セバンの危機

1999/02 - 1999/02

　海のないアルメニアにとり、夏のセバン湖はリゾート地でもあり、多くのアルメニア人が訪れる。私がセバン湖に訪れた時は二月、暖冬のせいで湖も一部が凍っているに過ぎないが、湖の上を波を立てて吹き付ける風は、肌に切り傷ができたのではないかと思う程、痛く冷たい。

セバン湖付近では漁師達は採れた魚を近くの国道で露店を構えている。通りがかりの人たちは車を止め、魚を買っていく。この魚はウグイのような長細い魚。煮魚、焼き魚として調理される。
自然豊かなセバン湖ではあるが、残念なことに現在危機に瀕している。ソ連時代に灌漑用水として利用され、水位が大幅に下がった。車に乗っていると「今走っている所は30年前までは湖の底だったんだよ」と聞いても俄かに信じられなかった。セバン湖に突き出た歴史ある教会は、その昔セバンに浮かぶ島に作られていたと言うが、今ではセバン湖に突き出た半島のようになり、車で行く事ができる。

ソ連が崩壊し、アルメニアは独自の運営を行う中、水位の下降は落ち着いたそうだが、失われた湖は取り戻せそうにもない。

エリア その他の都市(アルメニア)

• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 船 タクシー ヒッチハイク
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空

母なる湖、セヴァン湖。アルメニアの避暑地として夏は多くの観光客が訪れるのだとか。

戦後の灌漑事業でセヴァン湖の水が大量に使われ、湖底が台地になった部分も少なくないそうです。

セヴァンの町。雪で道路か否かは轍でしか判断できません。

セヴァンの民家の暖炉

そのリビング。

暖炉で料理を作っています。

アルメニア人の子供達。

99年当時、セヴァンでは月収が30〜50ドルと大変貧しいそうです。アルメニアはトルコ、アゼルバイジャンと敵国に囲まれ厳しい状況にあります。