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<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />今日も一人で先に出る。<br />朝のうちに距離を稼いで、あとでのんびりしたいからだ。<br />彼らは、朝からのんびりするので、私もそれにつきあうと、後半で疲れて歩きたくなくなりそう。<br />それでも必ず、どこかで彼らに追い越される時がくる。<br /><br />来た来た!後ろから集団の気配がある。<br />背中に気配を感じた次の瞬間、ドリー、マティルダ、ロベルトの三人が、肩を寄せあい、ひそひそしながら私の横を通り過ぎた。<br />当然挨拶をするはずなのに、ひそひそ、こそこそしながら、私に気付かないフリをしている。<br />呆気にとられて、キョトン!としてしまう。私は「オラ!」と言う言葉を用意をしていたのに。<br />そして次の瞬間、三人示し合わせて、<br />「オラー!(ハロー!)」<br />とニコニコしながら振り向いた。<br />大人なのに!!!!<br />私はこんなスペイン人がおもしろくてしょうがない。<br /><br />barで軽く食べた後、海に沿った道を歩きはじめた。<br />すでに道は、カンタブリアに入っていた。<br />天気も曇りで、ある意味カンタブリアらしい気候になっていた。<br />ロベルトとルルデス、三人並んで歩く。<br />ロベルトは、この地方に20代前半の頃、毎年のように来て、夏の間だけ滞在していたのだという。<br />その頃に、いろいろな人と出会い、『妖精』について、地元の人たちから教えてもらったのだという。<br />ここにはたくさんの妖精にまつわるストーリーがあり、スピリチュアルな場所だというのだ。<br />そして、こんな曇った日が、ここに一番似つかわしく、大好きなのだと言う。<br />また、カンタブリアを舞台にした映画の話をしてくれた。<br />ロベルトは、いい人なのかもしれない。<br />社交的で、話も上手であり、何でもこなす器用さのせいか、私は警戒していたが、意外にも地味な面も持ち合わせている。<br />また、なかなか謙虚で、存在感はあるのに、自分を誇示しない。<br />どことなく、去年出会ったIvanと似ているのだ。同じマドリッド出身ということで、アクセントも話し方も似ているせいもある。<br />ルルデスもマドリッド出身である。<br />友達(Ivan)がマドリッドに住んでいると言うと、どこに住んでいるか聞いてきたので、モストレスだと言うと、びっくりして、自分もそこに住んでいると言う。<br />名前はvanだと言うと、ロベルトとルルデスは、顔を見合わせて驚いている。<br />今度は、何歳か聞くので答えると、急に安心した顔になった。<br />なんでも、ルルデスの彼氏の名前がIvanで、モストレスに住んでいるのだ。<br />私はルルデスに彼氏がいたことの方が驚きだった。<br />ロベルトとすごく仲が良かったから。<br />ロベルトとルルデスの二人は10年以上の友達だそうで、キャンプで知り合い、今では大親友なのだという。<br /><br />カンタブリアの海は、複雑なブルーだった。<br />いくつもの透明なブルーが重なりあい、深みのある色あいだった。<br />そのうち、いくつかの村を通り過ぎ、グループが大きくなってきた。<br />今日は意見が分かれている。<br />田舎道を歩くか舗装路を歩くか選ばなければならない。<br />ドリー、マティルダ、ロザリオは車に乗るコース。<br />私とカルロスは舗装路を歩くことにし、後の人たちは、田舎道を選択した。<br />田舎道を歩くなら、10km以上よけいに歩かなければならない。いつもなら、そっちを選ぶ私だが、今日はみんなのペースに<br />ついていけそうもない。<br /><br />カルロスは、日本のことをよく知っていた。<br />指圧を趣味でやっている。<br />日本映画についても詳しく、質問をしてくる。