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事業用操縦士のライセンスは持っているものの4人乗り小型プロペラ機セスナ社のC172しか操縦したことのない僕は、一度でいいからジェット機を操縦したいといつも夢見ていました。<br />そして2006年10月、ニュージーランド旅行をすることになった時に、現地での飛行機の体験操縦が出来る所を探していたところワナカでジェット戦闘練習機に搭乗が出来ることが分かりました。<br />正直言うと戦闘機はあまり好きではないのですが、ジェット機の操縦が出来る機会はなかなかないと思い申し込みました。<br />この旅行記はその体験記です、全体の旅行記は「ニュージーランド南島一人旅」をご覧ください。<br /><br /><2006年10月19日>ワナカ空港12:30離陸 12:55着陸<br /><br />フライトの予約は144時からだったのですが様々ないきさつ(旅行記「ニュージーランド南島一人旅【2】」参照)があり、12時にJETFLIGTHS WANAKA社のグランツ教官と合流、ワナカ空港西隅の格納庫に向かいました。<br />歩きながら今日の天気の確認・・・今日は風がかなり強いが滑走路と正対の風なので問題なし(着陸後、やや右側から41ノットの強風と分かった)、雲も朝は多かったがだんだん晴れてきたとのでフライトに問題はないとの事。<br />暫く歩き格納庫に到着、早速扉を開くと・・・そこに居ました!!今日の搭乗機チェコスロバキア製のジェット戦闘練習機AERO L39Cアルバトロス(機体識別記号ZK−LLR)!!<br />練習機なので、最高速度491ノット、制限加重は+8G〜−4G、実用上昇限度が11,000mと現役の戦闘機に比べるとかなり穏やかな性能ですが、私が普段操縦しているセスナC172と比べると(比べるのも恥ずかしいけど・・・)速度でも5倍とさすがの性能、基本的には名の通り練習機ですが、国によっては軽戦闘用に配備もされているそうです。<br />実は戦闘機を間近で見るのは初めて、その用途には嫌悪感を感じますが、その流麗なフォルムは美しいとしか言いようがありません。<br />荷物を格納庫に置き、用意されていたつなぎ服に着替えると気分は既に戦闘機乗り・・・さっきまで”戦闘機は用途が気に入らないんだよなぁ〜”なんて思っていたのにやはりワクワクは押さえきれません。<br />ついでにもし嘔吐した時の為のエチケット袋も渡されつなぎの足ポケットに入れておきます、結構なGが掛かるので気分が悪くなる人もいるそうだ。<br />グランツ教官は牽引トラクターで機体を格納庫から芝生に押し出します、太陽の下で見るL39Cも美しい!!まるで生き物ような雰囲気!!<br />機体に刻まれた切り込みを足場にして後席に乗り込み、しっかりハーネスを締めると、教官がインストラクションを始めます。<br />要点は以下の通り・・・<br />・基本的に操縦は任せるが(教官は僕が日本の事業用ライセンスを所持している事を承知している)、離着陸は教官が行うので、その間は機器に触らないで欲しい、特にブレーキには触れないように。<br />・上空で機が安定したら通常の操縦交代手順(操縦を渡す方が「You have control」とコール、受ける方が「I have control」とコールし操縦を交代する)で操縦の受け渡しを行う。<br />・もし緊急事態が起こった場合は脱出レバーを引いて座席ごと射出するように。<br />の3点・・・もちろん初めての機種、しかもジェット戦闘機の離着陸なんて出来る訳もないので素直に了解の意を示します。<br />次に前席と後席での通話チェック、教官の「How dou you read?」