世界遺産旅行記【７】オーギュスト＝ペレによる再建都市ル・アーヴル

2006/05 - 2006/05

　多くの兵士の足跡を残す激戦の地、ル・アーヴル。ノルマンディー上陸作戦により大打撃を受けた港湾都市は戦後、２０世紀最大の建築家の１人オーギュスト＝ペレにより見事なまでに再建され、姿を変えながらもかつての威光を今に伝えている。

　

エリア その他の都市(フランス)

• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空

　パリのサン・ラザール駅に到着。ええと、ル・アーヴル行きは、と。うわっ、２時間後！？午前中にヴェルサイユに行くんじゃなかった。まさかあんなに広いとは。宮殿から農夫の家まで徒歩３０分って・・・。
　
　ル・アーヴルに着いてからも大変。どこに行ったらいいか分からない。取り敢えず駅近くのホテルに部屋を取って、と。道行く人に聞きながら何とか市庁舎へ到着。

　近代建築大好きな人以外には、伝わらないその価値。ル・アーヴルは以下の基準で世界遺産に登録されている。

　()ル・アーヴルの第２次世界大戦後の再建計画は都市計画の伝統と近代の建築・技術・都市計画の発展の先駆的試行における統合の顕著な例である。

　()ル・アーヴルは組み立て式の工法と形式・基準寸法の機能的利用・コンクリートの革新的使用に基づく都市計画・建築の顕著な第２次世界大戦後の例である。

※ユネスコのＨＰに記載されているものの私訳です。

　港湾沿いを歩いていると、見たことのある建物を発見。フランス有数の印象派コレクションを誇るマルロー美術館。この都市を訪れる観光客の殆どがこの美術館目当てでやって来る。一見、そこらの都市となんら変わらない無機質な町並みには目もくれず。
　でも、この美術館の建物本体は、世界遺産に登録されてますよ。

　商業区画の中心にドカンと現れる複合娯楽施設、ル・ヴォルカン。近年になって完成されたオスカー＝ニーマイヤー設計のこの施設も登録範囲。

　建築好き以外の人が訪れても？？？のままですが、近代建築大好きな自分。興奮に任せて歩き回っていたら、いつの間にか夜の帳が下りている。
　ふと気付くと昼間も余り見なかった人影が全く見えない。ゴーストタウンかここは。
　日本では見たことのない青い夜、そこから細い手を差し伸べる満月に促されるまま早々の退散。
　
　　　　　　　　　　　　　　結論

　パリで花の薫りに身を委ねますか？それともこの町で疑問の種を蒔きますか？
　

この旅行記へのコメント （4）

• 真@tokyoさん 2007/05/08 08:45:42

  ル・アーヴル

  漣さん
  こんにちは
  
  ペレが世界遺産にとは意外でした。いままで近代建築と世界遺産を結び付けては見ていなかったもので。それにしても、巨匠とはいえ、時代が近すぎるなあとの印象です。
  日本でも勝鬨橋が重文になるくらいですから、時間は着々と流れていますね。
  私も急いで各地を回らねば間に合わない。
  
  では

  漣さん からの返信 2007/05/09 00:46:27

  RE: ル・アーヴル

  　近年は近代化遺産に対しての評価が見直されてますからね。世界遺産に登録された近代建築は１９８７年のブラジリアを始め、森の葬祭場、バウハウス、シュレーダー邸、トゥーゲントハット邸の様な有名建築からテルアビヴ、ヴロツワフのハラ・ルドヴァといったあまり聞いた事の無いものまで幅広いです。今年はベルリンのブルーノ＝タウトのジードルンクやパイミオのサナトリアムも推薦されているようで、益々数は増えていくものと思います。
  　個人的にはスターリンの名を冠する社会主義と結び付けられる様式の評価が今後どのような解釈がされるかが非常に興味があるんですが・・・。

• Y Matsumotoさん 2007/03/08 15:53:03

  世界遺産探訪お疲れ様でしたi

  世界遺産探訪　こんなところが世界遺産とは！　と言うのもあったようで　お疲れ様でした　
  私は　いま　トルコの長大橋梁耐震補強工事に従事いたしております　あと　一年八ヶ月でお仕舞いです　そうしたら　世界を　あっちに行ったりこっちに行ったして　暮らすつもりです　貴方のように　片っ端から訪問するには　体力が持ちませんが　貴方の行った　美しいところ　珍しいところ　なによりも愉快なところには　いきたいと思います　今後も　旅行記を書いてください　
  

  漣さん からの返信 2007/03/09 18:45:10

  トルコ

  　トルコの橋梁工事に従事しておられるとは、何とも壮大な仕事ですね。ひょっとして現地在住の方ですか？
  　トルコは東西交流の要衝として数々の遺産が眠る旅行者垂涎の地です。いつか行ってみたいですね〜。