歴史を学ぶ旅、広島観光

2007/05 - 2007/05

GWに広島へ行った。
歴史を巡る旅となった。

エリア 広島

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車

厳島神社は日本三景の一つであり、確かに朱色の神社は瀬戸内海の青に映えてきれいだった。

宮島では鹿が出迎えてくれる。

宮島の五重塔

新興宗教の美術館である。
ちょうど厳島神社の真向いにある山の上のやたら目立つ白い建物がそれだ。
この壮大な建物はいったいいくらかかったのだろうか。

一階、二階は日本画などが飾ってあり、ふつうの美術館と変わらない。
なんだ、ただの美術館じゃないかと思ったが、四階の宝物殿に行って驚く。
地獄階、畜生階、人間界など階ごとに分けられていて、教祖が悟りを開くまでの絵やらなんやら頭を捻ってしまう展示物の数々。
うん、確かにここは新興宗教の施設なんだなと納得した。

原爆ドームとして知られるこの有名な廃墟は、爆撃前は広島県物産陳列館、産業奨励館として機能していた。
いまだに広島県名物原子爆弾による被害を陳列しているといえよう。
産業を奨励しているのかいないのか真意は不明だが。
この建物の真上で原子爆弾は炸裂し、建物の中にいた人たちは皆即死したという。

また、広島平和記念資料館では当時の様子を知ることができる貴重な資料が展示されている。
止まった時計やら壁に残る黒い影やらを見て原爆の恐ろしさが実感できる。
喉の渇きから爪の膿を飲んだ人の爪や原爆によってできたケロイドを剥いで展示してあったり、なかなかグロい。
アメリカが投下場所に広島を選んだ理由やそもそも原爆を投下した理由なども説明されているし、原爆の人体への影響も事細かに図示されていて、大変勉強になった。

東広島にとんでもない喫茶店があるときいた。
その名は伴天連、お化け屋敷のような喫茶店で本物の干し首や踏絵が飾ってあるという。
近くまで来るも場所が分からず時間も押して焦っていたが、地元の人に尋ねたら簡単に分かった。
ラブホ街を通り抜け、寺への道を行き、ゴルフ場を通り、ホテルの脇の道を行くと、やっと伴天連の看板が見えた。

不気味な金属音のする中庭では小便禁止の標識の前で小便小僧が長いペニスで小便していた。

三途の川を渡る。

歩くとビヨヨーンと音がしたり、鐘が鳴ったり、目の前の骨をよけながら暗い店内へと入った。

おばちゃんは健在で、ミックスピザをセックスピザ、原液のように甘いメロンジュースを青虫、パインジュースをペチャパイといって渡してくれた。

踏み絵

干し首

大和温泉物語に泊まった。
お台場の大江戸温泉物語を彷彿させるネーミングの通り、類似の複合温泉施設である。
温泉に入った後、レストルームのリクライニングシートで寝た。
呉市には安いホテルはなく、漫画喫茶も少ないため、1600円で泊まれるこの施設を利用した。

大和ミュージアムに行った。
戦艦『大和』についての展示である。
模型やら歴史やら事細かに説明されており、男子供に人気のミュージアム。
原爆投下の広島市には平和記念資料館、軍港呉市には大和ミュージアムかあ。

てつのくじら館に行った。
大和ミュージアムの正面には海上自衛隊の誇る潜水艦がドーンと立ち、遠くから見たらそれは本当にくじらみたいだった。
入場無料で、機雷除去についての展示を見たり、潜水艦の見学をしたりできる。

呉市から二時間、竹原市の南方、瀬戸内海に浮かぶ大久野島は『地図から消された島』として有名である。
戦時中、毒ガスを作っていたために地図から消されたのである。
何も知らない人たちが職にありつけると島にやってきた、しかしそこでは恐ろしい毒ガスを作っていて、中には毒ガスにやられて苦しみながら死ぬ者もいた。
東京から遠く被害が少ない、労働力が豊富、隠匿しやすいなどの理由で大久野島が選ばれ、緑豊かな島は一瞬にして恐ろしい毒ガス島になってしまった。
イペリット、ルイサイトなどのびらん性毒ガス、毒ガスと同じ過程でできる殺虫殺鼠剤サイロームなどが作られ、動員学徒までが毒ガス製造に関わったという。
戦後の毒ガス処理に関しても、無知な労働者によって処分されたため、多くの犠牲者を出した。
また、処分の仕方も問題で、火炎放射器による焼却、島内埋没、海洋投棄により、近海は汚染され、土壌からは高濃度のヒ素が検出された。
そんな暗い歴史のある島だが、今は国民休暇村としてリゾート地に生まれ変わっている。
毒ガスの実験やガス漏れセンサーとして使われていたウサギが野生化し、大久野島はウサギ島として子供たちに大人気である。
ウサギ好き、廃墟好きはきっとこの島を好きになることだろう。