の問い掛けに「Loud and clear.How do you read me?」と返答、教官の「Loud and clear」の応答でチェックは完了。<br />いよいよエンジンに火が入ります、前触れもなくゴーッッとエンジンがスタートします、普段聞き慣れたレシプロエンジンの音とは全く違うジェットエンジンの発する連続音はとても新鮮。<br />各種チェックを終えるとタクシー開始、暫く芝生を走りエプロンの舗装路面に乗り入れます、今日の使用滑走路はRWY29。<br />管制用の無線はよく聞き取れなったけどどうやらワナカ空港には管制機関がないようで、一方送信をしながら滑走路に乗り入れます。<br />滑走路を東端まで一旦進み180度ターンして向きを西に変えます。<br />「ZK-LLR Now Take Off Runway 29」教官が一方送信し、いよいよ離陸です、後ろでエンジン音が高まり機はダッシュを始めた。<br />思っていた程でもないけど明らかにセスナ172とは違う(あたりまえ!)加速!!あっという間に離陸速度に達し教官が操縦桿を引きます、機は軽やかに上昇します・・・が、対地200ft(約60m)で早くもロール旋回(横回転の宙返り)を実施!!この低高度で頭の上に地面を見るなんて・・・正直かなりびっくりしました。<br />ロール旋回後は、上昇を継続し3000ft(約900m)でレベルオフ、前方にはワナカ市街地と真っ青なワナカ湖が見えきました。<br />ワナカ市街上空まで達すると教官の「You have control」お言葉、いよいよ操縦です。<br />初めての機体なのでまずはフィーリングの確認、操縦桿を左右にふり機動を見ます。あたりまえだけどすごくクイックに動き、セスナの様な遊びは全くありません。<br />そして、なにより驚いたのは空気をダイレクト感じれる事・・・機動性を出すための遊びの無い操縦系統が、逆に風などの空気の乱れをダイレクトに操縦桿や機体に伝えてきます。<br />ちょっとした風でもガンガンと体に衝撃がきます、そうですね、今まで乗った乗り物の中ではレーシングカートに乗り心地が一番近い感じがしました。<br />慣れるまでは遊覧飛行のようにワナカ湖上空を飛んでみます、Crescent島、Harwich島ととっても美しい景色を眺めながら西進しますが、西へ行けば行くほど山からの吹き下ろしで気流が悪くなってきました、ここは無理はせずに北へ旋回しSteavensons島の辺りをゆっくり(もちろん実際はかなり早いですよ)飛びます。<br />ここで教官が「I have control」、もちろんPIC(Pilot In Command:機長)の指示は絶対なのでおとなしく操縦を返します、すると教官はワナカ湖の湖岸に機を急降下!!もうすぐ地面というところで一転急上昇!!かなりの縦Gが体を下に押さえつけます、そして、そのままロール旋回、天と地がくるくる入れ替わる。ええっ!!飛行機ってこんなに動くの!??<br />すると教官「ロールしてみる?」、そりゃ、もちろんやりたい・・・でもやった事がない(普段乗っているセスナC172は性能上も、法律上もアクロバット飛行はできないんです)ので「やりたいから、デモしてよ」と返事する。<br />前席と後席の操縦桿は連動しているので、軽く操縦桿に手を添え教官の手の動きを覚える、意外と簡単のようだ。<br />要領は、まず軽く操縦桿を引き機首を上げる、これはロールで失う高度を確保する為、そしてある程度急な角速度で操縦桿を左に倒す、すると機はすうっと左回転、頭の上に地面が来る頃に一旦操縦桿を中立位置まで戻し、一呼吸、そして先程と同じ感じで左に操縦桿を使う、するとくるっと元にもどる・・・こんな感じ。<br />「おおっ、一発で決めるなんてやるじゃないか!!」