆくは東京、ニューヨーク進出か。
さっそく麗江入場口近くにあるK・F・Cの視察に出かけた。
この店は、中国で1,2を争う繁盛店らしい。 -
いよいよ開店が2日後にせまる。
店の立地はそこそこ良い。
店内も広い。
従業員も揃った。
が、中国料理を作るシェフの料理の味は?・・・
お世辞にも美味いとは言えない。 -
飲茶を作るコックさん。
3人組みで昆明からやってきた。
腕前は良さそうだ。 -
見た目も味も、手さばきも文句の付けようがない。
-
宿もすぐ決まった。
場所は木府石碑坊のすぐ近く。
宿付近は小さな路地が入りこんでいるが案外と静か目で、下町情調にあふれている。
なによりもうれしい忠又市場は、歩いて2分。
で、通勤ルートはといえば、観光客で賑わう七一路を通り抜けて目抜きの四方街へ徒歩10分。そこから東大路裏にあるレストランまで約2分くらい。 -
レストランのメニューに日本料理も追加してみたくなり、市場を覗いてみることにした。
宿から歩いてすぐに狭い通路がある。
ここらでは午前中だけ果物商の露天が並んでいる。
こに時期美味いと思ったのは、ザクロとスイカ。
ザクロは日本の物と比べて大きくて甘い。
一個およそ3元。
桃は見かけは良いけど、かなり酸っぱい。 -
大理の市場には無かったような野外食道。
うどんに似た米線は、やや香辛料を控え目に注文した方がいいかも。 -
ジャガイモ揚げを売っていたおばあちゃん。
しっかり揚げてもらわないと、ときには半生もある。 -
市場内は精肉、野菜、川魚、穀物、日曜雑貨等のブースに区切ってある。
-
雲南奥地は、マツタケの産地。
最盛期は少し早いと聞くが、それでもかなりの量で出回っていた。
?当たり40元は6百円ちょい。
日本産と比べるるなら香りも外見もいま一つ。だけど味そのものはグッド、いける!
炭火焼き、油で炒め、バター焼きなど食傷するくらい食べまくった。 -
世界遺産指定区は麗江古城地区は四方街ばかりではない。
中心地から4キロほど行った郊外にある束河(スーフー)も、その中のひとつ。
ここでも王さんらが経営するレストランとゲストハウスがある。 -
映画『単騎千里を走る』のロケ現場のすぐ隣にあるのが、不辛飯庄。
-
束河は、町全体が法人の所有地である。
所有しているのは、昆明の不動産会社。
会社の方針として、自然と調和した景観を重視し、農家に無農薬栽培を促進している。
また何人でもむやみに立木を切ったり、無断で敷地を変形してはならないと定めている。今中国でもっとも注目されている『地球に優しいまちづくり計画』を推進している。 -
このレストランも王さんらが経営している。
-
そうだ、メニューにカレーライスを付け加えてみよう。
日本から持参していたカレールーで調理してみた。
日本食に馴染んでいた王さん鄭さんは好評だったが、ゲストの2人はいま一つ。
カレーの香りを中国で受け入れてもらうには、少し早過ぎな感があった。 -
飲茶のメニューづくり。
開店日の前日なのに、飲茶のメニューがない!
