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マナグアの街は赤色に染まっていた。来月、政権選挙があるらしい。赤色は極左翼で最大野党のPLC政党のカラーで、支持者は赤いTシャツや帽子、旗を振り、通行人に支持を訴えている。特に貧民層に指示が強いPLCの選挙活動は熱狂的で、「ガンダム」に出てきたジオン軍を彷彿させる。一種の信仰宗教のそれに近い。<br /><br />  僕にとってマナグアという街は、ア・バオアクーのような紛争地域というイメージしかない。次の目的地はグアテマラの古都アンティグア。アンティグアは日本人も多く滞在し、比較的安全だと聞いて、そこを目指すことにした。一日でも早くマナグアを離れたいのだが、其処までの移動手段について迷っていた。<br /><br />  コスタリカから来たようにローカルバスを乗り継ぐ方法はコリゴリだ。次に国際バスといって中米の主要都市を経由するバスがある。値段も手ごろだが、マナグアの国際バス停が非常に危険で、エルサルバドルに一泊しないといけない。飛行機が一番早いが値段はバスの10倍する。現金を全て失った今、お金は非常に大事だ。<br /><br />散々悩んでいるところ、頭のなかでラーラの声が聞こえる。<br /><br />「安全な道を行くのよ。アムロ」<br /><br />わかった。体もまだ本調子ではないのでホワイトベースを使い、楽に移動することにした。お世話になった大使館に挨拶をし、ついでに空港までのTAXIを呼んでもらう。もう流しのTAXIはコリゴリだ。大使館の仲根二等書記官はブライトさんのように生真面目な方で、僕の体を何度も気遣ってくれた。<br /><br />  大使館からのTAXIはものすごいスピードで空港まで突っ走った。この運転手もPLCの支持者で赤い帽子を被っている。何でそんなに急ぐのか、シャアのように通常の3倍以上のスピードを出し、あっという間に空港に到着した。マナグアの空港は出来たばかりのようでとても綺麗だった。ボロボロのGパンにヨレヨレのTシャツ、スーパーの袋しか持っていない僕は空港のなかでは一番ミスボラシイ。<br /><br />  ちなみにこの空港には時計がひとつもない。僕は腕時計も盗られてしまっていたので、都度インフォメーションへ聞きに行く。セーラさんのように綺麗なお姉さんは流暢な英語で面倒くさがらず教えてくれた。当たり前だがニカラグアにもいい人はたくさんいる。<br /><br />  飛行機のなか、目を瞑ると強盗に襲われたシーンがフラッシュバックしてしまう。僕を騙した叔母さん。デギン・ザビのような大きなサングラスをしていた。二度と会うことはないが、彼女は絶対天国に行くことはないだろう。妄想のなかで血祭りにあげておく。<br /><br />  グアテマラシティーの空港に20時前に到着。そこからシャトルバス(コアファイター)に乗り換え、アンティグアへ直行。日本人宿のペンション田代は日本人旅行者の溜まり場で僕を暖かく迎えてくれた。「まだ、僕には帰る場所があるんだ」<br /><br />  強盗で現金、カバン(PC、カメラ、その他全て)、カード、携帯電話、ガイドブックなど全てを失った。でも五体満足で僕は生きている。ガンダムで喩えるなら、<br /><br />「まだだ。たかだかメインカメラをやられただけだ!!」<br /><br />そう、体は大丈夫なのだ。とりあえず旅をもう少し続け、メキシコまでは行ってみようと思う。<br />

脱出 めぐりあい宇宙編@マナグア

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2006/10/17 - 2006/10/17

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フーテンの若さん

フーテンの若さんさん

マナグアの街は赤色に染まっていた。来月、政権選挙があるらしい。赤色は極左翼で最大野党のPLC政党のカラーで、支持者は赤いTシャツや帽子、旗を振り、通行人に支持を訴えている。特に貧民層に指示が強いPLCの選挙活動は熱狂的で、「ガンダム」に出てきたジオン軍を彷彿させる。一種の信仰宗教のそれに近い。

  僕にとってマナグアという街は、ア・バオアクーのような紛争地域というイメージしかない。次の目的地はグアテマラの古都アンティグア。アンティグアは日本人も多く滞在し、比較的安全だと聞いて、そこを目指すことにした。一日でも早くマナグアを離れたいのだが、其処までの移動手段について迷っていた。

  コスタリカから来たようにローカルバスを乗り継ぐ方法はコリゴリだ。次に国際バスといって中米の主要都市を経由するバスがある。値段も手ごろだが、マナグアの国際バス停が非常に危険で、エルサルバドルに一泊しないといけない。飛行機が一番早いが値段はバスの10倍する。現金を全て失った今、お金は非常に大事だ。

散々悩んでいるところ、頭のなかでラーラの声が聞こえる。

「安全な道を行くのよ。アムロ」

わかった。体もまだ本調子ではないのでホワイトベースを使い、楽に移動することにした。お世話になった大使館に挨拶をし、ついでに空港までのTAXIを呼んでもらう。もう流しのTAXIはコリゴリだ。大使館の仲根二等書記官はブライトさんのように生真面目な方で、僕の体を何度も気遣ってくれた。

  大使館からのTAXIはものすごいスピードで空港まで突っ走った。この運転手もPLCの支持者で赤い帽子を被っている。何でそんなに急ぐのか、シャアのように通常の3倍以上のスピードを出し、あっという間に空港に到着した。マナグアの空港は出来たばかりのようでとても綺麗だった。ボロボロのGパンにヨレヨレのTシャツ、スーパーの袋しか持っていない僕は空港のなかでは一番ミスボラシイ。

  ちなみにこの空港には時計がひとつもない。僕は腕時計も盗られてしまっていたので、都度インフォメーションへ聞きに行く。セーラさんのように綺麗なお姉さんは流暢な英語で面倒くさがらず教えてくれた。当たり前だがニカラグアにもいい人はたくさんいる。

  飛行機のなか、目を瞑ると強盗に襲われたシーンがフラッシュバックしてしまう。僕を騙した叔母さん。デギン・ザビのような大きなサングラスをしていた。二度と会うことはないが、彼女は絶対天国に行くことはないだろう。妄想のなかで血祭りにあげておく。

  グアテマラシティーの空港に20時前に到着。そこからシャトルバス(コアファイター)に乗り換え、アンティグアへ直行。日本人宿のペンション田代は日本人旅行者の溜まり場で僕を暖かく迎えてくれた。「まだ、僕には帰る場所があるんだ」

  強盗で現金、カバン(PC、カメラ、その他全て)、カード、携帯電話、ガイドブックなど全てを失った。でも五体満足で僕は生きている。ガンダムで喩えるなら、

「まだだ。たかだかメインカメラをやられただけだ!!」

そう、体は大丈夫なのだ。とりあえず旅をもう少し続け、メキシコまでは行ってみようと思う。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • アル中さん 2006/10/19 20:03:22
    大丈夫ですか?
    だ、だ、大丈夫ですか?
    本当にビックリしました。

    山本さんの話をしている場合じゃなかった。

    何か、手伝える事があれば。。。

    とりあえず、旅を続けている様で、ホッとしました。

    悪い事の後には、きっと良い事があります!!

    無理せず、頑張って下さい!!

    フーテンの若さん

    フーテンの若さんさん からの返信 2006/10/20 09:19:42
    RE: 大丈夫ですか?
    アル中さん

    ありがとうございます。とても励みになります、いまは落ち着きゆっくりスペイン語を学んでおります!!人生らくありゃ苦もあるさてな感じでがんばっておりますので大丈夫です!!!次はいいことがあるにちがいないっす!!!

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