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日本人に生まれたからには<br />一度は登っておかないと!<br />…なんて言っても「疲れるのが嫌い」なわたしは<br />思っているだけで一生を終えるのだろうな、<br />と思っていたのですが……<br /><br />1年前の夏、意を決して<br />というか彼に誘われて<br />富士山を登ることにしました。<br /><br />あぁ、今思い出してもつらかった。<br /><br />だいたい「体力づくり」という名目で、<br />ひと月前から週末にジョギングをさせられたんですよ。<br />体育が苦手なわたしは、<br />荒川の土手を走っている時点で<br />すでに筋肉痛と疲労を感じていました。<br /><br />で、実際の登山。<br />新宿駅から5合目までバスで行ったのですが、<br />途中で雷雨にあい、雷が苦手なわたしは、<br />「着いても雷が鳴っていたら登らない!」と<br />早くも挫折気味でした。<br /><br />しかし、5合目に着いたときには雨も上がり、<br />なんとか無事スタートできました。<br /><br />荒川ジョギングのかいなく、<br />6合目の半ばからすでに疲れはじめ、<br />「もう疲れた〜」と休憩を求めては、<br />「もうちょっと登ったら休もうな」と<br />だましだまし励まされて、<br />しぶしぶ登っている状態でした。<br /><br />「あの外人早いな〜」などと、<br />他の登山者のペースまで観察する余裕の彼。<br />いっぽう、他の登山者どころか<br />周囲の景色を楽しむ余裕すらないわたし。<br />上をみると果てしなく続く登山道にげんなりするので、<br />ただひたすらに彼の背中を追っていた気がします。<br />(…あれ、こう書くとステキだ)<br /><br />8合目を前に山小屋で仮眠をし、<br />すっかり闇夜の中を再び出発しました。<br />このあたりから登山者の渋滞がはじまり、<br />ヘッドライトや懐中電灯の灯りが行列をなしています。<br />ゆらゆらと上にも下にも続く光の線はきれいで、<br />渋滞のために歩調もゆっくりとなり、<br />この辺りが唯一登山を楽しめた区間でした。<br /><br />標高とともに上がっていく売店の物価を見る余裕も出来、<br />高山病でもないのに酸素を吸い、<br />「これなら頂上まで行けそう!」と思ったのもつかの間、<br />9合目前から雨足が強まり、<br />かなり土砂降りになってきました。<br /><br />物価と反比例して下がっていく気温とあいまって<br />寒さも厳しくなり、登山をやめる人も出てきました。<br />ここまで来て止めるのはなぁ・・・という思いで、<br />なんとか9.5合目まで登り、山小屋で雨が止むのを待ちました。<br /><br />このとき、父に借りたカッパの上下を着ていたのですが、<br />釣り用のものだったらしく、魚と海の臭いがして、<br />寒いし臭いし、山の上で海ってなんだかなぁ、って感じでした。<br />いや、防寒としてはとても役立ったのですが。<br /><br />ようやく雨が小止みになったころ、<br />雲が薄白く光っていました。<br />…ご来光でした。<br />結局、9.5合目でご来光を拝みました。<br />今思うと残念ですが、このときは雨が止んだすきに登るぞ!<br />と勢いよく頂上を目指しました。<br /><br />ま、気持ちは勢いよかったのですが、<br />やっぱり疲れていて、<br />彼に「もうちょっとで頂上だから」と<br />だましだまし励まされながら登ったのが現実ですが。<br /><br />頂上は雨も止んでいて、<br />ラーメンだかうどんだかを食べました。<br />下を見下ろすと雲海が見え、<br />「あぁ、ついに登ったのかぁ」と<br />達成感もありました。<br /><br />が、わたしは油断しきっていたのですが、<br />登ったということは下りなければなりません。<br />そして、雲海があるということは下は雨ということです。<br /><br />かくて、9合目より下はずっと雨でした。<br />それもかなり本格的に降り続け、<br />ぬかるんだ下り坂にすべり、<br />少なくとも3回はしりもちをつき、<br />標高とともに口数も減り、<br />ちょっと泣きそうな気持ちでした。<br />まさか、下り坂がこんなに厳しいとは…。<br /><br />5合目に着いたときには<br />本当に本当にうれしかったです。<br />頂上に着いたとき以上の達成感でした。<br />「下山までが登山だ!」です。<br /><br />雨も止み、安堵感から頂上を眺め、<br />「あんなとこまで登ったのかぁ」と<br />しみじみと思い返す余裕も生まれました。<br />そんな横で彼は、「次はホノルルマラソンに出たいなぁ」と余裕ありすぎの発言をしていました。<br />現状に満足しようよ、現状に。<br /><br />バスに揺られて、夏の光が降りそそぐ新宿に降り立ったときは、<br />暑さが懐かしく、平地の素晴しさを噛み締めました。<br />富士山よ、さようなら☆<br /><br />と思ったのですが、あまりに気が緩んだらしく、<br />翌日、熱を出し、富士山の余韻が続くこととなりました。<br /><br />※写真を撮る余裕がなく、長文でだらだら書いてしまいました。<br /> こんなことを書いていますが、<br /> 富士登山を考えている人は、どうぞ登山をしてください。<br /> 楽しいかどうかはわかりませんが、強烈な思い出は残ると思います。