店舗造りも突貫工事。
飲食店経営の知識もままならず、見切り発車でスタートしたレストランかな。
先が思いやられる。 -
さて、ここで僕の出番が来た。
飲茶を一品ごとカメラ撮り。
30品くらいある。
全部取り終えるまでは、深夜までかかりそうだ。 -
ところが、照明器具ひとつ無し。
レフ板も、下敷きもない。
どうにか電球を1個だけ見つけ出して、斜め上から灯してもらった。
下敷きは即席ながら肌色紙で。 -
即席で応じた商品撮りは、素人には難しかった。
-
写真撮りながら殆ど食してみたが、これが一番うまかった。
-
飲茶の名前は殆ど覚えていない。
これで支配人、いい加減すぎる。 -
店に納入しているプロパンガス屋。
四方街は環境保全に厳しい地域。
自動車の出入りは公用車、もしくは特別な事情がない限り出入り禁止となっている。 -
麗江でよく見かける人力車。
自動車の乗り入れ禁止となっているからして、貨物の輸送は人力車だより。
だから運ちゃんらはけっこう稼いでいる。 -
レストランのスタッフ。
-
中央の青年はシェーヤン(19)納西族。
彼は唯一英語を話す、しかも上級。仕事上ばかりでなく、日常的なことも一部始終通訳してもらって有難かった。
9月入学の昆明師範大学に合格していたのだが断念、将来の夢を賭けてレストラン経営の修行を選んだ。 -
彼らと気心も打ち解けたあった頃、勤務時間が早朝6時から深夜10までと、とても長いことが分かった。
そして休日・休もは全く無し。
ということは、一日16時間の勤務だ。
労働時間は月間480時間、過酷すぎる。
給料は700元から1,200元とまちまち、コックのシンガンでさえ1,500元。時給を日本円で換算すると23〜50円。
「あんたらは奴隷か?」。
いくら若い連中だとはいえ、これではいい仕事が出来ない。集中力も散漫になるだろうし、いつか必ず身心ともボロボロになるだろう。
接客だってサービスも怠慢になるし、ミスも多くなるのは目に見えている。
そこで待遇の改善等について、全員で話し合ってみることにした。
結論として2部制のローテーション、それから毎日の仕事に責任感とメリハリを植え付けるために、縦割制導入も計画に組んでみた。
さらに週1の休日も。
後日、図式化したローテーション計画書作成し、さっそく彼らに見てもらうと、感嘆の声を挙げ目を輝せて拍手で賛同してくれた。
計画書を再度集約して王さん鄭さんに手渡す。
「要望に応じたいが、現時点では人材不足。なんとか成るよう検討してみたい」と。 -
従業員教育は難しかった。
まず第一に実行に移したことは、仕事の分担と朝夕の挨拶とフロアー清掃。
男性従業員には立ちたばこと、賭けトランプの禁止。
女性には、笑顔と身だしなみ。接客マナーの要点など。
当初はかなり改善されたが、しばらくすると写真みたいに元通りに。
何度か繰りかしながらだが、何とか店のスタイルが見えてきたかな・・・と思う。 -
待遇が改善されないまま辞めていく従業員。
その多さに驚いた。
「従業員は会社の宝であり、社運を賭けて人材育成に励む」これはひと昔前の日本人の経営者論。
さて現在はと言うと「従業員は消耗品、募集するといくらでも揃う」。不況で先の見えない日本のフランチャイズ店主の論理か。最近の中国でも同じような思考を持つ経営者論が増えつつあるのだろうか。
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この旅行記へのコメント (8)
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- さすらいおじさんさん 2007/11/26 10:10:38
- 中国でのレストランマネージャー体験
- がまだす@熊本さん
中国でのレストランマネージャー体験、すごいですね。
低賃金で長時間労働の中国での実態が良くわかります。安い中国製品を支えているのは安い使い捨ての労働力だとは思っていましたが、詳細がわかりました。
でも日本も「仕事中毒」などと欧米国から批判されて、抜群の競争力を持っていたころは労働条件などあまり気にしていなかったように思います。
最近では劣悪な条件で働く日本のパート労働者は中国など発展国との競争力を維持するのために不可欠になってしまっているのだろうなあ、などと思いながら読ませていただきました。
がまだす@熊本さんが培ってこられたノウハウを生かしながら、今後海外で新しい生活をされることを予感させる体験記ですね。
すばらしい体験旅行記を拝見させていただきありがとうございます。
- がまだす@熊本さん からの返信 2007/11/27 10:05:03
- 旅心が、むくむく湧いてきております♪
- さすらいおじさん、おはようございます。
中国地図を広げますと、今年2回にかけて5カ月旅したのは、上海から陸路で桂林、雲南・四川省だけ。全土の10分の一に満たない足取りですから、巨大な国ですね、中国は。
今回の旅は、計画もない日程となりました。
中国の若かい子ら相手にレストランの基本的な指導はまさかのまさか、想像像もしておりませんでした。
従業員はナシ族と白族の少数民族の若い子らでしたが、彼らは温厚で素朴な性格。
それゆえ仕事に対して厳しさがないのが欠点なのに、でも日々楽しいものがありました。
今回身をもって感じたのは辺境の雲南地方もそうですが、大都会でもソフト面の遅れと若い世代の人材不足です。
巨大ビルが林立し経済成長が著しい中国とはいえど、近代文明開化はまだ10年と少しですから、社会の変化に対応できないギャップも当然かもしれません。
ハードとソフトの両面がうまく噛み合った中国を想像しますと、空恐ろしいものを感じます。
NHKで放映している関口智宏の「中国鉄道の旅」を毎日見ますと、不思議なくらい旅心がむくむく沸き起こってきます。
-
- TOMIKENさん 2007/11/22 10:04:59
- 不法就労の実態・・わかりました!
