本牧三渓園１００周年の秋・リハビリ散歩

2006/12/01 - 2006/12/01

　来週から１００周年記念の「大人も子どもも入場料全員１００円という企画をニュースで聞いて、人気の園内の混雑が予想されるので身障者の自分は恐れをなして俄かに思い立って妻とリハビリ散歩をしようと思い立った。昔の海岸側の入り口まで根岸駅からのバスで行って歩いた。やっと自力で歩ける程度だが、勝手知ったる園内は見たいところだけ見ればよいのだ。カメラも杖と持ち替えての左手一本だから手ぶれはするし掌の位置にメニュー切り替えボタンなどがあって、不用意に触れて設定が変わるなど、時間がかかるうちに光が変わる。釣瓶落としの秋の夕暮れである。
　幸い全行程は自力で歩けた。帰りは「本牧三渓園前」バス停まで町並みを見ながら歩き根岸駅行きのバスで。
　想いだすと前回来たのは２年半前、脳梗塞で倒れる直前だった。こうやって歩けるのが奇跡みたいなものだ。
ありがとうの言葉を噛み締めながら歩いた。

エリア 本牧・根岸・磯子(神奈川)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 徒歩

バスを降り立つと上海市から送られたという庭園がある。薄ら寒い建物入り口は人気（ひとけ）が無く、日向で猫が日向ぼっこしていてカメラを構えるとちらと警戒の色。

上海市からの友好記念庭園は美しい佇まいを見せる。背景の崖を見ているとつい４０年ほど前までここが白砂青松の海岸だったことが信じられない。

もう夕方の三渓園入り口はシニアの団体が続々と出てきた。最後のひとが写った。どこのお方か知れないが、お許しあれ。

「海岸門」といわれる通り昔の海岸側の門だった。シニアのアマチュア・カメラマンが入り口に３脚を立てて撮ろうと待っているが、一向に途切れる様子が無い。

秀吉の母の「寿搭覆堂」（病の平癒を祈念して、生前に立てる墓を寿搭というらしいが、平癒したお礼に覆堂を建てた）後ろの見事なイチョウの落ち葉が美しい。

何の変哲も無いようなススキだが、ここで見ると風情を感じるから妙だ。

紅葉に急かされるように植木職人が冬支度に入っていた。まさか金沢・兼六園の「雪釣り」ではないだろうがいらない葉を落として万一降っても枝に負担がかからないようにしているのかもしれない。

書院造りの建物に紅葉が良く似合う好きな場所である。昔父母と行った京都・詩仙堂を想いだす。あれは春だったが。

空の色と紅葉と建物を一体的に捉えてみたかったが、バカチョン・デジカメと自分の腕では無理なようだ。

ススキに古建築は雨月物語の世界か。

いわゆる内苑で一番広いところだ。絵になるところ。

やはり画家がいた。新宿から来たという人で、Ｆ６スケッチの腕前から見るとプロ級だ。妻と水彩画の技法の話を始めて新宿御苑、奥多摩、小石川庭園、などなどのスケッチ画を見せていただいた。
新宿で年一回個展をやるという。

秋の風景の典型だ。

ひっそりと座ってござるお地蔵さんにも秋の気配がある。どこからござったん。

記念館で一休み。展示物は何度も見ているが後ろの庭園はこちらの気分で表情を変えるような気がする。
今日は「五体は貧しくても満ち足りた気分」。

鴨が渡来した。人になれた奴もいる。「鴨鍋はうまいだろうな」と言ったら発音が悪かったらしく妻は「鴨には英語はわからないよー」という。「カモンベイビー」と聞こえたらしい。そういえばよく似ている。

大きい鴨と小さい鴨といるようだ。茶店前でえさを与える人があると一斉に猛スピードで集まる。

天神さまの社と後ろの山の上に上弦の月が出ている。一画面に捉えるのは無理だ。

月の下の風景はどこか朧で夢のよう。晩秋の上弦の夕時の月はまた一塩切ない。

片隅に「彼岸桜」がチラホラと。紅葉のなかの白い櫻は意外性に富んでいる。

意外といえば「水仙の花とアザミの花」。同時共生は面白いじゃないかな？

池に映える原邸。かって一世を風靡した文人実業家人物の面影が偲ばれる。

望遠レンズで覗いた夕日に光るススキの穂波。

満天星はドウダン。ドウダンは緋色。緋色は文字。文字は緋文字Ａ。ざんげ色。

モンゼン町の小さくアメリカナイズされた住宅の一角。
根岸のアメリカンハイツはこの近くだったが、ミニチュアーセットみたいだなー。

この散歩も終わった。何とか歩けてありがとう。

この旅行記へのコメント （2）

• Rockyさん 2006/12/29 12:01:09

  何とか歩けてありがとう。

  teottoさん、こんにには
  
  ＞何とか歩けてありがとう。
  歩きは元気でますね。園内散歩旅行記楽しめました！
  
  ラスベガスから戻りましたRocky

  teottoさん からの返信 2006/12/29 13:15:27

  RE: 何とか歩けてありがとう。

  Rockyさん　ラスベガスに行っておられたのですか。雑誌「MY　Lounge」（カード会員誌）の今月号はラスベガス特集でした。行ったことはないので、「常に変貌する」と言われているそうですが、違いは判らないものの、世界中の金の使い道に困っている人たちが集まるところだろうと想像しています。
  ともかく良いお年をお迎え下さい。