2007/10 - 2007/10
131位(同エリア161件中)
漣さん
その日は朝からそわそわしていた。メキシコ旅行の目的地の1つテキーラへ向かう日だからだった。見渡す限りのアガベ畑の景観を想像すると心躍る。
欠かせないのは収穫、蒸留の過程の見学だ。考えた末、ツアーに参加することにする。さあ、へべれけにならずに帰れるだろうか。
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中心部に近いフランチェスコ修道院の脇の大通りがツアーの出発点だ。250ペソを払い(安い!)、バスに乗り込む。
ツアーの概要はこうだ。まずは中心部から離れた高級ホテルの並ぶ地域にもう1つある出発地点でさらに人を拾う。それから1時間、途中休憩を挟み大会社所有の農園へ、そこで収穫の様子を見学し、テキーラへ向かい蒸留過程を見た後、レストランへ立ち寄ってからグアダラハラへと戻る。 -
グアダラハラの街並みがコロニアルから現代へ、現代から荒地へと流れるように変わる。流れに任せて40分、1軒の店が建つ。ぽつぽつと見え始めていたアガベ畑もこのころには一面青一色になり、壮観。
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小さな店にバス一杯の観光客が一斉に押し寄せる。始まる御高説。見る間にどんどん注がれていくテキーラ。早くも上機嫌になる。
ありえない人口密度とアルコールの熱気から抜け出し、落ち着いて周囲を見渡すと思い描いたアガベの景観。遥か遠くに山々が見える。 -
アガベ・アスール・テキラーナ。リュウゼツランの一種であるこのトゲトゲ植物からあの芳醇なスピリッツが出来るとは、誰が考え付いたんだ?
店に戻り一杯引っ掛ける。テキーラをあおり、塩を舐め、ライムを吸うのが真のテキーラ飲み。 -
ほろ酔い気分で農園への道を辿る。たった一杯飲んだだけなのに、既に頭はぼうっとして高揚が抜けない。
決して酒に強いわけではないが、弱い訳でもない。それなのにこの気持ちの高まりは如何とも仕様が無い。それだけの魅力をテキーラは醸し出している、ということか。 -
農園の入り口で迎えてくれた親父は典型的なメキシコ人といった風体。浅黒く、少々メタボ。ソンブレロをかぶり豪快に笑った口に光る白い歯。
彼の国のイメージを背負ったかのような親父。残念なことに彼は別グループの説明に行ってしまった。代わりに当たったのは若い青年。 -
次々に取り出される刃物の数々。掘り出し、葉を削ぎ、根幹を削る。宙を舞うアガベの葉。いとも簡単に、どんどん解体されていくアガベ。
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すっかり削り取られ、辱められたアガベ。皆の前にそのあられもない姿が晒される。
ガイドが説明する、これはピーニャだと。おやおや、姿が似てるからって偽名を使い始めましたよ、パインアップル。 -
・・・ああ、くだらない。それじゃあ何か。テキーラは腐ったパイン汁ですか。
酔ってるせいかこんな考えばかり浮かんでくる。阿呆な事を考察してても埒があかんので後ろを向いて深呼吸。 -
テキーラの町は熱気に満ちて・・・と言うほどでもなく、そこそこに賑わっていた。ずらっと並ぶ酒店、酒店、酒店、バー、酒店、酒店・・・。見事な共食い状態。
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ガイドの導きに従って街中を行進。勿論殆ど従う人も無くバラバラ。テキーラ、その名前だけで皆酔ってしまっている、なんてことは無い。
見学するのはテキーラ最古の醸造所。見学前に延々と見せられる醸造所の歴史VTR。ええ、もちろん全編スペイン語です。 -
抗うことの出来ない、甘い匂い漂う蒸留所。ふらりと誘われるままに、奥へ奥へと進む。
既に用意されていた試飲用テキーラ。分かってるじゃあないの。くいっと一杯。 -
こうなるともう駄目である。静止のきかない足取りでゾンビの如く彷徨う。作業中の方々は大迷惑である。
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ツアーはマルガリータで締め括られる。凍てつく洋上の氷を口に含むと、その冷気とは裏腹に熱く燃え上がる体内。って、結局飲んでばかりの一日だった。
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