2006/07/23 - 2006/07/23
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night-train298さん
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みんなより早めに起きて、支度をしていたら、ラファに会った。
今日はグエメスまで行くが、その先のサンタンデールは距離があり過ぎると言っていた。
私は密かにサンタンデールを狙っていた。
ラファたちが出たあと、私もみんなより一足先に歩きだす。
大きめの町なので、町から出るのに苦労した。
途中ガソリンスタンドでペドロをみかけたので、道を確認したが、彼は車での「北の道」しか知らないので、私は車道を歩くことになってしまった。
行けども行けども次の村にはたどりつかない。
大きなラウンドアバウトに出たので、標識を見るが、こころもとない。
心細くなった私は、ロベルトに電話した。
すると、電話の向こう側のロベルト&ルルデスも、道に迷ったのだと言う。
仕方なく標識をたよりに、勘もきかせて右方向に曲がる。その道は、今来た方向に戻る形となっていたが。
すぐにまた小さな標識をみつけた。今度の標識こそ、地図にある村の地名を示しているような気がした。
だんだん近付くと、やはりそこから左折して、細い道に入ると書いてあるようだった。
と、そこに正面からやってきたのは、四人組の仲間たちだった。
何でいつも会っちゃうんだろう!
お互い驚きながら、一緒に小道に入っていった。
最初はジャングルみたいな道だったが、そのうち海岸に出たかと思うと、山に登りはじめた。
低木しかないので、見晴しは良いが、風が強い地方のせいか、トゲのある植物が、足下にたくさんあり、昨日日焼けした足を突いて、痛くてしかたない。
途中で長いパンツをはいて上へ登っていく。
私はカルロスの後をついていった。
矢印通りに進んだ結果だ。
なのに他の女性陣は、山に登らず、海の方に大きく回って山を越えようとしている。
カルロスは、
「みんな、どこへ行っちゃうんだー?」
そしてわたしにも、矢印はこっちなのに、みんなは違う方に行くけど、我々はどうするか聞いてきた。
矢印があるのだから、このまま行こうと合図した。
しかしこの山。かなり手こずったのである。
遠回りしても、海の方に回った女性陣の方がずっと早く反対側に着いて、しかも疲れている様子もない。
やっと向こう側に着いて、私は靴を脱ぐことにした。
ここからもビーチを横断しなければならないからだ。
また、水の中を、歩きながら行こう。
カルロスも先に行ってしまい、のんびりと支度をしているところに、急に現れたのは、ロベルトとルルデスだった。
いつもどこからともなく急に現れるロベルトに
「まるで妖精みたいだね!」
と言ったことがある。
しばらく一緒に海岸線を歩いたが、長くて途中で見失ってしまった。
やっと村に着いた頃には、太陽は真上にあり、海水客の数もピークに達し、その中をかき分け歩いて、もうすっかり疲れ果ててしまった。
とりあえず、オレンジジュースとトルティーヤで力をつける。
そして、町の真ん中にあるインフォメーションへ道を聞きに行ってみると、そこにいたのは、ロベルト&ルルデスだった。
道を聞くのは彼らに任せ、私は二人についていくことにした。
インフォメーションでもらった地図を片手に歩いていくが、なかなかお目当ての地名に出ない。
二人も律儀に矢印通りに山を越えてきたらしく、疲れ果てていたので、barに入ることにした。
ルルデスは、昨日の田舎道で足を痛め、船に乗る前にバスに乗ったのだった。
しばらく歩いても、まだ地図にある地名にたどり着かない。
三人とも、ヘトヘトだった。
ルルデスが四人組の面々と電話で連絡をとっている。
どうやら私たちは、全く反対の方向に来てしまったらしいのだ。
今からペドロが迎えにきてくれると言う。
ルルデスは、車に乗るが、私はどうするか聞いてきた。
少し考えて、私も車に乗ることにした。
反対方向に行ったのだから、距離的には充分歩いていること。
そして、もうすぐ仲間の半分と今日でお別れだから、会っておきたいと思ったのである。
そんな自分なりの理由をつけても、車に乗るのは、やはり抵抗があった。
間もなくペドロがやってきて、やはり途中でリタイアしたベロニカも先に拾ってきたようだった。
乗ったのは、数キロ、ロベルトと、今日はちゃんと歩いたんだから、これは問題ないよね!?と確認しあった。
やっぱりやましい気持ちがあるのだ。
そこには、この食事の後にマドリッドへ帰ってしまう面々が一同にいた。
また、旅を続けるロベルト&ルルデス、四人組のドリーとマティルダは、この少し先の村が今日の宿泊地である。
私はここに留まるつもりはなかった。
まだ、サンタンデールまで行こうと、考えていたのだ。
居残り組も含めて、全員の写真やビデオを撮った。
大きなジョッキのビールを飲み干した後、私はいよいよ一人で歩き出した。
ここで休んで、すっかり疲れをリセットしたのであった。
今度はなるべく田舎道をせっせと歩く。
そこで今朝アルベルゲでみかけた巡礼グループに出会った。
ラファの仲間たちだ。
みんなもやはり、この村に留まるらしい。
また少しすると、三人連れに会った。彼らもここで今日は終わりだと言う。
その中には、先日来見かけた、偉そうなおじさんもいた。そのおじさんこそが、後で一緒に歩くビンゲンだった。
サンタンデールまでは、まだこの先15kmほどある。
なんでこんなに焦っているのかと言うと、時間が心配だったのである。
思ったより進まない距離に危惧を感じ始めていたのだ。
このままでは、予定通りサンティアゴに着かない。ボランティアを約束している巡礼宿に、約束の日に行けないのではないか!?
