2006/05 - 2006/05
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seidouさん
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クロアチアの珠玉の都市めぐり写真紀行を第4集で終わりにしたつもりであったが、クロアチアが世界に誇る自然風景で世界資産に登録されたプリトヴィツェ湖群国立公園について触れないのは片手落ちという意見もあり、アップロードすることにしました。
この公園については、すでに当4トラベルで何人ものトラベラーが旅行記を出されているので、重複する場もあると思うが、少々視点を変えて、このすばらしい景観を地質学的視点から見た見解を記述してみたい。
プリトヴィツェ湖群国立公園は大小16の湖と92箇所の滝が200平方キロメートルにわたる広域に点在し、しかもこれらの湖が標高639mから標高150mまでの間を階段状(棚田状)に並んでいてその落差を滝が結び、エメラルドグリーン色の湖水の輝きとともに諸滝の流水の躍動感が広大な景観の演出に趣をそえ、年間90万人の観光客が訪れるという世界的に貴重な湖群公園である。
プリトヴィツェ湖群はクロアチア・カルスト地層中に生じた独特な地質形成現象で発生した湖群で、多数の段差湖の形成にかかわる石灰華の生機能活動の生きた実験室であるともいわれている。
その生成のかたちは、トルコのパムッカレで見られる段々畑状のプールと同様の原理であるが、はるかに大規模で千メトル級のマラ・カペラ山脈斜面の南東端とリチカ・プリシェヴィツァ山脈(プラシコ・スルニ・カルスト台地の端に続く)間の奥深くに何百万年にもわたって形成され広がっている。中国の九塞溝と似ていてなかなかの景観であるが湖の広さや滝の形状に差がある。また中国は景観環境保護のため、交通機関や入場人員制限など厳格だが、ここは観光客は無制限で、広大な湖中に遊覧船が航行したり、湖岸をシャトルバスが巡り、大きな整備されたホテルが3軒あり、すべて見尽くすには1週間かかると言われているほど滞在観光事業を進める等独特の雰囲気をもつ観光地である。
相変わらず、拙速を尊びまずは写真のみアップし、後日ゆるゆるとコメントをつけていきますので、時々どこまで書いたか検査に覗いてください。
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プリトヴィツェ湖群国立公園の案内板
入り口に掲げられた案内板には、各国語の中に日本語が入っているのには少々驚いた。
公園への入り口は、2つあるが、まずは腹ごしらえしてから、第1の入り口から入って見学がくすることにした。 -
レストランLICKA KUCA「リチカ・クチャ」入り口
リカ地方の家の意で、この門を潜ると中は広場で右手に郷土料理店、左にインフォーメーションや売店の入っている棟がある。 -
レストラン郷土料理店の建物
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レストラン内部の大きな炉
内部は広く、団体客向き。大きなバーベキュー炉があり、焼肉料理が主体。いろんな盛り合わせ皿を頼んだが、まずまずの味ながらボルームが多くて、食べ切れなかった。 -
インフォーメーションの棟
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公園チケット売り場と第1入園口
広い公園内で湖群を一番下の湖から上へと順次見ていくコースである。湖をまたぐ木道や湖畔の木道が整備されていて、時には滝のしぶきをかぶりながら、時にはきれいな湖面と湖中の魚群を透かし見ながらの散策は楽しい。 -
プリトヴィツェ湖群の主な湖名と位置関係
湖群の上から下まで連鎖する位置関係をモデル的に描いて説明します。
案内板にもありましたが、一番奥のプロシチェ湖から、ツィギノヴァツ湖→オクルグリャク湖→パティノヴァツ湖→大湖、小湖、→ヴィル湖→ガロヴァツ湖→ミリノ湖→グラディンスコ湖→ブルゲティ→コジャク湖までの湖群エリアを上の湖といい、コジャク湖から大きな堰堤を下った湖水が順次ミラノヴァツ湖→ガヴァノヴァツ湖→カルジェロヴァツ湖→ノヴァコヴィチャ・ブロド湖の4湖とそれから落ちる大瀑布サスタヴツィおよびプリチヴィツェ川大滝を含めたエリアを下の湖群と言う。
これらの湖はそれぞれの間を湖水が隙間から次の湖へ流れ落ちる空隙をもった、大小の堰堤で隔てられている。この堰堤はカルスト地層を通った雨水が地質年代的長時間で石灰岩を溶かして出来た石灰華によるもので、それが川を流れる間に沈殿しつつ成長し、その過程で取り込んだ植物によってさらに自然造成堆積が進み、湖水を一時堰き止めるまでに成長したものとされている。
石灰華というのは水に溶けた炭酸カルシューム(CaCO3)が析出して固まった炭酸塩のうちカルサイト(方解石)とアラゴナイト(アラレ石)という鉱物で出来ている。温泉場などで風呂のふちにくっついている薄茶色の硬い石膏のようなものをよく見るがそれである。温泉の湯の中ではいろんなものが溶け込んでいるが、炭酸カルシュームの溶解度は非常に低いもので(40度の水1リットルにナトリューム塩が270g解けるに対し炭酸塩は0.2g)普通の塩と比べると10000分の1程度になる。