<br />カルロスは、税務官だそうで、ドリーたちとは社交ダンスの会で知り合い、今は飲み友達だという。<br />どうやら離婚経験があるようだった。<br />いつも大人しく彼女たちにくっついているカルロスだが、一人で「歩き」を楽しんでいるようだ。<br /><br />景色の良い休憩所で休んでいると、フランス人親子がいた。・・・・・しかし娘が見当たらない。<br />15歳くらいの娘がいるはずなのに。<br />聞いてみると、タクシーに乗ったという。<br />そこへアレックスもやってきた。<br /><br />それぞれに歩き出すと、カルロスと私は立ち止まった。<br />メインの通りから外れる道の方向に矢印がある。<br />そこに行くべきか。<br />少し考えて、私たちは素直に矢印に従うことにした。<br />実はそこは田舎道の入り口で、結局私たちも、かなり遠回りをしてしまい、やっとのことで海岸まで出た。<br />砂浜を歩くのは疲れる。裸足になって、水のそばを歩いた方が、砂も固くて歩きやすい。<br />長いビーチだったけれど、足を水に浸して気持ちがいい。<br />延々と砂浜を歩いた。<br />海水浴に来たおばさんが、声をかけてきた。しばらく一緒につきあって、並んで歩いてくれたりした。<br /><br />やっと海岸の終わりに近付くと、そこから向こう岸に渡る船が出ているのだ。<br />これも巡礼路だった。<br />人が待っているからわかるけど、なんの看板もないから、地元の人でない限り、この舟乗り場をみつけるのは難しい。<br />カルロスと私が船に乗り、浜を離れたちょうどその時に、砂浜にルルデスがいるのが見えた。後からロベルトも来た。<br /><br />向こう岸に着くと、ここが今日の目的地、サントーニャである。<br />岸に着くと、船着き場の目の前のbarで、すでにドリーたちが優雅にビールを飲んでいた。<br />私たちも椅子を持ってきて席につく。<br />次の船で、残りのみんなも来るだろう。<br />今日は長いみちのりだった。田舎道をきちんと歩いてきたルルデスとロベルトたちには、もっと長かったに違いない。<br /><br />全員揃ったところで、今夜泊まるアルベルゲへ向かうことになった。<br />この小さな港から、アルベルゲまではまだ1kmほどあった。<br />すでに西日が差し始めたが、まだジリジリと暑い。<br />みんな疲れきっている。<br />最後の橋の狭い歩道を歩いている時だった。<br />前方から来た人に声をかけられた。<br />「僕のこと、覚えてる?」<br />突然のことで、キョトンとする私に<br />「ラファだよ、マヨルカの。」<br />そうか〜、あのラファだ。サン・セバスティアンで会った、『銀の道』を歩いたことのある、あのラファだった。<br />ラファは、<br />「よく頑張って歩いたね。」<br />そう言うと、後ろで並んで待っている私の仲間たちに遠慮して、通り過ぎていった。<br />ラファとはいっぱい話したいことがあったので、うれしかった。<br /><br />アルベルゲには、もう私たちのベッドはなかった。<br />荷物だけは部屋に置かせてもらい、夜の10時を過ぎたら、ジムにマットレスを敷いて寝るのだという。<br />つまり10時まジムは一般に開放しているため、それまでは入れないのである。<br /><br />シャワーだけ浴びて、食事に行くことになった。<br />ベロニカ、カルロス、ロベルト、ルルデスと一緒に先にレストランに行く。<br />サラダやイワシを食べながら、ベロニカの話を聞く。彼女はバイオエレクトロニクスの会社に勤めている。<br />明日、何キロか歩いたら、カルロスと共にマドリッドへ帰るという。<br />後から来て、すぐ後ろのテーブルに席をとった他のみんなも、明日帰る人がほとんどだった。<br />残るのはドリーとマティルダだけ。彼女たちもあと数日を残すのみだった。<br />また、ルルデスも同じだった。<br />今夜は全員が揃う最後の晩だった。<br />

