2006/07/25 - 2006/07/31
25位(同エリア31件中)
鉄人60さん
海のピエロのパフィンと北極キツネ
島の人気者、パフィン(ツノメドリ・ウミスズメの仲間)を求め断崖絶壁を行く。カメラと三脚はガイドのエディ君が助けてくれた。一メートル横は崖下、足を踏み外せば荒海へ真っ逆さまに転落の危険をはらむ。日本では立入禁止の看板が立つ位、スリル満点の断崖の先端。強風が吹き荒れているので左手は草をしっかりと掴みながらの撮影。目の前を飛んでいくパフィンにシャッターが追いつかない。余り長く立っていられないのでその場にしゃがみ込んでしまった。荒海の音と強風に身も心も指も縮み上がる。もうこれ以上は無理と判断し帰ろうとガイドを促すが、小鉄は涼しい顔で双眼鏡を覗いている。断崖にしがみついている鳥たちの営巣は岩肌を白くするほどの数。
パフィンを求めて次の断崖へ。何しろこの島では一本の木も育たない。鳥たちは岩棚のスキ間で子育てをしている。風の無いときは岩棚へ出てくるのでその時がチャンスある。
写真写りがバツグンのパフィンは目からツノが生えているように見え、オシャレなオレンジ色の脚を持つ、まるで海のピエロのよう。岸壁の上から覗くと海のピエロたちは、すました顔で岩棚にいた。待望のご対面は望遠レンズが活躍、「カシャカシャ」と小気味の良い音にファインダーの中で思わず笑みがこぼれてくる。薄曇で光量不足であるのが少し心配だが、カメラを縦に横に構図を考えベストショットの一枚に身を乗り出す。
時折崖下から吹き上げてくる強風に三脚をしっかり固定させシャター音を繰り返す。小鉄は崖淵で双眼鏡を目から放せない。「オーイもっと崖から離れろ」心配をよそにその声は強風に打ち消される。
その時「アッ・キツネ」と小鉄の叫ぶ声「今そこからチラッと覗いたヨ」咄嗟にカメラを片手に崖の上へと駆け上がると、待っていたかのように「クヮーンクヮーン」と私を見つめて鳴いた。慌ててピントを合わせたが多分ブレて、いるかも知れない。私だけが見た幻の北極キツネ、キツネ目ではなく丸いつぶらな瞳がジッと見つめていた。何度と無く同じ場所を訪れたがそれっきり姿は現さなかった。町の中でも堤防でも何匹となくキツネを見たが何故か愛着が湧いてこない。やっぱり「あのキツネ」にもう一度会いたい。
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この旅行記へのコメント (3)
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- M-koku1さん 2007/12/12 06:00:17
- パフィン
- 鉄人60さん
はじめまして。
鳥好きのTAMkoku1です。
このパフィンはウンチしてるみたいですね。
うちのペットもこのポーズをして後ろずさりするとウンチです。
肩にちょっと力が入っているから、
伸びをする前かも。
鳥を見ていると、かつて恐竜だったということが実に良くわかります。
突然獰猛になったりします。
すると嘴を大きく開けて威嚇に入ります。
そんな時も肩を怒らせます。
小さい体を思いっきり大きく見せようと努力しています。
旅の専門家でいらっしゃるようですね。
素晴らしいお写真が一杯あることに気づきました。
今度ゆっくりお邪魔させていただきます。
- 鉄人60さん からの返信 2007/12/12 07:43:41
- RE: TAMkoku1さん へ書き込みありがとう
- セントポール島は多くのの鳥たちの生息地です
誰からも邪魔されず生きる姿は感動ものです。大自然の中で強風にあおられながら飛んでいる…
小さな鳥も動物も人間も皆同じ命です。是非ガラパゴスの写真展にもお越しください
http://www.tetujin60.com 地球の島めぐりのHPです
鉄人60 池内嘉正
- M-koku1さん からの返信 2007/12/12 22:27:06
- RE: RE: TAMkoku1さん へ書き込みありがとう
- ブックマークをつけておきました。
ガラパゴスの写真、おいおい見せていただきます。
今は、体調が悪くて、(特に目ですが)
昼間の仕事で、一杯一杯です。
冬休みにゆっくり訪問させてください。
今後ともよろしく
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