1996/10/21 - 2006/09/21
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52市村康さん
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50万?以上の産廃が不法投棄された豊島産廃不法投棄現場北海岸は、ダイオキシンやベンゼンや重金属などによって汚染された水が流れ込み、干潟のいきものの生息がとても出来ないようなヘドロの死の海になっていました。
2000年6月6日の公害調停成立を受けて暫定的環境保全措置が同年9月27日から始まりました。不法投棄現場北側に深さ18mまで鋼矢板を打ち込み止水壁とし、汚染水の干潟への浸出を阻止する対策がなされました。
2001年になってからは北海岸の産廃臭・化学臭がなくなり、磯の香りが戻ってきました。アマモの緑が目立ち始め、コアマモ帯ではオサガニの姿が目立ち始め、山陽放送でも報道され話題になりました。
いろいろないきものが、どんどん戻りつつある北海岸の干潟を歩いて撮り続けた記録です。
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96年12月1日不法投棄現場北側で。
黒い水のクリークが出来ている。
北側の干潟には一日120tのベンゼンやダイオキシンを含む汚染水が浸出していることが判った。 -
97年11月30日
北海岸は剥き出しの泥の壁でしかなく、黒いオイルのような汚染水が沁み出してていた。
台風で崩落の危険がいつもあった。 -
98年10月4日。
環瀬戸内海会議のメンバーが北海岸で生物調査をした。
産廃臭のする干潟に呆然とたちすくむ環瀬戸メンバー
底無し沼状態の場所もあった。 -
98年10月4日干潟を見渡した所
アマモは何とか残る部分も見えるが、黒く見える干潟の姿は無残であった。 -
99年8月15日
帰省した豊島住民の家族も現場視察に多く来ていた。
孫「じいちゃん、あれ、あの黒いんは何かのう?」
爺「汚染水が溜まっとるんや。」
孫「何か、海藻みたいなんが見えるけど・・・」
爺「ああ、あれはアマモぢゃ。けど今はヘドロまみれでとても中には入れんわい。けど、産廃が来る前はアサリが何ぼでも採れて、佃煮にして出荷しよったんぢゃ。今はもう、カニもアサリも影も形もないわい。」 -
99年6月6日
アースデイで現地見学会が行われた。
現場には技術検討委員会の試掘した穴が何ヶ所かあった。 -
99年9月12日
現場北部にあった黒い水のクリーク
高濃度のベンゼン・ダイオキシン・重金属などが溶け込んでいた。 -
99年11月28日
コアマモがまばらに生えていた。
産廃臭が強く、長くいられなかった。 -
2000年6月6日、ついに公害調停が成立した
-
2000年9月27日
暫定的環境保全措置による護岸工事が始まった。
泥の壁だった北海岸にまず石垣を築く為に石が投入されている。 -
2001年4月1日
現場北側で止水壁の工事が行われている。
鋼矢板が打ち込まれている。 -
2001年4月7日
打ち込まれた鋼矢板。
深さは約18mまで打ち込まれ、これで汚染水が海に流れ出るのが激減する事になった。 -
2001年6月24日
現場北側に止水壁が造られた。
深さ18mまで鋼矢板が2列に打ち込まれていた。 -
2001年7月22日
この頃から産廃臭が目立たなくなり、磯の香りが戻り始めた。アマモの緑色も目立ちだし、その変化に豊島の人たちも気づきはじめた。
でもまだコアマモとアマモの間に何も生えていない茶色の部分も目立つ。 -
2001年10月14日
恐る恐る干潟に入って見たが、もう底無し沼みたいな所は無くなったようで、しっかりとした踏み応えで安心して歩けるようになった。
繁茂したアマモに驚かされた。 -
2001年10月14日
オサガニがコアマモ帯で当たり前に見られるようになり、山陽放送でもニュースで報道されていた。 -
2002年6月9日
JAWANの辻淳夫さんを講師に豊島原論を開催した。
豊島公民館での講演会の後、北海岸観察会をやった。 -
2003年6月1日
台風の翌日、アオリイカの卵が打ち揚げられた。
アマモの根っ子に絡み付いて産み付けられていた。 -
2003年6月15日
大潮の干底になると、アマモの「大草原」が見られるようになった。 -
2003年8月23日
イボニシが卵を産んでいた。
イカや貝の卵がこの頃から目立つようになった。
命の連鎖がまたこの北海岸で大きく回り始めたようだ。 -
2004年6月19日
クルマエビも帰ってきた!
