2003/06/21 - 2003/06/23
4293位(同エリア4456件中)
けんたろうさん
- けんたろうさんTOP
- 旅行記2冊
- クチコミ3件
- Q&A回答0件
- 4,411アクセス
- フォロワー0人
「砂漠の真ん中で、ゴロンと寝転がってみる星空は最高だよ。」
その一言を聞いて、砂漠へ行こうと思った。
では、どこから砂漠へ向おうか。
貧乏性な性格から、初の海外でも多くの国を巡ろうと画策。
モロッコならヨーロッパからすぐ行けそうだと調べがつく。
日本〜マレーシア〜ドイツ〜フランス(パリ)と来た。
パリからモロッコまでのバスが出ていると、
日本で読んだ『地球の歩き方』に書いてあったから。
アラビア語、フランス語どころか英語もまったくできない俺。
今でも英語はできないが、当時はもっとできなかった。
なんてったって「I want to 〜」って言葉すら知らなかった。
よって、チケットを買うのも一苦労。
チケットカウンターのパリジェンヌには、
「言葉もわからないお前は来るな」とジェスチャーされる始末。
そんな中、なんとか次の日出発のチケットを手に入れた。
後でわかったことだが、モロッコ行きのバスは週1便。
次の日が出発日だったのは、なんとも運が良かった。
14:00出発だったが、ビビッている俺は12時頃にターミナルへ。
しかし何せ広いターミナル。
いったいどこへ行ったらよいのやら、まったく分からず。
誰かに聞くこともできず。
背負った荷物よりも大きな不安を抱えてウロウロ。
ふと目に入った電光掲示板に、英語で地名が流れている。
よく見てみるとどうやらモロッコの町の名のようだ。
さらに「チェックイン」的な文字が(もちろん英語で)ある。
そして「13:00」や「Gate R」と。
これは何だ?
思考をめぐらし導き出した答えは「ゲートRへ行こう。」
その時時刻は13時をすこし過ぎたあたり。
もしこの掲示が「13時までに何かしろ」と
書いてあったのならどうしよう、
と不安になりながらゲートRを探す。
見つけたゲートには数人の人が並んでいる。
やはり何か手続きをしなくてはいけないようだ。
初めは「大きな荷物を預ける場所かな?」と思ったが、
ようやく気付く。
「国境越えるからヒコーキみたいに、チェックインするだ!」
チケットとパスポートを持ち、列に並ぶ。
数人のモロッコ人らしき人々が手続きを済ませ、
何やらカードのようなものをもらっている。
自分の番となり、チケットとパスポートを開いた。
その時、係りのおっさんが「お前は違うだろう」という
ジェスチャーとともに「お前はあっち行け」と。
しかしゲートの上には「Morocco」とある。
引き下がらずに「エルラシディア」と目指す地名を言う。
が、おっさんは変わらず「あっち行け」と。
泣きそうになりながら諦めかけたその時、
奥から別なおっさんが。
「どうした?」というような感じ。
俺はそのおっさんにチケットを見せ「エルラシディア!」
するとそのおっさんが「うん、お前ここでいいのよ。」
おっさんが天使に見えた。
手続きをし、荷物を預け『2』と書かれたカードをもらう。
が、またそこからが問題だった。
どこからバスが出発するのかがわからない。
荷物だけモロッコへというのは避けたい。
よって荷物がどこへ運ばれるか、目を離すこともできない。
とにかく、同じゲートに並んでいたモロッコ人数名に目をつける。
待つこと30分、何やら動きがあった。
同じゲートに並んでいたうちの数人が、バスへ向う。
俺も乗ろうとすると、「『2』はまだだ」と。
同じゲートにいた人で残ったのは、禿たおっさんと
13,4歳くらいの娘さんを連れた老夫婦。
とにかく、その人達だけは逃がさないぞ、と。
それからまた30分、トイレに行くこともできずに待つ。
そしてようやくバスに乗ることができた。
バスが動き出して数分、禿のおっさんが突然騒ぎ出した。
運転手に対して血相を変えて何か訴えている。
やり取りを見ていると、どうやら禿のおっさんが何かを
ターミナルに忘れて来てしまったようだ。
禿のおっさんは「おぉ、なんてこった。頼む戻ってくれ」
といった感じ。
初めは断っていたような運転手も、結局戻ることにした。
Uターンした後も、禿のおっさんは絵に描いたような
「おぉ、なんてこった。」というジェスチャーで落ち着きなく、
「シューシュー」と音を出しながら車内を歩き回っていた。
ターミナルへ戻ってチェックすると、
結局荷物はしっかりバスにつんであったとさ。
人騒がせな禿のおっさん。
しかしその一件で、俺の緊張も解けた。
ありがとう、禿のおっさん。
再度出発したバスは、俺を含めて乗客6,7人。
「この人数なら広々使えて、50時間も大丈夫だな。」
そう高をくくり、靴下まで脱いでくつろぎモードへ。
ところがどっこい、というか案の定というか、
そうは問屋が卸さなかった、、、
10分も走っただろうか、何やら建物へ。
そしてみんな降り支度。
なんだか分からず、手荷物を全部持って車外へ。
バスは建物の裏へ。
大きな荷物はまだバスの中。