プリトヴィツェの堰群を造った石灰華とは、雨水が石灰岩層を通り、上記のような炭酸塩溶解度の水が地上に出て川となり、夏から冬と温度や圧力が下がって析出した石灰華が溜まったものであるから、その意味で湖群を形成した堰が出来上がるまでは何百万年もの年月がかかることも想像出来よう。またそのような状況で今のプリトヴィツェ公園が現出したのである。 -
プリトヴィツェ湖群の地質断面概念図
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プリトヴィツェ川滝(大滝)とサスタヴツィ(堰大滝)
公園第1の入り口から入ると下り坂になり、途中の展望台に立ち止まるとすぐ下からの轟音が聞こえてくる。それは、写真手前のサスタヴツィの堰から流れる奔流が下の川に落ち渦巻く音と、その先方高みから直下するプリトヴィツェ川滝の音である。この少々荒々しい絶景の眺望ポイントで観光客の足がまず釘付けになる。まさに最初から、観光ガイドブックの表紙になる光景に出会うのである。
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下湖地域の観光案内図拡大
下流の4つの湖を見学する -
サスタヴツィとプリトヴィツェ滝の合流地点木道
水煙を上げて落ちる滝と滝つぼの位置の辺りをサスタヴィツィというらしいが、上方のノヴァコヴィチャ・ブロド湖の堰堤からは噴出孔が多数開いてそこから猛烈な奔流が噴出して落下する。噴出孔は石灰華が沈積硬化した強固な岩の裂け目で出来ているのがわかる。サスタヴィツの上方に目を凝らすと、ゴマ粒のような人の列が木道をすすんで行くのが見え、その先は次の写真にあるような美しいエメラルドグリーンの湖が見えてくる -
カルジェロヴァツ湖とノヴァコヴィチャ・ブロド湖
下の湖に出る前に上から2つのエメラルド色の湖即ち、サウタヴィツィのすぐ上のノヴァコヴィチャ・ブロド湖とその上に位置するカルジェロヴァツ湖の状況を俯瞰観察しておくと良い。
両湖の間には幅広い堰堤防が出来ていてその上を木道が付けられプリトヴィツェ滝へ行く道とカルジェルヴァツ湖西湖岸を回る道に分かれている。堰堤防中腹の数箇所からカルジェロヴァツ湖の水がノヴァクヴィチャ・ブロド湖へ流出しているが落差は5mくらいで割りと静かに優雅に落ちている。
湖水がエメラルド色なのは、湖底に沈殿した石灰華の白さが透過した空の色を反射するのと湖水中の藻や溶解物質の透過光が混合した結果の色であり、その濃淡は太陽光や空の雲のかげりを反映して種々に変化し、それがまた幽玄な色合いをより引き立てるのである。
この色合いをきれいに写真に撮るには、高い位置からの俯瞰撮影が好ましい結果が出る。下へ降りていって、湖面近くに立つとアングルが変わって、反射率が変化し、色合いが思うように出ない場合が多いから、
出来るだけこの展望台から俯瞰撮影しておこう。 -
カルジェロヴァツ湖とノヴァコヴィチャ・ブロド湖間の木道
木道をわたり終えてから振り返ると静かだと思っていたカルジェロヴァツ湖からの水流噴出は相当の勢いでノヴァコヴィチャ・ブロド湖へ落ちていることが見られる。これだけの勢いある水流に負けずに堰堤を支えている石灰華の凝固岩体はどうなっているのだろうか。削られ溶かされながらまた沈積、付着、凝固を繰り返しているのであろうが、それが拮抗調節しているところが自然の神秘であろう。 -
ノヴァコヴィチャ・ブロド湖
プリトヴィツェ湖群の連鎖の最後の湖で、海抜502m、長さ50m幅90mの規模で大きくはない。しかしこの湖から落ちる滝は他の湖間の堰滝のうちで最大のもので、サスタヴィツィと呼ばれ、プリトヴィツェ川滝から落ちる水と合体してコラナ川へ流れる。上段のカルジェロヴァツ湖との落差は3〜4mでその堰堤の幅が15mくらいあり、木道が通り、その下から湖水がこの湖に注いでいる。 -
プリトヴィツェ川滝
まさに垂直の岩盤に流れ落ちる滝である。高さ78m、幅50mの崖の上はプリトヴィツェ川がそこまで流れてきている。写真撮影時は川の水量がまだ少ない初夏であったので岩壁面がよく見えている。 -
サスタヴツィの側面から
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カルジェロヴァツ湖から下のノヴァコヴィチャ・ブロド湖へ流れ落ちる堰滝
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カルジェロヴァツ湖畔の木道を行く
堰堤付近以外の湖面は実に静かで、湖水の透明度は高く、鏡面に周囲の緑も映り込んでいる。いい雰囲気の中を木道を歩くのは心が洗われるようで気持ちがいい。 -
Valikeカスケード
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Valikeカスケード前の木道を通る
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ミルカ・トルニナの堰滝
ミラノヴァツ湖の北端では堰堤の落差が1mほどであるのでその上を越して下のガヴァノヴァツ湖に湖水が流れ落ちている。その堰滝の名を後援者の名をとって「ミルカ・トルニナ」とする命名板が木道そばにあった。 -