お世辞だと思うけど教官が褒めてくれ、素直に嬉しい。<br />根がお調子者なので嬉しくなって湖上で左右に何度もロールをします、湖岸の人には狂ったようにくるくる回るジェット機が見えただろうなぁ、僕も下から見たかった。<br />実はこの体験操縦は約20分(ちなみにお値段は約16万円・・・)、時間はあっと言う間に過ぎ去りもう空港に戻らなくてはならない時間です。<br />教官に操縦を返すと機は街から離れて空港に向かい、離陸とは逆向きの滑走路RWY11に向かってぐんぐん高度を下げていきます、後ろで僕は考えます”さすが戦闘機!!こんな追い風でもあの短い滑走路に降りれるんだなぁ”・・・んな訳ない!!あまりにスピードが速いし、フラップも脚も出ていない!!僕「ローパスするの?」、教官「イエス!!」。<br />対地30ft(10m)で滑走路上を飛び、そのままランウェイヘディングで上昇、軽く左旋回のあと右旋回で小さく回って滑走路に向き直ります。連続で左右にGが掛かって胃が締めつけられ、若干吐き気が・・・。<br />機はRWY29に近づきますが相変わらずフラップも脚もでていない、スピードも速い・・・またローパス?もういいから下ろしてくれ!!・・・と思うが、同じパイロットの端くれとしての沽券に発言は出来ず・・・と言うか口に出す暇もありません。<br />やはりローパス、しかも上昇しながらロール旋回!!教官、サービス精神旺盛すぎます!!今度は右旋回で空港上空を横切り大きい左旋回で滑走路延長線上に乗る、ついにフラップが降り、後ろに引っ張られるように減速、次いで脚も下りました・・・今度こそ着陸です。<br />全く衝撃のない素晴らしい接地に思わず「Nice Landing!!」と口走ると教官からは「Thank you」の返答があった。<br />ワナカ空港の滑走路が何mかは知りませんが急激な減速はせず、滑走路をいっぱいに使って停止、滑走路上で180度ターンして誘導路へ進み、そのまま芝生エリアを越え格納庫前に駐機します。<br />「ふ〜っ」思わず大きな息をつき多少よろめきながら機を降りると、既に教官は牽引トラクターを機首車輪につないでいました。<br />教官が「サスペンションが伸びているので、後ろにぶら下がってくれないか?」と言う、格納庫の入り口の高さが垂直尾翼ぎりぎりなのでフライト後には接触する可能性があるとのことで、僕は後部エンジンの上辺りに手を掛けぶらーんとぶら下がる・・・機はぶら下がる僕を連れてそのまま格納庫に入庫・・・おつかれさまでした。<br />つなぎを脱ぎ、応接室で教官が淹れてくれた紅茶を頂きます、僕が日本から持ってきたお土産の「チョコ八つ橋」を渡すと教官は「これ以上太らす気かい?」と笑いました。<br />今日のフライトをログに記入し、教官から機長のサインをもらいます・・・多分、僕の人生で唯一のジェットの記入になるんだろうなぁ・・・楽しかったなぁ。<br />機長サインをしていた教官が僕が2日前にクライストチャーチで体験操縦したパイパーPA38(2人乗りプロペラ機)の機体識符号をZKーEYGを指差し「このZK−EYGは私がファースト・ソロ・フライトの時にに使った機体です!!懐かしい!!」と言いました・・・何か不思議なご縁です。<br />帰りは教官が車で今日の宿まで送ってくれました、フライト時間で僅か20分、トータルでもたった1時間の出来事とは思えないほど濃密な時間をすごすことができました。<br />それにしても素晴らしい体験でした!!ワナカ湖の綺麗な景色も存分に楽しめたし、L39Cも充分楽しませてもらいました。<br />搭乗だけでしたらライセンスのない方も可能ですので、興味のある方はぜひご体験頂ければと思います。<br />JETFLIGHTS WANAKA社です。<br />