スペイン巡礼「北の道10」7月22日(土)Santona 30.3km

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2006/07/22 - 2006/07/22

54位(同エリア62件中)

0

77

night-train298

night-train298さん















今日も一人で先に出る。
朝のうちに距離を稼いで、あとでのんびりしたいからだ。
彼らは、朝からのんびりするので、私もそれにつきあうと、後半で疲れて歩きたくなくなりそう。
それでも必ず、どこかで彼らに追い越される時がくる。

来た来た!後ろから集団の気配がある。
背中に気配を感じた次の瞬間、ドリー、マティルダ、ロベルトの三人が、肩を寄せあい、ひそひそしながら私の横を通り過ぎた。
当然挨拶をするはずなのに、ひそひそ、こそこそしながら、私に気付かないフリをしている。
呆気にとられて、キョトン!としてしまう。私は「オラ!」と言う言葉を用意をしていたのに。
そして次の瞬間、三人示し合わせて、
「オラー!(ハロー!)」
とニコニコしながら振り向いた。
大人なのに!!!!
私はこんなスペイン人がおもしろくてしょうがない。

barで軽く食べた後、海に沿った道を歩きはじめた。
すでに道は、カンタブリアに入っていた。
天気も曇りで、ある意味カンタブリアらしい気候になっていた。
ロベルトとルルデス、三人並んで歩く。
ロベルトは、この地方に20代前半の頃、毎年のように来て、夏の間だけ滞在していたのだという。
その頃に、いろいろな人と出会い、『妖精』について、地元の人たちから教えてもらったのだという。
ここにはたくさんの妖精にまつわるストーリーがあり、スピリチュアルな場所だというのだ。
そして、こんな曇った日が、ここに一番似つかわしく、大好きなのだと言う。
また、カンタブリアを舞台にした映画の話をしてくれた。
ロベルトは、いい人なのかもしれない。
社交的で、話も上手であり、何でもこなす器用さのせいか、私は警戒していたが、意外にも地味な面も持ち合わせている。
また、なかなか謙虚で、存在感はあるのに、自分を誇示しない。
どことなく、去年出会ったIvanと似ているのだ。同じマドリッド出身ということで、アクセントも話し方も似ているせいもある。
ルルデスもマドリッド出身である。
友達(Ivan)がマドリッドに住んでいると言うと、どこに住んでいるか聞いてきたので、モストレスだと言うと、びっくりして、自分もそこに住んでいると言う。
名前はvanだと言うと、ロベルトとルルデスは、顔を見合わせて驚いている。
今度は、何歳か聞くので答えると、急に安心した顔になった。
なんでも、ルルデスの彼氏の名前がIvanで、モストレスに住んでいるのだ。
私はルルデスに彼氏がいたことの方が驚きだった。
ロベルトとすごく仲が良かったから。
ロベルトとルルデスの二人は10年以上の友達だそうで、キャンプで知り合い、今では大親友なのだという。

カンタブリアの海は、複雑なブルーだった。
いくつもの透明なブルーが重なりあい、深みのある色あいだった。
そのうち、いくつかの村を通り過ぎ、グループが大きくなってきた。
今日は意見が分かれている。
田舎道を歩くか舗装路を歩くか選ばなければならない。
ドリー、マティルダ、ロザリオは車に乗るコース。
私とカルロスは舗装路を歩くことにし、後の人たちは、田舎道を選択した。
田舎道を歩くなら、10km以上よけいに歩かなければならない。いつもなら、そっちを選ぶ私だが、今日はみんなのペースに
ついていけそうもない。

カルロスは、日本のことをよく知っていた。
指圧を趣味でやっている。
日本映画についても詳しく、質問をしてくる。
カルロスは、税務官だそうで、ドリーたちとは社交ダンスの会で知り合い、今は飲み友達だという。
どうやら離婚経験があるようだった。
いつも大人しく彼女たちにくっついているカルロスだが、一人で「歩き」を楽しんでいるようだ。

景色の良い休憩所で休んでいると、フランス人親子がいた。・・・・・しかし娘が見当たらない。
15歳くらいの娘がいるはずなのに。
聞いてみると、タクシーに乗ったという。
そこへアレックスもやってきた。