「いったい、ここで何を?どうしたらよいの?」
建物中には100人を超えるであろうモロッコの方々。
日本人は俺一人。
できることは、同じバスに乗ってきた人に目を付けること。
しかし禿のおっさんは早々と人ごみに紛れ、見失う。
残ったのは娘さんを連れたご家族のみ。
「この家族を見失ったら、俺はおしまいだ。」
そう思い、その家族が建物の外に出れば出、入れば入る。
2時間以上はそうしていた。
その頃には、その家族も俺のことに気付いていたよう。
そしてやっと動きがあった。
人々が皆、建物の奥へと移動していくのだ。
もちろん、その家族も。
人ごみの中、その家族をぴったりとマークして動く俺。
その家族も俺を気にかけてくれている様子。
家族とともに奥の出口にいる係員にチケットを見せる。
すると「君らは後だ。」と言った感じ。
オヤジさんが抗議するも聞き入れてもらえず。
人々がほとんど出きった後、我々もやっと外へ。
するとさっき乗って来たバスがギュウギュウのすし詰め状態。
俺が座っていた席にも、既に誰かが座っている。
空いているのは、その家族が確保していた4席のみ。
実はその家族のオヤジさんはとにかくデカイ。
よって1席では狭いからと、2席分確保していたようなのだ。
俺の席はなくなっており、唯一座れるのは親父さんの横のみ。
初めオヤジさんは運転手に何やら言っていたが、
結局俺はオヤジさんの横に座ることとなった。
オヤジさんはとにかくデカイ。
席からははみ出、もうギュウギュウ。
もともと狭いバス。もちろんリクライニングなんてない。
「この状態で50時間、、、」
拷問かと思ったが、文句は言えず。
道中、バスは不規則に停まる。
その停車がトイレ休憩なのか、食事休憩なのか
車内アナウンスではまったく分からない。
降りた他の乗客を見て判断するしかない。
誰もお弁当を広げなければトイレ、広げれば食事だ。
しかしバスはいつ出発してしまうか分からないので、
置いていかれてしまったらどうしようと気が気でない。
車中で寝るのは一苦労だった。
オヤジさんはデカすぎて前の席の背もたれに突っ伏して寝る。
窓とオヤジさんに挟まれた俺は直座不動のまま。
時おりオヤジさんにもたれかかって寝た。
途中、ジブラルタル海峡を渡るため船へ。バスごと。
船中で出入国の審査があった。
その際もご家族に助けられ、なんとか手続きを済ます。
そしてなんとか目的地であったエルラシディアに到着。
ご家族もそこが目的地で、一緒に下車。
ここでご家族ともお別れ。
オヤジさんの表情や態度からは、
「もっと世話してやりたいんだが、、、」
といった雰囲気が伝わってきた。
けど、13,4歳の娘さんがいる家にどこの馬の骨ともわからない
異国の若者を泊めることはさすがにできないだろうし、
決して裕福とは言えないであろうご家族に、これ以上お世話に
なることはできないと思い、俺の方からお礼だけを述べて
足早にその場を立ち去った。
俺がもっと言葉を知っていたなら、、、
今でも手紙のやり取りなんかできていたかもしれないなぁ。
このバスに乗ったおかげで、得たものがある。
一つは、大概のバス移動が苦にならなくなったこと。
もう一つは、人の温かさを知れたこと。
「人の温かさを知った」って言葉は良く聞くけども、
本当にそう思った。
人ってやさしいんだなぁ、って。
やさしさって万国共通なんっだなぁ、って。
50時間だけの付き合いだったけど、本当に感謝。
ありがとうございました。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- kioさん 2007/09/04 21:48:26
- バスの目線
- けんたろうさん はじめまして〜
足跡辿って伺いました。
パリからモロッコへの50時間のバス移動、、
全文読ませて頂きました。けんたろうさんの不安な気持ちが
飾り気無く描かれていてとても良い旅行記だと思いました。
しかしバスに乗り続けの50時間って、、もうひたすらに苦行という感じですね
でもバス移動は目線も低く、移りゆく景色もゆっくりで
如何にも大地を踏みしめてという感じですね。
飛行機移動や列車移動とは明らかに違う<旅>をしているという
感じでしょうか。
- けんたろうさん からの返信 2007/09/23 01:47:51
- RE: バスの目線
- kioさん
コメントありがとうございます。
返事が遅くなってしまって申し訳ありません。
ほんと、50時間のバスは苦行でした。
尻や腰は痛くなるし、ほとんど寝られないし。
けど、今思い出すと何故だか楽しくなって、
笑っちゃうんですよね。
他の国での移動も、ほとんどがバスだったのですが、
やっぱりバスのスピード感とかが
自分に合っている感じがしますね。
あー、旅がしたくなってきた。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
モロッコ の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
0