2006/07/21 - 2006/07/21
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night-train298さん
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今日からマティウスがいないので、先に一人で出発する。
最初の道は、サイクリングロードのような道で、鋪装されているが、車も自転車もほとんどなく、安全な道で歩きやすかった。
10kmほど行ったところの休憩所に、四人組と、ロザリオがいた。
一本道なのに、後からきた人たちが、私より先に着いているなんて、おかしい。
どうやら、車で途中まで来たようなのだ。
四人組は、無理をしない。
これは女性軍の意見なんだと思う。特にドリーとマティルダの。
だから、たまにバスを使うこともあるらしいのだ。
昨日ペドロ&ロザリオが到着してからは、ますますその色が濃くなってきた。
ペドロたちは車で来て、彼はほとんど歩かず、サポーターのような格好だった。
巡礼には、いろいろなスタイルがある。
こうでなければいけない!ということは何もない。
基本は、歩いて巡礼することだが、けっこうバスに乗っている人もいるし、泊まったアルベルゲから、次のアルベルゲまで、荷物をタクシーで運んでもらい、手ぶらで歩く人もいる。
それぞれに似合った巡礼をすればいいと思っている。
私はと言えば、なるべく歩きたいし、荷物も持ちたいと思っている。これは私が決めたルールであって、他の人がそれをしないからと言って、ズルイとは思わない。
ただ、歩き終えた時には、私の方がきっと満足感があるのだ・・・・・・と信じて。
海のそばの村に出たところで、ロベルト&ルルデスも追い付いてきた。
水飲み場にいると、制服を着た女性が近づいてきて、吸い殻入れの容器をひとりづつにプレゼントしてくれた。
同じ形のものを、ドリーは以前から持ちあるいていて、たばこを吸う彼女たちは、巡礼中はその容器に吸い殻を入れていた。
そして、近くに朝食を食べられる海に面した店を紹介してくれたので、ぞろぞろと行ってみた。
海のそばのテーブルに席を取ると、最近顔見知りになってきた、ドイツ人のアレックスと、昨日出会ったぬいぐるみのパブロもいた。
パブロはドイツ語が堪能なので、お互いに話が弾んでいるのだろう。
あとから、やはり昨日のアルベルゲで一緒になった、フランス人の親子三人組もやってきた。
それぞれのグループに分かれて、思い思いの朝食を食べ、海を眺めていた。
この頃から、私はマティルダとすっかり意気投合してきた。
笑いのツボが同じなのだ。
最初は変なおばさん!と思っていたんだけど!!
つまらないことに共にゲラゲラと笑ってしまう。
「私は50歳なの。あなたは何歳?」
耳元でこっそり教えてあげると今度は・・・
「このグループに、好みの男性はいる?」
そんな質問をしてくる。
そんな話はヒソヒソ話になるので、二人でコソコソやっていた。
「このグループにはいないけど、ちょっといい感じの人には会ったよ。」
「えっ?だれだれ?」
「ラファだよ!」
「知らないわぁ〜。誰なのかしら?」
「今度会ったら教えてあげるよ!でも、これ秘密だよ!!」
急に神妙な顔つきになり
「うん、わかった、秘密ね。誰にも言わない。」
たっぷり休憩を取ったあと、またみんなで歩き出した。
まるでイベリア半島のバルコニーのような、海沿いの崖の上を歩く。
天気もいいし、気持ちがいい!
ああ、来てよかった!
やっぱり海はいい!