それぞれに歩き出すと、カルロスと私は立ち止まった。
メインの通りから外れる道の方向に矢印がある。
そこに行くべきか。
少し考えて、私たちは素直に矢印に従うことにした。
実はそこは田舎道の入り口で、結局私たちも、かなり遠回りをしてしまい、やっとのことで海岸まで出た。
砂浜を歩くのは疲れる。裸足になって、水のそばを歩いた方が、砂も固くて歩きやすい。
長いビーチだったけれど、足を水に浸して気持ちがいい。
延々と砂浜を歩いた。
海水浴に来たおばさんが、声をかけてきた。しばらく一緒につきあって、並んで歩いてくれたりした。

やっと海岸の終わりに近付くと、そこから向こう岸に渡る船が出ているのだ。
これも巡礼路だった。
人が待っているからわかるけど、なんの看板もないから、地元の人でない限り、この舟乗り場をみつけるのは難しい。
カルロスと私が船に乗り、浜を離れたちょうどその時に、砂浜にルルデスがいるのが見えた。後からロベルトも来た。

向こう岸に着くと、ここが今日の目的地、サントーニャである。
岸に着くと、船着き場の目の前のbarで、すでにドリーたちが優雅にビールを飲んでいた。
私たちも椅子を持ってきて席につく。
次の船で、残りのみんなも来るだろう。
今日は長いみちのりだった。田舎道をきちんと歩いてきたルルデスとロベルトたちには、もっと長かったに違いない。

全員揃ったところで、今夜泊まるアルベルゲへ向かうことになった。
この小さな港から、アルベルゲまではまだ1kmほどあった。
すでに西日が差し始めたが、まだジリジリと暑い。
みんな疲れきっている。
最後の橋の狭い歩道を歩いている時だった。
前方から来た人に声をかけられた。
「僕のこと、覚えてる?」
突然のことで、キョトンとする私に
「ラファだよ、マヨルカの。」
そうか〜、あのラファだ。サン・セバスティアンで会った、『銀の道』を歩いたことのある、あのラファだった。
ラファは、
「よく頑張って歩いたね。」
そう言うと、後ろで並んで待っている私の仲間たちに遠慮して、通り過ぎていった。
ラファとはいっぱい話したいことがあったので、うれしかった。

アルベルゲには、もう私たちのベッドはなかった。
荷物だけは部屋に置かせてもらい、夜の10時を過ぎたら、ジムにマットレスを敷いて寝るのだという。
つまり10時まジムは一般に開放しているため、それまでは入れないのである。

シャワーだけ浴びて、食事に行くことになった。
ベロニカ、カルロス、ロベルト、ルルデスと一緒に先にレストランに行く。
サラダやイワシを食べながら、ベロニカの話を聞く。彼女はバイオエレクトロニクスの会社に勤めている。
明日、何キロか歩いたら、カルロスと共にマドリッドへ帰るという。
後から来て、すぐ後ろのテーブルに席をとった他のみんなも、明日帰る人がほとんどだった。
残るのはドリーとマティルダだけ。彼女たちもあと数日を残すのみだった。
また、ルルデスも同じだった。
今夜は全員が揃う最後の晩だった。

  • 闘牛場の前を通ります

    闘牛場の前を通ります

  • 休憩と作戦会議です

    休憩と作戦会議です

  • 海を見るロベルト

    海を見るロベルト

  • フランスのご夫婦、ドイツのアレックス

    フランスのご夫婦、ドイツのアレックス

  • 水を汲むカルロス

    水を汲むカルロス

  • ビーチをひたすら歩きます

    ビーチをひたすら歩きます

  • ルルデス?

    ルルデス?

  • 渡し船で向こう岸へ

    渡し船で向こう岸へ

  • ルルデス&ロベルトが、やってきたけれど・・すでに船は出発。向こう岸で待ちましょう

    ルルデス&ロベルトが、やってきたけれど・・すでに船は出発。向こう岸で待ちましょう

  • ルルデスたちが乗った船も来ました

    ルルデスたちが乗った船も来ました

  • 今日の巡礼宿の前で

    今日の巡礼宿の前で

  • ここが私たちの部屋

    ここが私たちの部屋

  • ロベルトがロック・クライミングに挑戦

    ロベルトがロック・クライミングに挑戦

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