2006/07/22 - 2006/07/22
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night-train298さん
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今日も一人で先に出る。
朝のうちに距離を稼いで、あとでのんびりしたいからだ。
彼らは、朝からのんびりするので、私もそれにつきあうと、後半で疲れて歩きたくなくなりそう。
それでも必ず、どこかで彼らに追い越される時がくる。
来た来た!後ろから集団の気配がある。
背中に気配を感じた次の瞬間、ドリー、マティルダ、ロベルトの三人が、肩を寄せあい、ひそひそしながら私の横を通り過ぎた。
当然挨拶をするはずなのに、ひそひそ、こそこそしながら、私に気付かないフリをしている。
呆気にとられて、キョトン!としてしまう。私は「オラ!」と言う言葉を用意をしていたのに。
そして次の瞬間、三人示し合わせて、
「オラー!(ハロー!)」
とニコニコしながら振り向いた。
大人なのに!!!!
私はこんなスペイン人がおもしろくてしょうがない。
barで軽く食べた後、海に沿った道を歩きはじめた。
すでに道は、カンタブリアに入っていた。
天気も曇りで、ある意味カンタブリアらしい気候になっていた。
ロベルトとルルデス、三人並んで歩く。
ロベルトは、この地方に20代前半の頃、毎年のように来て、夏の間だけ滞在していたのだという。
その頃に、いろいろな人と出会い、『妖精』について、地元の人たちから教えてもらったのだという。
ここにはたくさんの妖精にまつわるストーリーがあり、スピリチュアルな場所だというのだ。
そして、こんな曇った日が、ここに一番似つかわしく、大好きなのだと言う。
また、カンタブリアを舞台にした映画の話をしてくれた。
ロベルトは、いい人なのかもしれない。
社交的で、話も上手であり、何でもこなす器用さのせいか、私は警戒していたが、意外にも地味な面も持ち合わせている。
また、なかなか謙虚で、存在感はあるのに、自分を誇示しない。
どことなく、去年出会ったIvanと似ているのだ。同じマドリッド出身ということで、アクセントも話し方も似ているせいもある。
ルルデスもマドリッド出身である。
友達(Ivan)がマドリッドに住んでいると言うと、どこに住んでいるか聞いてきたので、モストレスだと言うと、びっくりして、自分もそこに住んでいると言う。
名前はvanだと言うと、ロベルトとルルデスは、顔を見合わせて驚いている。
今度は、何歳か聞くので答えると、急に安心した顔になった。
なんでも、ルルデスの彼氏の名前がIvanで、モストレスに住んでいるのだ。
私はルルデスに彼氏がいたことの方が驚きだった。
ロベルトとすごく仲が良かったから。
ロベルトとルルデスの二人は10年以上の友達だそうで、キャンプで知り合い、今では大親友なのだという。
カンタブリアの海は、複雑なブルーだった。
いくつもの透明なブルーが重なりあい、深みのある色あいだった。
そのうち、いくつかの村を通り過ぎ、グループが大きくなってきた。
今日は意見が分かれている。
田舎道を歩くか舗装路を歩くか選ばなければならない。
ドリー、マティルダ、ロザリオは車に乗るコース。
私とカルロスは舗装路を歩くことにし、後の人たちは、田舎道を選択した。
田舎道を歩くなら、10km以上よけいに歩かなければならない。いつもなら、そっちを選ぶ私だが、今日はみんなのペースに
ついていけそうもない。
カルロスは、日本のことをよく知っていた。
指圧を趣味でやっている。
日本映画についても詳しく、質問をしてくる。
カルロスは、税務官だそうで、ドリーたちとは社交ダンスの会で知り合い、今は飲み友達だという。
どうやら離婚経験があるようだった。
いつも大人しく彼女たちにくっついているカルロスだが、一人で「歩き」を楽しんでいるようだ。
景色の良い休憩所で休んでいると、フランス人親子がいた。・・・・・しかし娘が見当たらない。
15歳くらいの娘がいるはずなのに。
聞いてみると、タクシーに乗ったという。
そこへアレックスもやってきた。
それぞれに歩き出すと、カルロスと私は立ち止まった。
メインの通りから外れる道の方向に矢印がある。
そこに行くべきか。
少し考えて、私たちは素直に矢印に従うことにした。
実はそこは田舎道の入り口で、結局私たちも、かなり遠回りをしてしまい、やっとのことで海岸まで出た。
砂浜を歩くのは疲れる。裸足になって、水のそばを歩いた方が、砂も固くて歩きやすい。
長いビーチだったけれど、足を水に浸して気持ちがいい。
延々と砂浜を歩いた。
海水浴に来たおばさんが、声をかけてきた。しばらく一緒につきあって、並んで歩いてくれたりした。
やっと海岸の終わりに近付くと、そこから向こう岸に渡る船が出ているのだ。
これも巡礼路だった。
人が待っているからわかるけど、なんの看板もないから、地元の人でない限り、この舟乗り場をみつけるのは難しい。
カルロスと私が船に乗り、浜を離れたちょうどその時に、砂浜にルルデスがいるのが見えた。後からロベルトも来た。
向こう岸に着くと、ここが今日の目的地、サントーニャである。
岸に着くと、船着き場の目の前のbarで、すでにドリーたちが優雅にビールを飲んでいた。
私たちも椅子を持ってきて席につく。
次の船で、残りのみんなも来るだろう。
今日は長いみちのりだった。田舎道をきちんと歩いてきたルルデスとロベルトたちには、もっと長かったに違いない。
全員揃ったところで、今夜泊まるアルベルゲへ向かうことになった。
この小さな港から、アルベルゲまではまだ1kmほどあった。
すでに西日が差し始めたが、まだジリジリと暑い。
みんな疲れきっている。
最後の橋の狭い歩道を歩いている時だった。
前方から来た人に声をかけられた。
「僕のこと、覚えてる?」
突然のことで、キョトンとする私に
「ラファだよ、マヨルカの。」
そうか〜、あのラファだ。サン・セバスティアンで会った、『銀の道』を歩いたことのある、あのラファだった。
ラファは、
「よく頑張って歩いたね。」
そう言うと、後ろで並んで待っている私の仲間たちに遠慮して、通り過ぎていった。
ラファとはいっぱい話したいことがあったので、うれしかった。
アルベルゲには、もう私たちのベッドはなかった。
荷物だけは部屋に置かせてもらい、夜の10時を過ぎたら、ジムにマットレスを敷いて寝るのだという。
つまり10時まジムは一般に開放しているため、それまでは入れないのである。
シャワーだけ浴びて、食事に行くことになった。
ベロニカ、カルロス、ロベルト、ルルデスと一緒に先にレストランに行く。
サラダやイワシを食べながら、ベロニカの話を聞く。彼女はバイオエレクトロニクスの会社に勤めている。
明日、何キロか歩いたら、カルロスと共にマドリッドへ帰るという。
後から来て、すぐ後ろのテーブルに席をとった他のみんなも、明日帰る人がほとんどだった。
残るのはドリーとマティルダだけ。彼女たちもあと数日を残すのみだった。
また、ルルデスも同じだった。
今夜は全員が揃う最後の晩だった。
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