ジェット機体験操縦 in WANAKA

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2006/10/19 - 2006/10/19

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jillluca

jilllucaさん

事業用操縦士のライセンスは持っているものの4人乗り小型プロペラ機セスナ社のC172しか操縦したことのない僕は、一度でいいからジェット機を操縦したいといつも夢見ていました。
そして2006年10月、ニュージーランド旅行をすることになった時に、現地での飛行機の体験操縦が出来る所を探していたところワナカでジェット戦闘練習機に搭乗が出来ることが分かりました。
正直言うと戦闘機はあまり好きではないのですが、ジェット機の操縦が出来る機会はなかなかないと思い申し込みました。
この旅行記はその体験記です、全体の旅行記は「ニュージーランド南島一人旅」をご覧ください。

<2006年10月19日>ワナカ空港12:30離陸 12:55着陸

フライトの予約は144時からだったのですが様々ないきさつ(旅行記「ニュージーランド南島一人旅【2】」参照)があり、12時にJETFLIGTHS WANAKA社のグランツ教官と合流、ワナカ空港西隅の格納庫に向かいました。
歩きながら今日の天気の確認・・・今日は風がかなり強いが滑走路と正対の風なので問題なし(着陸後、やや右側から41ノットの強風と分かった)、雲も朝は多かったがだんだん晴れてきたとのでフライトに問題はないとの事。
暫く歩き格納庫に到着、早速扉を開くと・・・そこに居ました!!今日の搭乗機チェコスロバキア製のジェット戦闘練習機AERO L39Cアルバトロス(機体識別記号ZK−LLR)!!
練習機なので、最高速度491ノット、制限加重は+8G〜−4G、実用上昇限度が11,000mと現役の戦闘機に比べるとかなり穏やかな性能ですが、私が普段操縦しているセスナC172と比べると(比べるのも恥ずかしいけど・・・)速度でも5倍とさすがの性能、基本的には名の通り練習機ですが、国によっては軽戦闘用に配備もされているそうです。
実は戦闘機を間近で見るのは初めて、その用途には嫌悪感を感じますが、その流麗なフォルムは美しいとしか言いようがありません。
荷物を格納庫に置き、用意されていたつなぎ服に着替えると気分は既に戦闘機乗り・・・さっきまで”戦闘機は用途が気に入らないんだよなぁ〜”なんて思っていたのにやはりワクワクは押さえきれません。
ついでにもし嘔吐した時の為のエチケット袋も渡されつなぎの足ポケットに入れておきます、結構なGが掛かるので気分が悪くなる人もいるそうだ。
グランツ教官は牽引トラクターで機体を格納庫から芝生に押し出します、太陽の下で見るL39Cも美しい!!まるで生き物ような雰囲気!!
機体に刻まれた切り込みを足場にして後席に乗り込み、しっかりハーネスを締めると、教官がインストラクションを始めます。
要点は以下の通り・・・
・基本的に操縦は任せるが(教官は僕が日本の事業用ライセンスを所持している事を承知している)、離着陸は教官が行うので、その間は機器に触らないで欲しい、特にブレーキには触れないように。
・上空で機が安定したら通常の操縦交代手順(操縦を渡す方が「You have control」とコール、受ける方が「I have control」とコールし操縦を交代する)で操縦の受け渡しを行う。
・もし緊急事態が起こった場合は脱出レバーを引いて座席ごと射出するように。
の3点・・・もちろん初めての機種、しかもジェット戦闘機の離着陸なんて出来る訳もないので素直に了解の意を示します。
次に前席と後席での通話チェック、教官の「How dou you read?」の問い掛けに「Loud and clear.How do you read me?」と返答、教官の「Loud and clear」の応答でチェックは完了。
いよいよエンジンに火が入ります、前触れもなくゴーッッとエンジンがスタートします、普段聞き慣れたレシプロエンジンの音とは全く違うジェットエンジンの発する連続音はとても新鮮。
各種チェックを終えるとタクシー開始、暫く芝生を走りエプロンの舗装路面に乗り入れます、今日の使用滑走路はRWY29。
管制用の無線はよく聞き取れなったけどどうやらワナカ空港には管制機関がないようで、一方送信をしながら滑走路に乗り入れます。
滑走路を東端まで一旦進み180度ターンして向きを西に変えます。
「ZK-LLR Now Take Off Runway 29」教官が一方送信し、いよいよ離陸です、後ろでエンジン音が高まり機はダッシュを始めた。
思っていた程でもないけど明らかにセスナ172とは違う(あたりまえ!)加速!!あっという間に離陸速度に達し教官が操縦桿を引きます、機は軽やかに上昇します・・・が、対地200ft(約60m)で早くもロール旋回(横回転の宙返り)を実施!!この低高度で頭の上に地面を見るなんて・・・正直かなりびっくりしました。
ロール旋回後は、上昇を継続し3000ft(約900m)でレベルオフ、前方にはワナカ市街地と真っ青なワナカ湖が見えきました。
ワナカ市街上空まで達すると教官の「You have control」お言葉、いよいよ操縦です。
初めての機体なのでまずはフィーリングの確認、操縦桿を左右にふり機動を見ます。あたりまえだけどすごくクイックに動き、セスナの様な遊びは全くありません。