その巡礼宿には、すでにこの旅の前に訪ね、スーツケース一式も置かせてもらっている。
そこで約束したことだ。遅れては迷惑がかるのだ。
この頃の日没は22時。
時間は16時を過ぎていたが、明るいうちにはサンタンデールに、なんとか着くだろう。
最初は気持ちの良い、木陰の道を歩いていたが、最後の数キロはきつかった。
やっとのことで、サンタンデールの一つ手前の町に着いた。
ここからも大変だった。
渡し船を渡ればサンタンデールなのであるが、ここも海岸がある人気観光地のようで、人であふれかえっているのである。
渡し船の乗り場を聞こうにも、観光客にはわからない。
お店に入り、親切な店員さんに教えてもらい、その後も難儀しながらも、やっとのことで、船着き場にたどり着く。
船は一度小さな岬の村に立ち寄り、サンタンデールを目指す。
西日に向かって船は走る。
サンタンデール側に入っても、アルベルゲを探すのは苦労だった。
街が大きすぎて、みんなアルベルゲの存在を知らないのだ。
だいぶ近くまでやってきたのに、どうしてもみつからない。
すでに薄暗くなりかけていた。なぜこんなに時間がかかってしまったのだろうか。
近くにいたカップルにアルベルゲの場所を聞くと、電話をしてくれたり、一緒に探してくれた。
そして、とうとうアルベルゲをみつけた。
そこはパラダイスであった。
時間はすでに22時。疲れ果てて到着した私に、ボランティアの女性は暖かく迎えてくれ、冷たいお水をたくさん出してくれた。
あ〜、苦労して来て良かった!
こんな時間でもベッドは確保できた。
洗濯をし、ドライヤーも使わせてもらった。
そしてここに、私が欲しかった「Camino del Norte の la Costa」のガイドブックが売っているではないか!
私は後で合流する予定だったパキに、本の購入を頼む予定だったのだが、電話で、まだ彼女が買っていないことを確認し、それをとうとう手に入れたのだった。
あの巡礼一日目に、マティウスが持っているのを見た時から、手に入れたいと思っていた本である。
その本は、ほとんどの巡礼者が持っているものだった。
そしてこの本を持っている人たちは口を揃えて、la Costaの道を行くという。
アルベルゲの入り口で出会った女性が戻ってきた。
自転車に乗って一人で巡礼しているという。
スペイン人では珍しかった。
若くはないようだが、とても凛々しく綺麗な女性だった。
姉妹で歩いている美しいドイツ人もいた。
また、ここではちょっと場違いのカナダ人の男性がいた。
彼は巡礼について、今しがた知ったばかりで、そんなことをする人たちがいるのかと、興奮ぎみだった。
「君も巡礼しているの?」
アルベルゲではありえない質問だった。
洗濯物が乾燥するまで、ボランティアの女性はつきあって、待っていてくれ、明日の道について教えてくれた。
明日の巡礼路は、大きく迂回して遠回りをするが、一か所近道をする方法があると言う。
それは、線路の上を30mほど歩くのだった。
その地図のコピーをくれ、親切に説明してくれた。
今日も一日いろいろあったけど、また新しい人たちに会えて、元気になっていった。
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