天童温泉旅行記(ブログ) 一覧に戻る
私の旅の出発は、ここから始まります。大学の4年、卒業を間近に控えた2月でした。翌月には海外と国内、2回の卒業旅行が組まれています。それを終えれば、就職。以後定年まで、旅行できるチャンスは訪れない・・・。小さな焦燥はやがて、一人旅への大きな決意へと変わります。<br /><br />目的地を天童市に選んだのは、ひょんなきっかけからでした。真夜中に、ふとテレビをつけたときのこと。職人が将棋駒に漆を塗っている映像が、目に飛び込んできました。静寂のなか、彼は何ども何ども丁寧に筆を塗り重ねています。そして、完成した駒のなんとも美しいこと!「盛上げ駒」という技法の駒だそうで、とても高価であるとのことです。実物を手に入れたい!そう思った翌日には、チケットの手配はすべて完了していました。<br /><br />2月22日。天童駅を降りた私は、雪の降りしきる道をひたすら歩いています。そば屋に行くためです。旅に出る前、私はある女流棋士のブログに書き込みをしました。そして、幸運なことに返信をいただきます。<br />「天童には、おいしいそば屋さんがあります。名前は忘れましたが、店の前に大きな水車が回っています」。<br />その小さな情報だけを頼りに、そば屋を探しているのです。そして、駅を出て10分あまり。ありました。「水車生そば」というお店。正直な話、そばの味はよく覚えていません。私のなかでは、約束を果たせたという安堵の方が大きかったようです。<br /><br />さて盛上げ駒ですが、息をのむほどの美しさがありました。漆黒の艶と、文字の立体感は、見に来てよかったと感じさせました。しかし、それを手に入れるだけの財力をもち合わせておらず、結局、掘り駒を手土産にお店をあとにすることになります。<br />時期の選択も誤ったかもしれません。駒のデザインをあしらった、ユニークなマンホールのふたは、積雪のため見ることができず、天童公園にある駒の石碑も、青いビニールシートに包まっていました。<br /><br />いろんな現実に遭遇した旅でしたが、帰路、思いました。これを最後にしたくないなあ。もっといろんな旅をしてみたい。遅まきながら、旅の魅力を知った2000年の冬。そしてその思いは、変わることなく今でも存在しつづけています。<br />

天童の将棋駒

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2000/02/22 - 2000/02/23

90位(同エリア253件中)

2

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ナーザ

ナーザさん

私の旅の出発は、ここから始まります。大学の4年、卒業を間近に控えた2月でした。翌月には海外と国内、2回の卒業旅行が組まれています。それを終えれば、就職。以後定年まで、旅行できるチャンスは訪れない・・・。小さな焦燥はやがて、一人旅への大きな決意へと変わります。

目的地を天童市に選んだのは、ひょんなきっかけからでした。真夜中に、ふとテレビをつけたときのこと。職人が将棋駒に漆を塗っている映像が、目に飛び込んできました。静寂のなか、彼は何ども何ども丁寧に筆を塗り重ねています。そして、完成した駒のなんとも美しいこと!「盛上げ駒」という技法の駒だそうで、とても高価であるとのことです。実物を手に入れたい!そう思った翌日には、チケットの手配はすべて完了していました。

2月22日。天童駅を降りた私は、雪の降りしきる道をひたすら歩いています。そば屋に行くためです。旅に出る前、私はある女流棋士のブログに書き込みをしました。そして、幸運なことに返信をいただきます。
「天童には、おいしいそば屋さんがあります。名前は忘れましたが、店の前に大きな水車が回っています」。
その小さな情報だけを頼りに、そば屋を探しているのです。そして、駅を出て10分あまり。ありました。「水車生そば」というお店。正直な話、そばの味はよく覚えていません。私のなかでは、約束を果たせたという安堵の方が大きかったようです。

さて盛上げ駒ですが、息をのむほどの美しさがありました。漆黒の艶と、文字の立体感は、見に来てよかったと感じさせました。しかし、それを手に入れるだけの財力をもち合わせておらず、結局、掘り駒を手土産にお店をあとにすることになります。
時期の選択も誤ったかもしれません。駒のデザインをあしらった、ユニークなマンホールのふたは、積雪のため見ることができず、天童公園にある駒の石碑も、青いビニールシートに包まっていました。

いろんな現実に遭遇した旅でしたが、帰路、思いました。これを最後にしたくないなあ。もっといろんな旅をしてみたい。遅まきながら、旅の魅力を知った2000年の冬。そしてその思いは、変わることなく今でも存在しつづけています。

同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
高速・路線バス JRローカル
  • 購入した彫り駒。<br />「昇竜」。

    購入した彫り駒。
    「昇竜」。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • むんさん 2007/07/01 13:38:17
    はじめまして
    ナーザさん、こんにちは。はじめまして。

    ナーザさんの旅の原点は天童、そして将棋の駒(盛上げ駒)
    なんですね〜!
    近くに住んでいるので、とても興味深く拝見しました。
    将棋のことはあまり知識がなく、拝見して改めて将棋の駒の
    奥深さを感じました。
    水車生そば、私も大好きなお店です。

    ナーザ

    ナーザさん からの返信 2007/07/01 17:55:31
    ありがとうございます
    むんさん、こんにちは!メールありがとうございました。そば屋さん、まだ健在なんですね。なんだかうれしい気持ちになりました。山形の魅力は、天童以外にもまだたくさんあると思うので、いろいろ訪れてみたいです。また、いいとこ紹介してください!

ナーザさんのトラベラーページ

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