富士登山

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2006/07/15 - 2006/07/16

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ムツミ

ムツミさん

日本人に生まれたからには
一度は登っておかないと!
…なんて言っても「疲れるのが嫌い」なわたしは
思っているだけで一生を終えるのだろうな、
と思っていたのですが……

1年前の夏、意を決して
というか彼に誘われて
富士山を登ることにしました。

あぁ、今思い出してもつらかった。

だいたい「体力づくり」という名目で、
ひと月前から週末にジョギングをさせられたんですよ。
体育が苦手なわたしは、
荒川の土手を走っている時点で
すでに筋肉痛と疲労を感じていました。

で、実際の登山。
新宿駅から5合目までバスで行ったのですが、
途中で雷雨にあい、雷が苦手なわたしは、
「着いても雷が鳴っていたら登らない!」と
早くも挫折気味でした。

しかし、5合目に着いたときには雨も上がり、
なんとか無事スタートできました。

荒川ジョギングのかいなく、
6合目の半ばからすでに疲れはじめ、
「もう疲れた〜」と休憩を求めては、
「もうちょっと登ったら休もうな」と
だましだまし励まされて、
しぶしぶ登っている状態でした。

「あの外人早いな〜」などと、
他の登山者のペースまで観察する余裕の彼。
いっぽう、他の登山者どころか
周囲の景色を楽しむ余裕すらないわたし。
上をみると果てしなく続く登山道にげんなりするので、
ただひたすらに彼の背中を追っていた気がします。
(…あれ、こう書くとステキだ)

8合目を前に山小屋で仮眠をし、
すっかり闇夜の中を再び出発しました。
このあたりから登山者の渋滞がはじまり、
ヘッドライトや懐中電灯の灯りが行列をなしています。
ゆらゆらと上にも下にも続く光の線はきれいで、
渋滞のために歩調もゆっくりとなり、
この辺りが唯一登山を楽しめた区間でした。

標高とともに上がっていく売店の物価を見る余裕も出来、
高山病でもないのに酸素を吸い、
「これなら頂上まで行けそう!」と思ったのもつかの間、
9合目前から雨足が強まり、
かなり土砂降りになってきました。

物価と反比例して下がっていく気温とあいまって
寒さも厳しくなり、登山をやめる人も出てきました。
ここまで来て止めるのはなぁ・・・という思いで、
なんとか9.5合目まで登り、山小屋で雨が止むのを待ちました。

このとき、父に借りたカッパの上下を着ていたのですが、
釣り用のものだったらしく、魚と海の臭いがして、
寒いし臭いし、山の上で海ってなんだかなぁ、って感じでした。
いや、防寒としてはとても役立ったのですが。

ようやく雨が小止みになったころ、
雲が薄白く光っていました。
…ご来光でした。
結局、9.5合目でご来光を拝みました。
今思うと残念ですが、このときは雨が止んだすきに登るぞ!
と勢いよく頂上を目指しました。

ま、気持ちは勢いよかったのですが、
やっぱり疲れていて、
彼に「もうちょっとで頂上だから」と
だましだまし励まされながら登ったのが現実ですが。

頂上は雨も止んでいて、
ラーメンだかうどんだかを食べました。
下を見下ろすと雲海が見え、
「あぁ、ついに登ったのかぁ」と
達成感もありました。

が、わたしは油断しきっていたのですが、
登ったということは下りなければなりません。
そして、雲海があるということは下は雨ということです。

かくて、9合目より下はずっと雨でした。
それもかなり本格的に降り続け、
ぬかるんだ下り坂にすべり、
少なくとも3回はしりもちをつき、
標高とともに口数も減り、
ちょっと泣きそうな気持ちでした。
まさか、下り坂がこんなに厳しいとは…。

5合目に着いたときには
本当に本当にうれしかったです。
頂上に着いたとき以上の達成感でした。
「下山までが登山だ!」です。

雨も止み、安堵感から頂上を眺め、
「あんなとこまで登ったのかぁ」と
しみじみと思い返す余裕も生まれました。
そんな横で彼は、「次はホノルルマラソンに出たいなぁ」と余裕ありすぎの発言をしていました。
現状に満足しようよ、現状に。

バスに揺られて、夏の光が降りそそぐ新宿に降り立ったときは、
暑さが懐かしく、平地の素晴しさを噛み締めました。
富士山よ、さようなら☆

と思ったのですが、あまりに気が緩んだらしく、
翌日、熱を出し、富士山の余韻が続くこととなりました。

※写真を撮る余裕がなく、長文でだらだら書いてしまいました。
 こんなことを書いていますが、
 富士登山を考えている人は、どうぞ登山をしてください。
 楽しいかどうかはわかりませんが、強烈な思い出は残ると思います。

交通手段
高速・路線バス

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  • 9.5合目からご来光。

    9.5合目からご来光。

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