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目を覚まし、腕時計を確認すると、すでにピックアップ時間の4時をゆうに超えていた。おかしい、目覚まし時計が何故か鳴っていない。確認するとセットした時間のまま針は止まっていた。がびーん、急いでパーチャックしなくては!(パーマンが変身するときの掛け声)秒速で荷造りをし出すと、バックパックのチャックがぽろーんと千切れてしまった。やっぱりグアテマラ製品はろくなもんが売っていないや。メゲズに目の前にあるものを無造作に全て詰め込み、家の外に飛び出るとすぐにグアテマラシティ行きのシャトルバスが現れた。ふー、何とか間に合ったゼ。<br /><br />  僕は1ヶ月滞在したアンティグアを跡にし、グアテマラ最大の見所といわれているティカル遺跡へ向かうことにした。グアテマラシティから大型バスに乗り換え、フローレスというポイントとなる町を目指す。約10時間のバスの旅。時間を有効に使うため、朝早くに出発したのだが、昨日の疲れはまったくとれていない。ちょっと動かすだけで体の筋肉が音を立てて軋む。今思えばマラソン大会の次の日にフローレスに向かうというスケジュール自体がそもそも間違っていたのだ。<br /><br />  バスのなかでツーリストと思われるのは僕だけだった。ほかの乗客はみんなグアテマラ人。しかも金持ちそうな人はいない。重い荷物を抱えているので仕事目的のようだ。途中で人が何度も乗降するためバスはちっとも進まなかった。安いグレードのバスを選んだのだから仕方ない。道のりは長いのだ、気楽に行こう。まずは腹ごしらえと思い、社内販売でやって来た叔母さんからトルヒージャを買う。マズっ。野菜のテンプラがはさんであるんだが、油が悪いのかベトベトのギトギトだ。水で流し込もうとペットボトルを開けようとしたら手が滑り、隣の人の股間にドボドボと半分ぐらいこぼれてしまった。ヤベッチ、ヤベ!!<br /><br />「ぺルドン×5!!(すいません×5倍)」といいながら謝る、僕。<br /><br />  明らかに隣の人は怒った表情をしている。すかさず持っていたタオルを股間に近づけたが、相手は断ってきた。「いや、いらない」と。大事なところを他人に触れられるのが嫌なのだろう。「でも相当股間、濡れていますよ?いいんですか。」と心の中で思いながらも、不味いトルヒージャを「食べる?」といって渡すがこれも拒否。二人の間に気まずい空気が流れる。相手は濡れた股間を拭こうともしない。おしっこ漏らしたみたいだけどいいのかな?とにかく寝て忘れてしまおう。時間が二人の関係をすべて解決してくれるはずさ。<br /><br />  何かが足に触れて目が覚めた。見ると大きなナイフケース。80センチはあるだろうか。足元には血だらけのダンボール。いつの間にか股間びちょびちょの隣人は去り、ナイフを持った猟師?に隣は入れ替わっていた。ダンボールの中身は鶏のようでまだピクピク少し動いている。うげっ!気持ち悪い。あのー、ナイフが大きすぎてずっと僕の足に当たって痛いんですけど。。。<br /><br />  突然、若い女性がすくと立ち上がった。大声で何か乗客に向かって話しかける。早口で何いっているかわからないが、どうやら宗教の教えのようだ。その教説は永遠30分以上も続いた。叫びすぎて途中で声が裏返り、勢いのあまり白目を剥いている。き、狂信的だ。教えに同調して一緒に叫ぶ乗客もいる。ひぇー、気持ち悪い!それでも乗客の人たちは何食わぬ顔でお布施を渡している。宗教とは恐ろしい、人をこれほど変えるものなのか。<br /><br />  その後だ。ものすごい異臭がし出した。どうやら一番後列にあるトイレからウンコの匂いがダイレクトに流れ出している。怖くて後ろを振り向けないが、誰か的を外したのか?それとも詰まったのか?こればかりは神の教えでは救うことはできなかったようだ。残念ながらこのバスは窓が開かない。仕方なく、乗客全員は鼻を抑え、口呼吸に切り替える。おいおい、この匂いのままバスは走り続けるのか?運転手、止まってくれ!僕はもう降りたい!<br /><br /><br />  フローレスについた僕は憔悴しきっていた。一刻も早くホテルのシャワーを浴びたいし、ベットで寝たい。すぐにバス停から近くのホテル街へ向かおうと、乗り合いのトックトクに乗る。次のカーブでそのトックトクはパンクした。おいおい、スペアタイアがあるとはいえ、何時動くんだよ?<br /><br />  ティカルまでは遠い、そう果てしなく遠い道のりなのだ。<br />