そして、なにより驚いたのは空気をダイレクト感じれる事・・・機動性を出すための遊びの無い操縦系統が、逆に風などの空気の乱れをダイレクトに操縦桿や機体に伝えてきます。
ちょっとした風でもガンガンと体に衝撃がきます、そうですね、今まで乗った乗り物の中ではレーシングカートに乗り心地が一番近い感じがしました。
慣れるまでは遊覧飛行のようにワナカ湖上空を飛んでみます、Crescent島、Harwich島ととっても美しい景色を眺めながら西進しますが、西へ行けば行くほど山からの吹き下ろしで気流が悪くなってきました、ここは無理はせずに北へ旋回しSteavensons島の辺りをゆっくり(もちろん実際はかなり早いですよ)飛びます。
ここで教官が「I have control」、もちろんPIC(Pilot In Command:機長)の指示は絶対なのでおとなしく操縦を返します、すると教官はワナカ湖の湖岸に機を急降下!!もうすぐ地面というところで一転急上昇!!かなりの縦Gが体を下に押さえつけます、そして、そのままロール旋回、天と地がくるくる入れ替わる。ええっ!!飛行機ってこんなに動くの!??
すると教官「ロールしてみる?」、そりゃ、もちろんやりたい・・・でもやった事がない(普段乗っているセスナC172は性能上も、法律上もアクロバット飛行はできないんです)ので「やりたいから、デモしてよ」と返事する。
前席と後席の操縦桿は連動しているので、軽く操縦桿に手を添え教官の手の動きを覚える、意外と簡単のようだ。
要領は、まず軽く操縦桿を引き機首を上げる、これはロールで失う高度を確保する為、そしてある程度急な角速度で操縦桿を左に倒す、すると機はすうっと左回転、頭の上に地面が来る頃に一旦操縦桿を中立位置まで戻し、一呼吸、そして先程と同じ感じで左に操縦桿を使う、するとくるっと元にもどる・・・こんな感じ。
「おおっ、一発で決めるなんてやるじゃないか!!」お世辞だと思うけど教官が褒めてくれ、素直に嬉しい。
根がお調子者なので嬉しくなって湖上で左右に何度もロールをします、湖岸の人には狂ったようにくるくる回るジェット機が見えただろうなぁ、僕も下から見たかった。
実はこの体験操縦は約20分(ちなみにお値段は約16万円・・・)、時間はあっと言う間に過ぎ去りもう空港に戻らなくてはならない時間です。
教官に操縦を返すと機は街から離れて空港に向かい、離陸とは逆向きの滑走路RWY11に向かってぐんぐん高度を下げていきます、後ろで僕は考えます”さすが戦闘機!!こんな追い風でもあの短い滑走路に降りれるんだなぁ”・・・んな訳ない!!あまりにスピードが速いし、フラップも脚も出ていない!!僕「ローパスするの?」、教官「イエス!!」。
対地30ft(10m)で滑走路上を飛び、そのままランウェイヘディングで上昇、軽く左旋回のあと右旋回で小さく回って滑走路に向き直ります。連続で左右にGが掛かって胃が締めつけられ、若干吐き気が・・・。
機はRWY29に近づきますが相変わらずフラップも脚もでていない、スピードも速い・・・またローパス?もういいから下ろしてくれ!!・・・と思うが、同じパイロットの端くれとしての沽券に発言は出来ず・・・と言うか口に出す暇もありません。
やはりローパス、しかも上昇しながらロール旋回!!教官、サービス精神旺盛すぎます!!今度は右旋回で空港上空を横切り大きい左旋回で滑走路延長線上に乗る、ついにフラップが降り、後ろに引っ張られるように減速、次いで脚も下りました・・・今度こそ着陸です。
全く衝撃のない素晴らしい接地に思わず「Nice Landing!!」と口走ると教官からは「Thank you」の返答があった。
ワナカ空港の滑走路が何mかは知りませんが急激な減速はせず、滑走路をいっぱいに使って停止、滑走路上で180度ターンして誘導路へ進み、そのまま芝生エリアを越え格納庫前に駐機します。
「ふ〜っ」思わず大きな息をつき多少よろめきながら機を降りると、既に教官は牽引トラクターを機首車輪につないでいました。
教官が「サスペンションが伸びているので、後ろにぶら下がってくれないか?」と言う、格納庫の入り口の高さが垂直尾翼ぎりぎりなのでフライト後には接触する可能性があるとのことで、僕は後部エンジンの上辺りに手を掛けぶらーんとぶら下がる・・・機はぶら下がる僕を連れてそのまま格納庫に入庫・・・おつかれさまでした。
つなぎを脱ぎ、応接室で教官が淹れてくれた紅茶を頂きます、僕が日本から持ってきたお土産の「チョコ八つ橋」を渡すと教官は「これ以上太らす気かい?」と笑いました。
今日のフライトをログに記入し、教官から機長のサインをもらいます・・・多分、僕の人生で唯一のジェットの記入になるんだろうなぁ・・・楽しかったなぁ。
機長サインをしていた教官が僕が2日前にクライストチャーチで体験操縦したパイパーPA38(2人乗りプロペラ機)の機体識符号をZKーEYGを指差し「このZK−EYGは私がファースト・ソロ・フライトの時にに使った機体です!!懐かしい!!」と言いました・・・何か不思議なご縁です。
帰りは教官が車で今日の宿まで送ってくれました、フライト時間で僅か20分、トータルでもたった1時間の出来事とは思えないほど濃密な時間をすごすことができました。
それにしても素晴らしい体験でした!!ワナカ湖の綺麗な景色も存分に楽しめたし、L39Cも充分楽しませてもらいました。
搭乗だけでしたらライセンスのない方も可能ですので、興味のある方はぜひご体験頂ければと思います。
JETFLIGHTS WANAKA社です。