ミルカ・トルニナの記念碑
銘板には英文で「世界的に著名なオペラ歌手ミルカ・トレニナ」としか書かれていないが、ガイドの話では彼女が出演したザグレブ歌劇場の出演料をそっくり湖の保護整備協会へ寄付したことに感謝して彼女の名をつけたと言う。
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ガヴァノヴァツ湖の東側木道を登る
木道の足の下からも湖水が噴出して流れ落ちている。壮観であるが木道が濡れて滑りやすいから、冬場なら危険だ。 -
樹間を走り抜ける湖水1
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樹間を走りぬけ落ちる湖水2
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湖水に透けて見える魚群
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魚群が透けて見えるきれいな湖水
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ガヴァノヴァツ湖畔の青の洞穴
カヴァノヴァツ湖はその上のミラノヴァツ湖からの水を受け長さ100m、幅60m深さ10m、海抜514m。木道が横断し、西側湖畔とカルジェロヴァツ湖畔の木道に分かれる。西側湖畔木道はすぐシュプリャラ洞窟へ続き、途中に陥没した青の洞窟と称するくらい入り口が口をあけている。昔はボートで中へ入れたと言う。 -
ミラノヴァツ湖岸
ミラノヴァツ湖は長さ約500m、幅50〜90m、海抜523mでコジャク湖から約11m下にある。最深部は18mでこれだけきれいなエメラルドグリーン色した湖水は上の湖には見られないもの。高さ20mの崖が湖面にそそり立ち、その先端に展望台があり、下の湖群全体の見渡しが出来る。 -
ミラノヴァツ湖水の色
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ミラノヴァツ堰滝
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コジャク堰堤の滝
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コジャク湖遊覧船船着場
当公園も環境問題を重要課題と考えていて、子お遊覧船も電動であるし、園内を周回するバスも電動車である。 -
コジャク湖湖畔
コジャク湖は公園内で最大の湖。長さが約23km、幅は135m〜670mになる。いくつかの入り組んだ湾があり、上の湖からの堰堤を通した湖水の流入口も多い。湖中にオーストリア皇女の来園を記念してなずけられたシテファーニャ島がある。
この島は、地質的にはこのプリトヴィツェ地帯のカルスト地層と違って三畳紀のドロミティであると言われているのは興味深い。ドロミティはイタリア北部のドロミティ山脈に代表される石灰岩質のドロマイト(苦灰石)を主成分とする苦灰岩といわれる岩石が風化で峻険な地形を作っているが、水溶性は低く、したがってこの地層では他の石灰岩質地層のようなカルスト洞穴は出来ない。であるから島として残ったのであろうか。クロアチアの地層もドロミティのような別の石灰岩層が混在していることで、このような複雑な地形が形成されたと見られている。 -
コジャク湖畔の少女
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コジャク湖湖畔の花
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コジャク湖の遊覧船
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コジャク湖へ流れ落ちるブルゲティからの湖水
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コジャク湖へ流れ落ちる湖水
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コジャク湖遊覧船発着桟橋(イエゼロ方面)
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コジャク湖畔イエゼロ側のボート桟橋
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公園内の緑陰
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エコ・シャトルバス
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ホテル・イエゼロ
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ホテル・イエゼロの寝室
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コジャク湖の早朝
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