2006/11/19 - 2006/11/19
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ThePrincessさん
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今日は一日とても寒い日だった。
そんな中、出かけるのはとても億劫で、タクシーに乗るのさえ気が引ける。
予め開場の30分程前に着くように行き、ホール向かいのオー・バカナルでワインとニース風サラダで軽い夕食を取った。
雨だというのにホール前で開場を待っている人達が列を作っていた。
今日の演奏会はブーニンの来日20周年記念コンサートで、特別なコンサート。
私はまだ、とっても小さい時に彼の初来日のコンサートに行って以来、来る度になるべく行けるだけ足を運ぶようにしていた。
一人で電車やタクシーに乗れるようになってからは一人でも行くようになったが、初めの頃は常にママが付き添いで来てくれていた(勿論ママも、クラッシック好き)。
いつもは大抵、曲目を予め調べているのだが今日に限っては時間が無かったりしていたため、客席についてアナウンスがあって初めて知る。
パンフレットを買う時間も無かった。
前半は知らない曲目が1曲あったが、他はコンセルヴァトワール(音楽学校)時代に弾いた曲か、知っている曲。
休憩が20分あったのでシャンパンを飲もうと1階に降りたが、人に酔いそうだったので、パンフレットを購入してさっさと席に戻る事に。
後半の曲目を見ていると、最後の曲がショパンのポロネーズ。
「幻想ポロネーズ」・・・?
これって、同級生が弾いた曲だったかなー・・・と考えつつブーニンのエッセイを読んでいると、後半の始まる合図の代わりに、静かにホールが暗くなる。
最初の曲は、つい先日、家のグランドピアノで弾いてきたシューベルトだった。
なんたる偶然。
どうしてこの曲を弾いたのかは覚えていないが、アンプロムプチュを弾くかシューマンを弾くか考えていて、たまたま弾いた曲だった。
「わぁ・・・」
と、嬉しくなっていた。
曲はあっという間にラストポロネーズを残すだけとなった。
ブーニンがでてきた。
彼がもらす溜息の音も聞こえる。
『ダダーン、ダーン・・・』
ハッとした。
そう、私は勘違いをしていた。この曲は、私がコンセルヴァトワールの卒業演奏で弾いた最後の曲だった。
教授からも絶賛されたショパンだった。
こういうと安っぽいかもしれないが、今日のコンサートは予め私の人生において定められていた物のように感じた。
この曲を弾く直前に交通事故に遭い、とても辛い練習の日々だった事が思い出された。
卒業できないのではないかと思った事や、もうピアノが前のように弾けないのではないかと不安になった事も勿論あった。
そんな日々が、ブーニンの演奏によって初めて浄化されたというか、上手く言えないが、そんな夜だった。
20年目の記念コンサートの最後の曲がこの曲で、改めて私はもう一度ピアノを弾いてみようという気になった。
好き嫌いなんてあって当たり前、バッシングや叩かれるのもそれだけ知名度があるから。
人がなんていおうと、私にとっては永遠に憧れのピアニストである。
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
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この旅行記へのコメント (1)
-
- mozartさん 2007/01/18 21:03:42
- ブーニン懐かしいですね。
- こんばんは ピアノ弾かれるんですね。
ブーニンと言えば早弾きというイメージがあるんですが、最近の演奏スタイルはどうなんでしょう?
家にYAMAHAの自動演奏用のピアノがあるんですが、その中にブーニンの「熱情」(ベートーベン)があります。こんなに早く弾けたらいいよね。
このプログラムの中で私が弾けるのは「調子のよい鍛冶屋」(ヘンデル)だけです。
おじゃましました。
♪mozart♪
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