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  • JETFLIGHTS WANAKA社の格納庫です、舗装路面はつながっていませんでした。

    JETFLIGHTS WANAKA社の格納庫です、舗装路面はつながっていませんでした。

  • 今回搭乗したAERO L39Cアルバトロスジェット戦闘練習機、アイデントはZK−LLRでした。

    今回搭乗したAERO L39Cアルバトロスジェット戦闘練習機、アイデントはZK−LLRでした。

  • こちら横から見たL39Cの綺麗なフォルム<br />垂直尾翼が格納庫の入り口ギリギリです

    こちら横から見たL39Cの綺麗なフォルム
    垂直尾翼が格納庫の入り口ギリギリです

  • L39Cの後姿

    L39Cの後姿

  • JETFLIGHTS WANAKA社のパイロット グランツさん<br />以前日本人相手のガイドしていたらしく挨拶程度の日本語を話してました、本当にいい人です。<br />いろいろお世話になりました

    JETFLIGHTS WANAKA社のパイロット グランツさん
    以前日本人相手のガイドしていたらしく挨拶程度の日本語を話してました、本当にいい人です。
    いろいろお世話になりました

  • 僕のフライトのログ。<br />このページの上から4行目がこの時のフライトです。多分、僕の一生の中で唯一のジェット機の操縦になると思います・・・とても素晴らしい経験でした。

    僕のフライトのログ。
    このページの上から4行目がこの時のフライトです。多分、僕の一生の中で唯一のジェット機の操縦になると思います・・・とても素晴らしい経験でした。

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  • マー君さん 2013/12/25 01:27:18
    私も乗りたい
    ニュージーランドには、3回ほど行きました。
    スカイダイビィングもしましたが、戦闘機に乗って、操縦したいです。
    何処で、予約をすればよいか、教えてください

    jillluca

    jilllucaさん からの返信 2013/12/25 17:23:27
    RE: 私も乗りたい
    マー君さん

    こんにちは。

    > ニュージーランドには、3回ほど行きました。
    > スカイダイビィングもしましたが、戦闘機に乗って、操縦したいです。
    > 何処で、予約をすればよいか、教えてください

    私はJETFLIGHT WANAKAと言う会社にメールしてフライト時間や価格を交渉したのですが、すみません、今となってはメアドとかは分からないです。
    ただ、この旅行代理店(→http://www.tabi-nz.com/activity/sky_fighter_tjfw01.html)では今も扱っているようですので、今でもジェット戦闘機フライトはやっているんだと思いますので、この代理店にお問い合わせしてみたら如何でしょうか?
    なお、僕は操縦させてもらいましたが、それは日本のライセンサーだからだったのかもしれません、その辺りも確認頂いた方がいいかと思います。

    完全なお答になっていませんが、よろしくお願い申し上げます。

    jillluca

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