2007年ドロミテの旅（７）チビアーナ　壁絵の村

2007/07/16 - 2007/07/17

このドロミテの旅の主な目的のハイキングからはかなり外れて、ポピュラーな山からは遠いチビアーナに宿をとったのは、次の理由から
1． 村おこし運動のムラーレスの成果である壁絵のある風景を見ること。
2． 近くのモンテ・リーテにあるメッセナーの作ったマウンテンミュジアムを訪れるのに足の便利がいい。

イタリアの古都やドイツ・スイス・イアタリアのアルプス地方で見られるフレスコ、スタッコ、スグラフィットなどで壁に絵を書いて飾る習慣が古くからあった。（今回も南独からドロミテへの途中通過のミッテンヴァルトの壁絵を、この旅行記の「2007年ドロミテの旅（２）ミッテンヴァルトに寄り道」で述べた）
僻地の山村であるチビアーナの過疎化を憂えた村民と画家の二人がこの壁絵の伝統を生かして現代の壁絵で飾ることで村の活性ができるのではないかと運動を始めた。やがてこの描画活動が村の事業となり、毎年数人づつの画家の招聘していまでは50軒あまりの壁絵になった。
壁画の村の評判は広がり、いまでは毎年ムラーレス（壁絵祭り）が開かれるようになり、ここを訪れる人も増えてこの活動は村の誇りにもなった。

従来の壁絵と違って画家の得意ないろいろな画法（けれどフレスコとアクリルが多い）で描かれた現代壁絵には個人の好みもあり評価も異なるだろうが、旅人に対する素朴な村人の接し方に安らぎを得て、ここにきてよかったと私だけでなく皆さんもそう思ったろう。

モンテ・リーテのアルプス博物館は次編で述べる。

エリア コルチナダンペッツオ(イタリア)

• 同行者: カップル・夫婦
• 航空会社: KLMオランダ航空

たそがれのチビアーナ。教会のあるパーテンツァ地区。
ホテルのあるピアネッツェ地区から

ホテルからチビアーナ地区を見下ろす。こちらが本部落。
4部落のうちで壁画もここが一番多い。

チビアーナ部落。狭いところに密集しており。車はかろうじて通れ、唯一の広場に駐車する。
この地方の特徴だろうかトタン屋根が多く、それが錆びて赤い。

たそがれの空をバックに教会と鐘楼

教会の傍の墓場と礼拝堂

墓場の前には郵便受けのような箱が並んでいる。周囲から類推すると今、日本で流行っている骨壷のアパート？

夕食後の散歩ですれ違った老人の（ボゥナを省いた）「セーラ」だけの丁寧で寂びた抑揚の挨拶にすごく感激し、その後で会う人にそれを真似て挨拶する。写真はライトアップされた教会。

朝焼けのチビアーナ。背後はサッソルンゴ・ディ・チビアーナ？

朝食後すぐに下のチビアーナ部落に下りていく。

上から見るとかなり古ぼけて見えたのに下に下りて見ると立派な家が並んでいるのにびっくり。

絵はサイズも、描かれた位置も、自由に選んだようだが町の生活にうまくとけこんでいる。

前のバラとの調和がいい

バラを愛でていると「庭に入ってお茶でも」と誘われる

バラのお家のおばさんが近くの泉に水遣りの水を汲みに出てくる。

アドリアーノ・パバーンが1990年に書いた「キ・デ・ピオの家」

猫が大好きの家

その玄関にたむろする猫一同

他の町の壁画が宗教に由来するものがほとんどなのに対してここのは村人の生活に根ざしたものがほとんど。

作者名を忘れたが一番気に入った作品

教会前のうちに書かれた丹羽洋介の「ユートピア」

「ユートピア」桜と富士山が描かれている

教会とサッソルンゴ・ディ・チビアーナ

この旅行記へのコメント （7）

• カヌ太郎さん 2007/11/01 20:58:46

  チビアーナ

  4nobuさん
  
  チビアーナといえば壁絵と猫。
  すてきな写真で癒されました。
  ところでホテルレマウロで
  パートで働いていたオネエさんが
  この辺りの家から出勤するのを
  目撃しました。
  あのホテルはこの村唯一の
  産業かもしれません（笑）
  
  カヌ
  

  4nobuさん からの返信 2007/11/01 23:48:04

  RE: チビアーナ

  絵を紹介しようとのハッキリした意図で撮ったわけではないので名も作者も撮影もいいかげんで失礼しました。
  もっときっちりと構えなかった事を後悔しております。まして大先輩から法外なお褒めがあると恥ずかしくて余計にそう思います。
  レマウロの朝食が市販の袋入りのラスクようなものとコーヒーだけだったので評判と大分違うとびっくりしたのです。文句を言うのもはばかって、それに出発が迫って慌ただしく済ませてしまいました。どうしてなのでしょうね。

  カヌ太郎さん からの返信 2007/11/03 16:53:14

  朝食

  全く同感です。
  正直、夜のディナーの素晴らしさに比べて
  朝食の内容は軽いショックでした。
  
  朝はマンマと旦那だけで用意していたので
  あれが限界なのかもしれませんね。
  まあ、総合的に見て
  あの宿の素晴らしさを損なうようなものでは
  ないと思いましたが。
  
  カヌ太郎
  
  

  フルリーナさん からの返信 2007/11/09 10:26:25

  RE: チビアーナ

  まったく同感です（笑）。
  なんせ、わたしはレマウロのＨＰのウエディングケーキのような生ハムの写真を見て
  かってに朝食にはあれが出るものと決めてかかっていたので
  かなりのショックでした（笑）。
  
  でも、マンマ・マリアの優しいお人柄と美味しい夕食で
  そんなショックも吹き飛びましたが。

  4nobuさん からの返信 2007/11/09 22:42:27

  RE: RE: チビアーナ

  安心しました。びっくり朝食は私だけだったのかと。
  
  イタリアクールマイヨール近くのヴェニ谷の評判のエリザベッタ小屋の伯母さんとレマウロの伯母さんの雰囲気や人となりがよく似ているのでイタリア伯母さんのイメージが出来上がりました。

  フルリーナさん からの返信 2009/06/26 13:33:28

  RE: チビアーナ

  ヴェニ谷のエリザベッタ小屋！！
  今回、とっても泊まりたかったのですが、
  シーズンオフで閉まっており、ヴェニ谷へのバスもまだ走ってないのであきらめました。
  
  モンテビアンコ３連ゴンドラも乗れて、フェレ谷をお散歩し、とても素晴らしい風景だったのですが、いつかヴェニ谷のエリザベッタ小屋行きたいです！

  4nobuさん からの返信 2009/06/27 09:49:34

  RE: RE: チビアーナ

  こんにちは
  お天気でよかったですね。
  もう一度。今度はフェレ谷の東の尾根モンテ・デ・ラ・サクセを歩いてグランジョラスを眺めて見たいのですが。いつ実現かは？？？