私はうれしさのあまり
「北の海、バンザーイ!」
と叫びながら歩く。まわりのみんなも笑っている。
しばらく歩くと馬が二頭いて、喉が渇いているようで、ほんの少しの水をなめていた。
ロベルトとルルデスは、馬に水をやるために、小道の反対側にある水道の蛇口をひねり、水を運びはじめた。
みんなも協力してせっせと水を運ぶ。
バルコニーも終わり、トンネルの出口で休憩。
ぬいぐるみのパブロも来て、一緒に休んでいる。
再びしばらく行くと、車が止まった。
ペドロだった。
ドリー、マティルダ、ロザリオは車に乗り込む。
あと数キロの地点である。
残りの私たちは、ちゃっかり荷物を乗せてもらうことにした。(これも私のルールで、誘われたら断らない)
いつのまにか追い付いたパブロも荷物を載せてもらっている。
パブロは、少々太っていて、いつも汗をかきかき歩いていた。
今日のアルベルゲは、体育館の中の宿泊所で、いくつかの部屋があり、シャワーやトイレもそれぞれ付いているが、ベッドはなく、マットレスだけだった。
人数が多いので、二手に分かれて、私はロベルト&ルルデスの部屋に合流した。
あとからこの部屋に、ぬいぐるみのパブロも入ってきた。
別の部屋には、フランス人ファミリーもいた。部屋を覗くと、「こっちにいらっしゃいよ。」と言ってくれた。
マットレスの上で、ストレッチをして、今日の疲れを取る。これを毎日やることが日課だった。
それを興味深そうに見ていたパブロにストレッチを教えてあげると、彼はひぃひぃ泣いていた。
汗っかきで、股に汗をかき過ぎて、痛くて仕方がないと言う。
同情すべきところだけど、彼のキャラクターのせいか、おかしくてしょうがない。
見ていたロベルトとルルデスも、クスクス笑っている。
シャワーも浴びて、ひと休みすると、ロベルト&ルルデスに誘われて夕食にでかけた。
今日は、スーパーで買って食べようという。
三人でお金を出し合って、エンパナーダ(ガリシア名物のパイのようなもの)チーズ、ハム、ナッツ各種、ヨーグルト、ジュース。
一人5ユーロ。
海の近くの公園の芝生の上で食べる。
食後は、海のそばで昼寝をしようということになったが、砂浜が見当たらず、50cmほどの幅のコンクリートの塀の上に、縦に並んでしばらく寝てみる。間違って寝返りでも打ったら、海に落ちてしまうため落ち着かない。
今度は少し歩いてみることにした。
海のそばの小さな丘の上に、遺跡があった。
この町は賑やかである。
観光地なのだろうか。海辺周辺は、たくさんの人が行き交っていた。
そこに、あきらかに一人異質な人がいた。
今日何度か顔を合わせたドイツ人のアレックスだった。
どうやら迷子になってしまった様子。アルベルゲにもたどり着けないようだった。
彼はドイツ語と英語しか話せないので、苦労しているようだった。
「私たちが連れていってあげるよ。」と申し出ると、彼はうれしそうについてきた。
少し歩いたところで、ドリーとロザリオにばったり出会った。
「一つはビールを飲むグループ、もう一つはアイスクリームを食べるグループに分かれているんだけど、どっちに入りたい?」
アレックスもこの際一緒に連れていくことにし、ロベルト&ルルデスはアイスクリームチームに、私とアレックスはビールグループに合流した。
ビールグループは、すでに海辺のレストランでイワシを食べながら、飲み始めたところで、そこにはドリー、マティルダ、マティルダのダンナのカルロス(四人組のカルロスとは別人)と、その友達のフェディリコがいた。
カルロスとフェディリコは、今しがた車で到着したようだった。
マティルダは、家族がいるような雰囲気を持っていなかった。自由で気ままな女性に見えたのに、四人組で所帯を持っているのは彼女だけだった。
カルロスはとても感じ良い男性で、マティルダも、今日は少し少女っぽく見えた。
二人の間には、20歳になる娘がいるという。今はイタリアに勉強に行っているそうで、ご自慢の娘らしい。
たくさんビールを飲んで、イワシも分けてもらってワイワイ大騒ぎ。
そこへアイスクリームチームもやってきて、いまや四人組は倍の8人組になり、ロベルト&ルルデス、私とアレックスまで加わって、大所帯になっていった。
アルベルゲに戻ると、ドリーの洗濯物が、隣の敷地に飛んでしまい、棒でも持ってこようか相談していると、アレックスが高い塀に登り始めた。
壁の高さは2メートル以上ある。
そこへスイスイ登ってしまって、向こう側に飛び下りて、洗濯物を拾って戻ってきた。
それを見ていた我々は、あっけにとられてしまった。
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