アマモの干潟には「当たり前」にいるいきものだ。
「当たり前」の干潟に戻ったという事だ。
ただただ嬉しく思った。 -
2004年6月19日
讃岐松平藩立栗林公園高校生物部が北海岸に調査に来た。
干潟に穴を掘っている。 -
2004年7月3日
テナガダコが石の下に隠れていた。
石の下や干潟の穴の中に棲んでいる。 -
2004年7月3日
イシガニが卵を持っていた。
豊島では「ガネ」と呼ばれ、人気の高いカニだ。
この干潟で卵を産み、代々生きていく命のつながりが回っている証拠だと思う。 -
2005年4月9日
2004年秋に大きい2つの台風が来て、干潟は痛んだ部分もあったが、春がきて、いきものの姿がまた見られるようになった。
この日はアカニシがオニアサリを捕食している所が見られた。肉食性のアカニシ一匹が生存する為にはその何倍もの餌になる貝などが居ないといけない。もう当たり前のようにアカニシが見られるので、他の貝類も居るはずだ。 -
2005年5月7日
初夏に産卵で海まで降りてくるモクズガニ。
写真は♂。
上海酔蟹のカニと近縁種。
豊島では「ズガニ」と呼び、イイだしがとれるので潰して味噌汁で食べている。 -
2005年5月8日
アースデイかがわin豊島で海岸清掃を行った。
観光地や海水浴場ではないのでここに訪れた人がごみを捨てる事は無いが、海から流れ着く発泡スチロールやペットボトルなどが多く、集めると大変な量になった。 -
2005年5月8日
環瀬戸内海会議によるアースデイ海岸生物調査で。
泡を吹くズガニ(モクズガニ) -
2005年5月8日
アースデイ海岸生物調査でマテガイもいた。
この年からマテガイが初夏には普通に見られるようになった。 -
2005年夏にはスナガニも戻ってきた。
豊島では「シオマネキ」と呼ばれていたカニで、砂浜に穴を掘って住む。
穴にスナを少しづつ入れてだんだん穴の入口まで出てこさせる遊びを豊島の人たちは小さい頃やっていた。豊島の子供達がもうすぐこの遊びができるようになる日も来るだろう。
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この旅行記へのコメント (3)
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- azalieさん 2006/10/04 19:14:17
- タイムリーでした!
- 初めまして。azalieです。
今日、NHK四国版のコーナーで豊島北海岸が放送されていました。
インタビューに答えられてた市村さんですよね?!
旅行記で見る海岸と全く違う海が映っていました。
みんなの思いに応えてくれる自然は、やはり素晴らしいですね〜♪
- 52市村康さん からの返信 2006/10/04 19:31:57
- RE: あら見てたのね
- NHK四国でもやってくれたようで、ついに面が割れてしまいました。
実は昨日の父の葬儀の後始末で全然TV見とらんかったんで・・・
ぢゃけど先週の木曜日のNHK高松の夕方と晩の地域ニュースで3分やっとって、多分今日やったんと同じのを父が病床で見てくれていて、先週喜んでいました。
その父が10月1日17:45分に脳梗塞で亡くなりました。
直前まで病床で話が出来た父の突然の死なのでまだ現実として受け止め切れていませんが、この3分間の映像だけでも見てくれて、本当にいい記念になりました。
豊島の不法投棄現場北海岸の変化を今日アップしました。
http://4travel.jp/traveler/teshimadas/album/10095867/
まだまだ↑は干潟の変容を追って更新というか進化を続けていきます。
見てくれる皆様、今後も豊島のいきものたちと人々の事をを忘れないで下さい。
- 52市村康さん からの返信 2006/10/04 19:35:28
- RE: RE: あら見てたのね
- ああ、そうぢゃ。
この旅行記を見てから掲示板に書いてくれたんぢゃねえ。
ありがとうございました。
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