ティカルへの道のり@フローレス

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2006/11/21 - 2006/11/21

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フーテンの若さん

フーテンの若さんさん

目を覚まし、腕時計を確認すると、すでにピックアップ時間の4時をゆうに超えていた。おかしい、目覚まし時計が何故か鳴っていない。確認するとセットした時間のまま針は止まっていた。がびーん、急いでパーチャックしなくては!(パーマンが変身するときの掛け声)秒速で荷造りをし出すと、バックパックのチャックがぽろーんと千切れてしまった。やっぱりグアテマラ製品はろくなもんが売っていないや。メゲズに目の前にあるものを無造作に全て詰め込み、家の外に飛び出るとすぐにグアテマラシティ行きのシャトルバスが現れた。ふー、何とか間に合ったゼ。

  僕は1ヶ月滞在したアンティグアを跡にし、グアテマラ最大の見所といわれているティカル遺跡へ向かうことにした。グアテマラシティから大型バスに乗り換え、フローレスというポイントとなる町を目指す。約10時間のバスの旅。時間を有効に使うため、朝早くに出発したのだが、昨日の疲れはまったくとれていない。ちょっと動かすだけで体の筋肉が音を立てて軋む。今思えばマラソン大会の次の日にフローレスに向かうというスケジュール自体がそもそも間違っていたのだ。

  バスのなかでツーリストと思われるのは僕だけだった。ほかの乗客はみんなグアテマラ人。しかも金持ちそうな人はいない。重い荷物を抱えているので仕事目的のようだ。途中で人が何度も乗降するためバスはちっとも進まなかった。安いグレードのバスを選んだのだから仕方ない。道のりは長いのだ、気楽に行こう。まずは腹ごしらえと思い、社内販売でやって来た叔母さんからトルヒージャを買う。マズっ。野菜のテンプラがはさんであるんだが、油が悪いのかベトベトのギトギトだ。水で流し込もうとペットボトルを開けようとしたら手が滑り、隣の人の股間にドボドボと半分ぐらいこぼれてしまった。ヤベッチ、ヤベ!!

「ぺルドン×5!!(すいません×5倍)」といいながら謝る、僕。

  明らかに隣の人は怒った表情をしている。すかさず持っていたタオルを股間に近づけたが、相手は断ってきた。「いや、いらない」と。大事なところを他人に触れられるのが嫌なのだろう。「でも相当股間、濡れていますよ?いいんですか。」と心の中で思いながらも、不味いトルヒージャを「食べる?」といって渡すがこれも拒否。二人の間に気まずい空気が流れる。相手は濡れた股間を拭こうともしない。おしっこ漏らしたみたいだけどいいのかな?とにかく寝て忘れてしまおう。時間が二人の関係をすべて解決してくれるはずさ。

  何かが足に触れて目が覚めた。見ると大きなナイフケース。80センチはあるだろうか。足元には血だらけのダンボール。いつの間にか股間びちょびちょの隣人は去り、ナイフを持った猟師?に隣は入れ替わっていた。ダンボールの中身は鶏のようでまだピクピク少し動いている。うげっ!気持ち悪い。あのー、ナイフが大きすぎてずっと僕の足に当たって痛いんですけど。。。

  突然、若い女性がすくと立ち上がった。大声で何か乗客に向かって話しかける。早口で何いっているかわからないが、どうやら宗教の教えのようだ。その教説は永遠30分以上も続いた。叫びすぎて途中で声が裏返り、勢いのあまり白目を剥いている。き、狂信的だ。教えに同調して一緒に叫ぶ乗客もいる。ひぇー、気持ち悪い!それでも乗客の人たちは何食わぬ顔でお布施を渡している。宗教とは恐ろしい、人をこれほど変えるものなのか。

  その後だ。ものすごい異臭がし出した。どうやら一番後列にあるトイレからウンコの匂いがダイレクトに流れ出している。怖くて後ろを振り向けないが、誰か的を外したのか?それとも詰まったのか?こればかりは神の教えでは救うことはできなかったようだ。残念ながらこのバスは窓が開かない。仕方なく、乗客全員は鼻を抑え、口呼吸に切り替える。おいおい、この匂いのままバスは走り続けるのか?運転手、止まってくれ!僕はもう降りたい!


  フローレスについた僕は憔悴しきっていた。一刻も早くホテルのシャワーを浴びたいし、ベットで寝たい。すぐにバス停から近くのホテル街へ向かおうと、乗り合いのトックトクに乗る。次のカーブでそのトックトクはパンクした。おいおい、スペアタイアがあるとはいえ、何時動くんだよ?

  ティカルまでは遠い、そう果てしなく遠い道のりなのだ。

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