- がましゃん おはよ!
飲茶の写真はお見事ですね!
でも、料理自体あんまり美味しそうじゃないかな(失礼)
ところで中国での休暇制度ですが、まだまだ国全般には浸透していないようですね。国の規定では「1年以上勤務した社員には年間14日間までの有休を付与できる・・」だと思いますが、公務員や一流企業の社員の他は実際にはどこまで運用されているのやら・・ましてやサービス業だと、有休どころか休んだら罰金なんて話も聞きます。
がましゃんの書いた給与の額も、雲南省では一般労働者の年収はよくて1万元程度なんで、がましゃんのレストランが特に労働者を搾取しているというわけではないと思いますよ。
それにしても、マネージャー職お疲れ様でした!
- がまだす@熊本さん からの返信 2007/11/23 06:09:21
- RE: 不法就労の実態・・わかりました!
- TOMIKENしゃん、おはようさんです。
昨日から友人の網元から声が、漁師のマネやっています。
海上は寒いっす、慣れない仕事は大変っす!
これから比べてみると、麗江の支配人は天国。何せ三度の食事は上膳据え膳、特別扱いでしたからでしたから。
麗江編は残り3冊ほど予定していましたが、アルバイトがしばらく続きそうなのでしばらくアップできません。
バイト一日目。なのに足腰ガタガタ!・・・泣きが入っています。
しばらく、根性を鍛えなおします。
バックパッカー再登場かな。
-
- アリヤンさん 2007/11/21 10:13:18
- マツタケ
- 麗江の忠義市場だと思いますが。マツタケの最盛期でよかったですね。
当方の滞在した5月はまだ少し季節的に早かったのか?市場でも少ししか見かけなかった。匂いが薄かったので食べなかったけど、がまだすさんの話しでは「美味しかった」らしいので今度行って見つけた際には食べてみようと思います。
それにしてもレストランのマネジャーをやったとは、良い経験をされましたねえ。現在の麗江の真実に迫るレポート、楽しみにしています。
- がまだす@熊本さん からの返信 2007/11/23 05:41:02
- RE: マツタケ
- アリヤンさん、おはようございます。
麗江で食傷するくらい食った松茸ですが、シャングリラの方が本場みたいです。もうぎょうさんあるわあるわ、国際松茸市場から日本へ輸出されているそうです。
香はこちらの方が少し良かったようです。で、お土産は高級乾燥松茸にしましたが、2ヶ月後帰国して封を開けてみたら匂いが落ちていました。
何でも現地で食した方がベターですね。
ところで、アリヤンさんお勧めの牡丹GHは凄く雰囲気の良いGHでしたけど7、8月のハイシーズン時期は倍以上に跳ね上がっていて残念。
麗江のベストシーズンは雨季前の3〜5月みたいですね。
-
- 雲の仙人さん 2007/11/20 18:19:33
- 不法就労?
- いい経験でしたね!
結構 楽しそう・・・・!伝わってきます。
私は元ホテルマンをいかして社員教育、ハード、ソフト面のアドバイス。
決められた出勤時間もなし、拘束時間もなし・・・。
あのレベルのゲストハウスだったらホテル経験なしで・・・
で充分のようでした。
中国人の考え方、発想・・・社長と従業員の立場や上下関係・・・
あれではタイでも日本でも従業員はついてこない。
短い期間だったが私の今後に役に立ちました。
機会があったらいろいろ書いてみようと思います、
- がまだす@熊本さん からの返信 2007/11/21 09:36:05
- RE: 不法就労?
- 雲の仙人さん、おはようございます。
大理もでしょうが、九州の今朝も寒いですよ。
いかがお過ごしでしょうか?
おっしゃるとおりです。
あのレベルのGHもレストランですから、素人の私でさえ通用したのではと思います。
素直で明るい性格の彼らと過ごした毎日は、説明できないくらい楽しいものがありました。
その反面、漢族から見る彼ら少数民族の地位はかなり低く、先入観は人格まで見下げていたようで、驚きでした。
今回のブログアップで迷ったのは、最後の3枚です。
雲の仙人さんから後押しされた格好で、実情を思いっきり書き込んでみました。
もう麗江へは行けませんね、袋叩きになるかも(笑)
ほんといい経験をしました。
いずれまた、島原か天草のどちらかで麗江談義でもやりたいですね。
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